それでは、ポスドクが答弁を続けさせて頂きます。
> 信用できるデーターにはならないだろうということだとおもいます。
信用できるデーターにならないだろう、なぜなら、IHCでは、完全に同じ条件(のはず)で全行程を行っても、再現性よく同じようにモノが染まるかといえば染まらないことがほとんどだから。実際のところ、私は(あまりわかっていない)ボスから「IHCで定量せよ」プロジェクトをもらったことがあり、かなりやりましたが、再現性が本当に取れなくて、結果あきらめたことがあります。
(ちなみに、方法としては
>一般的に蛍光抗体法の方が再現性に優れていて安定した値が出ると思いますし、多重染色でリファレンス蛋白も染めていれば標本間の補正も可能なのでは?と。。。(というか、とある国立大学医学部のそういう研究発表がググったら出てきた)
なんですが、protein of interestが悪かったのか、同じtreatmentの細胞を2well準備してside by sideで染めても、その二つの間で0.3倍ー20倍位まで値がブレまくるために諦めました。選んだ視野によってはこれの5倍位差が出ることもあり、well全体を調べて平均を取ったりもした結果が、0.3倍ー20倍位まで値がブレまくった、です。蛍光に対して退色防止剤を使ったところで、徐々には退色していきますしね。「定量」を意識して実験したところよくわかりました)
これがWBなんかだと、抗体につける時間や洗いの時間が(仮に大幅に)変わったとしても、似たような結果が得られますよね。IHCではそうはいかない。これは多くの方が経験されていることだと思うのですが、私が実験下手だっただけでしょうか?
>それでは他の実験系はそれだけを取り上げて信用できるデーターですか?と問うことにしましょう。例えばある遺伝子のプロモーターにつくと思われる転写因子が見つかりました。過剰発現するとその遺伝子のmRNAレベルが上がります。この時点で転写を制御していますというと、まだ証明に至ってないのでその結論は信用できないと突っ込まれる可能性が高いです。
これは全然別の話じゃないですか?その転写因子の過剰発現は(直接的か間接的かわからんが)「ある遺伝子」のmRNAレベルを上げます、だけだったら十分に証明できている。その遺伝子のプロモーターにくっついて転写を制御と言い出したら、それを調べる実験をしていないのだから突っ込まれて当たり前でしょう。
> で、どんなときにIHCで定量しないとそれ以外に方法がないかとうことを考えるといいかと思います。ある組織を染めたときターゲットの細胞はコントロールで組織全体の10%、刺激によって細胞数がブレるとします。WBでできますか?他の細胞からの発現などで埋もれてしまうでしょう。
申し訳ありません。これ、もっと噛み砕いて説明していただけますか?意図するところが私では全くわからないです。
>
> また細胞周期である時期だけ注目して発現を見たいとき、組織だったら同調できないし、同調できない細胞でやらなければならないこともあるだろうし。同調すると細胞の反応が変わることもあるでしょう。細胞周期だけじゃなくって細胞の形態と発現の関係を調べるなら顕微鏡で見て必要な形態の細胞だけ見ないとWBじゃ一緒ゴタになってデーターが取れない。
タンパクは無理でしょうが、laser captureでそういう必要な形態の細胞だけ集めてaRNAを作ってPCRで比較、とかはいけるかもしれませんね。やったことないので想像の上でものを言っていますので、経験ある方からの突っ込みをお待ちしております。 |
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