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過酸化水素刺激で細胞死がおこる仕組み トピック削除
No.3295-TOPIC - 2014/08/14 (木) 11:51:32 - くに
初めて質問させていただきます。
現在、高校3年で細胞死という現象に興味を持っています。

培地で培養している正常細胞に過酸化水素を滴下することで細胞死がおこるということをとある大学のオープンキャンパスで知ったのですが詳しいメカニズムは時間がなかったため聞けませんでした。

過酸化水素を滴下することでどうやって細胞内に入り細胞死を起こすのかわからないです。
細胞内にDNAダメージもあるのでしょうか。

よければ教えていただいです。
よろしくお願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.3295-14 - 2014/08/20 (水) 09:05:48 - くに
小児科医師
の後にさんが抜けていました。大変申し訳ございません。

(無題) 削除/引用
No.3295-13 - 2014/08/20 (水) 09:00:30 - くに
papaさん
カタラーゼ活性の違いで実験が行われているのですね。
面白い話をありがとうございます。

おおさん
感受性の違いやグルタチオンなどで生きている可能性があるのですね
大学に入った際の研究の知識としてこれからも勉強に励んで生きたいと思います。
丁寧に教えていただきありがとうございます。

小児科医師
初めは実験したこともない自分が質問していいのかかなり悩みましたが、こんなにもたくさんのお返事をいただけるとは思っていなかったのでと勉強になりました。
これから勉強をがんばって研究者の道を歩んで生きたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.3295-12 - 2014/08/19 (火) 06:01:40 - 小児科医師(ゆとり教育)
高校3年生で細胞死に興味があって、このサイトにたどり着いて質問ができるって将来研究者としてとても有望だと思います。受験勉強も大変だと思いますが頑張ってください!

(無題) 削除/引用
No.3295-11 - 2014/08/16 (土) 04:44:12 - おお
>細胞老化はまた違う現象です。
とかいたのはひとつは老化した細胞はいきています。またある意味正常な生理現象です。

(無題) 削除/引用
No.3295-10 - 2014/08/15 (金) 23:43:59 - おお
>[Re:8] くにさんは書きました :

> おおさんが書かれている働かなくなる(=細胞老化?)現象が起きるということも勉強になりました。

細胞老化はまた違う現象です。確かに活性酸素が関与している現象ですが。


> 1つ疑問点があるのですが・・・
> 過酸化水素で刺激することで働かなくなることで細胞死が起こるということですが正常細胞ではない細胞(がん細胞など)に同様に実験を行っても細胞が働かなくなり細胞死を起こすのでしょうか?

細胞老化はまた違う現象です。確かに活性酸素が関与している現象ですが。

癌細胞にかんしては、程度の差があるにしても正常細胞と同じことが起こります。ただし細胞内の環境の違いなどで感受性が違います。papaさんが述べているようにH2O2を分解する酵素の量も環境のちがいといえると思います。またグルタチオンという物質があり、この物質はいろいろな機能がありますが、活性酸素を消去することができます。この物質はガンでは...高い場合もあるかもしれません(ちょっとこの辺は調べます)。

また細胞の自殺に関しては、癌細胞においてあまり機能していないと一般に考えられています。そう言う意味ではH2O2などによる酸化ストレスに抵抗性をしめす事もあります。

ちなみに細胞の自殺という言葉はわかりやすくわたしが表現した言葉で一般的な用語ではありません。

(無題) 削除/引用
No.3295-9 - 2014/08/15 (金) 18:33:03 - papa
たしか,ガン細胞における過酸化水素を分解する酵素のカタラーゼ活性は正常細胞よりも低いので,過酸化水素に対する耐性は正常細胞よりも低いはずです。
なので,この過酸化水素に対する感受性の違いを利用して,ガン細胞を死滅させる研究がされています。

(無題) 削除/引用
No.3295-8 - 2014/08/15 (金) 17:24:42 - くに
名無しさん、おおさん、monさんお忙しい中教えていただきありがとうございました。

