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蛋白質分解酵素と基質間の結合について トピック削除
No.6914-TOPIC - 2018/05/15 (火) 14:53:44 - PPI
論文のリバイス中なのですが、あるタンパク質分解酵素Xのノックアウトを作製し、個体の表現型を解析しました。するとあるタンパク質Yの前駆体(機能的に不活性)が増加しており、Yの成熟化にXが作用していることを突き止めました。

ただリバイスでは精製した標品同士、もしくは細胞レベルで両者の物理的な結合を見よ、と言われました。
これはとても無理難題に思え、プロテアーゼとその基質との結合はプルダウン等で見られるようなものではないのではないか、と考えています。

実際一度だけ293T cellsにXとYを過剰発現させたり、Xの機能欠失体を代わりに用いたり、Yの切断耐性体を用いたりもしましたらどれでもXのプルダウンではYは落ちてきませんでした。

これをどう返信しようかと悩んでいます。
タンパク質分解酵素とその基質との相互作用のKd値がものすごく大きい(?根拠はありません)等の返事をしようかと考えていますが、そのような文献は探しても見当たらず、蛋白質分解酵素とその阻害剤(低分子化合物)に関してはたくさん論文が出ていますが・・・。

もしヒントをいただけるようでしたらお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.6914-10 - 2018/05/18 (金) 11:47:33 - cDNA
プロテアーゼはpH依存性が高いもの多いので、古典的な方法だと、活性がほとんどないpHで行うというのはありますよね。もちろん、pHによっては結合自体しなくなるとは思いますが。

(無題) 削除/引用
No.6914-9 - 2018/05/17 (木) 05:40:53 - おお
>クロスリンクしないとプロテアーゼ、基質間のキネティカルな相互作用は見られない

それは一概にそうは言えないと思います。たぶん物によっては結合をみているプロテアーゼもあるのではないかと。

基質のポリペプチドとの結合ののち切断というステップにはいり、切断されたペプチドと酵素の結合は弱くリリースされ新しい基質がアクセスできるというのが他の方の指摘にもある生化学的な一般論です。

ですが酵素的に不活性な変異体や切断耐性の基質を使っているので、切断のステップに入らず切られたペプチドとのアフィニティーより強い状態で比較的安定に存在するという推測は成り立ちます。このようなアプローチでインターラクションを見るのもまあまあみかけます。

細胞からのIPはいろいろなことがうまくいかない要因と考えられるのでつかないときの解決方法は多様でキリがないかもしれません。ただクロスリンクIPは結合ー解離の動的状態をフリーズすることができるので、クロスリンクしたときに結合しているものはIPの間に解離することがないというメリットがあります。IPは厳しい条件でできますし、場合によっては一度変性してからという手もとれますから、抗体のアクセスも通常のIPよりしやすい可能性もあります(通常のIPでは抗体がコンプレックス形成に関わるところにアクセスするなどの理由で複合体が取れないといった考察も可能なので)。

XのRNAiではYの切断が抑制とありますが、もっと直接的にXがYを切断しているという根拠をだせば確かに物理的なコンタクトがあるとも言えるでしょう。

腰を据えてやるならドメインダイセクションなど見てみる手はありますがちょっとLong shotすぎますね。

(無題) 削除/引用
No.6914-8 - 2018/05/17 (木) 03:11:38 - 123456789
酵素ー基質複合体は反応が済めば速やかに解離します。正確な時間はわかりませんが、昔の反応速度論の教科書等見れば数値が出てるような気がします。基質と酵素がくっついたままの状態がいつまでも続くことは考えにくいということは生化学を学んだ経験のあるレビュアーなら理解しているとおもいます。in vivoでは直接結合する分子どうしでも、補助因子とか別の蛋白質の関与などではじめて結合できるものもすくなくないとおもいますので、in vitro系で必要な諸条件が揃っていなければ、見かけ上相互作用しないという結果になる可能性も十分あります。

相互作用が示せたとしてもXが実際にYを限定分解したというデータを示さないことには、単にYの限定分解にXが関与している、というところで話は止まってしまうので、根本的な問題解決にはならないようにおもいます。例えばXがZという酵素の活性をproteolyisで調節していて、Zが別のプロテアーゼPを活性化して、pがYを切るとかいう模式図もあり得る訳で。プロテアーゼはしばしばカスケードを形成していることはよくありますし。(例、血液の凝固系/線溶系とか、補体活性化とか)Xの既知の基質とか、関与がしられている反応等を調べて、それとYとの関連を精査すればなにかヒントがあるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.6914-7 - 2018/05/17 (木) 01:23:42 - PPI
123456789様

