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免疫沈降時のビーズからのタンパクの溶出 トピック削除
No.1556-TOPIC - 2013/03/17 (日) 21:36:25 - IPPPPP
よろしくお願いします。先日IPについてこちらに質問させてもらいましたが、その後またわからないことがあり、再度質問させてもらえればと思います。

現在、手持ちの抗体が免疫沈降に使えるかどうか、認識蛋白がどのぐらいの効率で回収できるかを評価しているところです。その過程で、免疫沈降時のビーズからのタンパクの溶出はどのぐらいの効率で起こっているのか疑問を持ちました。

材料は、培養細胞から1%TritonX100, 150mM NaCl, 25mMTris-Hcl(ph7.4) + protease inhibitorsで回収し、遠心後の上清(可溶性分画)。

実験操作は下記のようにしました。
アガロースビーズでプレクリア後、タンパク50ugの量で2つのチューブに分ける。
1つのチューブはIPしないコントロールとして保存(#1)し、もう一つのチューブは下記のIP操作に進む。
タンパク50ugに対して抗体1ugを加え、2時間4度でローテート。
その後、ビーズ20ul(ビーズは25%)を加え、さらに2時間4度でローテート。
複合体形成後の上清はIP効率評価のため回収(#2)。
複合体は0.2%TritonX100, 150mM NaCl, 25mMTris-Hcl(ph7.4) + protease inhibitorsで2回洗浄。(1st wash後の液を回収、#3)
最後に、TritonXなしの150mM NaCl, 25mMTris-Hcl(ph7.4) + protease inhibitorsで1回洗浄。
そして、洗浄液をのぞいた後、ビーズに1xSDS(2-ME入り) 40ulを加え、95度で5分間boilし、タンパクを溶出(#4)

#1 IP前のサンプル
#2 IP後の上清
#3 1st wash液
#4 溶出後のサンプル の4サンプルを使って、免疫沈降に使った抗体でWBを行いました。

#1、#2、#4のサンプルについては、それぞれ10%の量をSDS-PAGEで流しました。
(理屈上はターゲットのタンパクの量は、「#1 = #2+#4」になるかと思います。)

実際のバンドのintensityですが、
#1 IP前のサンプル 100%
#2 IP後の上清   10%
#3 1st wash液   0%
#4 溶出後のサンプル 10%  となりました。

免疫沈降はできているものの(#1 100%→ #2 10%とIP後には上清からタンパクが減少)、溶出後の液にはそのタンパクがあまり検出されませんでした。
他のタンパクBやタンパクCを免疫沈降した場合も似たような結果で、溶出後のサンプルではbandが予想よりもだいぶ薄くなっています。

免疫沈降されたはずのタンパクがなぜ溶出後のサンプルではこれほど減ってしまうのかが分かりません。

可能性として、
1.洗浄の過程でlossが生じた
2.可溶化していたタンパクが洗浄の際にTritonXの濃度を落とすことで不溶化した
3.抗体-ビーズ複合体からのタンパクの溶出が低い
ということを考えています。

1については、すくなくとも1st wash液には明らかなタンパクのロスはなく、また途中の操作でビーズをロスしている可能性は低いと思います。
2.こういったことはありえますでしょうか?
3.抗体-ビーズ複合体にとらえられたタンパクの100%が溶出するのかと思っていましたが、実際には溶出されるタンパクはかなり少ないのでしょうか??

免疫沈降後のタンパクの回収が悪い原因につきまして、何かアドバイスをいただけないでしょうか。
よろしくお願いします。
長文失礼しました。

※その後、溶出の際の試薬を1xSDS(@-ME入り) から2xSDS(2-ME入り)に代えて、再度同様の実験を行いましたが、溶出されるタンパクの量はウェスタンブロット上は改善ありませんでした。
 
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(無題) 削除/引用
No.1556-10 - 2013/03/19 (火) 20:33:33 - IPPPPP
返事遅くなりました。おおさん、ありがとうございます。

>不溶化してもSDSでリカバリーできる可能性は可也高いと思います。

それを聞いて安心しました。


>洗いはノンスペが出ない、或いは気にならないのであれば特に2回目以降は塩(NaCl)を抜いてしまえばイオン相互作用は強くなりますのでもしかしたらリリースされにくくなるかもしれません。