過酸化水素刺激を行うと細胞膜透過性により細胞内に入りDNAやタンパクにダメージを与えること
膜表面にもダメージも与えるということやダメージによっては何らかの因子の働きにより細胞死を起こすこと
おおさんが書かれている働かなくなる(=細胞老化?)現象が起きるということも勉強になりました。

とても分かりやすくものすごくタメになりました。

1つ疑問点があるのですが・・・
過酸化水素で刺激することで働かなくなることで細胞死が起こるということですが正常細胞ではない細胞(がん細胞など)に同様に実験を行っても細胞が働かなくなり細胞死を起こすのでしょうか?
がん細胞は低酸素の状態で生存していると聞いたことがあったので少し疑問に思いました。

お忙しいとは思いますがお時間があればどなたか教えていただきたければと思います。

(無題) 削除/引用
No.3295-7 - 2014/08/15 (金) 14:01:14 - おお
まず過酸化水素は活性酸素になったりして、色んなものを酸化します。この反応はある程度酸化されやすいものに対してはランダムにおきます。またこのような反応は一種のラジカル反応であることがたいていです。ラジカルとは中途半端に電子を持っていて、安定してない状態でほかの化合物に結合しようとするものです。

過酸化水素自体はラジカルとは言い難いですが、周りの環境でラジカルになることがあります。特に細胞の培地や細胞内では金属イオンがあり、金属イオンとの相互作用でラジカルになることが分かっています。

またすでに述べられてますように細胞内に過酸化水素は侵入できますから、至る所でラジカルの反応が起こり得ます。細胞表面や細胞膜あたりでおこると脂質が酸化されますし、細胞表面や細胞内のタンパク質にも作用しますし、細胞内には核酸(RNA)がありますがそれもターゲットになるでしょう。もちろん細胞内小器官に悪さすることもあるとおもいます。ほとんどの細胞は核を持ちますが、核内にも入る可能性は十分あり、DNAもターゲットになります。
どうじに、ラジカルで攻撃をうけた物質は酸化されたり、それ自身がラジカルになることがあります。そうやっていろんなところに飛び火する可能性があります。
さてその様にラジカルで攻撃された分子が増えるとどうなるかということですが、細胞にとって処理のできない物がたまります。これは細胞にとってストレスになります。
このストレスが強いと、細胞は自殺しようとします。この自殺の仕方はどこにストレスがたまったか、どの様な細胞がどの様な生理状態だったかなどでまちまちです。

大変長い説明になりましたが、簡単に書きますと

過酸化水素->活性酸素(ラジカル)->酸化ストレス->細胞の自殺

細胞の自殺はアポトーシスとかプログラムドセルデス、または単純に細胞死といわれています。

ただし、活性酸素(過酸化水素)が非常に多いときは細胞の自殺のスイッチが入る前に、細胞の活動ができなくなってしまって死ぬことがあります。これもどなたかがすでに指摘されていると思います。

(無題) 削除/引用
No.3295-6 - 2014/08/15 (金) 08:56:35 - mon
名無しさんの仰る通り、細胞内にもH202は浸透するようです。失礼しました。
細胞内では呼吸等に伴い発生する活性酸素を除去する仕組みが発達しており、ある程度のH202は無毒化出来ます。それを超えると、細胞内でも脂質の酸化やタンパクの酸化(硫酸化も起こるようです)が生じますね。DNAもダメージも受けそうです。
多分、細胞死には、ミトコンドリア膜のダメージ(アポトーシスのシグナルがでる)が一番影響が強いのではないかな。ただ、細胞外にH2O2を添加した場合は細胞膜のダメージが細胞内より多そうです。

(無題) 削除/引用
No.3295-5 - 2014/08/15 (金) 08:28:51 - mon
名無しさん、補足ありがとうございます。
培地中にはZn,Feが存在するので、培地中でのH2O2の安定性は悪いと思いますが、いかがでしょうか。

