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(無題) 削除/引用
No.3040-27 - 2006/09/23 (土) 22:46:20 - シュン
> ただ、「シングルコロニーは単一のプラスミドしか含まない」というテーゼについては、シュンさんご指摘の通り理論的にも妥当な結論ではないし、実験的にも条件によってはこれに反する結果が出たということで、少なくとも無条件に成立するものではないという事は頭の隅に置いておいた方がいいのではないでしょうか。そうすれば、非常に微量の他のプラスミドの混入も問題になるような実験の場合には、コロニーを一度引き直してシングルコロニーを取るなどの対策が取れると思います。

以前の私の理解の中では、不和合性については実に漠然としたもので、「不和合性があるから大腸菌の中では1種類のプラスミドしか維持されず、これによって形質転換後の大腸菌シングルコロニー中には1種類のプラスミドだけが維持され、遺伝子クローニングが可能となる」そして、不和合性とは「同じ複製機構を持つプラスミドは大腸菌の中では2種類が共存することはできない」という程度の理解でした。しかし、不和合性について詳しく調べていくうちに不和合性とは大腸菌1つ1つの細胞については、2種類の同じ複製機構によって制御されるプラスミドは共存しないが、形質転換後に2つ以上のプラスミドが大腸菌1細胞に入った場合は、コロニーレベルで1種類のプラスミドしか維持されないというのはおかしいのではないかと思うようになりました。
これについては、Tさんが非常に詳しく実験をされた結果によって私の疑問はほぼ完璧に払拭されました。つまり、不和合性の理論からも導きだされる様に、「シングルコロニーは単一のプラスミドしか含まない」というのは間違いであり、見かけ上、つまり制限酵素処理後の電気泳動のレベルでは、1種類しか含まれていない様に見えても、PCRのレベルではいくつかのコロニーの中には1種類以上のプラスミドを含むことがあり、このわずかに含まれる別のクローンは、厳密な実験を行うときには問題になるかもしれないというTさんの結論です。それでは、厳密な実験とはどのようなものがあるのでしょうか?現在多くの研究者は、組換え用ホストとして大腸菌を使い、大腸菌内でプラスミドを構築して最終的には異種のホストに形質転換してその表現系を確認したりしていると思います。問題となる点は、シングルコロニーの大腸菌からプラスミドを増やして、制限酵素処理やシークエンスにより確認したものでも、次のホストに形質転換してシングルコロニーをもう一度とった場合、このシングルコロニーが目的のクローンではない可能性があるということです。Tさんのご助言の様に、もう一度大腸菌を引き直してシングルコロニーを取り直すのも手であるかと思いますが、最低限できることとしては、異種のホストに再度形質転換したときは必ず数個のコロニーをとってその表現系を確認することを怠らないことではないかと思います。この辺は、皆さんルーチンにやられていることだとは思いますが。
とりあえず、私の疑問は解決しました。出題者さんが「済み」にされていながらも、私の個人的な疑問にいろいろ意見を頂き、本当に感謝いたします。特にTさんの説得力のある実験結果には感謝いたします。

(無題) 削除/引用
No.3040-26 - 2006/09/22 (金) 10:04:19 - T
> Sさん、

まあその辺りは個々の実験条件やライゲーション、トランスフォーメーションの効率によって違うでしょう。

ちなみに私がルーチンにやっているサブクローニングでは、通常はトータルで千のオーダーでコロニーが生えてきます。この条件で実験しても同じ問題が生じそうなので、手持ちの材料で簡単に可能な別の実験をしてみました。

