以前ヒトPBMCをマウスへ移植する実験を行なっていました。
SCIDマウスはかなり古典的に使われていた系統ですが、その後NOD/SCIDが出来てからはNOD/SCIDが多用されるようになったと思います。
SCIDが使われていた時代に作製されたモデルが、いわゆる”SCID-hu"と言われるものです。
NOD/SCIDの方がより免疫不全なためヒトPBMCに対するマウスの拒絶は少ないですが、MφやNKなどがまだ残存していますので、ある程度は拒絶されます。それを回避する方法として、γ線照射+抗asialo-GM1抗体を用いてそれらの細胞を除去する手法が確立されました。
その後、NOD/SCIDからさらにcommon γ chainをKOしたNOGマウスをいうのが京大と実中験から開発され、現在はこのマウスが多く用いられているのではないでしょうか(最近の文献をトレースしていないので詳細はわかりませんが)。
また、NOD/SCIDへPBMCを移植すると主にT細胞が定着し、造血幹細胞を移植するとB細胞が優位に定着します。
この辺の偏りをNOGマウスは解消した、という報告もあるそうです。NOGに造血幹細胞を移植することであらゆる免疫細胞の定着が確認された、という報告もありますよ。 |
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