> 経験的には、発現量に関わらずtransientに発現したものであれば、多くても少なくても同じような局在になります。ただ、一部の蛋白質は局在するために内在性の因子の結合が必要かなにかのため、少ない発現のほうが、全体としてはちゃんとした局在を示すことがあるので、少ない発現で見てみる価値はあるとは思います。
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> それよりもtransientよりもstableにした方が、効率的に内在性の局在と同じように振る舞うことを経験しております。
> 内在性の抗体がどうしても手に入らないのであれば、stable発現の細胞株を作成することを僕は勧めます。
stable作製は何度かトライしているのですが、どうも腫瘍系細胞と相性が悪いようで、発現が無くなってしまうなどの問題がありました。現在線維芽細胞等でのコンストラクトに作り替えているところです。
> 実験にもよると思います。何が見たいのかなど。たとえば神経特異的な転写因子であっても、その活性を調べるためにそれが発現していないHEKを使ったりしますよね。一つ考慮に入れることは、その結果を違う角度で検証するのか、検証されているのかだとおもいます。
仰る通りに存じます。実は当該タンパクが転写関連因子で、下流の遺伝子の発現を見たところwtとmutantで結果が逆転するので、正しいものを見ているのかどうか考え始めた次第です。
> 免疫染色で核にだけ存在するようなタンパクでも、細胞質での役割がある事が分かってきている物もあります。p53は転写因子という観点で長年研究されてきましたが、ミトコンドリアにでの機能が示唆されています。そういう機能を見ようとすると過剰発現であっても、細胞質に明らかに存在するほどの量あってくれた方がアウトプットとして見易いです。
私にとって良い事例の一つになりそうです。やはり特定の細胞で行われた免染の結果だけを信じるのは危険なようですね。
> "endoの発現量は極めて低いのでウエスタンで見れません"というのは、サイエンティフィックには、”抗体の感度が低いのでendoの発現量は見れない”ということですか?その抗体で強くバンドが出るほど発現させれば、信用できるかというと個人的にはnegativeです。
市販の抗体でendoのものを釣っている論文は殆ど無く、精度を疑っております。同時に、そもそもタンパクとして不安定、おそらく低コピーで機能しているので、検出を難しくしています。
> endoの蛋白の機能がノックアウトなどである程度わかっていてそれを過剰発現を使って更に解析しているのですか?それならばまだいろいろとやりようがあるのでしょうが。
ノックアウトはされていますが、転写とは直接関係のない(かもしれない)機能に注目し、一から解析を行っているという感じです。転写のように単なるon, offでは無いかも知れないので、一過性発現で見れないのかもしれません。
皆様のコメントを総括するとやはりstableにすることは第一選択の一つなのですね。またDNA量依存的細胞内局在は今後のためにも一度データを取っておこうと思います。全てのコメントが大変勉強になりました。改めて感謝致します。 |
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