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Western blotサンプルの凍結融解 トピック削除
No.13157-TOPIC - 2025/11/09 (日) 13:43:22 - kae
いつも参考にさせてもらっています。
基礎的な質問で恐縮ですが…

数か月前からWestern blotをやりはじめているのですが、蛋白質サンプルは凍結融解を繰り返しても大丈夫と教わり、そのようにしています。
ただ、Collagenを検出しているのですが、一回目の時よりも、二回目の時の方がバンドが薄い気がしてなりません。露光時間はAuto設定でやっていますが、露光時間も30sec→50~60secに伸びています。
GAPDHのバンドは特に変化を感じません(短冊切りにして、別メンブレンとして撮影しています)。

RIPAバッファーでプロテアーゼ阻害剤入りのものを使っています。サンプルは、マウス骨髄ライセートです。蛋白質が分解されてしまっているのか、その他の手技的要因なのか分からず悶々としております。

そこで手間でもサンプルを小分けにして保存した方がいいのか悩んでいるのですが、皆様はサンプルはどのように保管・使用しているでしょうか。よろしくお願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.13157-9 - 2025/11/11 (火) 11:48:54 - おお
SDSPAGEで流すときに1gの蛋白に1.4から1.7gのSDSがつくことから、これ以上のSDSが溶液に必要となります(原理に忠実な計算をすれば)。その状態でボイルして完全に変性させて置けば理屈上蛋白は変性状態で保存が可能と言えます。SDSサンプルバッファーを必要量いれてボイルすればほぼそのような状態になります(大抵のレシピは終濃度1から2%)。

別にLysisするときはRIPAでもいいですが(サンプルバッファーや高濃度SDSで溶出するのとRIPAで溶出するのでは溶出され方が違うのでそれを見極めることになる)、SDSPAGE用サンプル調製したあと保存するのがいいと思います。ただしそれでも完璧ではないでしょうからそんなに容量が小さくなくてもいいから分注しておくほうが無難かと思われます。

RIPAで保存するのはIPするとか何か活性を見ないといけないとかいう場合などでしょう。

ところでコラーゲンってボイルで徐々にアグってくるとかないでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.13157-8 - 2025/11/11 (火) 08:24:40 - TS
SDS0.1%だと加熱は微妙な気がしますね。熱変性でタンパク質が逆に沈殿する気がします。わたしは0.3%とか0.5%SDSのLysis bufferを使っていますが、そのくらいだとソニケーションやホモジナイズ後に加熱できます(タンパクも可溶化するし、プロテアーゼも不可逆的に失活できる)。

rthyんmさんもおっしゃっているように、RIPAの組成にこだわらず、ご自身の実験に合わせてLysis bufferのレシピを変えることもできるかと思います。ラボにある一般試薬でいろいろなLysis bufferは作れるはずです。活性測定などがないなら、変性して保存しておくのが安全でしょう。

(無題) 削除/引用
No.13157-7 - 2025/11/10 (月) 22:50:17 - rthyんm
溶液状態のDTTは安定ではありません。確かにDTTの還元能は高いですが、それも時間と共に酸化されて、割と急速に還元能は低下します。またDTTは熱に弱いので90℃以上とかで加熱処理したりするとより不安定と思います。(DTTの場合を使用している場合は加熱するにしてもせいぜい60℃くらいまでです)(還元能はDTTにやや劣るものの、メルカプトエタノールの方が耐熱性で、その還元能はある程度までは長持ちします。)
保存中や凍結融解の反復で還元能が低下してくると、一度還元されたシステイン残基が再び酸化されて分子間のジスルフィド結合がランダムに再生したりして変な風に高分子量化したりしてスメアパタンになったりシグナルが見えなくなったりすることがありますし、抗体との反応性にも変化が生じることもあり得ます。シグナルが薄くなったというサンプルに新たにDTTまたはメルカプトエタノールを添加して泳動してWBしてみてある程度改善が見られるようならば、原因はその辺りにあるかもしれません。
RIPAは簡単に自作できる試薬ですから還元剤無しのものもすぐに用意できると思います。

(無題) 削除/引用
No.13157-6 - 2025/11/10 (月) 18:49:51 - kae
ありがとうございます、とても勉強になります。

TS様

すいません、SDS-PAGEの原理がまだ完全に理解できておらず。
私の使っているRIPAバッファーは0.1%SDSで還元剤も入っていないので、サンプルバッファー(最終濃度 2%SDS)も入れずに加熱処理してもタンパク変性せず意味がない、と理解しました。
rthyんm様もDTTがへたると仰っているので、そういう意味では加熱処理してから保管は、理にかなっているなと感じます。

rthyんm様

詳細な情報、ありがとうございます。プロテアーゼ阻害剤が入ってれば凍結融解しても大丈夫と理解していましたが、そんな訳ないかと今回の件で思い、質問させて頂きました。
ターゲットによって色々と気遣いが必要ですね…。
今使用しているサンプルバッファーは、DTTが粉で予め溶解するタイプなので、後から添加するのが難しそうです。そもそも、DTTを溶かした状態でサンプルバッファーを保管して凍結融解しながら使っているので、それも劣化してないかどうか不安になってきました。
とりあえずRIPAで保管は避けようと思います。性格上、余計なことで悩みたくないので、小分けもする方向で考えています。