次回の実験時に、洗浄時の塩を抜いてみる、ということも試してみようかと思います。
ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.1556-9 - 2013/03/18 (月) 03:01:38 - おお
>[Re:7] IPPPPPさんは書きました :

> washは600ulを加えて、チューブを2,3回反転。軽く遠心後、通常のチップでビーズをすわないように洗浄液を破棄。3回目の洗浄の時のみハミルトンシリンジで洗浄液をしっかり破棄、という手順でしてます。
> mildにwashするコツとかありますでしょうか。

目的によりけりでしょうけど、抗体の量を上げるとローカルの濃度が高くなりますのでよりリリースされにくくはなると思います。

洗いはノンスペが出ない、或いは気にならないのであれば特に2回目以降は塩(NaCl)を抜いてしまえばイオン相互作用は強くなりますのでもしかしたらリリースされにくくなるかもしれません。あとはこまめにpHを振ってみるとかMg, Caなどが抗体の結合に寄与しているか調べてみるとかですが、どの程度収穫があるかというと、、、

(無題) 削除/引用
No.1556-8 - 2013/03/18 (月) 02:49:37 - おお
>[Re:7] IPPPPPさんは書きました :

> 「2.可溶化していたタンパクが洗浄の際にTritonXの濃度を落とすことで不溶化した」
> という可能性はありえますでしょうか?

不溶化してもSDSでリカバリーできる可能性は可也高いと思います。
私も不溶化しやすいタンパクを扱ったことがありますが、抗体でIP後よりマイルドな条件でサンプルを溶出しようとしたのですが、抗体は出てきても目的のものが溶出できなかったことがあります。なぜそれが分かったかというと、溶出後のゲルをSDSPAGEサンプルバッファーで処理して残っているものを可よう化したからです。私の場合はTRITONの濃度とか関係なく抗体で回収されたタンパクがビーズと相互作用したためのようです。

(無題) 削除/引用
No.1556-7 - 2013/03/18 (月) 00:54:02 - IPPPPP
おおさん、いつもありがとうございます。


>washのボリームはどれくらいでしょうか?容量が多すぎて外れてきているけど検出できないとかありませんでしょうか?

washは600ulのボリュームで3回行いました。その1st wash液の100ulを回収し、6xSDS 20ulを加えた後、15ulをSDS-PAGEに使いました。ですので、WBで検出する時はかなり希釈されています。おおさんが言われますように、外れているけど検出できていない、という可能性はありえると思います。

washは600ulを加えて、チューブを2,3回反転。軽く遠心後、通常のチップでビーズをすわないように洗浄液を破棄。3回目の洗浄の時のみハミルトンシリンジで洗浄液をしっかり破棄、という手順でしてます。
mildにwashするコツとかありますでしょうか。



>あと定量はどの様に行ったのでしょうか?フィルムからのデンシドでは直線に乗る範囲が狭く簡単には定量できません。

CCDカメラで画像を取り込み、付属のソフトで定量しています。今回はIP前のサンプル(#1=プレクリアのみのサンプル)がsaturateしており、直線性に問題はありそうですが、#2(IP後の上清)、と#4(溶出後のサンプル)が#1の10%以下のintensityになっています。  


>もしビーズにくっついていると思いになるのでしたら、溶出に尿素を使う手はありますが、蛋白はIgGを介してビーズについてますよね。もしビーズに直接そんなに強く結合するならIgGなしでも吸着しそうなので、ビーズだけ加えて(ニュートラルなIgGを加えてもいいでしょうけど)も、じょうせいの蛋白量が減らないかなぁ。。。

今回、抗体を加えずビーズだけで反応させ同様にSDS sampleバッファーで溶出したサンプル(ネガティブコントロール)も用意しました。そこにはターゲットタンパクは検出されず、ビーズに直接ベタベタくっつく可能性は低いと考えています。



