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グルタチオンビーズへの結合について。 トピック削除
No.7202-TOPIC - 2018/09/06 (木) 02:39:00 - GST
いつも勉強させてもらっています。

この度初めて大腸菌でのタンパク質生産をすることになりました。
1mgほどを可溶性画分から精製することができればと思っています。

N末にGSTを持たせ、大腸菌BL21で誘導しました。
30度で、IPTGは0.4mM、4時間です。

ライソザイム処理により、1Lの培養液から十分可溶性分画に発現していそうです。

早速、そのクリアなライソザイム処理後の遠心の上清にグルタチオンビーズを0.5mlほど加え、4度で6時間ローテーションさせました。その後、オープンカラムに充填させ、洗浄をして25mMグルタチオンで溶出を行いました。

するとうまく精製できてはいたのですが、グルタチオンビーズに結合しなかった分画も一緒にSDSPAGE後にGST抗体でWBをすると、インプットとほどんど非結合分画ではバンドの濃さが変わっていませんでした。

これらのことから、GSTタンパク質はごく一部(数%程度)しかビーズに結合していないのだと思います。

溶菌はかなり穏やかに行い、ソニケーションも数秒しかしていませんし、溶菌後の上清は非常にキレイです。
全ての操作は4度で行い、プロテアーゼ阻害剤も加えています。BL21なのでプロテアーゼも少ないとのことです。

なぜグツタチオンビーズにこれほど結合しないのかを考えているのですが、実は気づいたことがあります。それはラボにあったグルタチオンビーズの使用期限が2005年の9月でした。つまり13年ほど使用期限が切れています。ただ、これを使ってコントロールのGSTはキレイに3mgほど500mlの大腸菌培養液から精製できたので、これが原因だとは考え難いかなと考えています。

大腸菌の可溶性分画にグルタチオンビーズとの結合を阻害するようなものがあるのでしょうか?
同僚に相談し、同僚のグルタチオンビーズをお借りし行ってみましたが、あまり回収率は変わりませんでした。ただそれも2013年の使用期限でした。

以上より、1mgのタンパク質を精製するために、2つのことを考えています。
まず、今ある1Lのスケールでグルタチオンビーズとの結合能をあげる工夫(トラブルシュート)をする。例えば新しいグルタチオンビーズを買うなどです。

他には、大腸菌のスケールを上げる。例えば1Lから現時点で50マイクログラム程度しか精製できていないようですが、10Lほどに増やすなどです。

大腸菌でのタンパク質発現は初めてで、GST精製も初めてですので不慣れなことも多々ありますが、ただGSTコントロールは上手に精製できたので、操作はきちんと理解しているつもりです。
みなさま、どうかご指導いただけないでしょうか?宜しく御願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.7202-9 - 2018/09/07 (金) 15:47:56 - おお
>むしろビーズのキャパを超えるためではないか?と思わずにはいられません。
同じようにして融合してないGSTは3mg取れるわけですよね。それがキャパだとすると、ぜんぜん超えてないですよね。

目的の融合タンパクが立体構造的に邪魔をしてくっつきにくい可能性を考えたほうがいいのではないでしょうか。そういう場合だとビーズを多めにして結合させるために長時間(Over nightとか)やったほうがいいかもしれません。

まあこれもフロースルーからもう一度回収できれば今までの2倍回収できるならばあまり条件をあれこれやるより複数回フロースルーから回収して収量を増やすというのは手かもしれません。

>ヒスタグでも精製する場合、25mMグルタチオン

グルタチオンはニッケルビーズとHisストレッチの相互作用に阻害的だから透析したほうがいいかと思います。Trisよりもそちらのほうが問題かなと。ニッケルビーズでも精製するなら先にニッケルビーズで精製してからグルタチオンビーズに通すほうが手間が少ないです。いちどフロースルーでニッケルビーズで回収できるかやってみたらどうでしょうか。

よだんですがグルタチオンはかなり強い酸性のようなので、溶出用バッファーのpHが下がってないかpH試験紙ででもいいからチェックしてみるといいでしょう。

(無題) 削除/引用
No.7202-8 - 2018/09/07 (金) 12:12:08 - GST
おおさん、asanさん、お返事が遅れてしまいすみません。
GST融合タンパク質がGSHビーズにあまり結合しないことの検証を行っていました。

