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定量PCRのデータ処理 トピック削除
No.4544-TOPIC - 2007/07/14 (土) 02:07:12 - PCR反応
現在ある遺伝子のKOマウスにおける、遺伝子発現の変化を解析しています。
定量は希釈系列を用いた比較定量で行っています。毎回の実験のWTマウス由来のcDNAを検量線作成のために使っています。
ここである遺伝子Aについて、あるペアではWT:KO=1:2
また別のペアでは遺伝子Aについて、WT:KO=1:3
の結果が得られたとき、グラフとしては
単純に数値を平均してWT:KO=1:2.5ということでいいのでしょうか?
よく論文にはWT(=1)にもエラーバーがついているのですが、どのように計算しているのでしょうか?

困っています。もしお分かりの方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いします。
 
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19件 ( 1 〜 19 )  前 | 次  1/ 1. /1


>PCR反応さん 削除/引用
No.4544-24 - 2007/07/23 (月) 14:18:02 - mom
STDを共通にしてデータを取り直すことで、上手く行きそうなのですね。結果がひっくり返ることはなさそうで、良かったですね。

>対応のある検定というのはこの場合は各WT-KOペアが同腹子であるということが重要なのでしょうか?とくにそれは関係なく、各実験で1ペアずつ比較を行っており、その結果をもとに検定しようとするからなのでしょうか?

書いておいてなんなのですが、この辺のところ、あまり自信がないのです。
薬物投与による変化をみる例としては、同一個人の投与前後の値を対応ありとして処理する例などがあります。
例として同一個体のデータが挙げられることが多いので、その他の場合がわかりにくいのですが、同一個体でなくても同一条件下でペアとして測られており、同一の特性を有するものは「対応あり」と考えられる、と私は理解しています。ただ、どういう場合が当てはまるのか、いまひとつ分りにくいと思います。

投与前後の値を対応ありとする場合、投与前後の値には相関があると考えているので、それを無視して対応のない検定を行うと、検出力が低下します。(現実には相関がなかった場合には、対応のない検定を行っても結果にあまり違いは出ません。)

今回は各実験が1ぺアということで、実験毎に差がある可能性がありそうでしたので、同腹子かどうかは考えていませんでしたが、「対応あり」とした方が良いかも、と思いました。
各実験が1ペアでなく、2ペア以上の回もある、となるとどのペアを対応させれば良いか分らなくなるので、事情が違ってきます。
同腹子の場合、各WT-KOペアが同腹子であると、データには相関があるかもしれません。ただ、1実験についてか1実験について例えばAの子のWT-KO、Bの子のWT-KOを各1組使って実験していれば、同腹子をペアとして対応をつける方法もあるかもしれません。
ただ、同腹子がもっとたくさんいて、2匹ずつ計4匹で実験した回がある、となると、どの2匹をペアにすれば良いかわからなくなります。

すっきりしなくて申し訳ありません。
PCR反応さんの今回のデータの場合、実験間誤差がそれほど大きくなければ、対応なしとして検定してしまった方が早いのかもしれません。対応のあるデータを対応なしとして検定した場合、検出力が落ちると聞いたことがあります。それでも差が出るなら文句はないだろ、ということですから、悩まないでいいかもしれません。

とりあえず結果報告 削除/引用
No.4544-23 - 2007/07/20 (金) 03:17:17 - PCR反応
とりあえずSTDサンプルを共通(大量に取得できるcDNA)にして、
2ペアについて実験をおこなってみました(すなわちPCR反応を2回)。
A1(WT)vsB1(KO), A2(WT)vsB2(KO)のn=2です。

結果1 まだ2ペアしかおこなっていないものの、異なる2回の実験間におけるA1とA2のinternal controlの発現unit数は同等 (個体も違っており、かつ同一反応内ではないのにも関わらず、10%の違いもありませんでした)。

結果2 それ以外の目的遺伝子X,Y,Zそれぞれについても、A1とA2間でのunit数の相違は1.5倍以内に収まった。

結果3 これまでやっていた結果と比較すると、unit数の数値としては当然変わっているものの、WT:KOの発現比は目的遺伝子X,Y,Zすべて同様の結果であった。

 よって、STDサンプルを共通にして、あとからn数を足していく方法でもなんとか解析できるような気がしてきました。WT:KOの比率もこれまでの結果と同じであることから、一応これまでの方法でも大きな間違いにはなっていなかったと思います。ある程度安心しました。ただ、STDサンプルは共通の方が比較としては適していると思うので、データを取り直そうと思います。

