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CTAB沈殿について トピック削除
No.12154-TOPIC - 2024/02/12 (月) 21:00:30 - OA
こんばんは。
もしご存じの方いればご教授お願いいたします。
植物サンプル凍結粉砕後、高塩濃度下ではCTABバッファーを入れた際にタンパク/多糖類がCTABと複合体を形成しますが、塩濃度が低い状況では核酸と複合体を形成するかと思います。塩濃度の変化で複合体の対象が変化する具体的な理由は何なのでしょうか?
基礎的な事で申し訳ありません。何卒よろしくお願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.12154-15 - 2024/02/18 (日) 22:42:24 - イスパハン
本トピの命題は、「植物サンプル」での核酸抽出する際に「CTABで」沈殿するものについて、ですよね。
植物由来のpolysaccharidesの大部分は水にも有機溶剤にも不溶です。
(澱粉って、名前がそもそも不溶性の粉だし、セルソースとかを如何に可溶化するかは難題ですし)
なので、それらは第一工程のクロロフォルム沈殿で(複合体化とか難しいことではなく)デブリとして除かれてる。

一部、酸性で水溶性のpolysaccharidesは核酸と分離しずらく、検体によってそれが問題となるものについては、PEG沈を足すとか、変法がいろいろある、ってことでしょう。

(無題) 削除/引用
No.12154-14 - 2024/02/18 (日) 10:09:00 - おお
色々WEBでみてますと、polysaccharidesは高い塩濃度でCTABと沈殿すると書かれています。acidic polysaccharidesと絞った書き方のものも多いです。

一つのこのような要因はもしかしたら高い塩濃度による疎水相互作用かもしれません。これであればacidicと限った話でなくてもいいのかもしれません。また高い塩濃度ではDetergentも沈殿(液体の場合は分離)してきます。

(無題) 削除/引用
No.12154-13 - 2024/02/17 (土) 13:15:35 - おお
>[Re:12] イスパハンさんは書きました :
> CATB沈殿法が植物細胞からのDNA抽出方法って事なので、
> グリコーゲンもヘパリンも考慮しなくて良い場合の抽出法だって事は大前提でしょう。

そうですか、polysaccharides全般的な性質としてはとらえないと言うことですか。まず植物といいますが動物でもグリコーゲンが問題になるときなどCTABを使う方法が使われたりします。またデンプンはグリコーゲンと分岐があるところを除けば一緒ですし、デンプンもクロロフォルムには溶けません。それと植物由来のペクチンもちゃんと上げてます。

>必要ならPEG沈を追加してってある訳ですし。

PEGは除けるかもしれませんね(でもちょっと実際はわかりませんけど、というのもそれで除けるならそんなに複雑なプロトコールに持ち込むかなという気もしますので)。PEGでおしゃっているということは、クロロフォルムでは除けない可能性には同意するわけですね。

でも質問での疑問は塩濃度の調整でDNAは溶けるがacidic polysaccharidesは解けないという話で、イオン結合を切るという観点からはacidic polysaccharidesも溶けるだろうという推測も成り立つというところです。

(無題) 削除/引用
No.12154-12 - 2024/02/16 (金) 17:51:53 - イスパハン
CATB沈殿法が植物細胞からのDNA抽出方法って事なので、
グリコーゲンもヘパリンも考慮しなくて良い場合の抽出法だって事は大前提でしょう。
トピ主が上げたプロトコールの様に、必要ならPEG沈を追加してってある訳ですし。

(無題) 削除/引用
No.12154-11 - 2024/02/16 (金) 13:32:01 - おお
>[Re:10] イスパハンさんは書きました :

>
> イオン性の水溶性多糖類があればDNAと同じ挙動をして、低塩濃度でイオン性多糖のCATB塩は沈殿し、塩濃度を上げれば溶解もするでしょうが、
> そのコンタミを防ぐために、前工程のクロロフォルム添加工程の段階(複数回)でしっかり除いておけよ、って事でしょう。


