例えば、メタボローム解析を請け負う企業がありますが、委託に当たっては、検体は液体窒素凍結(ディープフリーザー保存可)のものを、ドライアイス詰で送付するようにと指示されます。なんで、凍結保存自体は代謝産物にそれほど影響しないようです。
しかし、フレッシュなサンプルの結果と、凍結したサンプルの結果を同列に比較できるかは、だれも保証できません(扱う材料や個別の操作方法によっても違うかもしれないし)。そこをクリアにしたいなら、ご自分の材料でご自分の手順にしたがって、凍結サンプルと生サンプルの比較をしなければならないでしょう。
>凍結融解の間に解糖系に変化がおきてしまう可能性があるのか、凍結することでそれらが分解されるのでないかなど心配していますが、
凍結するなら、液体窒素などで瞬間凍結すべきですし、サンプルをホモジナイズするときは融解なんかしないで、液体窒素中で乳鉢や凍結ミルなどで粉砕、粉末化してからバッファーと混和するのが常識的なところではないでしょうか。ホモジナイズの前に液体窒素中で粉末化するというのは効果的でよくやる方法です。おそらくホモジナイズにあたっては、代謝産物を保護するためバッファー中に酵素阻害剤、変性剤などが入っているのではないかと思いますが、生サンプルにせよ凍結保存サンプルにせよ、最短の時間で混和してやる必要があるでしょう。そのためにも、いっそのこと凍結保存なしの生サンプルを処理するときも凍結、粉末化してしまえば、凍結保存サンプルと条件がそろっていいんじゃないでしょうか。 |
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