(無題) 削除/引用
No.4544-21 - 2007/07/19 (木) 22:09:10 - PCR反応
いろいろ教えて下さりありがとうございます。
もちろんtriplicateでもn=1です。あくまでWT,KOペア数がnになると思います。
 だいぶスッキリしてきました。まずは、共通のSTDサンプルを用いてunitを比較してみようと思います。ただ、ご指摘のとおり、WT同士でも個体or実験によってunit数に大きな差がでる場合は考えないといけません。そこが問題です。

 一回に全てのペアについてPCRを行うというのは、PCR装置のwell数的に難しいです。また、後日新たにマウスが生まれた等の理由で、n数を追加したい可能性もあるので、できれば避けたいです。

 あと一つmom様にお聞きしたいのですが、対応のある検定というのはこの場合は各WT-KOペアが同腹子であるということが重要なのでしょうか?とくにそれは関係なく、各実験で1ペアずつ比較を行っており、その結果をもとに検定しようとするからなのでしょうか?

 PCRとは話が違うのですが、一般的に1:2, 1:3, 1:1.5,...といった比が結果として与えられた時に、それが有意かどうか検定する方法はないのでしょうか?
もしご存じの方おられましたら教えていただきたいです

その2,3(これで最後) 削除/引用
No.4544-19 - 2007/07/19 (木) 16:40:33 - mom
<その2>
A群 vs B群
A1のtriplicateの平均値を「個体A1の代表値」、以下同様各個体の値を求める。
A1,A2,A3 vs B1,B2,B3 (各n=3)で検定する
測定のバラツキが無視されてしまうが、triplicateの平均値を求めているので、singleの測定値よりも「真値」に近づいていると考える。
この場合、個体差と遺伝子発現量の差を比較していることになる。
有意差があれば、A群(WT)とB群(KO)の遺伝子発現量には(個体差を上回る)差があるということ。

仮に、PCR反応さんのデータが共通のSTDを使っていたとすると、この方法でも良いと思いますが、検定する時には、前述したように(書き方が間違ってましたが)
A1-B1, A2-B2, A3-B3に対応があると考えた検定方法でも良い(←というより、対応をとる「べき」なのかも?)と思います。
お手持ちのデータでは共通のSTDをお使いでないので、この方法でまとめてしまうことには個人的には疑問があります。上手く説明できませんが。


<その3>
測定誤差と個体差を別のものとして考慮する
1)枝分かれ型分散分析
2)混合モデル(個体を変量効果、測定誤差はランダムな誤差とする)
これが一番、測定から得られた情報をフルに使っていると思いますが、多分、こんなことは皆やっていないでしょう。私には難しすぎてよく分りません。
私はやっている!という方がいらっしゃいましたら、ご教授いただきたいです。

2)で、「個体」を変量効果とするのではなく、「実験1,2,3」を変量効果とすることができると、もしかしてPCR反応さんのお持ちのデータのままで解析可能なのかもしれません。
と書くと、では<その2>でも個体差を実験誤差と考えれば良いのでは、といわれそうですが…そんな気もするのですが、なんか違うような気が。

その1 削除/引用
No.4544-18 - 2007/07/19 (木) 16:39:18 - mom
<その1〜3>に共通の前提条件
A1,A2,A3は別々の個体(WT)、B1,B2,B3は別々の個体(KO)
それぞれtriplicateでPCR、検量線用スタンダード(STD)を用いる(プラスミド or cDNA or PCR産物)

<その1>A1 vs B1 
triplicateのデータを用いて各n=3として検定する
この場合、測定誤差(PCR反応の誤差、分注等の操作誤差)とA1とB1の遺伝子発現量の差を比較していることになる。
有意差があれば、個体A1と個体B1の遺伝子発現量には(測定誤差を上回る)差があるということ。
個体差が考慮されていないので、これだけではWTとKOの違いか、単なる個体差かは不明。

PCR反応さんの現在お持ちのデータで、各回のデータでの検定を行った結果が一致していれば、個体を変えても再現性がありそうだと(つまり、個体差ではなくWATとKOの差だと)思えそうです。
WTのデータがこれまでに蓄積されていて、それと比べて差が大きそう、などというデータがあれば参考になるかもしれません。ただ、論文に出すとなると、どうしたものか悩みます。
共通のSTDを用いていれば、3回の繰り返し実験の結果をまとめても良いと思うのですが、STDが共通でないとなると、個人的には単純にまとめることに抵抗があります。

