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HEK293T細胞へのシグナルタンパクの遺伝子発現 トピック削除
No.5980-TOPIC - 2017/05/20 (土) 14:47:07 - albicans
いつも拝読させていただいています。

遺伝子発現実験を最近はじめたところなのですが、HEK293T細胞に活性化遺伝子変異を持った膜タンパクを導入した際に、最終的にその膜タンパクのシグナルの系に依存して生存・増殖する細胞を選択するにはどうするのがよいのでしょうか?

目的の遺伝子(とタンパク)はRT-PCRとウェスタンで発現は確認できているのですが、それが発現しているだけでその系に依存した本来の目的の細胞を選択して得ることが出来ずに困っています。
膜タンパクは蛍光免染で膜に発現していることは確認しているのですが、下流のシグナルにつながっているものとそうでなく、単に発現しているだけのものがあるだろうと考えています。

たとえばBa/F3などIL-3依存の細胞であれば、導入した後に、IL-3を入れずに培養して生存、増殖するものは新たな生存シグナルに依存したものとして選択的に残すことが出来ると思うのですが、HEK293Tなどそういうもともと何かに依存した細胞株でないものの場合、一般的にはどうするのがよいのでしょうか?

目的の生存シグナルのリガンドを加えてしばらく培養してみたり、最終的に限界希釈法でクローニングした細胞に目的シグナルの阻害剤を加えてみたりしていますが、どうもうまくいきません。

何か、アドバイスを頂ければ幸いです。
それか、そもそも無理だという回答でもありがたいです。

よろしくお願いいたします。
 
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8件 ( 1 〜 8 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.5980-8 - 2017/05/23 (火) 19:50:58 - albicans
>おお さん
ありがとうございます。
確かに無血清で増殖が極力低下するようなら自己リン酸化による活性化があるものが選択的に生き残っていきそうですね。HEK293Tが無血清でどの程度育つかわかりませんが、ちょっと試してみようかと思います。

>cytokineさん
すみません、完全に理解できているわけではないので、話が噛み合わないところが出てくるのだと思います。対象はプロテインキナーゼです。具体的にはEGFRなのですが、これまでも以前のLabで、そのときは同僚がリポフェクションである活性化遺伝子変異のプラスミドを導入してstable cell lineを樹立していたと記憶しています。その時は何十もクローンを採取して、それぞれの感受性を調べて・・・というやり方でやっていたと思うのです。なのでクローンを多数採取していればいずれシグナルに依存して、阻害剤に感受性の高い細胞が得られるのではないかと思っていました。(かなりの力技ですが・・・)

>Xさん
ありがとうございます。
今回、目的の膜タンパクはEGFRなのですが、変異を有するものがむしろ阻害されるというものです。野生型EGFRはそれほど阻害されません。

>HEK293Tはかなりタフな細胞なので、何らかの処理により増殖スピードを落とす事はできても、完全に増殖を止めたり、細胞死を誘導するには、かなり極端な処理が必要になる気がします。HEK293Tで実験を続けるのであれば、遺伝子導入効率を可能な限り高めてバルクのまま使う方が、現実的な気がします。

ご指摘の通りだと思います。最初に計画する時点で気づくべきでした・・・

>Ba/F3以外にも、造血系細胞株であれば、サイトカイン依存性の株が色々あると思いますが、この手の浮遊細胞は、一般に遺伝子導入効率が悪いので、HEK293Tのような訳には行かない場合が多いと思います。この手の細胞は、IL3やGM-CSFに依存性の場合が多く、下流のJak/STATやMAPKの活性化により増殖すると思われますが、お調べの変異型膜タンパクを導入した場合に、STATやMAPKが恒常的に活性化するか、確認されてますか?