Y2H で生えてきたイーストのコロニーから調製したプラスミドがあります。これは bait plasmid と prey plasmid の混合物で、ベクターはいずれも Amp 耐性、ColE1 origin です。このミックスを大腸菌にトランスフォームし、生えてきたコロニーを幾つか拾ってミニプレップし、prey plasmid が取れたものが保存してありました。ご存じとは思いますが、イーストから調製できるプラスミド量は非常に僅かで、私が使っていたキットの説明によればトータルで 0.01-0.3ng との事です。大腸菌トランスフォームに使ったのは、その更に10分の1なので、効率の良いコンピテントセルを使っても生えてくるコロニーは数個から数十個です。これは書かれていたサブクローニングの条件に近いと思います。

さて、上記の prey plasmid のミニプレップを用いて、bait plasmid 特異的なプライマーで PCR をかけてみました。そうしたところ、4種類中2種類でやはり bait plasmid のバンドが出現しました。別の目的でサブクローニングにより作成した prey plasmid ではバンドは出ないので、やはりこの場合も、シングルコロニーの中に二つのプラスミドが混在しているという事を示しています。

まあこの場合も使っているのはインタクトな ccc のプラスミドなので、ライゲーションプロダクトとはまた違うかもしれません。きりがないのでこの辺にしますが、疑問がおありでしたらぜひご自分で確認されて、ここで報告していただけるとありがたいです。

> シュンさん、

私もそのように理解しています。
ただ、現実の実験でどうかというのは、個々の実験のパラメータによって違ってくるでしょう。大腸菌のストレインによって、ベクターの種類によって、あるいはインサートの性質によってコピー数も違えば複製の早さもゆらぎの程度も異なると考えられます。トランスフォーメーションの効率にしても、私が実験した条件ではかなりの割合で一個の大腸菌に複数のプラスミドが入っていましたが、限りなくプラスミドを薄めていけば、大腸菌1個あたりプラスミド1個しか入らないということも当然予想できます。ケミカルトランスフォーメーションかエレクトロポレーションかによっても違うでしょう。ですから、必要であれば自分の実験系で確認する事が不可欠だと思います。

ただ、「シングルコロニーは単一のプラスミドしか含まない」というテーゼについては、シュンさんご指摘の通り理論的にも妥当な結論ではないし、実験的にも条件によってはこれに反する結果が出たということで、少なくとも無条件に成立するものではないという事は頭の隅に置いておいた方がいいのではないでしょうか。そうすれば、非常に微量の他のプラスミドの混入も問題になるような実験の場合には、コロニーを一度引き直してシングルコロニーを取るなどの対策が取れると思います。

(無題) 削除/引用
No.3040-25 - 2006/09/21 (木) 19:39:34 - シュン
不和合性に関する私の理解を例をあげて文章にしてみました。

1)形質転換により1つの大腸菌細胞に同じコピー数調節機構で増えるプラスミドA, B2つがそれぞれ1つずつ入ったとします。

2)大腸菌の中でこのプラスミドのコピー数の制限が1細胞中で50個とします(コピー数調節機構は、TさんやPAGEさんがあげられた通りです)。よって、A+Bが50になるまでそれぞれのプラスミドは、大腸菌1細胞の中で複製されます。このとき、複製は25Aと25Bと均等にならず、23Aと27Bという風に不均等に”たまたま”増えたとします(これが”ゆらぎ”と言うことですかね?)。

3)次に、大腸菌は、分裂するとき、それぞれのプラスミドを”たまたま”不均等に分配します。娘細胞には10Aと17Bそして、母細胞には13Aと10Bとします。

4)娘細胞について更におって行くと、娘細胞中で50コピーまで増えた段階で、また、不均等な複製が起こって、17Aと33Bという風になります。

5)このような、均等になることもあるでしょうが、不均等にもなるという”ゆらぎ”によって、これを繰り返して行く内に大腸菌1つの細胞には最終的にはプラスミドBだけが維持されて、Aは排除される?この排除と言う言葉が何か選択的に取り除いているイメージを植え付けるのかもしれません。排除ではなく、”ゆらぎ”によって、”たまたま”、プラスミドの複製、細胞の分裂の繰り返しの中でAが落ちてしまい、最終的にプラスミドBしか持たない大腸菌細胞ができてしまう。

以上が、私の不和合性に関する理解なのですが、これからすると大腸菌1つ1つには1種類のプラスミドしか入らないのはわかります。しかし、例えば母細胞を追って行ったとすると恐らく母細胞由来の細胞の中にはAだけを持つ細胞もできてしまう様に思えます。このように考えると大腸菌1つ1つはそれぞれ1種類のプラスミドだけどコロニーレベルではモザイクになる可能性はあるように思えますが、いかがでしょうか?