まずある懸念はGSHビーズが約13年前に期限切れというのもあり、キャパシティが落ちていることを考えました。

そこでGSHビーズに結合しなかったフロースルー50mlに、新しいGSHビーズを加え、同様に精製したところ、それでも同じくらい精製することができました。

以上より、可溶化はできており、問題はGSHビーズにごく一部しか結合しないということ、おそらくそれは構造が違う、という理由ではなく(ではなく、とは言えないかもしれませんが)、むしろビーズのキャパを超えるためではないか?と思わずにはいられません。

今、新しいビーズが届くことを待ってはいますが、、、。

>今度これを試してとやっていたら条件検討だけで数ヶ月たっても何ら結論が出ないとかありがちなので。

ほんとこれだけは避けたいです...。

>自分なら、色々試して原因がよくわからないなら、コスト的に許容できる範囲でスケールあげて力技でとっちゃうかもしれません。

やはり力技でもいいのですね。うちのボスはそれを許してくれそうです。
asanさんはタンデムで精製されていますか?実は今のコンストラクトはN末にGST、C末にヒスタグが付いています。ヒスタグでも精製する場合、25mMグルタチオンで溶出し終えた一次精製産物はトリスの濃度を出来るだけ低く(リン酸バッファーで希釈か、透析?)して、そこに直接ニッケルビーズを加えたらいいんでしょうか?

もしお手すきの際にコメントいただけますと幸に存じます。宜しく御願い致します。

(無題) 削除/引用
No.7202-7 - 2018/09/06 (木) 14:31:49 - asan

>http://www.kenkyuu2.net/cgi-biotech3/biotechforum.cgi?mode=view;Code=2011

こういった過去の質問はありますね。
あなたの系で結合が飽和してるのかは、ビーズ量を変えて見るとかして検証は可能かもしれませんが、まずはGST単体ではもっとキャプチャーできるのかポジコンはとりたいところですね。

自分なら、色々試して原因がよくわからないなら、コスト的に許容できる範囲でスケールあげて力技でとっちゃうかもしれません。どのくらいの頻度で実験するかにもよるでしょうが、全く取れてないならよくわからない原因をずっと考えるよりもそれがいいような気もします。

(無題) 削除/引用
No.7202-6 - 2018/09/06 (木) 08:30:04 - おお
>試行錯誤できるパラメータが多くあるのですね...これは素人が手を出さない方が良さそうです。。

まあそうですが、スモールスケールで同時進行でやれる数の範囲内でやってしまって、同時に評価してより良いものという手はありますけどね。あれがだめだったから今度これを試してとやっていたら条件検討だけで数ヶ月たっても何ら結論が出ないとかありがちなので。

(無題) 削除/引用
No.7202-5 - 2018/09/06 (木) 07:31:34 - おお
>1mg精製できれば御の字です。GEのビーズを使用していますが、必要なビーズ量は

しょっちゅうやるわけでもないし、その時の状況(すでに誰かが樹立してしまったプロトコールがあるとか)にもよるし、それぞれの精製でやったことを覚えているわけでもないでし、

ただ、1mlもあったら10mg以上はつくのではとおもいます。あまり多くビーズを入れすぎるとビーズにノンスペてつくものが増えてくるので気持ち悪いですが、1Lぐらいの培養でFPLCのカラムに持ち込むなら競合するものもあるかもしれませんので5mLのカラムを使うでしょう。バッチでやるにしてもやはりあまり少ないとプラクティカルにやりにくいのと、全体の容量からしてうまくいき渡って回収できるのかということを考えると、感覚的には1mLはあったほうがいいかなと。

>二つ目は、ライセートとビーズとのインキュベート時間です。
一時間もあればくっついてしまいますけどね。ただクルードのなかで理想的じゃないことを考慮したら数時間といったところでしょうか。もちろん結合していく過程で何らかの構造変化があるような場合であれば、Over Nightとかというのはありなのかもしれませんが、そういうのは特殊な状況かと思えます。FPLCだと5mLのカラムに1mL/minで溶液はカラムの中に5分しかとどまってない計算です。

(無題) 削除/引用
No.7202-4 - 2018/09/06 (木) 06:26:20 - GST
ありがとうございます。

GSTの方では回収効率はしっかり確認しませんでした。
精製した分画に十分量(3mg)とれましたが、GSTに結合しなかった分画は(GST単独に関しては)調べていないので、正直わからないというのが本音です。

大腸菌内で同じ構造ばかりができるのではないのですね。
それは知りませんでした。ありがとうございます。
なるほど...試行錯誤できるパラメータが多くあるのですね...これは素人が手を出さない方が良さそうです。。

やはり無難にスケールを上げるというのが確実ですね!

