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細胞を刺激、大事なのは刺激に使う物質の絶対量?それとも濃度? トピック削除
No.10329-TOPIC - 2022/03/10 (木) 09:17:44 - バイオ新参者
バイオ研究に疎いので教えて頂けると嬉しいです。

細胞にリコンビナントタンパク(とある受容体のリガンド)を加えて、その受容体の活性(リン酸化)をウェスタンブロットで調べるという実験を行っています。上司からの指示は、最終濃度100ng/mlになるようにリコンビナントタンパクを加えなさいということでした。
同僚に話したところ、そのリコンビナントタンパクは高価なので、セーブするために細胞の培養液を普段使っている量の半分(6穴プレートで1穴を2mlで培養しているところを、1mlで)にしてから加えると良いよ、とのことでした。

なるほどそんな手があるのかと思いましたが、加えるリコンビナントタンパクの量は、細胞あたりで考えると倍も違うことになるのかと思うと、本当に培養液を半分にしてから実験してよいのかどうか不安になってきました。

バイオのウェット実験に詳しくないので、こちらの詳しい方々にお聞きしたいのですが、このように

「細胞培養液を半分にして、刺激に使う物質の量を半分にする」

というのはこの分野では妥当な手段なのでしょうか?リガンドが半分なら受容体にくっつく量も半分になる訳で、効果も半分になるんじゃないかと危惧しておるのですが。

なお、この100ng/mlというのは論文でも見かけた濃度で、確かに強い受容体のリン酸化を誘導するのですが、さらに300ng/ml、1000ng/mlと増加させることで受容体のリン酸化もさらに増加させることが出来るので、100ng/ml(この実験で使われた絶対量はわからないけれど)というのが発現している受容体に対し非常に過剰な量を加えている、ということにはならないようです。

お読み下さりありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.10329-27 - 2022/03/13 (日) 19:08:07 - しろうと
論拠をお示し頂きありがとうございます。
細胞数やタンパクの質量が小さく見積もられている感はありますが(受容体数は妥当だと思います)、少し理解できそうです。
細胞あたりの培地・血清成分量や、細胞由来物質の濃度への影響も同じように無視できるほど小さいと考えられますでしょうか?

あと、条件を揃えた上で比較するなら実験が成り立つことに異論はありません。
普段2mlでやられているとのことだったので、それを1mlにしたら濃度が同じでも別物ですという話でした。

(無題) 削除/引用
No.10329-26 - 2022/03/13 (日) 15:48:03 - おお
>[Re:25] 素朴な疑問さんは書きました :
> 素朴な疑問なんですけど、濃度が同じなら培地量変えても問題ないと考える方はその日の気分でコロコロ培地量変えられるのですか?
>

最初に実験デザインを組むときに決めてその実験のときは変えません。勝手な憶測による偏見は迷惑です。


で少し詳しく見ていきますと、濃度にそって化学的反応速度など依存するわけですが、まず加えたペプチドの濃度は一定なわけです。しかしながら細胞表面にあるリセプターについては培地の量が半分になったら濃度が倍になると言うのは成り立ちません。細胞表面に分布していてその分布密度は培地の量に依存しないからです。したがって細胞表面付近の局所的な環境は培地の量に依存しません。細胞表面付近では加えたペプチドは培地の量が多くても100ng/mlですし、細胞表面のリセプターの密度は培地の量に依存しないからです。もしリセプターが培地全体に拡散するなら容量が少ないほど反応が進むということになりますがそうはならないだろうというのは容易に推測できます。