お示しの論文ではクロロフォルムで多糖類が除けると根拠を示さずに書いてますが、クロロフォルムで多糖が除けるという話は聞いたことがないです。例えば肝臓からRNAなどGuanidinium thiocyanate (GITC) phenol-chloroform extractionなどで抽出する際にエタ沈したときにすごい量のグリコーゲンの沈殿ができます。

また私の示した論文のacidic polysaccharidesとして挙げられているPectin
Pectin itself is completely soluble in water and insoluble in chloroform itself
https://pdfs.semanticscholar.org/972b/e37ecd1b494296b9d5056587c1271931c119.pdf

植物であるかわかりませんがヘパリン
Practically insoluble in alcohol, acetone, benzene, chloroform or ether
https://lktlabs.com/product/heparin-sodium/

お示しの論文がでた当時の段階では邪魔するほどは入ってないという認識だったのかと思います。

それと全般的に蛋白や neutral polysaccharidesが複合体作るとは言えないというのは大体同意しています。ただしCTABは界面活性剤で(他の界面活性剤と同様)疎水部分を介して蛋白に結合していることは否定できないでしょう。ただしそういう結合は不溶性になるようなものではありませんから、この議論には関係ないです。また私は負電荷を多く持つような蛋白はCTABで沈殿する可能性が申し上げました。お示しの論文に書いてないからといってそれは否定できますか?polysaccharidesも蛋白も大変多様なので白黒はっきり出るようなものでもないと思います。

最近のプロトコールは更に改良されていてPVPを加えることにより効率的にpolysaccharidesを除くようにしているのをよく見かけます。ですからお示しの論文でpolysaccharidesが除けていると言っても現時点において十分ではなかったということになります。

(無題) 削除/引用
No.12154-10 - 2024/02/16 (金) 11:45:51 - イスパハン
おおさん
文献紹介ありがとうございます。
その文献のリファレンスで紹介されている原論文では、
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC324241/pdf/nar00436-0009.pdf

>Glass beads, cell wall debris, denatured protein, and most polysaccharides are simultaneously removed during extraction with chloroform/octanol.

>However, many polysaccharides are insoluble over this salt range and are thus not solubilized.

とあり、多糖類とCATBが複合体を形成するとは書かれていないですね。
タンパク質についても変性したタンパク質とあり、複合体化なんて言って無いです。

イオン性の水溶性多糖類があればDNAと同じ挙動をして、低塩濃度でイオン性多糖のCATB塩は沈殿し、塩濃度を上げれば溶解もするでしょうが、
そのコンタミを防ぐために、前工程のクロロフォルム添加工程の段階(複数回)でしっかり除いておけよ、って事でしょう。

(無題) 削除/引用
No.12154-9 - 2024/02/16 (金) 04:43:18 - おお
>[Re:6] イスパハンさんは書きました :
> タンパク質/多糖類とCTABとが高塩濃度で複合体を形成する、って、
> そもそも何処情報ですか?

CTAB works differently based on the ionic strength of the solution. At a low ionic strength, it precipitates nucleic acid and acidic polysaccharides (pectin, xylan, and carrageenan), while protein and neutral polysaccharides (dextran, gum locust bean, starch, and inulin) remain in the solution [12]. However, at high ionic concentration, it gets bound to the polysaccharides...

DOI: 10.5772/intechopen.92206
>
> 酸(DNA)とアルカリ(CTAB)の中和反応の単純な話で、出来た塩(複合体の沈殿)が
> 高塩濃度の溶液では溶ける(イオンに遮蔽されて複合体化しない)、ってだけの
> シンプルな話じゃないですか?

ではacidic polysaccharidesとアルカリ(CTAB)の複合体はなぜ溶出してこないのですか。

確かに蛋白はちょっと疑問が残ります。そもそもCTABで落ちてこないのではと思いましたが、負電荷を多く持つ蛋白はCTABで沈殿するかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.12154-8 - 2024/02/16 (金) 00:06:04 - イスパハン
>[Re:7] OAさんは書きました :

> ソースは例えばネットなのですが、下記の情報になります。
> https://ocw.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2012/04/2012_shigenseibutsukagakujikkenn_jikkenhou1-2_03-02-1.pdf

それって、そもそも、CTAB沈殿法じゃないけど。
まあ、クロロフォルム添加後の遠心は、単にデブリを除くためで、
タンパク/多糖類は後のPEG沈で除いているんじゃないの?

