Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

βME有無でのバンドの解釈について トピック削除
No.5064-TOPIC - 2016/05/15 (日) 15:54:01 - 楽進
いつも勉強させていただいております。
こののサイトは実験中にもよく閲覧させていただいておりまして、どの項目も大変勉強になっております。

ただいま、2種の培養細胞(ワイルドタイプと興味ある遺伝子のノックアウトです。)の培養液中へ分泌されるものに注視しております。ノックアウトしております遺伝子は Secファミリー分子の一つで小胞の輸送が破綻する変異体となります。

当初の期待としましては、Sec小胞依存的に輸送される分子が細胞外にミスターゲットしてしまうと期待していました。実際、それら細胞を無血清培地にて3日培養し、培養上清を濃縮してwestern blottingを行うと、ワイルドタイプではほとんど分泌されていないのに対し、ノックアウトでは予想どおり多く分泌されていました。

ただ不思議に思うことがあります。それについて質問させていただければと思います。
ここのBiotechnical forumで学ばせていただいたように、闇雲にβMEをサンプルバッファーに入れるのではなく、ということを意識して、上清をwestern blotすると、予想される分子量よりも遥かに高いバンド(一番大きいマーカーの170 kDaよりも高いです。)がノックアウト細胞の培養上清で得られました。一方、ワイルドタイプの細胞のライセートでは予想通り70 kDaのバンドが見えました。ノックアウトではライセート中の当該分子はやや下げっていました。

これらのデータはβME無しのものです。

そこでこの高分子量のバンドがS-S結合によるものかどうかを調べるためにβMEを添加し、ボイルしたものを同時に泳動してみました。(還元処理したものとしないものとがSDS-PAGEゲル内で相互作用しないよう、両者間にはサンプルバッファーのみを流してβMEが隣のwellに反応しない工夫をしました。)

すると結果は、βME無しの方では再現性よく170 kDa以上のbandがノックアウトの培養上清に認められましたが、βME処理した培養上清は170以上のbandが綺麗になくなりましたが、かといって70 kDaのバンドが増加するというわけではありませんでした。

つまり、βME存在下で170 kDa以上のバンドが綺麗に消えるという結果となりました。2度行って、同様の結果です。

どのように解釈したらよいのか悩んでいます。
抗体がS-S結合を持つタンパク質の構造特異的に認識しているというわけではないです。(βME処理無しのライセートでは綺麗にバンドが出るためです。)

ここ数日考えていますが、中々アイデアが浮かびません。
もしこれを読まれてちょっとした感想や疑問、アイデア等ありましたらご教示いただけませんでしょうか?長文駄文で大変恐縮ですが、よろしくお願い致します。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



12件 ( 1 〜 12 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.5064-13 - 2016/05/17 (火) 03:19:15 - おお
http://rstb.royalsocietypublishing.org/content/368/1617/20110403
PDIとコンプレックスを取った状態で分泌されてしまってるのかもですね。

(無題) 削除/引用
No.5064-11 - 2016/05/17 (火) 01:49:35 - おお
あ、牛IgGやノンスペの可能性は少ないかな、、、正常の細胞のコントロール取っていますから。。。失礼しました。

(無題) 削除/引用
No.5064-10 - 2016/05/17 (火) 00:06:30 - おお
疎水性が関与しているアグリゲーションはウレアで解消できることがたいていです。サンプルバッファーで処理したサンプルと飽和ウレアを1:1に混ぜてしばらくインキュベーションして流すといいかと思います。

(無題) 削除/引用
No.5064-9 - 2016/05/16 (月) 23:56:16 - おお
>[Re:8] 楽進さんは書きました :

> ゲルから切り出す操作は昔経験したことはあるのですが、いまいちおお様からのsuggestionで得られるアイデアがなんなのかが理解できないでいます。お恥ずかしいですが。。
>
> 非還元状態で流すと高分子量に出ていて、還元状態でbandが綺麗に消えるというのは解釈が非常に難しいです。ノックアウトしたSec分子がreductaseの活性を負に制御していたりするのでしょうか。一度論文検索してみようと思います。ありがとうございます。
> 心から感謝申し上げます。
>

toto様の面白い発想から来ています。その高分子のバンドが何らかのあグリケーションで、S-S結合が関与しているからそのような挙動を取るとした場合、やはり還元状態では70kDaに来てもいいはずです。toto様の指摘のようにバンドの強さなどがうまく認識できないだけとするならば、高分子のバンドが還元状況下で70kDaにシフトするのを見ればいいわけですから、そのバンドを切り出したりして挙動を確かめればわかりやすいと思った次第です。