ちなみに、AとBがそれぞれ独立のコピー数調節機構で増えたとするとこのようなことは起きずに、50Aと50Bになるので分裂を繰り返しても両方のプラスミドは維持されるということです。

かなり長い文章になりましたが、何か私の理解に間違いがあるのでしょうか?間違いがあれば教えて頂ければ幸いです。

一点だけ・・・ 削除/引用
No.3040-24 - 2006/09/21 (木) 17:01:26 - S
 はじめまして。実験の結果、興味深く拝見いたしました。

 非常に納得した反面、一点、腑に落ちない部分があります。
transformに用いた10ng というプラスミド量、total で数万コロニーの出現というのは普段の実験条件からかけ離れているのではないでしょうか?

 通常のライゲーションからトランスフォーメーションする実験条件で出現するコロニーはせいぜい100個程度であり、この場合はrate limiting 仮説が正しいように思います。

(無題) 削除/引用
No.3040-23 - 2006/09/20 (水) 15:58:58 - T
> 今で言うところのRNAiでもってプラスミドの不親和性を決定しているという報告があります。

Inhibitor-Target type の複製調節機構ということで、先に挙げた総説の中で解説されています。ちなみに ColE1 もこのタイプの複製調節が行われるようです。プラスミド不和合性の基礎をより深く知りたい場合には、まずこの総説を読んでみると良さそうです。私はさすがに全部読む気にはなれませんが。

(無題) 削除/引用
No.3040-22 - 2006/09/20 (水) 13:22:47 - PAGE
J Bacteriol. 1987 Dec;169(12):5353-63.
Transcriptional pausing in a region important for plasmid NR1 replication control.Dong XN, Womble DD, Rownd RH.

今で言うところのRNAiでもってプラスミドの不親和性を決定しているという報告があります。参考までに。

このトピレベル高すぎ。 削除/引用
No.3040-21 - 2006/09/19 (火) 23:44:44 - へえー
このトピレベル高すぎ。

(無題) 削除/引用
No.3040-20 - 2006/09/19 (火) 23:33:03 - T
> 選択圧は数学的説明に勝つ(優先される)

というわけではないと思いますよ。
むしろシュンさんが最初に指摘されたとおりで、分配や複製の揺らぎで不和合性が生じるのであれば、理論的には当然の結論です。

ちなみに総説 "Plasmid incompatibility" Microbiol Rev. 51:381-95(1987) によれば、incompatibility の定義は "Inability (of two or more plasmids) to be comaintained without external selection" ということなので、選択圧をかけた場合は複数のプラスミドを安定的に保持できるというのは知られた事実なのではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.3040-19 - 2006/09/19 (火) 23:03:14 - e
Tさん、実験をありがとうございます。非常に驚きました。例の数学的説明は有名な定説になっているはずです。選択圧は数学的説明に勝つ(優先される)ということで責任は持てませんが、論文になる可能性ありかと思いました。しかし、報文があったとしても古いから調べにくいでしょうねえ。

個人的な印象としてなんですけど・・・ 削除/引用
No.3040-18 - 2006/09/19 (火) 22:57:31 - そば
大腸菌の株によってもプラスミドの選択圧が違うような気がしてるのですが、同じような印象をお持ちの方はいらっしゃいますか?