STDが共通であれば、3つの試験結果をまとめてA群とB群の比較をしても良いと思います(→<その2>へ)。

間違いだらけですみませんでした 削除/引用
No.4544-17 - 2007/07/19 (木) 16:37:29 - mom
すみません、わかりにくい箇所やら間違いやらが色々…

>さて、これで実験1と2の結果をまとめることができそうですが…

これは、共通のスタンダードを用いた検量線を使って測定すれば、というつもりでした。別々のスタンダードで測定したデータをまとめるという意味ではありません。

>A1(WT) とA2(KO)は同一個体サンプルですから

そんな馬鹿な!同時に実験したA1とB1, A2とB2, A3とB3を対と考えたのでした。

そしてchrisさん、
>あと、私もmomさんの知り合いがされているtriplicateの2個体を併せてn=6とするのは間違いだと思います。PCRでTriplicateする意味と実験で複数個体を用いる意味が違うので併せるのはおかしい気がしますね。

同意していただけて嬉しいです。知人に説明したときは「業界標準だから」みたいな言い草でしたので。
PCR反応さんの質問意図からずれてきていると申し訳ないのですが、解析方法についてもうすこししつこく書いてみます。皆様のご意見が伺いたいです&PCR反応さんのお役に少しでも立てばよいのですが…
長くなるので、分割して連続投稿にさせていただきます。申し訳ありません。

(無題) 削除/引用
No.4544-16 - 2007/07/19 (木) 14:06:05 - S
プラスミド作製が駄目なら、
目的バンドをゲル抽&精製したものをSTDとしてもいいですよね。

これでも結構きっちりいくしコピー数も計算できます。


また、cDNA化してしまえば凍結融解をなるべく避ける形で凍結保存すれば長期間保存可能と思います。

(無題) 削除/引用
No.4544-15 - 2007/07/19 (木) 12:23:41 - chris
もし、PCR反応さんの例でいうA1(WT)とB1(WT)で書いた検量線がほぼ同じ式、つまり傾き切片がほぼ同じならば、momさんの言うような方法で、実験1と実験2を便宜上併せることは可能だと思います。同じ検体を検量線作成に使用しているならば、momさんの方法は正しいと私は思います。(Triplicateがあまりにもばらつく場合は考えた方が良いかもしれませんが・・・)
しかし、PCR反応さんの場合、A1とB1はやはり違うサンプルですから、いくら傾き、切片が同じでも両実験を併せてデータ解析というのはおすすめ出来ません。

あと、私もmomさんの知り合いがされているtriplicateの2個体を併せてn=6とするのは間違いだと思います。PCRでTriplicateする意味と実験で複数個体を用いる意味が違うので併せるのはおかしい気がしますね。

また、TriplicateしているのはPCR誤差を修正するためなので、Triplicateしたデータで検定をするのはおかしいのではないかと個人的には思います。私も統計に詳しいわけではありませんので自信はありませんが、この場合データは確かに群として扱うことが出来るかもしませんが、実際のところ個体としては1:1ですよね?それでは結局個体間の誤差を考慮した実験にはならないように思います。この方法だと、たまたま発現の高い者と低い者をピックアップしてTriplicateしたデータで検定をすれば有意ということになってしまいかねませんか?

個人的にはmomさんのおっしゃるnが集まってからまとめてPCRが一番良い気がします。

P.S.プラスミド作成んは遺伝子組み替え施設を考慮せねばなりませんでしたね。うかつでした。もしPCR反応さんのラボが組み替えが無理な施設でしたらプラスミドの件は忘れて下さい。

私もわからないのですが 削除/引用
No.4544-14 - 2007/07/19 (木) 11:46:16 - mom
検量線に関しては、chrisさんのおっしゃるとおりだと思います。私は以前、目的とする遺伝子の発現が多いサンプルをプールして検量線用にしていました(PCRはできても遺伝子組み換え用施設がない環境だったので)。

さて、これで実験1と2の結果をまとめることができそうですが…

>ここで、実験1と2の結果をまとめ、平均、SD等を出してグラフを作製しようとします。A1(WT)とB1(WT)のunitで平均やSD等を出すことは可能ですが、両者とも近い値です。私は他に方法が思い付かないのでこれでやって、最後にWTの方を1としてグラフに表現しているのですが、A1(WT)とB1(WT)における遺伝子Xの発現量が仮に10倍離れていても、両者ともunitとしては、ほぼ同じ値(0.01unit)が出ます(検量線をそれぞれのcDNAで作製しているため)。

