まずRNAiによるノックダウンが観察されない原因をもう少し詳しく調べると良いと思います。考えられることとしては、
1. 細胞に対するplasmidの導入効率が悪い
2. 設計されたRNAiの配列がノックダウンの作用を持っていない
3. RNAiの標的となるタンパク質が非常に安定であるため、RNAiでmRNAを減少させてもタンパク質に翻訳されているものが多量に残っており、検出されてしまう
などです。
1.はGFPを発現するようなplasmidで検討が可能です。論文で使用されているような細胞とリポフェクション試薬の組み合わせでも、細胞の性質は培養された期間、場所によって結構変わってしまうものなので必ずしも高効率化はやってみないと分からないものだと思います。
2.は外注で作成した配列がノックダウンを実際に保証したものであるか、ある特定の計算方式によって何割以上かの確率でノックダウンの成功を保証したものであるかを調べる必要があります。
もし後者であれば自分で確認する必要があります。遺伝子導入効率がよい細胞にFLAG,HAなどのエピトープを付加した目的タンパク質を発現するベクターと、検討したいRNAiベクターを同時に導入すると、ある時間からの転写に対するRNAiの効きを検証できるので便利かと思います。
RNAi配列に問題が無くても導入効率があまりよくないようであれば薬剤による選抜を行わないとノックダウンが観察されないこともあります。
ベクターよりもsiRNAを導入する方式の方が細胞への導入効率がいいのでどうしても導入効率が改善されないようであればそちらも検討した方が良いと思います。 |
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