ありがとうございます。
やはりスナップショットですよね...。

Fruoppiというのは初耳でした。一度調べてみます。

確かに精製標品で行なった実験ではないので、今の時点では直接的な間接的かは言えないですね。

プロテアーゼ、基質間の相互作用が、例えば受容体、リガンド相互作用のそれとは異なり、スナップショットであるというレビューだとか、ランドマークな論文をご存知でしたら教えていただけませんでしょうか?
もちろんスナップショットだろう、と想像はたやすいですが、Kd値などの観点から実際どこまでカイネティクスに関して言及されているのだろうと興味があります。


>[Re:4] 123456789さんは書きました :
>
> 酵素と基質の反応はスナップショット的で短時間で完結するものと思いますので、in vitro系でのオーソドックスな生化学的方法ではたぶん捉えるのは難しいとおもいます。
>
>
> 培養細胞系でFRETとかFruoppi等の方法はどうでしょうか。ライブセルイメージングでリアルタイムで追跡できると思うので、一時的な相互作用であっても見れると思うし。
>
> XとYの関係が直接XがYに作用してるのか、間接的に作用しているのかが分からないので、それぞれ明確なevidenceが無ければ、その辺は具体的ないろんな可能性を挙げて慎重に書いた方がいいですね。
>

(無題) 削除/引用
No.6914-6 - 2018/05/17 (木) 01:19:31 - PPI
おお様

ありがとうございます。
クロスリンクIPはいいアイデアですね。ぜひ考えてみます。
ただ、やはりクロスリンクしないとプロテアーゼ、基質間のキネティカルな相互作用は見られない、ということでしょうか。


>[Re:3] おおさんは書きました :
> クロスリンク ー(SDS))PAGE
> クロスリンク IP
> Y2H
> ネイティブPAGEなど
> もう少しできそうなことがありますけど、もう時間がないでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.6914-5 - 2018/05/17 (木) 01:17:27 - PPI
中年様

実はビトロでの切断実験は行なっているんです。
細胞に、タグ付きの基質Yを発現させて、それがXのRNAiではYの切断が抑制されたりなど、それを支持するデータはたくさんあります。

精製標品は今作っている段階ですが、かなり大きなタンパク質なので難しそうです。
切断のデータはきっとそれでも出ると思いますが、”結合”となると難しそうですよね。。


>[Re:2] 中年さんは書きました :
> アフィニティーについては分かりませんが、精製標品(IP程度でも)が手に入るのであれば、in vitroで切断実験をするのが一番確かなのではありませんか。

(無題) 削除/引用
No.6914-4 - 2018/05/16 (水) 20:45:01 - 123456789

酵素と基質の反応はスナップショット的で短時間で完結するものと思いますので、in vitro系でのオーソドックスな生化学的方法ではたぶん捉えるのは難しいとおもいます。


培養細胞系でFRETとかFruoppi等の方法はどうでしょうか。ライブセルイメージングでリアルタイムで追跡できると思うので、一時的な相互作用であっても見れると思うし。

XとYの関係が直接XがYに作用してるのか、間接的に作用しているのかが分からないので、それぞれ明確なevidenceが無ければ、その辺は具体的ないろんな可能性を挙げて慎重に書いた方がいいですね。

(無題) 削除/引用
No.6914-3 - 2018/05/15 (火) 18:12:37 - おお
クロスリンク ー(SDS))PAGE
クロスリンク IP
Y2H
ネイティブPAGEなど
もう少しできそうなことがありますけど、もう時間がないでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.6914-2 - 2018/05/15 (火) 15:38:44 - 中年
アフィニティーについては分かりませんが、精製標品(IP程度でも)が手に入るのであれば、in vitroで切断実験をするのが一番確かなのではありませんか。

蛋白質分解酵素と基質間の結合について 削除/引用
No.6914-1 - 2018/05/15 (火) 14:53:44 - PPI
論文のリバイス中なのですが、あるタンパク質分解酵素Xのノックアウトを作製し、個体の表現型を解析しました。するとあるタンパク質Yの前駆体(機能的に不活性)が増加しており、Yの成熟化にXが作用していることを突き止めました。

ただリバイスでは精製した標品同士、もしくは細胞レベルで両者の物理的な結合を見よ、と言われました。
これはとても無理難題に思え、プロテアーゼとその基質との結合はプルダウン等で見られるようなものではないのではないか、と考えています。

実際一度だけ293T cellsにXとYを過剰発現させたり、Xの機能欠失体を代わりに用いたり、Yの切断耐性体を用いたりもしましたらどれでもXのプルダウンではYは落ちてきませんでした。

これをどう返信しようかと悩んでいます。
タンパク質分解酵素とその基質との相互作用のKd値がものすごく大きい(?根拠はありません)等の返事をしようかと考えていますが、そのような文献は探しても見当たらず、蛋白質分解酵素とその阻害剤(低分子化合物)に関してはたくさん論文が出ていますが・・・。

もしヒントをいただけるようでしたらお願いいたします。

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