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ヒトiPSCs細胞の培養に関して トピック削除
No.4330-TOPIC - 2015/08/11 (火) 08:37:03 - iPSCs
現在、ヒトiPSCsの培養を行っています。

フィーダーフリーでも培養可能とのことで、STEMCELL社のmTeSR1 Basal Medium 400 mlに、同じくSTEMCELL社のmTeSR1 5X Supplementを100 ml加えた培地を使用しています。

抗生剤は加えてはおらず、このサプリメントの他には未分化維持のための低分子化合物等は加えていません。

ヒトiPSCsの培養は、matrigelコートした6-well plateで行っており、dishからのiPSCs細胞の剥離には、STEMCELL社のReLeSRを用いています。

これら培養プロトコルは共同研究者から移管されたものであります。
このプロトコルではspontaneousにiPSCsコロニー周囲に分化してしまった細胞が結構できてしまいます。(といっても、私はiPSCsの培養が初めてなので、頻繁なのかどうなのかは判断できませんが)

ROCK inhibitorやLIFは加えなくてもいいのでしょうか?とお聞きしましたが、加えてもいいけど、それでも分化した細胞はできてしまうと言われました。私は特段理由はないけど、入れていない、とのことでした。

実際のところみなさまどうされていますか?
このプロトコルを作成された方も独学でiPSCsの作製、培養を行っているようです。

京大iPSCs研究所の公式プロトコルによると、iPSCsの細胞のストックを作製するため、細胞を剥がず1 h前にROCK阻害剤 Y-27632で一時間処理することが推奨されています。

またiPSCsの細胞培養にはHuman ES mediumというものを用いており、基本的にはDMEM/F12に20% KSR (血清replacement)を加えたものに、basic FGFを加えて培養することが推奨されています。論文によるとbFGFの添加はself-renewを促すためとのことです。

私が用いているプロトコルは、京大iPSCs研究所のものと大きく異なります。
分化してしまった細胞が現れたら顕微鏡下でp200のチップで削り取るようにと言われています。みなさまも同じでしょうか?

未分化を維持するフィーダーフリー培養法で未分化維持のための化合物を加えるか否か、また分化した細胞をどう除去するかについて、みなさまのご意見をうかがわせてください。
よろしくお願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.4330-4 - 2015/08/14 (金) 14:23:08 - ジャスミンティー
2iは加えていません。2iはヒトではなくマウスES/iPS細胞の未分化維持を促進します。


iPS/ES細胞といいましても、マウスとヒトでは異なる発生段階に相当する細胞のことを指していまして、未分化維持を促進するシグナル伝達経路の活性化状態も異なっています。

iPSCsさんの話ではその辺の理解があやふやな感じがしますので、勉強されることをおすすめします。ちょっと昔までの文献には混乱するようなことが書いてあったりしますが、現在では多能性幹細胞のシグナル伝達経路についてかなり理解が深まっていますので、最近のレビューなんかを読まれるとよいと思います。
ttp://www.stemcell.com/~/media/Technical%20Resources/F/A/3/B/7/900168StemCellStatesNature100.pdf?la=en

(無題) 削除/引用
No.4330-3 - 2015/08/12 (水) 13:51:40 - iPSCs
ジャスミンティーさん、コメントいただきありがとうございます!!

経験者からのコメントいただくことができ、大変嬉しく思います。ありがとうございます。

> [培養プロトコルについて]
> 私はmTeSR1に抗生剤を加えた培地とES細胞最適化Matrigelを用いてヒトiPS細胞を培養しています。継代時の剥離にはEDTAを用い、新しいプレートに播いてから翌日の培地交換までの間だけ、培地にY-27632を添加しています。

すごく勉強になりました。Y-27632を細胞ストック前日に処理するというiPS細胞研究所の意図を知ることができました。

> そもそも、ROCK阻害剤はヒトiPS/ES細胞の未分化維持を直接促進するものではなく、シングルセルにした場合の細胞死を防ぐものです。また、LIFはepiblast stageの多能性幹細胞の未分化維持には不要であるというのが共通見解かと思います。ですからiPSCsさんの共同研究者の方のご指摘通り、これらの化合物や因子を加えたとしても分化細胞が出現してしまうと思います。

ジャスミンティーさんは2i (MEK inhibitorとGSK 3b inhibitor)も加えていませんか?
これらは未分化維持のために入れると前に文献で読んだのですが、もしよければ教えて下さい!


