遺伝子組み換え生物の取り扱いについては、法的には「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」通称カルタヘナ法で規制されています。この法律では遺伝子組み換え「生物」が規制の対象ですが、この場合の「生物」の定義は
第二条 この法律において「生物」とは、一の細胞(細胞群を構成しているものを除く。)又は 細胞群であって核酸を移転し又は複製する能力を有するものとして主務省令で定めるもの、ウイルス及びウイロイドをいう。
となってまして、具体的には「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律施行規則」において
第一条 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(以下「法」という。)第二条第一項の主務省令で定める一の細胞(細胞群を構成しているものを除く。)又は細胞群(以下「細胞等」という。)は、次に掲げるもの以外のものとする。
一 ヒトの細胞等
二 分化する能力を有する、又は分化した細胞等(個体及び配偶子を除く。)であって、自然条件において個体に成育しないもの
と定められています。つまり、一般的に使用されているような株化細胞は個体に生育しませんから上の第一条第二項に該当して法律の対象外です。一方、大腸菌は生物のカテゴリーに入るので規制の対象です。
今の日本ではカルタヘナ法関連以外に遺伝子組み換え生物に対する法的な規制はありませんから、法律に関する限り、大腸菌は滅菌して廃棄し、培養細胞はそのまま捨てて間違いではありません。もちろん、実際にはさらに個々の実験機関のローカルルールが関わってきます。 |
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