一般に、タンパク質精製に使われるバッファーは塩濃度が高いです。
例えば、イオン交換クロマトグラフィーをするならば、
最終塩濃度は0.5 M だったり、1 M だったりします。
また、バッファーに他の物質(グリセロールやイミダゾール、グルタチオンなど)が溶けている場合もあります。
さらに、pHも8.0程度の弱アルカリにすることが多いです。
そのような高い塩濃度や溶質、pHが、次のアッセイに影響を及ぼす可能性があるので、
溶媒を生理的な条件(150 mM NaCl, pH7.4)に整えるために、透析を行います。
また、バッファーでなければならない理由としては、
水に緩衝能がなく、環境からの気体の溶け込みなどによって、
簡単にpHが変動してしまい、これが原因となってタンパク質の変性や、
アッセイの変動を引き起こす可能性があります。
以上のような点で、バッファーを置換する必要があるわけです。 |
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