何種類ものベクターが混在しているライブラリー使ってトランスフォームした場合、増殖の早い大腸菌ではシングルコロニーを突いてもシークエンスの波形に混じりが生じやすく、増殖速度が普通の大腸菌では波形に混じりが生じにくいという経験則のようなものを持っているのですが・・・。
僕だけの迷信ですかね?

(無題) 削除/引用
No.3040-17 - 2006/09/19 (火) 18:39:20 - T
> 今回の実験では、AmpまたはKanのどちらかの薬剤で選択圧をかけているので1種類のプラスミドがドミナントになるのは薬剤による選択圧によるものであるように思えます。

その通りだと思います。
選択圧がかからない状態、あるいは両方に等しくかかる状態ではどうか?というのは、また別問題です。

> 例えば、同じAmpの選択で別のプラスミド上のある遺伝子の一塩基変異だったら、同じ様に1種類のプラスミドがドミナントになるか疑問です。

現実には、ほぼ等量の2種類のプラスミドをトランスフォームする実験(ベクターの EcoRI サイトに EcoRI フラグメントを挿入した場合など)でも、ミニプレップで取れるプラスミドは普通はどちらか一方がドミナントになりますね。ゆらぎその他で理論的に説明可能なのかどうかは分かりませんが。ただ、今回の実験からは、ゲル上では一種類に見えても、僅かにもう一方のプラスミドが混入している可能性も高いことを示唆しています。

極少量の混入も問題になるような微妙な実験においては、リクローニングしてシングルコロニーを拾う操作が必須ですね。

(無題) 削除/引用
No.3040-16 - 2006/09/19 (火) 17:35:49 - シュン
Tさん、ご苦労さまです。私もやってみようとプレートまで作りましたが、なかなか時間がなくて出来なかったので本当に興味深く読ませてもらいました。


> Amp plate 276
> Kan plate 220
> Amp+Kan plate 153

思ったより両方のプラスミドが入っているのでびっくりですね。

>
> 次に、Amp plate から10個のコロニーを拾って Kan plate に引き直してみたところ、3個でコロニーが出現しました。
>
> さらに、同じ Amp plate から4個のコロニー(うち1個はKan plate でコロニー出現したもの)を拾ってミニプレップしたところ、Kan でコロニーが出なかった3個は pBlueScript の1本のバンド、Kan でコロニーが出た1個については pBlueScript と pCMV-Tag と思われる2本のバンドが出ました。
>
> このミニプレップのプラスミドをテンプレートにして、pCMV-Tag 特異的なプライマーで PCR(35サイクル)を行ったところ、4種類の全てで pCMV-Tag 由来と思われるバンドが出ました。Amp コロニーを再度 Amp plate に引き直し、シングルコロニーを拾ったプラスミドではバンドは出ませんでした。

PCRまでされたということに、Tさんの研究に対する好奇心の強さと実験の緻密さに本当に感心します。それにしてもPCRで検出できるレベルで結構、プラスミドが1つのコロニーの中にミックスになっているのにはびっくりしました。

>
> まとめると、少なくとも今回の条件では、
> ・トランスフォームの際に1個の大腸菌に複数のプラスミドが入る

> ・この大腸菌がコロニーを形成した場合、多くは1種類のプラスミドがドミナントとなる

この結論については、私は少し疑問を持ちます。今回の実験では、AmpまたはKanのどちらかの薬剤で選択圧をかけているので1種類のプラスミドがドミナントになるのは薬剤による選択圧によるものであるように思えます。
 例えば、同じAmpの選択で別のプラスミド上のある遺伝子の一塩基変異だったら、同じ様に1種類のプラスミドがドミナントになるか疑問です。もし、そのような1種類のプラスミドがドミナントにならないのであれば、普段よくやっている部位特異的変異は、変異の入っているものと入っていないもののモザイクになっている可能性が結構あるということで本当に恐ろしいです。