A1(WT)とB1(WT)のunitで平均やSDを出すとき、PCR反応さんはどう計算されていますか?知り合いにそれぞれtriplicateなので、n=6として計算した人がいますが、私はそれは間違っていると思っています。A1のtriplicate内の誤差と実験間の誤差は違うもので、後者の方が明らかに大きいからです(もちろん、実測データの数値上では逆の結果が出ることもあり得ますが)。

実験内誤差と実験間誤差を考慮して検定することは可能ですが(線型混合モデルなど)、PCRの解析でそのようなことをしている人はあまりいないように思います…。私は実験内誤差を無視する形になりますが(実験間誤差の方が明らかに大きいという理屈をつけて)、triplicateの平均値をA1の値とし、A1,B1,C1…の平均値とS.D.を求めます(AからCまでならn=3)。あまり自信がないので、皆さんはどうしているか、非常に興味があります!

PCR反応さんの場合、実験間でWT/KOは一定値に近くてもunitの数値には差がある可能性がありますと、私の方法ですとS.D.が大きくなり、t検定では差がつきにくくなるかもしれません。A1(WT) とA2(KO)は同一個体サンプルですから、対応ありとしてpaired t検定の方が良いように思います。が、これも個人的な意見ですので、他の方のご意見を伺いたいです。(あるいは、nがたまってから一度にPCRすることは不可能でしょうか。)目的遺伝子が複数あって多重性を調整しようなどと考え出すと死にそうなので、考えたくありません。

(無題) 削除/引用
No.4544-13 - 2007/07/19 (木) 10:47:27 - chris
>例えば、「海馬組織での遺伝子変化を測定する際に、検量線作成には他の個体の全脳由来のtotal RNAよりRTしたcDNAを用いる。」
ということは大丈夫でしょうか?

可能です。PCR反応さんの読まれた本のとおり、目的の遺伝子が含まれているサンプルでかつ使用する組織に近いものであれば基本的に何を使用しても問題ありません。
使用頻度が多そうな場合はスケールアップして逆転写し(通常全量20μLで逆転写をするところ40μLにするなど)、実験を通じて同じcDNAを検量線作成用に使用できるようにしていました。

しつこいようですが、そこまでされるならプラスミドを作成しても良いように思うのですが、逆転写のバイアスなども考慮したいということでcDNAを使用されるのでしょうか?確かにプラスミドはcDNAを使用したときよりもPCR効率が上がる傾向があるのはありますが・・・

(無題) 削除/引用
No.4544-12 - 2007/07/19 (木) 02:18:16 - PCR反応
chris様
コメントありがとうございます。やはり同じサンプルを検量線作成に使った方がいいのですね。

 しかし、例数(実験数)が増えるに従い、A1(WT)のcDNAだけがすごくたくさん必要になりますね。この点が問題です。
 例えば、「海馬組織での遺伝子変化を測定する際に、検量線作成には他の個体の全脳由来のtotal RNAよりRTしたcDNAを用いる。」
ということは大丈夫でしょうか?なにかの本で、基本的に検量線作成用のサンプルは目的遺伝子の配列を有しているものなら何でも可というのを見たことがあります。さらに形状が似ているものが望ましいということもあると思うので、おなじtotal RNAをRTしたcDNAという点では、可能のような気がします。
これでしたら、すべての実験において、同じサンプルを検量線作成に使用することが量的にできそうなのですが。

(無題) 削除/引用
No.4544-9 - 2007/07/18 (水) 22:37:34 - chris
PCR反応さんの行われていることが何となくわかりました。
残念ながらPCR反応さんの行われている系ではリアルタイムPCRの結果としては実験1と実験2の結果を併せて考えることは難しいでしょう。
確かにその系ではどうがんばってもWTの「1」にエラーバーはつきませんね。

私の書いた任意のユニットを使用して定量する方法は、毎回同じサンプルをスタンダードとして使用するのが前提です。例えば実験2の検量線を引くためのサンプルに実験1のA1のサンプルを使用するということです。そうすれば算出されるユニット数は任意とはいえ常に同じ尺度で測定されていることになります。

実験1と実験2の間で共通するサンプルがPCRに入っていない以上、この2つの実験を併せて考えることは通常リアルタイムPCRではできないと思います。
手数ではありますが、どうしても実験1と2のデータを併せたいのであればもう一度PCRを行うのが良いと思います。

ご存じだとは思いますが、スタンダード用のプラスミドの作成もそれほど手間ではありません。
もしこれからもその遺伝子の定量を行うのであれば、作成されてはコピー数での算出を考えられてはいかがでしょうか?

