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        | 念のため言っておくと、書かれている手順が唯一無二の方法だとか、一番優れているだとかいう訳ではありません。 どのステップを確実にしたいか、何を重要視するか、費用対効果を同評価するか、などでとりうる手順は様々で、実験をデザインをする人の考え方ひとつです。
 私なら、TA-cloningなんかしないで、
 
 PCR
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 プライマーに設計した制限酵素サイトで切る
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 pETにligaton
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 DH5alphaなどに形質転換、コロニーをスクリーニング。ここは、いきなりBL21(DE3)にしてはいけない。
 形質転換効率があまり高くないし、recA-やendA-みたいなクローニングやプラスミド精製に有利な遺伝子を持っていない。なにより、BL21(DE3)でいきなりタンパク質が発現してしまうと(誘導をかけなくてもleaky expressionはゼロじゃない)大腸菌の生育に悪影響があるため、あたりのクローンこそコロニーが生えにくくなる。
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 あたりクローンのプラスミドのシークエンス確認
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 BL21(DE3)などに導入、タンパク質発現へ
 
 ですね。
 
 あなたが指示された手順のココロを推測すると、
 ・プライマーに設計した制限酵素サイトを切るのは案外、効率が悪くて失敗が多い。TAクローニングのほうがクローニング効率ははるかに良いのでそうしよう。
 ・プライマリークローニングするのにはpETは向いていない。市販のT-Vectorがないし、low copy なのでプラスミドを精製して分析するのにも扱いづらい。ここは、市販のT-vectorでサクっとやってしまおう。
 ・一旦、クローニングに成功したプラスミドからpETにリクローニングするのは割とたやすくて失敗が少ない。
 わたしゃpETに入れなおしてからもう一度、シークエンスを確認したほうがいいと思いますがね。
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