Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

小腸DAB染色に関するご相談 トピック削除
No.13183-TOPIC - 2025/12/16 (火) 17:51:13 - a
いつもお世話になっております。

マウス小腸における免疫染色についてご相談に乗っていただけたらと思い投稿させていただきました。

現在、マウス小腸のパラフィン切片でDAB染色を行なっております。
染色条件は以下の通りです。

対象組織:マウス小腸(パラフィン)
固定時間:オーバーナイト(4% PFA 冷蔵庫 約18 h)

一次抗体:anti-内分泌タンパク(Rabbit IgG)(4℃, overnight)(ポリクロ)
二次抗体:マウス由来 HRP標識 anti-Rabbit IgG(室温, 1 h)(モノクロ)
発色時間:4 min
賦活化条件:クエン酸 pH6, 20 min(温浴法)

免疫染色によるシグナルが確認できた(ネガコン等で確認した上で)ため、一次抗体および二次抗体濃度の条件検討を行っているのですが以下のような課題に悩まされております。

1. S/N比改善の限界(バックが濃い)
2. 染色ムラ(小腸をロール状に形成して固定しているのですが、ロール中心と外側で染色にムラがあります。(中心が薄く、外側が濃い))

教えていただきたいのは以下の点についてです。

1. マウス組織に対してマウス由来二次抗体を使用した時のS/N比への影響の程度
2. HRP標識二次抗体はポリクロとモノクロどちらがいいか
3. マウス小腸パラフィンブロック作成時の固定時間
4. ほかに考えられる染色ムラの原因

よろしくお願いいたします。
 
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



7件 ( 1 〜 7 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.13183-7 - 2025/12/17 (水) 22:38:34 - 1
私は標識はprotein tech社の蛍光標識kitを使用しています。同じシリーズでHRP標識kitも市販されているようです。

ホルマリン/PFA溶液の場合、組織内への浸透に要する時間は室温で1時間当たり組織表面から1mm弱と昔,先生に習いました(ただ数字については異説もあり。組織の違いや検体の状態もあるので一概ではないとは思う。)。4℃とのことなので浸透速度はもう少し小さい(時間かかる)かもしれないですね。ただ低温にすることで、固定液が到達するまでに進むであろう組織内部の変化をある程度抑制できるメリットもあるとは思います。ご自身の検体のサイズや性状から必要な時間(全層に固定液が浸透するのに要する時間+固定反応に要する時間(30分くらい))を推察いただければと思います。

  今の条件でシグナルが問題なく検出できているならばそれでいいと思いますが、もし気になる点あれば別の条件を検討しても良いと思います。私は電子レンジで5分くらい沸騰させて、いけてるのでそれでやってますが、多くの抗原は本当はもう少し10分とか長く煮沸した方がいいらしいです。(沸騰による蒸発で液量が、思ってる以上に減るので、十分な量を入れるなど注意しましょう)。
抗原の賦活については正式にはオートクレーブで高温高圧で行うのがその道のプロの流儀らしいですが、それはそれで色々面倒なので、いやそこまでしなくてもいいのでという多くの皆さんは簡易的に電子レンジで煮沸することが多いです。とりあえず相手はアルデヒド化合物の反応で形成されたタンパク質分子内あるいは分子間のメチレン架橋という、多少熱不安定だとはいえガチの共有結合ですので、これを切断するにはそれ相応のエネルギーを外から加わえることが必要になることはわかってもらえると思います。

スライドグラスは剥離防止コート済みの製品でしょうか、普通のやつだと、煮沸すると切片は全部剥がれてしまいますので、煮沸する場合は必ず剥離防止コート済み製品をご使用ください。

適切な抗原賦活によりシグナル強度や染色態度が劇的に変わることはしばしばあるので、実験書などを参考にして条件検討する価値はあります。

(無題) 削除/引用
No.13183-6 - 2025/12/17 (水) 21:17:33 - a
>[Re:5] 1さんは書きました :

1さんご丁寧なアドバイスをありがとうございます。
HRP標識キットの使用など検討してみようと思います。

> 3. 固定時間は長いと思う。

パラフィンブロック作成時の小腸の固定時間はどれくらいが適切でしょうか?

> その他
> 書いてないけど、内在性のperoxidaseの不活性化(H2O2/MeOH)はしてますか。
>
3%H2O2処理をブロッキング前に室温で15 min行っています。

> 温浴法というのは何度くらいですか。賦活は通常は沸騰させるとかかなり激しい処理が必要と思うけど。賦活が不完全でシグナルが弱いとS/N比は下がるのでとりわけ元々BGが高いような場合はかなりマイナスになると思うので。
>
90℃で20 min加熱しています。賦活化溶液を沸騰させてはいけないというふうに教わったため沸騰させないようにしています。
>
>

