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発現ベクター作製時の変異を防ぐメソッド トピック削除
No.6223-TOPIC - 2017/08/19 (土) 09:10:16 - mice
現在目的遺伝子(300b)を組み込んだ発現ベクターを作成しているのですが、完成したベクターのシークエンスではアミノ酸変異を伴う1-2塩基の変異が見られます。

具体的な操作としては以下の通りです。

@目的インサートをPCRにより増幅
Aゲル抜き&精製
B制限酵素(2種類)で処理(ベクターも)
Cライゲーション
Dトランスフェクション
Eコロニーからプラスミド抽出
Fシークエンス

ご質問ですが、複数コロニーを解析すると同じ所や異なる所に毎回1-2塩基の変異が入ってしまいます。数うちゃ当たる作戦でいこうかとも思うのですが、一般的にこのような変異が入ってしまう場合はどのように対処すればよいのでしょうか。個人的には@の工程でエラーが入るので、PCRのサイクル数を下げるなり酵素のproof reading活性を考慮すべきと考えております。

皆さんの意見や考えをお教えいただけると幸いです。
 
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(無題) 削除/引用
No.6223-11 - 2017/08/21 (月) 09:17:36 - mice
おお様、AP様

ご助言ありがとうございます。
いくつかご指摘をいただきましたので、まずはできる範囲でこれらに挑戦してみたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.6223-10 - 2017/08/20 (日) 10:27:33 - AP
発現ベクターと言ってもいろんな系があるし宿主もまたしかり。
それによって手立ても変わるところがあります。情報が出せればピンポイントの助言があるかもしれません。

私なら
(1)まずPCR産物をダイレクトシークエンスして正規の配列がちゃんとメジャーになっているか、すでに変異型が見えるほど増えているのか確認する(おそらく正規の配列がメジャー)

(2)いきなり発現ベクターではなくいったんクローニングベクターでクローニング、正しい配列のクローンを単離する。この時点で変異型ばっかり取れるようなら正規配列は毒性。

(3)毒性遺伝子のクローニング対策として
・pUC系ori(温度感受性変異型pMB1 ori)の場合培養温度を室温程度に下げる
・lac pro下流にある場合、グルコースを加えてleaky expressionを抑制する
・ベクターをローコピーであるpBR系に変える(ほとんどの発現ベクターがそうなんだけ)
・毒性タンパク質に強い宿主たとえばC42, C43 (BL21の派生系統、クローニング用ではなく発現用なのでRacA+ではあるけど)。

(4)めでたく正規配列がクローニングできたら発現用ベクターに乗せかえる。それでも普通にやったら毒性で生えてこないだろうけど、上記のような手段などで生える条件を探す。

(無題) 削除/引用
No.6223-9 - 2017/08/20 (日) 08:45:43 - おお
他のインサートではうまく行っているということなので、PCRに問題はあまりなさそうです。あるとしたら、同じような遺伝子が複数存在して(シュードジーンをふくむ)、そういうのを拾っている可能性でしょうか。プライマーの特異性で解決するかもしれませんし、配列がほとんど一緒なら解決しないかもしれません。ただそういう場合はランダムに配列が変わるわけではないので、ターゲットの発現が他の遺伝子よりかなりマイナーでない限り、数撃ちゃ当たると言えるかもしれません。

もうひとつRNAの配列が変わるとすると、RNA Editingがあるかもしれません。人などであればAがイノシンに変わりGのように振る舞います。RNA Editingについて詳しくないのですが、もしある領域のいろいろなAが100%とは言えないけど変わるとなると、結構ランダムな変異のように見えるかもしれません。

ただし上記はおそらく稀なケースでやはり今回のインサートが大腸菌に悪さしているため変な配列が取れてくる可能性が高いようなきがします。

回避方法はいろいろとあります。まあ大腸菌との相性もあるので株を変えてみてもいいでしょう。PCRの段階で入った変異が優先的大腸菌で増える可能性も配慮してサイクル数はかなり控えめでもいいかもしれません。トランスフォーメーションでヒートショックを37度でやったほうが、大腸菌に悪さする配列を入れたとき変なことが起こりにくいとも聞きます。また、悪さする配列はなるべく大腸菌内でコピー数が少ないほうがいいので、室温から30度でトランスフォーメーション後のプレートをインキュベートするとか、セレクションマーカーの薬剤濃度を下げるなどの工夫をするといいとも聞きます。これらは大腸菌内のプラスミドのコピー数を下げるための工夫です。

また大腸菌に悪さをするようなプラスミドであれば大腸菌の増殖も抑制するかもしれませんので、比較的小さいコロニーも意識してピックアップするといいでしょう。

くわえて、目的のプラスミドだけではなく、クローニング以外の機能がないようなクローニング専用ベクターに入れてみることもおすすめします。そこから制限酵素で目的のプラスミドに移し替えるとより確実なので。