> ・しかし、もう一方のプラスミドも少量存在している
> ・再度シングルコロニー化すると、完全に一種類のプラスミドになるため、最初のコロニー中の個々の大腸菌の多くは一種類のプラスミドのみを保持していると考えられる
> ・以上から、最初のコロニーは2種類のプラスミドを持つ菌のモザイク状態である可能性が高い

よく昔先生が、菌を植えつぐ時は必ずシングルコロニーをピックアップしなさいと言われたのが漸く意味がわかった様に思えます。
 最初の形質転換後のコロニーはいろいろなクローンのモザイクである可能性が高いが、一度、菌を継代すれば、不和合性によって個々の大腸菌は1つのプラスミドしか持っておらず、それから生じるシングルコロニーはシングルクローンになるということなのですかね。

Tさんの実験結果は、本当に私の疑問をわかりやすく解決してくれました。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.3040-15 - 2006/09/19 (火) 14:10:10 - T
実験してみました。
pBlueScriptII (ColE1 ori, Amp耐性)とpCMV-Tag3A(ColE1 ori, Kan耐性)を10ngずつ混合し、定法通りにXL2-blue にトランスフォームしました。その100分の1量をプレートに蒔いて出現したコロニー数は、
Amp plate 276
Kan plate 220
Amp+Kan plate 153
でした。Amp 耐性あるいは Kan耐性のコロニーを形成する大腸菌のうち、かなりの割合のものはトランスフォームの時点では Amp, Kan 両方に耐性であったと推定できます。

次に、Amp plate から10個のコロニーを拾って Kan plate に引き直してみたところ、3個でコロニーが出現しました。

さらに、同じ Amp plate から4個のコロニー(うち1個はKan plate でコロニー出現したもの)を拾ってミニプレップしたところ、Kan でコロニーが出なかった3個は pBlueScript の1本のバンド、Kan でコロニーが出た1個については pBlueScript と pCMV-Tag と思われる2本のバンドが出ました。

このミニプレップのプラスミドをテンプレートにして、pCMV-Tag 特異的なプライマーで PCR(35サイクル)を行ったところ、4種類の全てで pCMV-Tag 由来と思われるバンドが出ました。Amp コロニーを再度 Amp plate に引き直し、シングルコロニーを拾ったプラスミドではバンドは出ませんでした。

まとめると、少なくとも今回の条件では、
・トランスフォームの際に1個の大腸菌に複数のプラスミドが入る
・この大腸菌がコロニーを形成した場合、多くは1種類のプラスミドがドミナントとなる
・しかし、もう一方のプラスミドも少量存在している
・再度シングルコロニー化すると、完全に一種類のプラスミドになるため、最初のコロニー中の個々の大腸菌の多くは一種類のプラスミドのみを保持していると考えられる
・以上から、最初のコロニーは2種類のプラスミドを持つ菌のモザイク状態である可能性が高い

ということで、
> 2つプラスミドの入ったコロニーがとれないのは本当?
に対する答えは「ウソ」です。

引用 削除/引用
No.3040-14 - 2006/09/15 (金) 10:53:35 - MM
先のレスで引用した本をご紹介します。数学セミナー増刊(1980)入門現代の数学(10)自然現象と確率過程p83−96です。図書館でご覧下さい。

(無題) 削除/引用
No.3040-13 - 2006/09/11 (月) 23:18:15 - e
>コロニーで一つのプラスミドだけが維持されるということではないように思いますが。一つの細胞ということであれば、MMさんの言われている理屈は納得できます。

いえ、実質的にはコロニーで(コロニーが生じるくらい分裂した後には一つのプラスミドしか見かけ上残らない)、なぜそうなのか?ということだと思います。シュンさんも(私もです)ご経験のように。

結局、Oriの違う2種のプラスミド(AmpかCM抵抗性)とOriの同じ2種のプラスミド(AmpかCM抵抗性)で同じコンピテントセルを使いAmpとCMで二重選択すれば真実が定量的に分かるかも?やったことある人いると思うのですが。

(無題) 削除/引用
No.3040-12 - 2006/09/11 (月) 22:35:09 - シュン
>[Re:10] eさんは書きました :
> >2種類の選択マーカーで同じ複製機構のプラスミドを形質転換すれば2つプラスミドの入ったコロニーがとれるというのは理解できます。
>
> 大腸菌ではこれが起こらないと言われていて、それが不和合性ですよね?

