私はほとんど条件検討をしない人間です。MgSO4入りバッファーを使い、MgSO4の濃度を変えるということはまずしません。ただ、Mg++を上げるとプライマーがアニーリングしやすくなり、増える可能性がでてきて(実際ノンスペも増えてスメアーになりがち)、ノンスペがある時は下げるとなくなる可能性がある(目的のバンドもよくなくなる事がある)。
dNTPはそのバッファーに添加されていますか?もう一度確認してはどうでしょう。私はバッファーにdNTPがすでに添加されている商品を見たことがありませんので(新商品は確実に見落としてますけど)。指摘濃度は0.2-0.5mMでしょうか。dNTPはMg++の効果を干渉する効果が幾らかあるようですが、普通いじる事はないと思います。
まずバンドが全くでない時はアニーリング温度を出るまで下げると言うのはします(最低の温度は50度としてます)。プライマーのTmは参考にはなりますが当てになりません。ただしちょっと困ったことはアニーリング温度が低くて全くバンドが出ないこともまれにあります。
ノンスペが期待している場所より高い位置に出る時、伸長反応時間を短くすることで、長いノンスペの合成を抑えれる可能性があります。逆に低い位置にある時は長めに取ります。アニーリングの時間が長めのほうが、PCRの効率がいいです(ー30s)。PCRをかける時DMSO10%添加と0.5Mベタイン添加のチューブを同時に用意すると、かからないから加えようということはなくなるので手間が省けると思います。
あとはホットスタートが有効なことがありますので、私はいつもホットスタートでPCRする事にしてます。
私が一番よくやる方法は条件の検討より酵素(メーカー)を変えるか、プライマーデザインを変えて注文し直すです。そちらのほうが劇的な改善がある場合が多いですし、条件検討は組み合わせを考えると無限にあるわけで、きりがなくでかかる可能性も分からないことを考えると深入りしたくないと思うからです。
テンプレートはゲノムですか?ゲノムの場合、個体の配列のバリエーション(SNPsなどの配列の違い)でかからない可能せいはありませんか?これは調べれる時と調べれない時があると思いますのでそういう意味でもプライマーのデザインのし直しと言うのは有効なことがあります。 |
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