まさにそのとおりでBa/F3に遺伝子導入した細胞をIL-3を加えないことで目的の細胞を選択的に残すというような考え方を過去の自分に教えてやりたい気分です。

(無題) 削除/引用
No.5980-7 - 2017/05/21 (日) 19:42:57 - X
阻害剤についてですが、その膜タンパク自体を阻害する化合物でしょうか? そうであれば、その阻害剤で野生型のHEK293Tを処理した場合、増殖抑制や細胞死が見られますか? 見られるのであれば、HEK293Tはその膜タンパクのシグナルに依存性という事になるので、阻害剤処理で変異型膜タンパクを発現している細胞を選択できるかもしれません。その場合、その阻害剤が変異型の膜タンパクは阻害しない事が条件になりますが、確認されてますでしょうか?

もし、その阻害剤が下流のシグナルを阻害する場合は、その膜タンパクが野生型でも変異型でも下流のシグナルは阻害されてしまう可能性があり、変異型タンパク発現細胞の選択には不向きかもしれません。

HEK293Tはかなりタフな細胞なので、何らかの処理により増殖スピードを落とす事はできても、完全に増殖を止めたり、細胞死を誘導するには、かなり極端な処理が必要になる気がします。HEK293Tで実験を続けるのであれば、遺伝子導入効率を可能な限り高めてバルクのまま使う方が、現実的な気がします。

Ba/F3以外にも、造血系細胞株であれば、サイトカイン依存性の株が色々あると思いますが、この手の浮遊細胞は、一般に遺伝子導入効率が悪いので、HEK293Tのような訳には行かない場合が多いと思います。この手の細胞は、IL3やGM-CSFに依存性の場合が多く、下流のJak/STATやMAPKの活性化により増殖すると思われますが、お調べの変異型膜タンパクを導入した場合に、STATやMAPKが恒常的に活性化するか、確認されてますか?

付着性のがん細胞株などは、血清添加のみの培地で樹立されたものが多く、無血清にしても増殖が止まらなかったり生存し続けるものが多いので、この目的では使いにくいかもしれません。適する細胞があるかどうか、詳しい方がいらっしゃれば、私も教えてもらいたいです。

(無題) 削除/引用
No.5980-6 - 2017/05/21 (日) 18:11:59 - cytokine
なんか全体として話がかみ合っていないような。

その膜タンパク質(プロテインキナーゼなんですよね?)本来の下流シグナルイベントが何なのかを考えて、そのイベントを何らかの方法で増殖にカップルさせる方法を選ぶとしか助言しようがないと思うのですが。

293Tがそのようなイベントにそもそも要求しないとしたら、どんだけクローニングしたって都合よくそんな株が取れるとは考えにくいよ。

(無題) 削除/引用
No.5980-5 - 2017/05/21 (日) 16:44:44 - おお
HEKとかより血清を極力下げるとGrowth inhibitionがよくかかるマウスなどのファイブロブラスト何かのほうが使いやすそうな気がする。。。

>HEK293(T)細胞は、insulin,Transferrin,脂質(+DMEM/F!2培地)だけでも増殖できる細胞なので、
ということはinsulinを抜いて、そのレセプター、ライガンドからシグナル入れるとどうだろう。

(無題) 削除/引用
No.5980-4 - 2017/05/21 (日) 16:20:14 - albicans
>monさん
ありがとうございます。
やはりHEK293Tはこの手のトランスフェクションに向いてないんですね。導入細胞についてあまり考えずに動き始めてしまったのがそもそも失敗だったようです。

>HEK293Tに膜レセプター遺伝子導入して細胞内シグナルを調べる場合は、ある転写因子依存性プロモーターにルシフェラーゼなどのレポーター遺伝子を繋いだコンストラクトを利用するのが定法だと思うけど。
プロメガ社にいろいろ情報や製品があると思うよ。

この機会にしっかり勉強したいと思います。ただ、すでに膜タンパクの遺伝子導入だけしてしまった状況ではなかなか次のハードルが高そうです。


>Xさん
ありがとうございます。

導入した膜タンパクは予定通り(?)発現して自己リン酸化が起こっているのはウェスタンで確認しました。ただ、バルクの状態でそうなっているのですが、そこからクローニングした場合に、その膜タンパクのリン酸化に依存して生存しているものがうまくクローニング出来るかとなると別問題でして。。。
何株かクローニングしてその阻害剤をかけても野生型とほぼ変わらない感受性のものばかりです。確率論ではなんども繰り返せばいつか目的の株が採れるかもしれないと、力技でやっているところなのですが、なんとも時間と手間だけかかって報われない日々となっています(泣)

