パラフィン切片の厚さが影響している可能性はありませんか?
単純に厚い切片は、全体に濃くBGが高く見えます。
極端に切片が厚いと、スライドへの張り付きが甘く、さらにBGが高くなる原因になります。
パラフィン切片は、意外と「厚さ」を揃えるのが難しいです。6マイクロと設定しても、実際には4マイクロだったり8マイクロだったり、かなりブレます。
切片はご自分で切っていますか?
自分で切ると、切片の厚さが「ほんの少しの条件の違いで、切片ごとに違う」のを実感できると思うのですが、どうでしょう?
厚いと白っぽく、薄いとより半透明に見えます。よく見れば違いは明らかなので、私は機械の設定よりも、自分の目の方を信じて切片を取捨選択します。
パラフィンは温度によって簡単に膨張したり収縮するので、切る時のブロックの温度と室温が極端に違うと、厚さの違いが大きく出ます。パラフィンは基本的に温度が低く、湿度が高いほうが薄く切りやすいようです。でも、冷蔵保存しているブロックを室温で切る場合、ゆっくり切っていると、つまり1枚目を切ってから2枚目を切るまでの時間が長いと、どんどんブロックが膨張し、設定した厚さより厚く切れてしまいます。
厚さの違いは、染色する前でも、その透明度からだいたい予想できます、厚い、薄いの判断を染色前にメモしておき、BGの濃さと相関があるか調べてみてはどうでしょう。染色前に違いがわからない、というのでしたら、また別の理由なのかもしれませんが、可能性の一つということで、お知らせします。
これは、一般的に組織染色に定量性がない、一つの理由でもあります。 |
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