違う会社の抗体でやってみて同じようなシグナルが出るかどうか見てみればどうですか。今使っている抗体自体の問題なのか、cytochrome cに由来する意味のあるものなのかが分かると思います。cytochrome c なら抗体持っている所も多いと思うので、どこかから訳を話してtestに必要な分もらうのがいいと思います。ネガティブな可能性としては、60KDa付近だと抗体の質によってはケラチンと反応することがあります。この場合は50~60KDaに近接した数本のディスクリートなバンドが出ます。(原因はおそらく不適切な抗原調製に起因するとおもわれます。アフィニティー精製すると改善されます)。動物組織などだと内在性igGのHeavy鎖が出る事があります。CytoCは低分子量蛋白質なのでキャリア蛋白質にコンジュゲートして免疫しているかもしれません。キャリア蛋白質にもしBSAを使っていると培地あるいは血液/体液由来のalbumin(60~70KDa)と強く反応してしまう事もあるでしょう。
意味のある可能性として、SDS resistant なオリゴマーを形成している可能性があります。低分子量蛋白質ではたまにそういうことは経験します。アーティファクトなのか、そういうものが生理的条件下で形成されているのかは判断が難しいですが。なおこれらは非共有結合で、boilingを避けたり、かなり数日間室温でSDS中に置く事であるていどまではモノマーに解体できる場合も多いです。
共有結合により分子間架橋形成している可能性もあります。チロシンやリジン、アルギニンなどアミノ酸残基の酸化修飾、トランスグルタミナーゼによる架橋反応、リジルオキシダーゼによるリジンのアルデヒド化などS-S結合以外にも蛋白質が分子間架橋を作る例はいろいろ知られています。 |
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