Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

大量発現の弊害 トピック削除
No.5821-TOPIC - 2017/03/07 (火) 19:51:38 - にゃんきー
哺乳類の培養細胞を用いた組み換えタンパク質の発現について質問があります。
・DNAからmRNAに転写され細胞質でリボソームによって翻訳されるとき、分泌シグナル配列があれば翻訳が中断され小胞体膜上にある受容体に結合する。
・受容体と結合した後翻訳が再開され小胞体内にペプチド鎖が押し込まれる。
・シグナルペプチターゼによってシグナル配列が切断される。
という流れかと認識してあります。

そこでもし大量に発現させたとき
1)小胞体膜上受容体が飽和し、受容体に結合できなかったペプチド鎖はそのまま翻訳され分泌シグナル配列ついてても細胞質にたまっていく。

2)小胞体内に入ったペプチド鎖もあまりにも多いのでシグナル配列の切断が間に合わず不良品がでてくる。

といったことは実際に起こっているのでしょうか?

2についてはN末端にシグナル配列がついたままになってたところで機能的に問題がない分子が多く?、実際に起こっててもあまり問題にならなかったということも考えられそうで。。。

けど抗体なんかはN末端と抗原作用部位が近そうですがどうなんでしょう?
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



10件 ( 1 〜 10 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.5821-10 - 2017/03/09 (木) 15:14:13 - moz
> このように生じた不良品も分泌されてしまうのでしょうか?
私も論文程度しかしりませんが、糖鎖付加の程度を制御することは医薬品を生産する上での一つの課題です(単一の糖鎖付加状態の抗体を産生するのは困難)。また、 不完全なヘテロ四量体はほとんど分泌されないようです(0ではないが死細胞由来が多いらしい)。ただし、培養上清の硫安沈殿品をイオン交換カラムで分離すると正常品とそれ以外のピーク(少量)に分かれるので、何らかのフォールディング異常があるようです(硫安沈殿が原因かもしれない)。

> 2)小胞体内に入ったペプチド鎖もあまりにも多いのでシグナル配列の切断が間に合わず不良品がでてくる。
> この場合の不良品もそのまま分泌されるのでしょうか?
分泌されているのか不明(死細胞由来?exosomeみたいなもの??)ですが、上清中に検出されます。

>大量発現の場合ある程度あるとのことですが発現レベルを低くしたものと高くしたもので比較したような論文をご存知ではありませんか?
知りません。ただし過剰発現させた論文で頻繁に言及されています。
発現レベルを低くすると検出出来ないのでしょう。

> あと多くの未切断タンパクは分泌されないで分解系に回るという話をもう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか?(論文やサイトをいただけると幸いです。)
申し訳ないけど総説をかじった程度の知識しか有りません。Unfolded protein response等で調べてみてください。

(無題) 削除/引用
No.5821-9 - 2017/03/09 (木) 15:00:27 - つくだに
タンパク質が過剰すぎるとERADに障害が起きるかもしれないですね

(無題) 削除/引用
No.5821-8 - 2017/03/09 (木) 12:52:04 - にゃんきー
おおさん


ありがとうございます。
自分も細胞質にたまるというのを示せるようなものを持ち合わせていないのですが、
翻訳され小胞体膜上受容体に結合し翻訳停止→膜にささりつつ翻訳再開と考えると、もし受容体のキャパシティーを越えるような大量発現が起こった場合受容体に結合せずに翻訳が完了してしまう奴もありそうに思えるのです。(受容体のキャパシティーを越えることはないかもしれませんが。。。)

>それでERに移行しなければ、もしかしたらリボソームなど翻訳Machineryが解体さてしまうのかもしれません。

これについてもう少し詳しく伺えたら幸いです。

よろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.5821-7 - 2017/03/09 (木) 12:41:34 - にゃんきー
mozさん


ありがとうございます。
いくつか伺いたいのですが

>1)2)とも少なくともCHO細胞には余力があるようで、この段階では支障は生じないようですが、ER内フォールディングやゴルジでの各種修飾反応が追いつかなくなり、不良品ができることも多いです。

このように生じた不良品も分泌されてしまうのでしょうか?抗体の場合重鎖と軽鎖のヘテロ四量体でありますが不完全なものも(重鎖単量体、重鎖二量体、軽鎖単量体など)分泌されてしまうのでしょうか?