最初にあげさせてもらった
「2.可溶化していたタンパクが洗浄の際にTritonXの濃度を落とすことで不溶化した」
という可能性はありえますでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.1556-6 - 2013/03/18 (月) 00:17:02 - おお
washのボリームはどれくらいでしょうか?容量が多すぎて外れてきているけど検出できないとかありませんでしょうか?
あと定量はどの様に行ったのでしょうか?フィルムからのデンシドでは直線に乗る範囲が狭く簡単には定量できません。
もしビーズにくっついていると思いになるのでしたら、溶出に尿素を使う手はありますが、蛋白はIgGを介してビーズについてますよね。もしビーズに直接そんなに強く結合するならIgGなしでも吸着しそうなので、ビーズだけ加えて(ニュートラルなIgGを加えてもいいでしょうけど)も、じょうせいの蛋白量が減らないかなぁ。。。

(無題) 削除/引用
No.1556-5 - 2013/03/18 (月) 00:08:32 - IPPPPP
再度のご教示ありがとうございます。

>あなたの論旨は「IPでターゲットタンパクが80%消失したが、これは変な事だ」だと読んだのですが、それで結構ですか?

そのとおりです。長々と書いてしまったので、質問が分かりにくかったのでしたら申し訳ありません。


>1)IgGは1st-washに漏れていないか?
>2)使ったIgGの量とビーズに回収されたIgGの量はほぼ一致するか?
の2点です。ウェスタンでもCBBでも好きな方法で評価すればよろしいです。

なるほど。IgGのbandからどの時点で蛋白ー抗体複合体が消えてしまったかを推測するということですね。了解しました。
へービーチェーンのバンドは#4で非常に濃く、#2でも薄く確認できます。#3のwash液では確認できません。ですので、1st washへの漏れは非常に少ないと思います。
2)についてはきちんと評価できていませんので、今後検討したいと思います。


>そうであれば、10cm-dish1枚程度のTX100抽出液(タンパク量が2mg程度)をIPしてみるべきです。抗体の量は1ug程度で取りあえず結構だと思います。

IP、co-IPとも初めて取り組んでいますので、どのぐらいのスケールで実験すればいいかも試行錯誤中です。本実験ではタンパクを十分量使って行いたいと思います。
アドバイスありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.1556-4 - 2013/03/17 (日) 23:45:16 - qq
>「IgGの程度」の見積もり方が分かりません。
どうわからないのでしょう?判っているように思えますが。
1)IgGは1st-washに漏れていないか?
2)使ったIgGの量とビーズに回収されたIgGの量はほぼ一致するか?
の2点です。ウェスタンでもCBBでも好きな方法で評価すればよろしいです。

あなたの論旨は「IPでターゲットタンパクが80%消失したが、これは変な事だ」だと読んだのですが、それで結構ですか?
そうであれば、10cm-dish1枚程度のTX100抽出液(タンパク量が2mg程度)をIPしてみるべきです。抗体の量は1ug程度で取りあえず結構だと思います。

(無題) 削除/引用
No.1556-3 - 2013/03/17 (日) 23:14:21 - IPPPPP
コメントありがとうございます。

>50ugは、普通の培養細胞であれば、3cm-dishで一枚程度でしょうか?
>特に高発現するタンパクであれば良いかもしれませんが、IPするには少なすぎるような気がします。少なすぎると、評価が困難になります。

今回は抗体が免疫沈降に使えるかどうかの予備実験でしたので少なめのサンプル量で行いました。
最終的にはco-IPを行いたいので、その時はもっと多い量で行いたいと思ってます。
100-200ugでテストしてみて、それで難しければ300-500ugとかにスケールアップしようかと思っています。


>#4 溶出後のサンプルのIgGはどの程度ありますか?

すみません。「IgGの程度」の見積もり方が分かりません。教えていただけますか。
ウェスタンブロットで検出する際は、免疫沈降で用いた抗体を1次抗体(マウスIgG2)として用い、2次抗体で抗マウスIgG-HRPを用いて検出しました。
#4のサンプルでは、50kDaの部位にヘビーチェーンのバンドが見えます。そのバンドはターゲットのタンパクのバンド(75KDa)よりはるかに濃いバンドです(100倍以上)。

(無題) 削除/引用
No.1556-2 - 2013/03/17 (日) 22:32:05 - qq
50ugは、普通の培養細胞であれば、3cm-dishで一枚程度でしょうか?
特に高発現するタンパクであれば良いかもしれませんが、IPするには少なすぎるような気がします。少なすぎると、評価が困難になります。
#4 溶出後のサンプルのIgGはどの程度ありますか?