度々ありがとうございます 削除/引用
No.4544-8 - 2007/07/18 (水) 21:39:40 - PCR反応
chris様ありがとうございます。サンプルの平均でそれぞれのサンプルを割るというのはノザンやウエスタンのときやっていました。

 Unitの定義に関しては既にやっています。RT反応の反応液の原液を1unitと定義しています。この度の問題をもう少し具体的に書くと、
マウスA1(WT)とA2(KO)のペア、B1(WT)とB2(KO)のペアがおり、それぞれのペアは同腹子です。

実験1
A1(WT)由来のcDNA 1/10,1/100,1/1000で遺伝子Xについての検量線をつくり、それを用いて、A1(WT)1/100とA2(KO)1/100における遺伝子Xの発現量を比較します。当然unitの値として、A1(WT)はほぼ1/100=0.01になります。A2(KO)については仮に0.02になったとします。
internal controlでも同様に測定します。A1(WT)、A2(KO)共に同じ 0.01 unitであったとします。
ここで実験1の結果として、
遺伝子Xの発現量はA1(WT):A2(KO)=1:2となります。

実験2
B1(WT)由来のcDNA 1/10,1/100,1/1000で遺伝子Xについての検量線をつくり、それを用いて、B1(WT)1/100とB2(KO)1/100における遺伝子Xの発現量を比較します。当然unitの値として、B1(WT)についてもA1(WT)同様、ほぼ1/100=0.01になります。B2(KO)については仮に0.03になったとします。
internal controlでも同様に測定します。B1(WT)、B2(KO)共に同じ 0.01 unitであったとします。
ここで実験2の結果として、
遺伝子Xの発現量はB1(WT):B2(KO)=1:3となります。

ここで、実験1と2の結果をまとめ、平均、SD等を出してグラフを作製しようとします。A1(WT)とB1(WT)のunitで平均やSD等を出すことは可能ですが、両者とも近い値です。私は他に方法が思い付かないのでこれでやって、最後にWTの方を1としてグラフに表現しているのですが、A1(WT)とB1(WT)における遺伝子Xの発現量が仮に10倍離れていても、両者ともunitとしては、ほぼ同じ値(0.01unit)が出ます(検量線をそれぞれのcDNAで作製しているため)。この点がこの方法でいいのか不安になっているところです。絶対量がわからない以上しょうがないということで常識となっているのであれば、それでよいのですけども。これだけ定量PCRが普及している割には、このあたりの計算方法がよくわかりません。ぜひご存じの方よろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.4544-7 - 2007/07/18 (水) 10:10:33 - chris
以前一度ABIのテクニカルのヒトと定量法について話したことがあるのですが、検量線を書くときに使用するサンプルは基本的にcDNAでもプラスミドでもTotal RNAでも良いようです。
ただ、cDNAだと明確なコピー数などが出しづらいのでArbitary Unitなどの任意のユニットを定義するとわかりやすくなるそうです。例えば、希釈していない原液のcDNAを10~5と定義し、あとは10倍系列で希釈して目的のサンプルのユニット数を算出するという感じです。あとはそれを平均してSDなりSEなりを算出しても問題はありません(もうそのようにやられているのでしょうか?)
テクニカルのヒト曰く、統計的に100%正しいかは自信がありませんが、多くの先生がそうされてますと言っていました。

余談ですが、私がその方法をやっていて困ったのは、通常内在性コントロールのユニット数が目的遺伝子のユニット数を大きく上回ってしまうため、単純に内在性コントロールのユニット数で割り算してしまうと、つまり内在性コントロール1ユニットあたりの目的遺伝子のユニット数にしてしまうと、目的遺伝子のユニット数が0.001などごくわずかなユニット数になってしまうことです。それでは0.001と0.005では実際は5倍の差があるのに、グラフなどにすると全然差が無いようグラフになってしまいます。
内容を知らないヒトにそのデータを見せると0.004の差って何か意味があるの?と聞かれてしまいました。その後は、内在性コントロール1000ユニットあたりの目的遺伝子のユニット数を表示するなどしてグラフを工夫しています(これはプラスミドを使用してコピー数を出す場合も同じようにしています)。

