私はLMDのときはトルイジンブルーで染色していましたが、トルイジンブルーは水溶液なのでパラフィン切片では使えませんね。 
 
参考までに凍結切片のLMDの場合は、 
新鮮サンプルを急速凍結、 
薄切してフォイルスライドに貼り付け、 
エタノール/酢酸混合固定液で固定、 
RNAase free水で洗浄、 
染色、 
再洗浄、 
乾燥させてLMDへ、 
と言う流れです。 
 
各ステップでもたついたりするだけで取れるRNAの品質は変わりますが、パラフィンサンプルはそもそも調整にかかる時間が長いのでそれだけ分解を受けやすくなります。 
また、ホルマリン固定により核酸がタンパク質などと架橋されることで機械的な力に弱くなり、せん断を受けやすくなることから、FFPEサンプルからのRNA調整は凍結のそれと比べて収量が少ないと考えられています。 
 
一応ライカのLMDのマニュアルなどにはパラフィンサンプルでの作業の紹介もあるので、全く出来ないということはないと思います。 
LMDの場合は色がついていないとレーザーによって焼き切るのが難しくなるので 
サンプリング前に脱パラフィンと染色をしていますが、目視で行うのであれば脱パラフィン前の無染色の状態で作業したほうが良いと思います。 
行程を減らすということと、RNAの酵素的分解は加水分解なのでパラフィン状態なら少なくともそれについては考えずに済むからです。 
 
FFPEサンプルからのRNA調整キットはいろいろ売られていますし、その説明のところに注意点もよく記載されているのでウェブページなどを調べてみると勉強になると思います。 | 
      
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