Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

iPS細胞の継代 分化細胞はどうなるのか トピック削除
No.4810-TOPIC - 2016/02/03 (水) 08:07:05 - AU
お世話になっています。

海外で研究しています。

研究室で、対象患者(及び健常者コントロール)の末梢血(PBMC)からiPS細胞の樹立を行うプロジェクトを開始しています。研究室及び隣接施設ではiPS細胞に関わる研究はなく、私が初めてになります。

Geltrex Matrixを使用した、Feeder free conditionで、培地はEssential Flex Mediumを使用しています。
再ブログラムにはSendai virusを使用し、3検体よりiPS細胞を樹立、蛍光染色を行い、Characterizationも行いました(Tra1-61, Tra1-80, SSEA, OCT-4)。

現在Passage11-13で、0.5mM EDTAを使用して、Cell clumpでの継代(Single cell passaging ではない)を行っていますが、多少の変動はあるにしろ、全細胞の数%−10%位に、分化した細胞が混じっていることが気になります。顕微鏡で写真を撮れば、Pureに見えるところはいくらでもあるのですが。

分化した細胞が多い場合は、そのクローンは使用するべきではないことは知っているのですが、微妙な割合で分化細胞が見られた場合、この継代を継続すると、どうなるかが気になります。

1.分化細胞は減ってゆくのか、変わらないのか?:分化した強接着性の細胞はEDTAでは剥がれにくいために分化細胞は適切な手技によって減らせる可能性があるのか。あるいは、(この)iPS細胞は常に、分化細胞を一定数持つような性質になっているのか。
2.分化細胞は継代に従って増えてゆく可能性があり、それは不可避なのか?

これら周辺につきお知りの方、またより良い培養環境の提案をしていただける方、また何かお気づきの方、なんでも良いので返答が頂ければ幸いです。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



7件 ( 1 〜 7 )  前 | 次  1/ 1. /1


iPS細胞の継代 分化細胞はどうなるのか 削除/引用
No.4810-7 - 2016/03/15 (火) 00:56:42 - AU
>HDRさん
アドバイスありがとうございます。
Rock inhibitorは企業ベースのプロトコルには記載はないため使用していません。EDTAを使用していたころは、細胞死はあまり問題となるレベルではありませんでしたがReLeSRの場合は使用したほうが良いかもと思いました。

因みに、当研究室では、Essential 8 Flex mediumという、毎日培地交換不要のものを使用しています。継代翌日に培地交換した後は、通常量投与で2日、倍量投与で3日に一度の培地交換で問題ないとされています。毎日交換に越したことはないと思いますが、今のところ問題は起こっていません。

分化誘導に関しては、こちらでもMSCへの分化誘導を検討していますが、まずはiPSCに、あるがんの融合遺伝子をレンチウイルス(pLV-Tet-One-Puro)で導入して細胞の挙動みます。その後、遺伝子導入されたiPS細胞あるいはされていないiPS細胞をMSCに分化誘導する方針です。
MSCへの分化誘導にも様々な方法が報告されていますが、どれにしようか検討中のところです。お役に立てずすみません。


>PDさん
ありがとうございます。
こちらでもよく似た方法を行っています。自分の方針が確認できて元気づけられます。周りにiPS細胞を使用している人は誰も居ないもので。

@分化している部分をScrape out、それによって浮いた細胞を吸引除去したり、培地で数回Wash outしてから通常の継代作業に入る: なかなかtrickyなのであまり好みませんが、分化細胞が集簇している場合はたまに行います。

APassageを短めにする: 週に2回(月曜日・木曜日)位を心がけています。また、細胞密度をなるべく疎になるように行っています。

BClumpを適切な大きさにする: EDTAの反応時間を長くして、Clumpを細かくしすぎると分化/細胞死が進む印象を持っていますし、だからと言って反応時間を短くするとWellからはがれにくいので、この辺は、顕微鏡を見てなんとなくの感覚を掴むしかないと思っています。自験例ではiPS細胞を4系統を樹立していますが、0.5mM EDTA、室温で7分前後の反応時間がよさそうです。5分だと、吹き付けないと細胞が剥がれず、またその作業で分化細胞まで剥がれて回収されるせいか分化細胞の割合が増えました。ピペットからポタリポタリと培養液を落として細胞が剥がれてくる位が良いと思っています。

(無題) 削除/引用
No.4810-6 - 2016/03/14 (月) 15:17:50 - PD
分化しやすいものはどうやっても一定%は分化しやすいので、どうしようもないこともありますが…

私の対策としては
・passage時前に分化コロニーをアスピレーターで吸引してなるべく取り除く
・passage間隔を短めにする
・clumpを適切な大きさに均一に砕く(クローンによってclumpのちょうどいい大きさは違うことも)
・フィーダー有の場合はフィーダーを少し濃い目に播く

くらいでしょうか

(無題) 削除/引用
No.4810-5 - 2016/03/10 (木) 10:45:08 - HDR
HDRです。アップデートをありがとうございます。

細胞が死んでしまうとのことですが、ROCK inhibitorは継代時に加えていますよね?
私の場合にもある程度は死んでいると思います。が、毎日の培地交換と毎日のクリーニング(とその後のPBSでの洗浄等)で浮遊した細胞は除去されていると思いますので、あまり気にしたことがありませんでした。