あと、相対的な値を算出する場合ですが、私はもっぱらユニット数か比較CT法を使用するので確実なことは言えませんが、WT群の平均値を1とする場合、WT群の平均値でWT群の各サンプルの値を割り算してWT群の平均を1とした場合WT群は群内でどのくらいばらつくのかを算出してはいけないのでしょうか?
例えばWT群がn=3で数値がa=3.0, b=3.5, c=2.8だったとします(アルファベットはサンプル名)。
この3サンプルの平均は3.1です。この3.1でそれぞれの値を割ると、a=0.97、b=1.13、c=0.90となります。この3つの数字を平均すると1になり、標準偏差は±0.12となります。
この方法を使用すればWT群にもエラーバーはつけられますよね?
ただ、この方法はPCR反応さんの投稿を見て思いついただけで、この方法を使用して論文投稿などをしているわけではないので、絶対大丈夫とは言えません。もし間違っていたらどなたか指摘して頂けると助かります。

ありがとうございます 削除/引用
No.4544-6 - 2007/07/18 (水) 00:41:16 - PCR反応
無知様ありがとうございます。
絶対量はわからないのですが、
WTのcDNAを1/10,1/100,1/1000..と希釈して検量線を作成し、同時に1/100のサンプルを発現量測定のためにtripricateで測定しています。
KOのcDNAは1/100のサンプルをtripricateで測定しています。こちらは検量線を作らないので1/100のものだけです。
そして両者を比較しています(実際にはinternal controlも測定し補正もしています)。

 この方法だとWTの発現量はいつも0.01(=1/100)前後になります(実際には少し実験上の誤差はでますが)。各実験すなわち各WT,KOペアにおいてWTの発現量はどのペアにおいても検量線をその都度作成しているので、0.01前後になります。

 現在は、この値を平均してWTにおける誤差(SEM)を出しているのですが、これが正しい方法なのか不安です。

(無題) 削除/引用
No.4544-5 - 2007/07/17 (火) 10:36:19 - 無知
統計について詳しくなく的外れかもしれませんが。

値をコピーナンバーにすれば、エラーバーをつけることが出来ますよね。

私もよく論文で基準の「1」の値にエラーバーがついてるのを見てどうやっているのだろうと思っていました。
ご存知の方おられましたら教えてください。

ありがとうございます 削除/引用
No.4544-3 - 2007/07/17 (火) 02:43:45 - PCR反応
chris様ありがとうございます。
 リンク先の情報は既に知っているのですが、User Bulletinの例では同一反応内にすべてのサンプル(n=6)が入っているので、平均や誤差等が簡単に出せると思います。

 問題は私の実験のようにWTとKOマウス1ペアずつ(もちろん測定サンプル自体はtripricateですが)で実験していき、ある程度n数が集まった後に結果をまとめようとするときにどうすればよいのか困っております。各実験においては、発現比が結果としてWT:KO=1:Xのように得ることができますが、その後の統計処理方法がわかりません。
なお、これまでずっと検量線を用いた比較定量をしているので、Ct法は使用していません。

 Lucアッセイやウエスタンでの発現変化等の実験においても同様の疑問をもっています。定量PCR関連というよりは統計処理方法に関する問題だと思いますが、もしお分かりの方がおりましたら、よろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.4544-2 - 2007/07/14 (土) 21:39:40 - chris
とりあえず、レスがないようなので。
http://www.appliedbiosystems.co.jp/website/jp/biobeat/contents.jsp?COLUMNCD=76448&COLUMNPGCD=76449&TYPE=C&BIOCATEGORYCD=7
を参考にしてみてください。

単にWTに対してKOが何倍というのを出したいのであれば、比較CT法を使用することもできます。
http://www.appliedbiosystems.co.jp/website/SilverStream/Objectstore/General/04303859rev.B.pdf
を参考にしてみてください。

定量PCRのデータ処理 削除/引用
No.4544-1 - 2007/07/14 (土) 02:07:12 - PCR反応
現在ある遺伝子のKOマウスにおける、遺伝子発現の変化を解析しています。
定量は希釈系列を用いた比較定量で行っています。毎回の実験のWTマウス由来のcDNAを検量線作成のために使っています。
ここである遺伝子Aについて、あるペアではWT:KO=1:2
また別のペアでは遺伝子Aについて、WT:KO=1:3
の結果が得られたとき、グラフとしては
単純に数値を平均してWT:KO=1:2.5ということでいいのでしょうか?
よく論文にはWT(=1)にもエラーバーがついているのですが、どのように計算しているのでしょうか?

困っています。もしお分かりの方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いします。

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