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特許が取られている組替えタンパク質を作製することについて トピック削除
No.5438-TOPIC - 2016/10/01 (土) 14:17:33 - Masa
テクニカルな話題ではないのですが、一点お聞きしたいことがありトピックを立てました。

論文で、ある組替えタンパク質を用いると特定の免疫細胞を特異的に染められるようです。
いわゆる、抗原特異的T細胞を染めるためのpeptide-MHC tetramerのようなものと同じ役割をするものです。

その組替えタンパク質はphageディスプレイで取られてきたもので、完全に人工的なタンパク質です。そのタンパク質は売られているのですが、非常に高価で、海外からの輸入に頼ることになります。その組替えタンパク質は見つけた人らによって特許が取られているようですが、その特許の文書を読むとDNA配列が示されていました。

約1000塩基ほどの長さですので、外注で合成DNAを作れるほどの大きさです。

経済的にも裕福なラボではありませんので、これを自作してもいいのならそうしたいです。
勿論作製したものは私らの研究のみに使用するもので、他に譲渡したり売るようなことはしません。私たちは一度、作製者らからその組替えタンパク質を購入しています。(二本、購入しました。)購入した事実はあるので、私たちが自作しても、問題にはならないと思っていますが、実際特許のことはよくわかっていません。

私の理解では、その組替えタンパク質を用いて、商業的な利益をあげるようなことは禁止(といいますか、特許から守られており)されているが、それを自作することまでは特許が制限する対象ではないと考えています。が、勝手な解釈とも言えます。皆様のご意見を聞かせてもらえると嬉しいです。よろしくお願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.5438-12 - 2016/10/02 (日) 12:45:50 - ぺーぺー
>[Re:10] asanさんは書きました :
> 営利か非営利かが問題なわけではなく、それによって特許取得者の権利を不当に侵害するか否かが論点になるんじゃないかと思います。ただし、自前で勝手につくって勝手に利用するというのは、作る労力やマテリアルを入手したりする必要mもあるわけですからそれをただちに違法とはしないんじゃないかと。
非専門家の感覚とは別に、法律には法律の世界の論理体系があるのではないでしょうか。あと、経済的な権利を確保するために公開した情報を基に不正に発明を実施しておいて「特許権者の権利を不当に侵害していない」と考える理由が分かりません(あくまで「不正に」ですよ)。前の投稿で提示した資料を読んだ限りでは当該地域で抵触する特許がある場合には「USではほぼ間違いなく不正」、「日本でもたぶん不正」であると理解しました。CRISPRの話しは大変厄介ですが、許可されているから使えるのです。大昔にはTaqを自作している人もいたと聞きますが、今は大っぴらにやっている人を知りません。

> 個人的には、特許うんぬんよりも仮にも一部でも自作したマテリアルでやったのものを論文で購入したマテリアルでやったとすること自体のほうが少々気になりますが。
私も、気になりました。「ちょっと」どころか「おおいに」ですが。示した方法で実施しなかったデータを出せば、これはmisconductでしょう。実験のコアな部分に影響することでレトリックでなんとかなる問題とは思えません。

(無題) 削除/引用
No.5438-11 - 2016/10/02 (日) 10:46:22 - えーーと
大学でしたら知的財産部門があると思いますので、そこに問い合わせれれば、契約している弁理士さんに聞いてもらえると思います。

特許の請求項にもよるんですが、DNA配列の一部を変えてしまえば、特許は回避されると思いますし、もし、より良い物を作れる様に改変すれば、逆に新たな特許が取れると思います。

(無題) 削除/引用
No.5438-10 - 2016/10/02 (日) 06:40:36 - asan
>一般論として、非営利であれ業務として反復した場合は「業として」実施されたと解されると理解しています。

営利か非営利かが問題なわけではなく、それによって特許取得者の権利を不当に侵害するか否かが論点になるんじゃないかと思います。ただし、自前で勝手につくって勝手に利用するというのは、作る労力やマテリアルを入手したりする必要mもあるわけですからそれをただちに違法とはしないんじゃないかと。アカデミック雑誌に投稿することは慣例的にどうか専門家ではないので断定するつもりはありませんが、いわゆる科学雑誌は通常金を払って掲載してもらうわけだからどうなんでしょうかね。その意味では、例えば国内の商業誌に原稿料をもらって記述するのは厳密にはアウトなのかもわからんですが結構グレーゾーンな気がします。