追加 削除/引用
No.3295-4 - 2014/08/14 (木) 20:36:28 - 名無し
追加

ごめん、質問者が高校生ということ見落としてました。
それで、大学に入ったあとに習うことも混じってたので、2つ補足説明します。

1)金属がどうのこうのーーーのところ。
過酸化水素は2価の鉄イオンとか銅イオンとかと反応すると即、分解してハイドロキシラジカル(OHラジカルともいう)っていう活性酸素を生じる(フェントン反応っていうんだが、たぶん大学入ったら化学で習う)んだが、これが半端なく反応性が高くて強力なやつで、近くの脂質だの蛋白質だの遺伝子だのを無差別に攻撃する。DNAも金属と相性がいいし、蛋白質の中にはこういう金属を含むものも少なくないので、そういうのはこういうのの標的になることがある。

2)荷電がどうのとか、細胞膜の通過どうのこうのーーーの話。
細胞膜は脂質の膜で出来ているんだが、これはプラスとかマイナスとか荷電のある物質は通りにくい。(もちろん必要な物については、そういうのを通過させる輸送蛋白質(アニオントランスポーターとか)はあることはあるけど)一方、荷電ないものは余裕で通りやすい。

(無題) 削除/引用
No.3295-3 - 2014/08/14 (木) 20:10:58 - 名無し
専門外なので、あくまでがっこで昔習った範囲の知識での回答なんだが、活性酸素って反応性高いのは分かるんだが、その中では過酸化水素は例外的にかなり安定な方に属すると思うんだが違うかな。てか隣の人が、去年買った過酸化水素、今も余裕で働くわって、この前、言ってたし。細胞とかへの影響だと、近くに遷移金属とかあるところだと過酸化水素は速攻で分解してその場で周囲にかなり分子傷害引き起こす気もするけど、そういう環境でなければ膜素通りして細胞内に入って蛋白質のグルタチオンとかシステイン残基とかと反応してそういう蛋白質が関与するシグナル伝達経路とかに可逆的な影響与えるとおもう。で、結果としていろんなイベントを引き起こす気がする。でも細胞内には過酸化水素の消去にはたらくグルタチオンペルオキシダーゼとかの酵素がいるので、影響はそういう消去系とのバランスで決まるんだろうとおもう。こういう時に、カタラーゼが果たしてどのくらい真面目に働いてるのかは分からない。

活性酸素は荷電持ってるやつは多いけど、幸い過酸化水素は荷電がないので細胞膜は普通に通過できると思う。それで、比較的安定という事もあって、細胞の実験で活性酸素の影響みるときに過酸化水素よく使うんじゃね。たぶん。

長寿命なので核内にも到達するとおもう。DNAは金属と仲いいので、そういうところだとDNAの塩基を修飾したり鎖切ったりとか悪い事するかもしれない。そういうことが修復不能なくらい起これば、たぶん細胞死のスイッチonになるんだとおもう。

(無題) 削除/引用
No.3295-2 - 2014/08/14 (木) 12:35:07 - mon
過酸化水素は非常に反応性の高い化合物です。
そのため、細胞内よりは、細胞表面の脂質やタンパクが酸化され細胞膜の機能が阻害されます。
それらを取り除けない場合、細胞死を引き起こします。
酸化物の量により、膜機能不全の程度がひどく早急に死ぬ場合と、細胞内のアポトーシスシグナルが活性化されて、細胞死が引き起こされる場合があります。

過酸化水素刺激で細胞死がおこる仕組み 削除/引用
No.3295-1 - 2014/08/14 (木) 11:51:32 - くに
初めて質問させていただきます。
現在、高校3年で細胞死という現象に興味を持っています。

培地で培養している正常細胞に過酸化水素を滴下することで細胞死がおこるということをとある大学のオープンキャンパスで知ったのですが詳しいメカニズムは時間がなかったため聞けませんでした。

過酸化水素を滴下することでどうやって細胞内に入り細胞死を起こすのかわからないです。
細胞内にDNAダメージもあるのでしょうか。

よければ教えていただいです。
よろしくお願いします。

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