> [分化細胞の出現について]
> iPS細胞は、株によって未分化維持の安定性に違いがあるようです。私が培養している株はかなり安定しているため、多少の分化領域が出現したとしても通常の継代培養を繰り返すことで取り除くことができます。したがって、顕微鏡下で分化細胞を取り除くような作業は行っていません。

株によっても違いがあるのですね。

> また経験的には、継代時のまきかたが薄すぎた場合や培地交換の間隔が長すぎた場合に分化が起こりやすくなる感じがあります。

経験に基づくコメントをありがとうございます!!
すごくためになります。ありがとうございます。

> というか、ヒトiPS/ES細胞の培養には手技や感覚的な部分も必要なので、可能ならば共同研究者の方から直接培養を習うのが一番いいと思います。

今現在、共同研究者から手取り足取りを教わっています。もしわからないことがあれば自分で
解決せず、その方にもお聞きしようと思います。

ありがとうございます!もしお時間ありましたら追加の質問に大変恐縮ですが、コメントをいただけますと幸甚です。

(無題) 削除/引用
No.4330-2 - 2015/08/12 (水) 13:20:17 - ジャスミンティー
[培養プロトコルについて]
私はmTeSR1に抗生剤を加えた培地とES細胞最適化Matrigelを用いてヒトiPS細胞を培養しています。継代時の剥離にはEDTAを用い、新しいプレートに播いてから翌日の培地交換までの間だけ、培地にY-27632を添加しています。

そもそも、ROCK阻害剤はヒトiPS/ES細胞の未分化維持を直接促進するものではなく、シングルセルにした場合の細胞死を防ぐものです。また、LIFはepiblast stageの多能性幹細胞の未分化維持には不要であるというのが共通見解かと思います。ですからiPSCsさんの共同研究者の方のご指摘通り、これらの化合物や因子を加えたとしても分化細胞が出現してしまうと思います。


[分化細胞の出現について]
iPS細胞は、株によって未分化維持の安定性に違いがあるようです。私が培養している株はかなり安定しているため、多少の分化領域が出現したとしても通常の継代培養を繰り返すことで取り除くことができます。したがって、顕微鏡下で分化細胞を取り除くような作業は行っていません。

また経験的には、継代時のまきかたが薄すぎた場合や培地交換の間隔が長すぎた場合に分化が起こりやすくなる感じがあります。



というか、ヒトiPS/ES細胞の培養には手技や感覚的な部分も必要なので、可能ならば共同研究者の方から直接培養を習うのが一番いいと思います。

ヒトiPSCs細胞の培養に関して 削除/引用
No.4330-1 - 2015/08/11 (火) 08:37:03 - iPSCs
現在、ヒトiPSCsの培養を行っています。

フィーダーフリーでも培養可能とのことで、STEMCELL社のmTeSR1 Basal Medium 400 mlに、同じくSTEMCELL社のmTeSR1 5X Supplementを100 ml加えた培地を使用しています。

抗生剤は加えてはおらず、このサプリメントの他には未分化維持のための低分子化合物等は加えていません。

ヒトiPSCsの培養は、matrigelコートした6-well plateで行っており、dishからのiPSCs細胞の剥離には、STEMCELL社のReLeSRを用いています。

これら培養プロトコルは共同研究者から移管されたものであります。
このプロトコルではspontaneousにiPSCsコロニー周囲に分化してしまった細胞が結構できてしまいます。(といっても、私はiPSCsの培養が初めてなので、頻繁なのかどうなのかは判断できませんが)

ROCK inhibitorやLIFは加えなくてもいいのでしょうか?とお聞きしましたが、加えてもいいけど、それでも分化した細胞はできてしまうと言われました。私は特段理由はないけど、入れていない、とのことでした。

実際のところみなさまどうされていますか?
このプロトコルを作成された方も独学でiPSCsの作製、培養を行っているようです。

京大iPSCs研究所の公式プロトコルによると、iPSCsの細胞のストックを作製するため、細胞を剥がず1 h前にROCK阻害剤 Y-27632で一時間処理することが推奨されています。

またiPSCsの細胞培養にはHuman ES mediumというものを用いており、基本的にはDMEM/F12に20% KSR (血清replacement)を加えたものに、basic FGFを加えて培養することが推奨されています。論文によるとbFGFの添加はself-renewを促すためとのことです。

私が用いているプロトコルは、京大iPSCs研究所のものと大きく異なります。
分化してしまった細胞が現れたら顕微鏡下でp200のチップで削り取るようにと言われています。みなさまも同じでしょうか?

未分化を維持するフィーダーフリー培養法で未分化維持のための化合物を加えるか否か、また分化した細胞をどう除去するかについて、みなさまのご意見をうかがわせてください。
よろしくお願い致します。

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