ただ、「特許がらみのものはすべて勝手に自作して研究したらアウト」となると商業化されてるか否かに問わず例えば誰しもがやってるiPS細胞の樹立なんかも含めて昨今のCRISPR(これはまあベクターをaddgeneからMTAで入手したりしてるかもですが)あたりもその他多くの実験系自体がアウトになってしまったりするので、そもそもアカデミック業界自体が成り立たないきもしますが…ちょっと考えにくいんじゃないかとおもいますけど…。権利者が訴えないだけかと言われればそれまでですが、そもそも勝てる見込みがないような気もします。

結晶化のBBRCの論文で違うのについては結晶化の分野では結晶化しやすくするためとかで少し変異をいれたりする”トリック”なんてことは日常茶飯事ですから特許がらみを意図したとは考えにくいですけどね。

いずれにせよもっと極論言えば、特許自体も日本で出願されてなければ日本国内での使用はそもそも違法には当たらないとかややこしいことだって言えなくはないでしょうが。もちろん、既知の技術に当たるので、あなたが特許を取得することは難しいでしょうが、特許侵害はないでしょうね。輸入するようなもので日本での国際特許を取ってるとは考えにくです。

個人的には、特許うんぬんよりも仮にも一部でも自作したマテリアルでやったのものを論文で購入したマテリアルでやったとすること自体のほうが少々気になりますが。両方つかったならせめて、、「○○は、購入(○○社)または過去の方法を参考(引用論文)に自作したものを実験に用いた。」とか記載すべきではないかと。だって、純度とか精製条件とかが全く同じとは限りませんからね。ま、目くじら立てる人もいないとは思いますが。

あくまで、参考意見ではありますが。

(無題) 削除/引用
No.5438-9 - 2016/10/02 (日) 00:43:11 - Masa
皆様、沢山のご意見をありがとうございます。
私自身、特許に関しては疎く、ただただ経費と時間の節約をという想いでこういった発想に至りました。海外から購入するためにかなりの量のペーパーワークと、輸送にかかる時間、また25ugにも関わらず約2000ドルします。

実は最近、その組替えタンパク質とリガンドとの結晶構造解析の論文がBBRCに出ていました。
私の方で、その構造をPymolでクルクル動かしながら見ていたら気になることがありました。
それは、特許に書かれたDNA配列(約1000塩基)から出来るタンパク質と、構造解析のタンパク質のアミノ酸配列が330アミノ酸のうち、1つだけ違っていました。(特許ではグリシンのところ、BBRCではアルギニンになっていました。)

結晶構造の論文から、そのアミノ酸(アルギニン)がリガンドを静電気的に呼び寄せるために重要な役割を果たしていそうでした。(さらっと書かれてあるだけでした。)

おそらく特許のDNA配列(グリシンになっています)はもしかしたらon purposeでそのように記載しているのかもしれません。

これを自作する際にはアルギニンで作製した場合にも、基本的には特許に抵触すると思われるので、自作した際には第三者への譲渡や売りに出すことはしてはいけないという理解です。

私たちは作製者からすでに2本もの組替えタンパク質を購入しているので、自作したということまでは論文には書かないとは思います。

また引き続き皆様からのご意見を頂戴できますと幸いです。
もし特許に抵触というか、侵害しているのであれば、今回の自作の件はしないことにします。

(無題) 削除/引用
No.5438-8 - 2016/10/01 (土) 23:06:47 - ぺーぺー
追記

単に発明の実施が既知の機能を利用したい場合に「試験又は研究」にあたるのかは疑問です。
特許の趣旨は技術の進展を促すために、発明の公開者に独占的権利を与えることです。
その発明自体の発展に寄与しない場合において例外を適用する妥当性が否定される可能性があります。

ちょっと調べたところ、通説では「「試験又は研究」の範囲をその対象と目的から検討し、
対象については特許発明それ自体に限定するとともに、目的についても、以下に示すように「技術の進歩」を
目的とするものに(特許性調査、機能調査、改良・発展を目的とする試験)限定している」らしいです。
特許庁<http://www8.cao.go.jp/cstp/output/iken040526_2_5.pdf>

(無題) 削除/引用
No.5438-7 - 2016/10/01 (土) 22:46:31 - ぺーぺー
法律の専門家ではありませんが、以下、条文ではないでしょうか?
特許法 第六九条 第一項 特許権の効力は、試験又は研究のためにする特許発明の実施には、及ばない。