で、例えば12Well Plateで培地を1ml使ったとします。1 Wellあたり大体10の5乗個の細胞があるような状態だと思います。
これに100ngのペプチドを加えることになります。ペプチドがアミノ酸10個ほどなら1kDaぐらいなので、6x10^13分子のペプチドが加えられたことになります。細胞1つあたりに10000個のリセプターがあるとします(おそらくこの数字はある意味非常に多いと個人的には思ってます)。1 Wellあたり大体10の5乗個の細胞という条件では10^9分子のリセプターが1Well内に存在することになります。たとえばこのリセプター全部にペプチドがついた状態を想定しても溶液中には(6x10^13ー10^9)個のペプチドが溶液中に残っていて、これは最初の加えたリセプターの濃度と殆ど変わりません。溶液を倍、半分にしても分子の量はもともとリセプターに対して大過剰入っているので局所的環境はそれほど変わらないでしょう。

もちろんこれは加えた直後の状況ですので細胞がどのようにリセプターに結合したペプチドを処理し、それが経時的にどのように変化するのかで翌日、翌々日の結果は違ってくる可能性は否定しませんが(このような動的なことに関して簡単なモデルで解説できる人がいれば助かります)、それは実験条件を揃えた上で比較をしていく分には実験は十分に成り立つものと思えます。

個人的印象ですが100ngって結構多いと思います。

(無題) 削除/引用
No.10329-25 - 2022/03/13 (日) 07:36:38 - 素朴な疑問
素朴な疑問なんですけど、濃度が同じなら培地量変えても問題ないと考える方はその日の気分でコロコロ培地量変えられるのですか?

(無題) 削除/引用
No.10329-24 - 2022/03/12 (土) 19:34:25 - しろうと
受容体全てを把握してないので曖昧な書き方をしましたが、リガンドが受容体とともに細胞内に取り込まれることは普通に知られていることです。
ちなみに、細胞内に取り込まれる=細胞内ではたらく、ではありません。

(無題) 削除/引用
No.10329-23 - 2022/03/12 (土) 11:03:39 - -_-
リガンドが細胞膜レセプター結合したあと細胞内に取り込まれるということは一般的ではないから、リガンド濃度が低下するのは一般的なことではないと思うけど。
インターロイキンとかサイトカインとか細胞内で働いてましたっけ。

(無題) 削除/引用
No.10329-22 - 2022/03/11 (金) 21:00:50 - しろうと
量とか速度がどんなものか知りませんが、リガンド濃度が低下するのは一般的なことではないのですか?
枯渇とか濃度低下とかが発生しうるから、絶対量も考慮するべきではという論意なのですが。

(無題) 削除/引用
No.10329-21 - 2022/03/11 (金) 16:36:09 - 散々
>[Re:20] しろうとさんは書きました :
> 高さなんて本質じゃないです。

基質が消費されて濃度が変わっちゃうんじゃ、
そもそも、添加ボリューム云々以前に実験デザインとして間違ってるでしょ。
だったら、論文に基質濃度を経時的に低下させながら実験しました。って書くのかな。
基質の枯渇という、別のパラメタが発生し、何を見ているのか分からなくなる。

(無題) 削除/引用
No.10329-20 - 2022/03/11 (金) 15:59:00 - しろうと
高さなんて本質じゃないです。

リガンドが結合して細胞内に取り込まれたら、細胞近傍のリガンド濃度は低下しますよね?
絶対量が大きいほどその低下の割合は小さくなりませんか?

培養液の量を変えたら、細胞あたりの培地・血清成分は変わるし、細胞由来物質の濃度だって変わります。
その影響が結果として表れないことはあっても、関係ないというのは理解できない。

(無題) 削除/引用
No.10329-19 - 2022/03/11 (金) 14:04:46 - バイオ新参者
皆さま、ありがとうございます。化学系どころか、高校化学も履修していない文系ですので、結合反応は濃度に依存するという考え方に出会ったこと自体初めてです。非常に勉強になります。

特にSS様が紹介して下さったリンク、なんども読み返してみました。非常に興味深かったです。その初めに書いてある内容で、

「リガンド-受容体結合体が増える単位時間当たりの速度は、リガンドと受容体の積に比例する」とあり、これが「反応速度とか結合・解離とか反応平衡ってのは濃度の関数」の大元だと思うのですが、これ、かなり例外がある話のような気がするのですがどうでしょうか?

