12μmは通常の凍結切片よりも厚いように思いますが、ヒトの細胞のサイズはだいたい10μm~30μmなので、固定で多少収縮していたととしても12μm切片ならば細胞自体はそれなりに切れてると思うし、固定や凍結、乾燥の過程で細胞膜なども傷ついてると思うので、抗体が問題なければ透過処理なくてもそなまらないこともないと思います。
凍結切片で賦活処理したことは1回あります。病態モデル動物の組織の未固定凍結切片(厚さ6μm)で、みんなが知ってる海外の会社の抗体でHIF-2の染色をしたときで、何もしないと、ものすごい薄く核が微かに染まる感じで、これは抗体がダメだわと思い捨てようと思いましたが、年度末で新しく買うのもあれで、たまたま暇だったのでダメもとで試しに賦活化したらこれ同じ抗体でしょうかと思うくらい劇的に染まるようになりました。その時は、パラフィン切片の時の賦活と同じで、10分間4%PFAで固定した後に、PBSで洗ってから、あらかじめ一度沸騰させて高温の10mM Tris-HCl 1mM EDTA (pH9)で満たしたタッパーに入れて空気抜きのついた蓋を緩く被せて(100均で売ってるやつ。スライドグラスの枚数に応じてサイズを選択。)、電子レンジで5分間沸騰させました。(沸騰中に結構蒸発するので液量はある程度余裕持って多めに入れてます)その後、室温くらいまで液の温度が下がるまでそのまま(目安としては手で普通に触れるくらいまで)30~40分くらい実験台に放置して(これ重要です。急冷するとせっかくの賦活の効果を著しく減弱させることがあります)、それからPBSで洗って、Blockingして抗体反応に進みました。透過処理はしてません。賦活についてはprotease Kでする人もいますが、やりすぎると抗原も壊れてしまうので反応の調節のための条件検討が面倒とか聞きますのでしてません。 |
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