一般論として、非営利であれ業務として反復した場合は「業として」実施されたと解されると理解しています。

(無題) 削除/引用
No.5438-6 - 2016/10/01 (土) 22:22:00 - asan

論文が商業化かと言われるとそれは微妙ですが、少なくとも特許法の侵害の条件に「業としての実施」(特許法第101条)というものがありますので、個人使用は著作権と同じで問題にならないはずです。だから、本当に隠したい企業秘密のような技術は企業の場合はあえて特許を取らないで企業のトップシークレット扱いにするという知財戦略をとる事もあります。

たとえば、一部の遺伝子改変マウスなんかのように、自家繁殖禁止みたいな条件を元に大元を買い入れたりした場合はもちろんその使用自体が契約違反なので後から増やしたマウスは違うといってもアウトになるとは思いますが。ただし、自分達で公開特許を調べて同じマウスを作って勝手に維持する分には問題ないでしょうが、1から作る必要があります。(※もちろん特許がついてるならば勝手に第三者に自分たちで作ったラインだとしても提供するのはダメです)

少なくともアカデミックジャーナルに投稿する観点から言うと、既に公開されてる方法を用いて、一般的なマテリアルから作る分にはまず問題にならないと思いますが。ちなみにMHCテトラマーだって市販品もありますが、自作する事だって可能で、中には自分で自作してやってる人がいてもおかしくないのと一緒の事です。ライセンス自体はMBL自体が商業化してますが。

(無題) 削除/引用
No.5438-5 - 2016/10/01 (土) 21:28:44 - AA
論文化するときは出版物に載るわけですから
商業利用になるので流石にまずいのではないかと。

(無題) 削除/引用
No.5438-4 - 2016/10/01 (土) 19:45:00 - Taq
そうなんですか?
自作をしなければその製品を買うわけですよね。つまり、その製品を独占的に販売することで得られたはずの利益を損なってることになる訳で、自前で使うからといって特許でカバーされている使い方をしてはいけないと理解していますが、間違っていますか?

(無題) 削除/引用
No.5438-3 - 2016/10/01 (土) 18:10:22 - asan

基本的に、特許が絡むのは商業ベースで利用したり販売したり、不特定多数の他人に分与したりする場合が問題なのであって、個人で勝手に作製して勝手に論文で使うのはまず問題ない事だと思います。特許法自体も、作製方法が公開されることによる技術発展を推奨する代わりに、権利を与える者ですし、単に作製方法を公開するわけでもないですからね。

通常、特定のマテリアルでMTAなんかを結ぶのはあくまでその”モノ”自体の利用や分与の条件に、出元の権利が付与されてるからで、全く無関係な状態で作る分にはご自由にってことになると思います。

(無題) 削除/引用
No.5438-2 - 2016/10/01 (土) 15:25:12 - toto
普通にラボでされていることと思います。できたものをAddgeneにあげたりしないで、論文で記載するだけなら問題は無いはずです。またAddgeneによると、特許を持つところと交渉すると(Addgeneがやってくれるそうですが)、認めてもらえる場合もあるそうです。

特許が取られている組替えタンパク質を作製することについて 削除/引用
No.5438-1 - 2016/10/01 (土) 14:17:33 - Masa
テクニカルな話題ではないのですが、一点お聞きしたいことがありトピックを立てました。

論文で、ある組替えタンパク質を用いると特定の免疫細胞を特異的に染められるようです。
いわゆる、抗原特異的T細胞を染めるためのpeptide-MHC tetramerのようなものと同じ役割をするものです。

その組替えタンパク質はphageディスプレイで取られてきたもので、完全に人工的なタンパク質です。そのタンパク質は売られているのですが、非常に高価で、海外からの輸入に頼ることになります。その組替えタンパク質は見つけた人らによって特許が取られているようですが、その特許の文書を読むとDNA配列が示されていました。

約1000塩基ほどの長さですので、外注で合成DNAを作れるほどの大きさです。

経済的にも裕福なラボではありませんので、これを自作してもいいのならそうしたいです。
勿論作製したものは私らの研究のみに使用するもので、他に譲渡したり売るようなことはしません。私たちは一度、作製者らからその組替えタンパク質を購入しています。(二本、購入しました。)購入した事実はあるので、私たちが自作しても、問題にはならないと思っていますが、実際特許のことはよくわかっていません。

私の理解では、その組替えタンパク質を用いて、商業的な利益をあげるようなことは禁止(といいますか、特許から守られており)されているが、それを自作することまでは特許が制限する対象ではないと考えています。が、勝手な解釈とも言えます。皆様のご意見を聞かせてもらえると嬉しいです。よろしくお願い致します。

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