いま、Ba/F3を新たに標的細胞として遺伝子導入を考えていこうと計画はしているのですが、せっかくここまで粘ったHEK293Tの系もなんとか活用できたらと思っている次第です。

別質問になってしまいますが、Ba/F3以外に一般的にこのような活性化シグナルを持つ膜タンパクの遺伝子導入に向いている細胞株というのがあれば教えていただければ助かります。今後のために、ですが・・・

(無題) 削除/引用
No.5980-3 - 2017/05/21 (日) 04:50:06 - X
その膜タンパクの活性を簡単に見る方法があれば、そちらの確認が先かもしれませんね。例えば、活性化に伴い自己リン酸化が起きるとか、下流のタンパクのリン酸化が起きるような場合は、そのリン酸化をウエスタンや免疫染色で検出できれば良いわけです。

HEK293Tは、一過性過剰発現に用いられるのが一般的で、培養で選択するにはあまり向いてないと思いますので、クローニングはお勧めできません。使うならE1AだけのHEK293の方が良いと思います。その変異活性型膜タンパクのシグナルに依存して増殖する細胞を得たいのであれば、おっしゃられているBa/F3などを使う方が簡単と思いますが、遺伝子導入は293Tと比べると大変かもしれません。

(無題) 削除/引用
No.5980-2 - 2017/05/20 (土) 15:56:29 - mon
HEK293(T)細胞は、insulin,Transferrin,脂質(+DMEM/F!2培地)だけでも増殖できる細胞なので、増殖不能するする処理(何らかの遺伝子のKOや阻害)が必要です。
目的遺伝子のシグナルパスウェイに依存して増殖させるには、複数のパスウェイを阻害させる必要があるでしょう。また、HEK293はアデノウィルス由来E1A遺伝子、HEK293TにはさらのSV40-LT遺伝子が発現しているため、癌抑制遺伝子の機能が阻害されていることも注意してください。

HEK293Tに膜レセプター遺伝子導入して細胞内シグナルを調べる場合は、ある転写因子依存性プロモーターにルシフェラーゼなどのレポーター遺伝子を繋いだコンストラクトを利用するのが定法だと思うけど。
プロメガ社にいろいろ情報や製品があると思うよ。

HEK293T細胞へのシグナルタンパクの遺伝子発現 削除/引用
No.5980-1 - 2017/05/20 (土) 14:47:07 - albicans
いつも拝読させていただいています。

遺伝子発現実験を最近はじめたところなのですが、HEK293T細胞に活性化遺伝子変異を持った膜タンパクを導入した際に、最終的にその膜タンパクのシグナルの系に依存して生存・増殖する細胞を選択するにはどうするのがよいのでしょうか?

目的の遺伝子(とタンパク)はRT-PCRとウェスタンで発現は確認できているのですが、それが発現しているだけでその系に依存した本来の目的の細胞を選択して得ることが出来ずに困っています。
膜タンパクは蛍光免染で膜に発現していることは確認しているのですが、下流のシグナルにつながっているものとそうでなく、単に発現しているだけのものがあるだろうと考えています。

たとえばBa/F3などIL-3依存の細胞であれば、導入した後に、IL-3を入れずに培養して生存、増殖するものは新たな生存シグナルに依存したものとして選択的に残すことが出来ると思うのですが、HEK293Tなどそういうもともと何かに依存した細胞株でないものの場合、一般的にはどうするのがよいのでしょうか?

目的の生存シグナルのリガンドを加えてしばらく培養してみたり、最終的に限界希釈法でクローニングした細胞に目的シグナルの阻害剤を加えてみたりしていますが、どうもうまくいきません。

何か、アドバイスを頂ければ幸いです。
それか、そもそも無理だという回答でもありがたいです。

よろしくお願いいたします。

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