動物実験初心者さん
まずは母性因子(maternal factor)についてですが、分野によって違うかもしれませんが発生生物学においては「卵子に残存する母親由来の遺伝子産物で、その産仔において表現型を示す因子」を意味するものと理解しています。この指摘は産仔の遺伝子型によって表現型が異なるわけですから失当でした。形成された卵子の転写は抑制されているので、その点を疑う十分な理由はありません。同じ理由から配偶子形成においても否定するべきでしょう。
インプリンティングは考えうる要因の一つです。その他に幾つか思い付いたことを(無責任にですが)記してみます。もしかしたら失礼に感じられるかもしれませんが、可能性を広くとっているので気にしないでください。
・酵素生成物が内分泌される物質でかつ胎盤を通る為に、胎児側の過剰発現遺伝子も相まって致死に至る。
・当該遺伝子は初期に胎児側も転写するために、母親由来の産物と相まって致死に至る。
・試行数が少ないために、偶然にそういう結果だった。
・偏りは雌雄とは別にある。
例1)交配につかったTgメスが偶々、その酵素の生成物を分解する能力が乏しい変異を持っていて仔に引き継がれた。(そのメスは生きているので却下)
例2)交配につかったTgオスxWTメスが、その内在性遺伝子に機能が乏しい変異を持っていたために問題が少なかった。
うーん。これだ、というアイデアは思いつきませんでしたね |
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