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Gene trapで作られた遺伝子欠損(KO)マウス トピック削除
No.4410-TOPIC - 2015/09/09 (水) 19:56:10 - 遺伝子改変マウスについて
論文を読んでいてわからないことがあります。
ご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教授いただけませんでしょうか?

人でのある疾患を引き起こす遺伝子変異(一塩基置換によりアミノ酸がグリシンからアラニンに変わる)をノックイン(KI)したマウスがいます。この変異は生化学的、細胞生物学的実験によりloss of functionだと判明しており、また、このマウスは人の疾患を正確に表現しているようです。

また、相同組替えを利用した同遺伝子ノックアウトマウス(KO)も作成されており、同様の表現系をしめしています。

ただ、Gene trap法で作られた同遺伝子のノックアウトマウスは概ね症状が軽微で、そのマウスは「人の疾患を完璧に表現しない」とのことで、上記KIマウス(人の疾患を概ね表現できている)の有用性を主張している論文を読んでいます。

なぜKIマウス(人と同じ遺伝子変異)が人疾患を表現して、gene trappedマウスでは表現されていないのかを解釈しようとすると、KIマウスではもしかしたら変異タンパク質のgain of functionが疾患発生に効いているのかもしれません。ただ、そうなるとなぜ相同組替えを利用した通常のKOマウスで人の疾患が概ね表現されているのかが説明できません。

これら3系統のマウスはC57BL/6Jに戻し交配されており、遺伝学的背景の違いではなさそうです。

そこで、皆様にお聞きしたいことがあります。

所謂、通常の相同組替えを利用したKOマウスと、gene trapで作られたKOマウスは「どちらも真っ当(?)なKOマウス」と理解してもいいのでしょうか?

gene trap法が何たるかは理解しているつもりですが、潜在的な問題点など、は理解できていないと思います。ご存知の方がいらっしゃいましたらご指摘いただけますと幸いです。
よろしくお願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.4410-5 - 2015/09/09 (水) 22:11:09 - 中年
一般論としては皆さんが仰ってるとおりです。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。議論の前提として、まずはそのgene trapラインは当該遺伝子にどのように挿入されているのか、機能が残存しているということがあり得るかどうか、ご自身でまずは検討されてはいかがですか?もちろん、挿入箇所からだけでは完全なnullかどうかが判断できるとは限りませんが、まずはそこから始めないと。

(無題) 削除/引用
No.4410-4 - 2015/09/09 (水) 20:50:19 - AP
一例として、GTベクターがイントロンに挿入して、上流のエクソンをトラップするためmRNA が中断するような場合。
100%の転写産物がGTベクターとスプライスされるのではなく、リードスルーした上、イントロンがベクター配列ごとスプライスアウトされて、正しいエクソン同士でスプライスされたmRNAができます。トランスポゾンの挿入による突然変異でもよくあることです。

(無題) 削除/引用
No.4410-3 - 2015/09/09 (水) 20:27:48 - 独り言
KIマウスはゲノムにあるその遺伝子が100%その変異を持っております。

相同組み換えのKOマウスもゲノム上のその遺伝子一部が100%欠損しています。


しかしトラップベクターはどうでしょう?遺伝子自体は残っており、トラップベクターが間に挿入されています。理論上はその遺伝子の発現をトラップしてKOとなりますが、それが100%起こる保障はどこにもありません。実際にトラップしやすい遺伝子とそうでないものがあります。なので経験的にトラップベクターのKOでもその遺伝子が十分に発現していることはよくあり、KOにならないことがよくあります。またウエスタンでそのタンパク質の発現が検出できなかったとしても、トラップベクターのKOなら検出できない程度に発現して、KOとしてのフェノタイプがでないこともあります。
もちろんトラップベクターでちゃんとKOできている遺伝子もあるので、トラップベクターのKOのフェノタイプがでるかは運に左右されます。

Gene trapで作られた遺伝子欠損(KO)マウス 削除/引用
No.4410-1 - 2015/09/09 (水) 19:56:10 - 遺伝子改変マウスについて
論文を読んでいてわからないことがあります。
ご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教授いただけませんでしょうか?

人でのある疾患を引き起こす遺伝子変異(一塩基置換によりアミノ酸がグリシンからアラニンに変わる)をノックイン(KI)したマウスがいます。この変異は生化学的、細胞生物学的実験によりloss of functionだと判明しており、また、このマウスは人の疾患を正確に表現しているようです。

また、相同組替えを利用した同遺伝子ノックアウトマウス(KO)も作成されており、同様の表現系をしめしています。

ただ、Gene trap法で作られた同遺伝子のノックアウトマウスは概ね症状が軽微で、そのマウスは「人の疾患を完璧に表現しない」とのことで、上記KIマウス(人の疾患を概ね表現できている)の有用性を主張している論文を読んでいます。

なぜKIマウス(人と同じ遺伝子変異)が人疾患を表現して、gene trappedマウスでは表現されていないのかを解釈しようとすると、KIマウスではもしかしたら変異タンパク質のgain of functionが疾患発生に効いているのかもしれません。ただ、そうなるとなぜ相同組替えを利用した通常のKOマウスで人の疾患が概ね表現されているのかが説明できません。

これら3系統のマウスはC57BL/6Jに戻し交配されており、遺伝学的背景の違いではなさそうです。

そこで、皆様にお聞きしたいことがあります。

所謂、通常の相同組替えを利用したKOマウスと、gene trapで作られたKOマウスは「どちらも真っ当(?)なKOマウス」と理解してもいいのでしょうか?

gene trap法が何たるかは理解しているつもりですが、潜在的な問題点など、は理解できていないと思います。ご存知の方がいらっしゃいましたらご指摘いただけますと幸いです。
よろしくお願い致します。

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