不和合性というのは、同じ複製機構の2つのプラスミドは、一つの大腸菌細胞では、維持されず、いずれどちらか1つのプラスミドを排除して一方のプラスミドだけが維持されるということで、コロニーで一つのプラスミドだけが維持されるということではないように思いますが。一つの細胞ということであれば、MMさんの言われている理屈は納得できます。

確かに積極的に廃除しているシステムがあたかもあるように見えますが、いろいろ考えていると形質転換効率がrate-limitingになっているのが一番自分では納得がいきました。

質問を変えると 削除/引用
No.3040-11 - 2006/09/11 (月) 21:01:32 - e
>2種類の選択マーカーで同じ複製機構のプラスミドを形質転換すれば、、、

2つプラスミドの入ったコロニーがとれないのは本当? (本当といわれていると思うんですが。)

「複製効率の差から数の揺らぎ・偏り」よりも2つの強力な選択圧の方が優先するような気がするんですが。大腸菌専門の研究室の方に知ってるヒトがいるかもしれませんね。

(無題) 削除/引用
No.3040-10 - 2006/09/11 (月) 20:52:00 - e
>2種類の選択マーカーで同じ複製機構のプラスミドを形質転換すれば2つプラスミドの入ったコロニーがとれるというのは理解できます。

大腸菌ではこれが起こらないと言われていて、それが不和合性ですよね?

>これは古典的問題で、数学セミナーの1980年代の増刊号に出ています。

この文献を当たるのがいいのでしょうが、、、アクセス不能。イマイチわからない。

>出題者さんが既に理解して「済み」としているところをいろいろほじくりかえしてすみません。

同感。

(無題) 削除/引用
No.3040-9 - 2006/09/11 (月) 20:50:06 - Bio
 そんなことありませんよ。いろいろ自分も、勉強になります。大腸菌のプラスミドの問題は難しいですね。知らない教授もいるかも・・・ 

(無題) 削除/引用
No.3040-8 - 2006/09/11 (月) 20:39:18 - シュン

> いや、そんな事はないですよ。
> 例えば、選択マーカーの違う2種類のプラスミドをミックスして transform してみると分かります。形質転換効率が rate-limiting であれば、2分子入ったものはほとんど現れないはずですが、実際にはやや効率が低めになるくらいで、オーダーが変わるほどではありません。大腸菌ではあまりやりませんが、イーストではツーハイなどでごく一般的なやり方ですね。

なるほど。確かにイーストでは、2つのプラスミドを同時に入れることは良くやりますし、結構入ります。ただ、イーストの場合は、シングルコロニーをとっても同じ栄養要求性のプラスミドでも結構プラスミドが2つ入っていることがあります。ただ、シングルコロニーをとって、もう一度プレート上でシングルコロニーを形成させると一つしかプラスミドが入っていないものがとれます。

私は、これまで大腸菌のコロニーをとって2つの同じ複製機構のプラスミドが同時に入っていたという経験は、全くありません。しかし、不和合性の理論から考えるとどうしてもシングルコロニーで1つのプラスミドしか持っていないといのは理解できないのですが。確かに、2種類の選択マーカーで同じ複製機構のプラスミドを形質転換すれば2つプラスミドの入ったコロニーがとれるというのは理解できます。
大腸菌のコロニーをとって2つのプラスミドが入っていたことがないというのはただ気付かなかっただけなのでしょうか?いま一つ、しっくり来ません。
出題者さんが既に理解して「済み」としているところをいろいろほじくりかえしてすみません。

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