(無題) 削除/引用
No.12154-7 - 2024/02/15 (木) 17:13:22 - OA
イスパハン様

ご返信ありがとうございます。

ソースは例えばネットなのですが、下記の情報になります。
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2012/04/2012_shigenseibutsukagakujikkenn_jikkenhou1-2_03-02-1.pdf

>高塩濃度の溶液では溶ける(イオンに遮蔽されて複合体化しない)、ってだけの
シンプルな話じゃないですか?

そうすると、高塩濃度だとタンパクや糖に対する複合体(沈殿)は起こらないということになるでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.12154-6 - 2024/02/15 (木) 11:39:25 - イスパハン
タンパク質/多糖類とCTABとが高塩濃度で複合体を形成する、って、
そもそも何処情報ですか?

酸(DNA)とアルカリ(CTAB)の中和反応の単純な話で、出来た塩(複合体の沈殿)が
高塩濃度の溶液では溶ける(イオンに遮蔽されて複合体化しない)、ってだけの
シンプルな話じゃないですか?

塩濃度と解離度は共通イオンでも無い限り無関係ではないですか? 
pHと解離度の関係と混同してませんか?

(無題) 削除/引用
No.12154-5 - 2024/02/14 (水) 18:39:19 - OA
おおさま
ありがとうございます。

なんとなくですが、イメージできました。このイメージでもう少し自分で掘り下げて調べてみようと思います。ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.12154-4 - 2024/02/14 (水) 02:26:35 - おお
>[Re:3] OAさんは書きました :
> おお様返信ありがとうございます。
>
> 核酸と、酸性多糖類とで電離度に差があって、その差を促進させるのが塩の働きということですかね。例えばNaClが溶解している場合、イオン濃度は一定であるという前提なのでしょうか?

そう言う話ではないですが、平たく言えば化学的な平衡状態があって、溶液中のイオン濃度が増えると、なるだけ減らす方に傾くという事。それぞれのイオンは独自の電離度がありますので、それに応じて平衡状態が変わるという事だと思います。

イオン交換カラムも塩濃度を上げると、タンパクが電荷を失って溶出してきますよね。

(無題) 削除/引用
No.12154-3 - 2024/02/13 (火) 18:40:05 - OA
おお様返信ありがとうございます。

核酸と、酸性多糖類とで電離度に差があって、その差を促進させるのが塩の働きということですかね。例えばNaClが溶解している場合、イオン濃度は一定であるという前提なのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.12154-2 - 2024/02/13 (火) 03:34:59 - おお
塩濃度が低いばあいCTABの正電荷と核酸の負電荷の相互作用で電荷を失い沈殿するのだと思います。

高塩濃度下では核酸のリン酸基は電離度が高いため高塩濃度でもイオン化したまま維持ができますが、acidic polysaccharidesなどにあるカルボキシル基はそれほど電離度が高くないために電荷を失う(多分CTABのNH2+基と結合して電離できない状態)で沈殿したままなのだと思います。

タンパク質との複合体はちょっと上記の説明の枠に入るかどうかわかりませんが、他のデタージェントと同様の作用はあると思います。

CTAB沈殿について 削除/引用
No.12154-1 - 2024/02/12 (月) 21:00:30 - OA
こんばんは。
もしご存じの方いればご教授お願いいたします。
植物サンプル凍結粉砕後、高塩濃度下ではCTABバッファーを入れた際にタンパク/多糖類がCTABと複合体を形成しますが、塩濃度が低い状況では核酸と複合体を形成するかと思います。塩濃度の変化で複合体の対象が変化する具体的な理由は何なのでしょうか?
基礎的な事で申し訳ありません。何卒よろしくお願いします。

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