そのようにしないと70kDaが増えてないようにみえるなら(70でいくらかでもバンドが見えているのでしょうか)、単なる空想で論文にするには苦しいのではと思った次第です。

その上清には血清は入ってますか。牛IgGってことはないよねきっと。還元状態でも違う場所で検出されるだろうから。念のために発現していないと思われる細胞か、その実験に使ったフレッシュな培地を流して見ればいいかもしれません。培地に蛋白成分があるならノンスペを否定できるデーターとして使えるでしょう。

(無題) 削除/引用
No.5064-8 - 2016/05/16 (月) 15:55:11 - 楽進
中年様、コメントいただき、ありがとうございます。

この分子は小胞内腔に存在するもので、基本的にsolubleだと理解しています。
確かにstacking gelにとどまっているような感じでしたので、アグっているか、multimerを形成しているかでウェルに入らないのかもしれないですね。

ですが、今一度疎水性という観点でこの分泌タンパク質を調べてみることにします。ありがとうございます。

おお様、ありがとうございます。

ゲルから切り出す操作は昔経験したことはあるのですが、いまいちおお様からのsuggestionで得られるアイデアがなんなのかが理解できないでいます。お恥ずかしいですが。。

非還元状態で流すと高分子量に出ていて、還元状態でbandが綺麗に消えるというのは解釈が非常に難しいです。ノックアウトしたSec分子がreductaseの活性を負に制御していたりするのでしょうか。一度論文検索してみようと思います。ありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.5064-7 - 2016/05/16 (月) 15:49:41 - 楽進
toto様、示唆に富むアイデアをいただき、心からありがとうございます。

> 普通に考えると、やはりKOではミスフォールドしたものが培地に出ている、ということでしょう。

このコメントをいただいて正直ドキッとしました。実はこのSec分子はERADとも相互作用の可能性が言われている分子なんです。mis-targetをキーワードに論文検索していましたが、mis-foldingでも論文検索してみることにします。本当に目から鱗のコメントをいただき、感謝感激しています。ありがとうございます。

> 還元の時にWTよりも小さくなるのは、末端糖の付加が起きてないから、では?糖タンパクならば。たしかに、それならば、還元するとモノマーが増えるはずですが、サイズの異なるものの量比はBlottingではあまり予想通りではないことも珍しくありません。パルスチェイスすればはっきりすると思います。速さも変わってそうです。

私の書き方がよくなかったです。
還元時には、高分子量のbandは綺麗になくなります。一方、還元時の70 kDaのバンドの《濃さ》はどかんと増えるのではなく、むしろワイルドタイプより遥かに《薄い》ものでした。
パルスチェイスという名前は耳にしたことがありますが、この方法で何が得られるのかまずはきちんと理解してみるようにします!本当に、ありがとうございます!!

> ミスフォールドしてれば小胞体にとどまるはずですが、ひょっとして、Sec系の分子がゴルジから小胞体への逆向輸送を担っていて、それが本来はミスフォールドしたものを連れ戻しているが、それが無いためにKOでは漏れてしまっている可能性なのかなと思いました。面白いPhenotypeですね。

私の発想力の乏しさを自覚できました。すごい表現系なのかもしれないな、、と興奮してきました。totoさんからいただいたコメントを十分吟味し、噛み砕けるように勉強します!!ありがとうございます!!