(無題) 削除/引用
No.13183-5 - 2025/12/16 (火) 22:29:23 - 1
1. 問題は内在性の免疫グロブリン(特にIgG)なので、多くの組織ではPBSを十分な量、全身灌流して血液を十分除去すればかなり改善するけど小腸の場合はまた別の理由で難しいかもしれない。小腸は免疫組織なのでIgAはじめ免疫グロブリンはあるので、同種抗体だと他の組織よりも2次抗体と反応しやすいかもしれない。今は安価で簡単に蛍光でもHRPでも標識できる試薬kit(昔の標識kitでネックになってた夾雑物の影響を受けないものもある)が入手できると思うので1次抗体を直接標識して、2次抗体なしで検出するのが一番確実と思う。ただ2次抗体による増感がないので検出感度はそれなりに下がるので、元々弱いシグナルだと抗体濃度をあげたり反応時間を伸ばしたりすること(ただ今の条件がO/Nならそれ以上長くはしない方がいい)も場合によっては必要かもしれない。

これとは別に、mouse on mouseというのもあったと思う(使ったことないので詳しく知らないけど、あらかじめ未標識抗IgG抗体で内在性IgGと反応させてブロックする原理だったと思う。)

2. クローナリティはこの問題とは本質的な関係はないとおもう。ただシグナルが微弱で感度上げたいならポリクロの方がいいかもしれないし特異性で気になる点があるならモノクロがいいかもしれないけど。

3. 固定時間は長いと思う。

4. 固定液に触れている組織表面に近いほど固定は早く、組織の内部に行くほど固定液が浸透し到達するのにかなり時間がかかるため固定が遅くなる。結果として表面に行くほど過固定気味に、内部に行くほど固定不完全気味になる。こうした固定の不均一性が免疫染色の結果にムラとして反映されてしまうことはよくある。シグナルが強いと隠れてわからないこともあるけど、シグナルが弱めだと目立つことがある。
解決策として、未固定で組織をOCTで凍結ブロックにしてクライオスタットで薄切して切片にしてガラスに貼り付けて乾燥させてから短時間固定(4%PFA, 室温、5ないし10分程度)して免疫染色に進む方法だとこの問題は回避できる。凍結は構造が良くないから#$$%%&””とかいう人いるけど、前にこのやり方で小腸も免疫染色してたけど、薄切をちゃんとやれば構造の綺麗さはパラフィンとほぼ同等のものが得られる。
凍結切片のもう一つの利点は多くの場合、抗原賦活は必要ないこと。しなくても普通に綺麗に染まる(もちろん例外はあるけど事実上ごくまれ)。

その他
書いてないけど、内在性のperoxidaseの不活性化(H2O2/MeOH)はしてますか。

温浴法というのは何度くらいですか。賦活は通常は沸騰させるとかかなり激しい処理が必要と思うけど。賦活が不完全でシグナルが弱いとS/N比は下がるのでとりわけ元々BGが高いような場合はかなりマイナスになると思うので。

(無題) 削除/引用
No.13183-4 - 2025/12/16 (火) 19:09:32 - a
>[Re:3] emaさんは書きました :
> 3について
> http://www.kenkyuu2.net/cgi-biotech/biotechforum.cgi?mode=view;Code=4251
>
> は見ましたか?

ema様

先ほど確認させていただきました。
固定時間が2 hと書かれていたためもう少し短くした方がいいのかもしれないと感じました。

(無題) 削除/引用
No.13183-3 - 2025/12/16 (火) 18:18:32 - ema
3について
http://www.kenkyuu2.net/cgi-biotech/biotechforum.cgi?mode=view;Code=4251

は見ましたか?

(無題) 削除/引用
No.13183-2 - 2025/12/16 (火) 17:58:58 - a
2. 染色ムラ(小腸をロール状に形成して固定しているのですが、ロール中心と外側で染色にムラがあります。(中心が薄く、外側が濃い))

↑バックに関する話です

小腸DAB染色に関するご相談 削除/引用
No.13183-1 - 2025/12/16 (火) 17:51:13 - a
いつもお世話になっております。

マウス小腸における免疫染色についてご相談に乗っていただけたらと思い投稿させていただきました。

現在、マウス小腸のパラフィン切片でDAB染色を行なっております。
染色条件は以下の通りです。

対象組織:マウス小腸(パラフィン)
固定時間:オーバーナイト(4% PFA 冷蔵庫 約18 h)

一次抗体:anti-内分泌タンパク(Rabbit IgG)(4℃, overnight)(ポリクロ)
二次抗体:マウス由来 HRP標識 anti-Rabbit IgG(室温, 1 h)(モノクロ)
発色時間:4 min
賦活化条件:クエン酸 pH6, 20 min(温浴法)

免疫染色によるシグナルが確認できた(ネガコン等で確認した上で)ため、一次抗体および二次抗体濃度の条件検討を行っているのですが以下のような課題に悩まされております。

1. S/N比改善の限界(バックが濃い)
2. 染色ムラ(小腸をロール状に形成して固定しているのですが、ロール中心と外側で染色にムラがあります。(中心が薄く、外側が濃い))

教えていただきたいのは以下の点についてです。

1. マウス組織に対してマウス由来二次抗体を使用した時のS/N比への影響の程度
2. HRP標識二次抗体はポリクロとモノクロどちらがいいか
3. マウス小腸パラフィンブロック作成時の固定時間
4. ほかに考えられる染色ムラの原因

よろしくお願いいたします。
 

7件 ( 1 〜 7 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。