いろいろ可能性として対処できそうなことを書きましたが、こう言うので解決すればいいのですが、、、

(無題) 削除/引用
No.6223-8 - 2017/08/19 (土) 19:02:06 - mice
皆様

ご回答・アドバイスありがとうございます。
実験では今回の遺伝子(300b)のほかにも1kbや4kbのものも作製しており、それらは問題なく作ることができました。

中年様>
変異にはサイレントとミスセンスの両方が含まれております。大腸菌の生育に何かしらの悪さが生じている場合、コンピの種類を変更する等で対応したらよいのでしょうか?

AP様>
酵素はPrimeSTAR HS taqを使用しており、dNTP濃度もプロトコル通りです。PCRを2回に分けて実施するということは思いつきませんでした。検討させていただきます。大腸菌にとって有害な産物が合成されている場合はどのような対処方法があるのでしょうか、ご存知であればお教えしていただけると幸いです。

mon様>
鋳型はマウスの脳からmRNAを調整してcDNA合成しています。

(無題) 削除/引用
No.6223-7 - 2017/08/19 (土) 11:39:38 - AP
そういうこともあり、最初から発現ベクターにクローニングするのは賢くないかも。

あと、トランスフェクションは、もともと大腸菌のトランスフォメーションと区別するために生まれた造語だったりする。

(無題) 削除/引用
No.6223-6 - 2017/08/19 (土) 11:23:44 - mon
@目的インサートをPCRにより増幅 の鋳型は何でしょうか。
既にクローン化されたplasmidでしょうか。それなら中年さんやAPさんに賛同します。まれに発現ベクターを変えるだけで解決することもあります。
cDNAライブラリーの場合、材料が元々多型(SNPs)を有している可能性もあります。
SNPs DB等で検索すれば多型か否か判断できると思います。気になるなら、クローン化したものをPCRで変異導入し正常型?に戻すことも出来ますよ。

(無題) 削除/引用
No.6223-5 - 2017/08/19 (土) 10:41:44 - AP
ああt、可能性としては、大腸菌に有害な産物が翻訳されるため、変異のあるやつしか生えてこないとか。有害な

(無題) 削除/引用
No.6223-4 - 2017/08/19 (土) 10:37:27 - AP
PCRの酵素はなにを使ってますか。
校正活性があるやつの方が安心ですね。
dNTPの濃度は適正ですか。濃すぎる、あるいは薄すぎるのはmisincorporationの原因となります。PCRサイクルの過剰も基質のバランスが崩れてエラーが起こしやすいようです。40サイクル回すなら、15サイクル二回とか(一回目の反応産物を少量使って二回目の反応を仕掛ける)。

(無題) 削除/引用
No.6223-3 - 2017/08/19 (土) 09:28:09 - 中年
わずか300bpなのに変異の入ったクローンばかりというのはかなり深刻な状況です。作ろうとしているプラスミドが大腸菌の生育に悪さをするため、変異が入ったものだけがコロニーを作っているという状況だと思われます。

アミノ酸変異を伴う(ミスセンス)変異が見られるとのことですが、変異を伴わない(サイレント)変異はどうでしょうか。もし、ミスセンス変異ばかりでサイレント変異がないのであれば、クローニングしようとしている遺伝子の産物が悪さをしているんでしょうね。

(無題) 削除/引用
No.6223-2 - 2017/08/19 (土) 09:27:03 - mice
PCRの伸長反応が不必要に長いことによっても変異が入りやすくなるのでしょうか?

発現ベクター作製時の変異を防ぐメソッド 削除/引用
No.6223-1 - 2017/08/19 (土) 09:10:16 - mice
現在目的遺伝子(300b)を組み込んだ発現ベクターを作成しているのですが、完成したベクターのシークエンスではアミノ酸変異を伴う1-2塩基の変異が見られます。

具体的な操作としては以下の通りです。

@目的インサートをPCRにより増幅
Aゲル抜き&精製
B制限酵素(2種類)で処理(ベクターも)
Cライゲーション
Dトランスフェクション
Eコロニーからプラスミド抽出
Fシークエンス

ご質問ですが、複数コロニーを解析すると同じ所や異なる所に毎回1-2塩基の変異が入ってしまいます。数うちゃ当たる作戦でいこうかとも思うのですが、一般的にこのような変異が入ってしまう場合はどのように対処すればよいのでしょうか。個人的には@の工程でエラーが入るので、PCRのサイクル数を下げるなり酵素のproof reading活性を考慮すべきと考えております。

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