>>2)小胞体内に入ったペプチド鎖もあまりにも多いのでシグナル配列の切断が間に合わず不良品がでてくる。
この現象(分泌)は大量発現に場合ある程度あるようです(死細胞由来かどうかの見極めが必要ですが)。ただし多くの未切断タンパクは分泌されないで分解系に回るようです。

この場合の不良品もそのまま分泌されるのでしょうか?大量発現の場合ある程度あるとのことですが発現レベルを低くしたものと高くしたもので比較したような論文をご存知ではありませんか?
あと多くの未切断タンパクは分泌されないで分解系に回るという話をもう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか?(論文やサイトをいただけると幸いです。)

よろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.5821-6 - 2017/03/07 (火) 20:26:22 - moz
フォールディングされづらいタンパクを高発現させた場合、未フォールドタンパクが貯まり小胞体ストレス応答が起きます。

(無題) 削除/引用
No.5821-5 - 2017/03/07 (火) 20:23:30 - moz
>2)小胞体内に入ったペプチド鎖もあまりにも多いのでシグナル配列の切断が間に合わず不良品がでてくる。
この現象(分泌)は大量発現に場合ある程度あるようです(死細胞由来かどうかの見極めが必要ですが)。ただし多くの未切断タンパクは分泌されないで分解系に回るようです。

(無題) 削除/引用
No.5821-4 - 2017/03/07 (火) 20:19:58 - おお
細胞質にたまっていく。

っていうのは意外とないような気がします。聞いたことが無いだけかもしれません。
N末のシグナルペプチドでERに移行する場合はシグナルペプチドが合成されたあと翻訳にポーズがかかるっていう話があったような気がします。それでERに移行しなければ、もしかしたらリボソームなど翻訳Machineryが解体さてしまうのかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.5821-3 - 2017/03/07 (火) 20:16:50 - moz
大量発現中、上清中の目的タンパク量が増えたように見えても正常にフォールディングされていないタンパクが「死細胞」から放出されている場合がありますので、「死細胞」が多い場合は絶対量だけでなく比活性等を調べてください。

(無題) 削除/引用
No.5821-2 - 2017/03/07 (火) 20:11:57 - moz
> そこでもし大量に発現させたとき
1)2)とも少なくともCHO細胞には余力があるようで、この段階では支障は生じないようですが、ER内フォールディングやゴルジでの各種修飾反応が追いつかなくなり、不良品ができることも多いです。シャペロンの過剰発現で分泌タンパクの収量が上がると言う論文も有ります(大腸菌・培養細胞)。
有る方にHEK293よりCHO細胞の方が分泌タンパクのフォールディング効率は良いためか分泌タンパクの収量も多いと聞きました。私もCMVプロモーターを利用した同じベクターを使ったときに同様の経験があります。もっともCMVプロモーター活性が細胞によって異なる可能性もあります。
またIgGなどはH鎖よりL鎖の発現量を多くすると、分泌されるIgG量が多くなることが知られています。

大量発現の弊害 削除/引用
No.5821-1 - 2017/03/07 (火) 19:51:38 - にゃんきー
哺乳類の培養細胞を用いた組み換えタンパク質の発現について質問があります。
・DNAからmRNAに転写され細胞質でリボソームによって翻訳されるとき、分泌シグナル配列があれば翻訳が中断され小胞体膜上にある受容体に結合する。
・受容体と結合した後翻訳が再開され小胞体内にペプチド鎖が押し込まれる。
・シグナルペプチターゼによってシグナル配列が切断される。
という流れかと認識してあります。

そこでもし大量に発現させたとき
1)小胞体膜上受容体が飽和し、受容体に結合できなかったペプチド鎖はそのまま翻訳され分泌シグナル配列ついてても細胞質にたまっていく。

2)小胞体内に入ったペプチド鎖もあまりにも多いのでシグナル配列の切断が間に合わず不良品がでてくる。

といったことは実際に起こっているのでしょうか?

2についてはN末端にシグナル配列がついたままになってたところで機能的に問題がない分子が多く?、実際に起こっててもあまり問題にならなかったということも考えられそうで。。。

けど抗体なんかはN末端と抗原作用部位が近そうですがどうなんでしょう?

10件 ( 1 〜 10 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。