いつも勉強させていただいています。
この度、GST-タンパク質-His6として全長45 kDaのタンパク質をBL21で発現させ、精製したいです。
約10 Lの大腸菌カルチャーの可溶性画分から0.5 mgの機能的タンパク質をtandem affinity chromatographyにより得ました。
もう少し欲しいと思い、ほぼ99%が不溶性に行っていますので、封入体を6 Mグアニジンで可溶化し、そうタンパク質量として10 mg分 (実際には200 ul分)を、100 mlのリフォールドバッファーに一気に希釈しました。そのまま4度で一晩(12 hrsほど)緩やかに混和後、翌日その100 mlを見ると沈殿も生じず、透明な溶液でした。
その後、その100 mlを透析チューブに入れ、20 mM Tris, 100 mM NaCl (pH 7.6)で4度で約1日かけて3, 4回外液を交換することで透析を行いました。
ここで問題が生じました。
外液交換の2回目くらいで液が濁り出し、やがて目に見えるほどの凝集が生じてしまいました。
リフォールド経験はこれまでにありません。今回のタンパク質は過去に論文で報告されており、封入体から同様の方法でリフォールド、精製されています。
ここでいくつかまとめて質問させてください。
1. リフォールドといっても100%全てがリフォールドされるというわけではなく、せいぜい数十%がリフォールドされればもう万々歳という認識なのでしょうか?つまり、透析中に凝集がみられるのはやむを得ないことということでしょうか?
2. リフォールドは4度で一晩(12時間程度)は短いですか?これを1日、2日と延長させることで正しい構造を取るタンパク質が増える可能性はありますでしょうか?
3. リフォールドは4度ではなく室温でやることの方が望みが高いでしょうか?
4. 希釈法ではなく、透析法を行うと透析を初めて数時間で一気に白濁し、上清にはものはみられませんでした。なので今回の希釈法を行なっていますが、透析で生じた凝集体を遠心で除去したのち、上清を調べると100 ugほど機能的なタンパク質が取れました。なのでもう温度やらリフォールドの時間やら色んな条件検討をするよりかは、100 ug取れたのなら万々歳であとはスケールをあげるだけ、とみなさんは考えられますか?
質問は以上です。長文、駄文で大変恐縮しています。
リフォールドバッファーの組成は以下の通りです。
20 mM Tris, 100 mM NaCl, 1 M Arginine, 2 mM GSH, 0.5 mM GSSG, 1 mM EDTAです。
よろしくお願いします。 |
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