(無題) 削除/引用
No.13157-5 - 2025/11/10 (月) 17:54:59 - rthyんm
RIPAはタンパク質を変性させる能力は低いので酵素類の中には失活していないものも結構あると思います。RIPAは、その正式名から分かるように元々免疫沈降実験のために考案されたもので、RIPA溶液中で抗体は活性を維持しています(変性せず抗体として機能する)。阻害剤はある程度の効果はありますが、完全ではありませんし、実際、入れてても分解する時は普通に分解したり脱リン酸化したります。また阻害剤の成分によっては安定でないものもあると思うので、保存中の長期間の持続的な効果はあまり期待できないような気がします。分解などタンパク質のトラブルは凍結融解の際に起こりやすいです。ですのでRIPAの状態で凍結保存は避けた方がいいです。もしやむをえずそうするならば、初めの試料調製の際に分注して原則として凍結融解はしないということで−80℃で凍結保存ということになると思います。コラーゲンは天然状態ではcollagenase以外のproteaseでは分解されにくいのですが、酸化されたりして部分的に変性してくると、他のproteaseでも分解されます。シグナルが薄くなっているのは分解して低分子量化したか、側鎖の酸化などでタンパク質同士の重合、不溶化や凝集が進んで高分子量化してゲルに入ってない、とかではないかと思います。高分子タンパク質ではこうした傾向がしばしば見られます。

私たちはWB以外に特に使用目的がないならば、変性作用の強いSDS-Sample bufferで可溶化して-80℃保存してます。この段階ではBPBと還元剤は入れてません。泳動前にタンパク質定量(BCA法)と還元処理して泳動してます。たとえSDS bufferでも何度か凍結融解繰り返すと変になることがあるので、一応分注してます。還元剤はあまりながもちしないので保存サンプルに添加しておくのは勧めません。還元は泳動する日に行った方がいいです。

(無題) 削除/引用
No.13157-4 - 2025/11/10 (月) 16:22:36 - TS
RIPAの組成によっては(オリジナルのは無理だと思いますが)加熱処理はできないでしょうね。SDSとかが入ってないと。
自分で比べたことはないですが、サンプルバッファー+Boilまですれば、解凍後はそのまま使うというのが普通じゃないかと思います。繰り返しの凍結融解をしたときも。
気になるなら、これをいくつかに分注しておいて、シビアなブロットの時には新鮮なのを使う、ですね。
リン酸かも1回、2回の凍結融解で気になるほど下がっていくという印象はないですが。

加熱なしで、RIPAに入れたサンプルは凍結融解で分解していくと思いますよ。組織にもよって程度は違うと思いますが。

鈴木

(無題) 削除/引用
No.13157-3 - 2025/11/10 (月) 14:11:11 - kae
ご指摘の通り、ソニケーション後は加熱処理をせずに冷凍しております。
ネットでは加熱処理した後に冷凍しているプロトコルもあったため、気になっておりました。
リン酸化抗原も測定予定のため、悩ましいですね。
サンプルバッファー+加熱処理まですれば、解凍後のboilは不要ということでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.13157-2 - 2025/11/09 (日) 18:39:26 - TS
RIPAで溶かしたものを毎回凍結融解して、サンプルバッファーと処理して使っているんでしょうか。サンプルバッファーまで混ぜて加熱処理したのを繰り返し使うのが一般的ではないかと思います。
この段階までやれば、プロテアーゼは完全に失活しているはずだし、数回凍結融解しても大丈夫な場合が多いと思いますが、リン酸化は少しずつ外れていく印象があります。
GAPDHが大丈夫のように、あとは検出したいターゲットによってケースバイケースとしか言えないでしょう。

わたしは凍結融解の見込みが10回以内くらいであれば、特に小分けはしませんね。特にルールは決めてませんが、それ以上の見込みがあれば、念のため小分けするかもです。

体感で分解している感触があれば、小分けするのが良いと思います。

Western blotサンプルの凍結融解 削除/引用
No.13157-1 - 2025/11/09 (日) 13:43:22 - kae
いつも参考にさせてもらっています。
基礎的な質問で恐縮ですが…

数か月前からWestern blotをやりはじめているのですが、蛋白質サンプルは凍結融解を繰り返しても大丈夫と教わり、そのようにしています。
ただ、Collagenを検出しているのですが、一回目の時よりも、二回目の時の方がバンドが薄い気がしてなりません。露光時間はAuto設定でやっていますが、露光時間も30sec→50~60secに伸びています。
GAPDHのバンドは特に変化を感じません(短冊切りにして、別メンブレンとして撮影しています)。

RIPAバッファーでプロテアーゼ阻害剤入りのものを使っています。サンプルは、マウス骨髄ライセートです。蛋白質が分解されてしまっているのか、その他の手技的要因なのか分からず悶々としております。

そこで手間でもサンプルを小分けにして保存した方がいいのか悩んでいるのですが、皆様はサンプルはどのように保管・使用しているでしょうか。よろしくお願い致します。

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