(無題) 削除/引用
No.5064-6 - 2016/05/16 (月) 15:26:50 - 楽進
みなさま、たくさんのご意見をいただきまして、誠にありがとうございます。

> バンドが予想されるサイズと大きくかけ離れているので、ノンスペを拾っている可能性はないでしょうか。

可能性はないわけではないとは思いますが、その分泌分子のノックアウトやノックアウトを行っていない以上なんとも言えないですね。さくっとCRISPR-Cas9で作るのもありだとは思いますが、時間がかかりそうですね。 ノックダウンできるかも含めて検討したいと思います。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.5064-5 - 2016/05/16 (月) 01:15:48 - おお
一度非還元条件でながして170kDaのあたりを切り出して還元剤で処理してもう一度SDSPAGEしてみてはどうかな。
レーンを切り出して2Dでもいいかもしれない。

(無題) 削除/引用
No.5064-4 - 2016/05/15 (日) 23:23:47 - 中年
疎水性が高いとボイルでアグってゲルに入らないという話題もこのフォーラムで頻出ですよね。分泌タンパク質なので可能性は低いのかもしれませんが。

(無題) 削除/引用
No.5064-3 - 2016/05/15 (日) 20:50:13 - toto
普通に考えると、やはりKOではミスフォールドしたものが培地に出ている、ということでしょう。還元の時にWTよりも小さくなるのは、末端糖の付加が起きてないから、では?糖タンパクならば。たしかに、それならば、還元するとモノマーが増えるはずですが、サイズの異なるものの量比はBlottingではあまり予想通りではないことも珍しくありません。パルスチェイスすればはっきりすると思います。速さも変わってそうです。

ミスフォールドしてれば小胞体にとどまるはずですが、ひょっとして、Sec系の分子がゴルジから小胞体への逆向輸送を担っていて、それが本来はミスフォールドしたものを連れ戻しているが、それが無いためにKOでは漏れてしまっている可能性なのかなと思いました。面白いPhenotypeですね。

(無題) 削除/引用
No.5064-2 - 2016/05/15 (日) 17:00:22 - おお
バンドが予想されるサイズと大きくかけ離れているので、ノンスペを拾っている可能性はないでしょうか。

βME有無でのバンドの解釈について 削除/引用
No.5064-1 - 2016/05/15 (日) 15:54:01 - 楽進
いつも勉強させていただいております。
こののサイトは実験中にもよく閲覧させていただいておりまして、どの項目も大変勉強になっております。

ただいま、2種の培養細胞(ワイルドタイプと興味ある遺伝子のノックアウトです。)の培養液中へ分泌されるものに注視しております。ノックアウトしております遺伝子は Secファミリー分子の一つで小胞の輸送が破綻する変異体となります。

当初の期待としましては、Sec小胞依存的に輸送される分子が細胞外にミスターゲットしてしまうと期待していました。実際、それら細胞を無血清培地にて3日培養し、培養上清を濃縮してwestern blottingを行うと、ワイルドタイプではほとんど分泌されていないのに対し、ノックアウトでは予想どおり多く分泌されていました。

ただ不思議に思うことがあります。それについて質問させていただければと思います。
ここのBiotechnical forumで学ばせていただいたように、闇雲にβMEをサンプルバッファーに入れるのではなく、ということを意識して、上清をwestern blotすると、予想される分子量よりも遥かに高いバンド(一番大きいマーカーの170 kDaよりも高いです。)がノックアウト細胞の培養上清で得られました。一方、ワイルドタイプの細胞のライセートでは予想通り70 kDaのバンドが見えました。ノックアウトではライセート中の当該分子はやや下げっていました。

これらのデータはβME無しのものです。

そこでこの高分子量のバンドがS-S結合によるものかどうかを調べるためにβMEを添加し、ボイルしたものを同時に泳動してみました。(還元処理したものとしないものとがSDS-PAGEゲル内で相互作用しないよう、両者間にはサンプルバッファーのみを流してβMEが隣のwellに反応しない工夫をしました。)

すると結果は、βME無しの方では再現性よく170 kDa以上のbandがノックアウトの培養上清に認められましたが、βME処理した培養上清は170以上のbandが綺麗になくなりましたが、かといって70 kDaのバンドが増加するというわけではありませんでした。

つまり、βME存在下で170 kDa以上のバンドが綺麗に消えるという結果となりました。2度行って、同様の結果です。

どのように解釈したらよいのか悩んでいます。
抗体がS-S結合を持つタンパク質の構造特異的に認識しているというわけではないです。(βME処理無しのライセートでは綺麗にバンドが出るためです。)

ここ数日考えていますが、中々アイデアが浮かびません。
もしこれを読まれてちょっとした感想や疑問、アイデア等ありましたらご教示いただけませんでしょうか?長文駄文で大変恐縮ですが、よろしくお願い致します。

12件 ( 1 〜 12 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。