私も今ご両親と患者様から由来のiPS細胞5クローンのうち、1クローンずつを培養していますが、ご両親(お母様)由来のiPSクローンは分化細胞が多く作る傾向を持っているようです。毎日クリーニングが必須です。

ところでAU様はiPS細胞の樹立後、なんらかの細胞系譜への分化誘導を行っていますでしょうか?当方、間葉系幹細胞(MSC)樹立にトライしていますが、一見MSC様の細胞が継代時にほとんど死んでしまう自体に陥っています。もしコメントやご助言をいただけますと嬉しく思います。

iPS細胞の継代 分化細胞はどうなるのか 削除/引用
No.4810-4 - 2016/03/10 (木) 06:39:55 - AU
ReLeSRを使用したので、報告しておきます。

投与後のiPS細胞の剥がれ具合は、
0.5mM EDTA/DPBS(-)の時とおおよそ同じでした。分化が進んだ細胞は剥がれません。

私の研究室では以下の2点が問題となりました。

・EDTAと比べて細胞が死にやすい。
継代後2日経ってからでも細胞が死にます。また、十分に浸した状態でincubateすると死にますので、protocolにあるように、投与後、一旦吸引して薄層状態でのincutbationが必須です(それでも死にます)。またprotocolには記載はありませんが、薬剤のcarry overを防ぐために回収後に一度遠心した方がいいです。

・EDTAと比べて継代後の細胞が分化しやすい。
一番の問題です。分化細胞の割合が増えますし、iPSコロニーの形態そのものも形態的に不良(円形でなくなる、周囲が毛羽立つ)になります。

また、protocolに、plate vortexerの使用についても書いてありますが、当研究室は12 well plateを使用していて、一緒にvortexされてしまう継代しない隣のwellについて、物理的振動そのものが分化を促す可能性を恐れ使用していません。

以上が、当研究室で維持している3種のMNC由来のヒトiPS細胞で見られました。「今度こそ分化細胞が減るだろう!」と信じて 5 passageほど頑張りましたが
うまくいかずあきらめました。

現在EDTAに戻しましたが、細胞の挙動が戻って来てホッとしています。

個人的には上記濃度のEDTAを6-8分 RTでincubationして、fresh mediumを加える際に、吹き付けずにポタリポタリと落として剥がすのが一番良いようでした。

今回の件に関してはReLeSRのprotocolにない、Essential 8 Flex mediumを使用しているのも要因にあるのかもしれません。

知識・技術の共有のために報告しておきます。

良い情報があればまたよろしくお願いします。

iPS細胞の継代 分化細胞はどうなるのか 削除/引用
No.4810-3 - 2016/02/04 (木) 06:47:47 - AU
>HDRさん
ありがとうございます。

継代時に分化した細胞を除去してゆくことが良いですよね。

ヒトiPS細胞を使用しています。最近は、ヒトiPS細胞でもSingle cell passageが確立しているようなのですが、この手技の場合、分化した細胞も含めて全部剥がす(剥がれてしまう)為なのか(あるいは小生の不完全な手技によるものか)、一度やったところ、分化した細胞が徐々に増えて行った経験があり、cell clump passageに戻していました。

LeReSRのWeb siteを見てみると、使用感はとてもよさそうですね。
私も一度試してみます。

(無題) 削除/引用
No.4810-2 - 2016/02/03 (水) 15:57:30 - HDR
ヒトですよね。わたしはLeReSRをしようしています。
分化した細胞はそれではがれにくいことになっていますし、私自身も、未分化細胞のみを選択的にはがし継代することをルーチンにしています。

iPS細胞の継代 分化細胞はどうなるのか 削除/引用
No.4810-1 - 2016/02/03 (水) 08:07:05 - AU
お世話になっています。

海外で研究しています。

研究室で、対象患者(及び健常者コントロール)の末梢血(PBMC)からiPS細胞の樹立を行うプロジェクトを開始しています。研究室及び隣接施設ではiPS細胞に関わる研究はなく、私が初めてになります。

Geltrex Matrixを使用した、Feeder free conditionで、培地はEssential Flex Mediumを使用しています。
再ブログラムにはSendai virusを使用し、3検体よりiPS細胞を樹立、蛍光染色を行い、Characterizationも行いました(Tra1-61, Tra1-80, SSEA, OCT-4)。

現在Passage11-13で、0.5mM EDTAを使用して、Cell clumpでの継代(Single cell passaging ではない)を行っていますが、多少の変動はあるにしろ、全細胞の数%−10%位に、分化した細胞が混じっていることが気になります。顕微鏡で写真を撮れば、Pureに見えるところはいくらでもあるのですが。

分化した細胞が多い場合は、そのクローンは使用するべきではないことは知っているのですが、微妙な割合で分化細胞が見られた場合、この継代を継続すると、どうなるかが気になります。

1.分化細胞は減ってゆくのか、変わらないのか?:分化した強接着性の細胞はEDTAでは剥がれにくいために分化細胞は適切な手技によって減らせる可能性があるのか。あるいは、(この)iPS細胞は常に、分化細胞を一定数持つような性質になっているのか。
2.分化細胞は継代に従って増えてゆく可能性があり、それは不可避なのか?

これら周辺につきお知りの方、またより良い培養環境の提案をしていただける方、また何かお気づきの方、なんでも良いので返答が頂ければ幸いです。

7件 ( 1 〜 7 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。