免疫沈降時のビーズからのタンパクの溶出 削除/引用
No.1556-1 - 2013/03/17 (日) 21:36:25 - IPPPPP
よろしくお願いします。先日IPについてこちらに質問させてもらいましたが、その後またわからないことがあり、再度質問させてもらえればと思います。

現在、手持ちの抗体が免疫沈降に使えるかどうか、認識蛋白がどのぐらいの効率で回収できるかを評価しているところです。その過程で、免疫沈降時のビーズからのタンパクの溶出はどのぐらいの効率で起こっているのか疑問を持ちました。

材料は、培養細胞から1%TritonX100, 150mM NaCl, 25mMTris-Hcl(ph7.4) + protease inhibitorsで回収し、遠心後の上清(可溶性分画)。

実験操作は下記のようにしました。
アガロースビーズでプレクリア後、タンパク50ugの量で2つのチューブに分ける。
1つのチューブはIPしないコントロールとして保存(#1)し、もう一つのチューブは下記のIP操作に進む。
タンパク50ugに対して抗体1ugを加え、2時間4度でローテート。
その後、ビーズ20ul(ビーズは25%)を加え、さらに2時間4度でローテート。
複合体形成後の上清はIP効率評価のため回収(#2)。
複合体は0.2%TritonX100, 150mM NaCl, 25mMTris-Hcl(ph7.4) + protease inhibitorsで2回洗浄。(1st wash後の液を回収、#3)
最後に、TritonXなしの150mM NaCl, 25mMTris-Hcl(ph7.4) + protease inhibitorsで1回洗浄。
そして、洗浄液をのぞいた後、ビーズに1xSDS(2-ME入り) 40ulを加え、95度で5分間boilし、タンパクを溶出(#4)

#1 IP前のサンプル
#2 IP後の上清
#3 1st wash液
#4 溶出後のサンプル の4サンプルを使って、免疫沈降に使った抗体でWBを行いました。

#1、#2、#4のサンプルについては、それぞれ10%の量をSDS-PAGEで流しました。
(理屈上はターゲットのタンパクの量は、「#1 = #2+#4」になるかと思います。)

実際のバンドのintensityですが、
#1 IP前のサンプル 100%
#2 IP後の上清   10%
#3 1st wash液   0%
#4 溶出後のサンプル 10%  となりました。

免疫沈降はできているものの(#1 100%→ #2 10%とIP後には上清からタンパクが減少)、溶出後の液にはそのタンパクがあまり検出されませんでした。
他のタンパクBやタンパクCを免疫沈降した場合も似たような結果で、溶出後のサンプルではbandが予想よりもだいぶ薄くなっています。

免疫沈降されたはずのタンパクがなぜ溶出後のサンプルではこれほど減ってしまうのかが分かりません。

可能性として、
1.洗浄の過程でlossが生じた
2.可溶化していたタンパクが洗浄の際にTritonXの濃度を落とすことで不溶化した
3.抗体-ビーズ複合体からのタンパクの溶出が低い
ということを考えています。

1については、すくなくとも1st wash液には明らかなタンパクのロスはなく、また途中の操作でビーズをロスしている可能性は低いと思います。
2.こういったことはありえますでしょうか?
3.抗体-ビーズ複合体にとらえられたタンパクの100%が溶出するのかと思っていましたが、実際には溶出されるタンパクはかなり少ないのでしょうか??

免疫沈降後のタンパクの回収が悪い原因につきまして、何かアドバイスをいただけないでしょうか。
よろしくお願いします。
長文失礼しました。

※その後、溶出の際の試薬を1xSDS(@-ME入り) から2xSDS(2-ME入り)に代えて、再度同様の実験を行いましたが、溶出されるタンパクの量はウェスタンブロット上は改善ありませんでした。

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