よろしくお願いします。先日IPについてこちらに質問させてもらいましたが、その後またわからないことがあり、再度質問させてもらえればと思います。
現在、手持ちの抗体が免疫沈降に使えるかどうか、認識蛋白がどのぐらいの効率で回収できるかを評価しているところです。その過程で、免疫沈降時のビーズからのタンパクの溶出はどのぐらいの効率で起こっているのか疑問を持ちました。
材料は、培養細胞から1%TritonX100, 150mM NaCl, 25mMTris-Hcl(ph7.4) + protease inhibitorsで回収し、遠心後の上清(可溶性分画)。
実験操作は下記のようにしました。
アガロースビーズでプレクリア後、タンパク50ugの量で2つのチューブに分ける。
1つのチューブはIPしないコントロールとして保存(#1)し、もう一つのチューブは下記のIP操作に進む。
タンパク50ugに対して抗体1ugを加え、2時間4度でローテート。
その後、ビーズ20ul(ビーズは25%)を加え、さらに2時間4度でローテート。
複合体形成後の上清はIP効率評価のため回収(#2)。
複合体は0.2%TritonX100, 150mM NaCl, 25mMTris-Hcl(ph7.4) + protease inhibitorsで2回洗浄。(1st wash後の液を回収、#3)
最後に、TritonXなしの150mM NaCl, 25mMTris-Hcl(ph7.4) + protease inhibitorsで1回洗浄。
そして、洗浄液をのぞいた後、ビーズに1xSDS(2-ME入り) 40ulを加え、95度で5分間boilし、タンパクを溶出(#4)
#1 IP前のサンプル
#2 IP後の上清
#3 1st wash液
#4 溶出後のサンプル の4サンプルを使って、免疫沈降に使った抗体でWBを行いました。
#1、#2、#4のサンプルについては、それぞれ10%の量をSDS-PAGEで流しました。
(理屈上はターゲットのタンパクの量は、「#1 = #2+#4」になるかと思います。)
実際のバンドのintensityですが、
#1 IP前のサンプル 100%
#2 IP後の上清 10%
#3 1st wash液 0%
#4 溶出後のサンプル 10% となりました。
免疫沈降はできているものの(#1 100%→ #2 10%とIP後には上清からタンパクが減少)、溶出後の液にはそのタンパクがあまり検出されませんでした。
他のタンパクBやタンパクCを免疫沈降した場合も似たような結果で、溶出後のサンプルではbandが予想よりもだいぶ薄くなっています。
免疫沈降されたはずのタンパクがなぜ溶出後のサンプルではこれほど減ってしまうのかが分かりません。
可能性として、
1.洗浄の過程でlossが生じた
2.可溶化していたタンパクが洗浄の際にTritonXの濃度を落とすことで不溶化した
3.抗体-ビーズ複合体からのタンパクの溶出が低い
ということを考えています。
1については、すくなくとも1st wash液には明らかなタンパクのロスはなく、また途中の操作でビーズをロスしている可能性は低いと思います。
2.こういったことはありえますでしょうか?
3.抗体-ビーズ複合体にとらえられたタンパクの100%が溶出するのかと思っていましたが、実際には溶出されるタンパクはかなり少ないのでしょうか??
免疫沈降後のタンパクの回収が悪い原因につきまして、何かアドバイスをいただけないでしょうか。
よろしくお願いします。
長文失礼しました。
※その後、溶出の際の試薬を1xSDS(@-ME入り) から2xSDS(2-ME入り)に代えて、再度同様の実験を行いましたが、溶出されるタンパクの量はウェスタンブロット上は改善ありませんでした。 |
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