例えばですが、そのリンク内の例え話に倣って書くと、

L星人が1,000人とT星人が1,000人

L星人が100人とT星人が10,000人 

なら積はどちらも1,000,000になり、理屈に乗っ取ればペアが出来る速度は同じということになると思いますが、私は前者の方がペアが出来る速度早いと思うのですが、どうでしょうか?



すいません、今忙しくて、きちんとまとまった考えを書く時間がありません。また投稿します。

(無題) 削除/引用
No.10329-18 - 2022/03/11 (金) 12:37:20 - 散々
接着細胞が、培養液の高さが○mmあるな、とか
遠距離のレーダーを持っているわけでも無いのに分かるわけないじゃん。

(無題) 削除/引用
No.10329-17 - 2022/03/11 (金) 11:49:09 - s
初速度は同じ、キネティクスはリガンド濃度低下が無視できるかどうかに依存、と素朴に思ってました。

液液と液固で異なる理屈がよくわかりません。

(無題) 削除/引用
No.10329-16 - 2022/03/11 (金) 10:30:29 - しろうと
浮遊細胞で細胞側の濃度も一定なら、スケールが関係ないのは理解できます。
接着細胞でもスケールは関係ないよと言われても、化学に疎い私には納得できません。

(無題) 削除/引用
No.10329-15 - 2022/03/11 (金) 08:50:42 - nono
リガンドは濃度を調節しているかという話かと思います。
しかし、受容体の数は変わらないので、受容体にとっては濃度が異なることになりませんか?

濃度は一緒だけど、量の違う液体が入ったビーカーに、何かを溶かすという状況とは異なりますか?

(無題) 削除/引用
No.10329-14 - 2022/03/11 (金) 04:07:15 - LPS
反応がスケールによらないのは、液相で反応が進む場合で、片方が固相の場合は正確には条件によってスケールも効いてくるのではないでしょうか。
実際、固相の場合、短時間で行う時は攪拌し続けたりしますよね

(無題) 削除/引用
No.10329-13 - 2022/03/11 (金) 01:28:53 - おお
>[Re:5] G25さんは書きました :
> 化学の基本の一つですが、
> 反応速度とか結合・解離とか反応平衡ってのは濃度の関数なんです。
> スケールが違っても濃度が同じなら、カイネティクスは同じです。
>

これに一票。化学系の人でしたら思い出してください。

(無題) 削除/引用
No.10329-12 - 2022/03/10 (木) 18:55:05 - jklkmjn
単位時間あたりの受容体とリガンドが出会って相互作用する頻度というか確率は濃度が高いほど高くなると思うので、仮に絶対量が同じでも濃度が違えば、受容体への刺激の入り方も濃度に応じて変わってくると思う。だから、試薬の節約のために、濃度変えずに液量減らしてみるのは普通にありだと思う。てか高い試薬を使う実験では実験のスケールを実験に問題が起きない範囲で可能な限りスケールダウンするのはうちらも普通によくやる。

(無題) 削除/引用
No.10329-11 - 2022/03/10 (木) 18:20:55 - devi
有効な絶対量が確保できてれば
あとは濃度なのでは?

(無題) 削除/引用
No.10329-10 - 2022/03/10 (木) 16:49:28 - -_-
MOI 細胞1個に対するウイルス数とか
抗体反応で10^6細胞あたりに抗体0.1uLとか。
面倒だから濃度にしたいところ。
培地の量半分にしたい気持ちはわかる。

(無題) 削除/引用
No.10329-9 - 2022/03/10 (木) 16:02:34 - しろうと
刺激する物質が反応後なくなるものであれば、絶対量は培養液中の濃度維持に影響すると思うのですが。

(無題) 削除/引用
No.10329-7 - 2022/03/10 (木) 14:17:02 - 散々
エスプレッソコーヒー、豆の量は一緒でも、
薄いアメリカーノで飲んでも平気なのに、濃いリストレットで
飲むと、すぐに尿意を催す。

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