実は今、昨日フロースルー分画に来たものを一応とっておいて、そこに再度グルタチオンビーズを加えて一晩四度で混和しています。これにより更に回収できればもしかしたらビーズとのインキュベート時間が大事かもしれませんし、もしやはり何も結合しなければその時は構造がおかしくなっていると考えられますね!

ちなみに2つほどテクニカルなことをお尋ねしてもよろしいでしょうか?
まず、1mg精製できれば御の字です。GEのビーズを使用していますが、必要なビーズ量は(もしビーズが使用期限内である場合)どれくらい使用されますか?

二つ目は、ライセートとビーズとのインキュベート時間です。
今回4度で6時間ほどのインキュベートですが、6時間では一般的に不十分でしょうか?

コロニーは新しく拾いなおします。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.7202-3 - 2018/09/06 (木) 03:58:14 - おお
>大腸菌の可溶性分画にグルタチオンビーズとの結合を阻害するようなものがあるのでしょうか?

ならばコントロールのGSTも回収効率が落ちるのではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.7202-2 - 2018/09/06 (木) 03:56:27 - おお
ひとつは同じアミノ酸配列を持っていても大腸菌内ですべて同じ構造をしていると思わないこと。それによってカラムについたりつかなかったりとheterogeneityがあらわれる。これに関しては解決方法はないとは言わないけど試行錯誤するだけであまり劇的な改善がないことも多いです。生化学的に簡単にやれそうなことをあげると、塩濃度や塩の種類、EDTAなどのキレーターをくわえるかどうか。MgやZnなどの金属イオンが有効かどうか、グリセロールなどは有効か、バッファーのpH、デタージェントが使えるかどうか、使えるならどのデタージェントを使うか、カオトロピックな作用がある試薬を使うかどうか。変性状態抽出してリフォールディングできるかどうか。また培養の条件も培地の選択、培養時間、誘導の仕方、菌株の選択など多岐に渡る選択肢があります。

もちろん試行錯誤をやっていってもいいのですが、ある程度めどがつくようなら培養の容量を増やして必要量回収してしまうほうがいいでしょう。1Lから10Lほどということですが、現時点の1Lのスケールを複数回するほうが収量にめどがつくのでそちらのほうがいいとおもいます。遠心のローターが6個で一気にできるのがその数なら1Lを6つ用意して並行してやるほうがいいです。これを2日やれば12L分の精製ができます。

スケールが大きいとLysis bufferを少なめにしがちですが、ケチらずスモールでやったときに近い量(培養液量の比率で)使えばより効率よく回収できたという話もききます。

グルタチオンビーズに結合しなかった分画は一部もう一度ビーズを加えたりしてそこから回収できるか確認してみるといいかと思います。また、結合しなかった方は多少の処理を施して回収できないか考えてみてもいいかもしれません。例えば大胆なやりかただと硫安沈殿とかPEG沈をして回収してからビーズにつけるとか。

余談ですが大腸菌はグリセロールでストックしたものがあってもそこから直接増やさないでなるべく線画培養などでクローンを拾ってフレッシュなものをつかってください。

グルタチオンビーズへの結合について。 削除/引用
No.7202-1 - 2018/09/06 (木) 02:39:00 - GST
いつも勉強させてもらっています。

この度初めて大腸菌でのタンパク質生産をすることになりました。
1mgほどを可溶性画分から精製することができればと思っています。

N末にGSTを持たせ、大腸菌BL21で誘導しました。
30度で、IPTGは0.4mM、4時間です。

ライソザイム処理により、1Lの培養液から十分可溶性分画に発現していそうです。

早速、そのクリアなライソザイム処理後の遠心の上清にグルタチオンビーズを0.5mlほど加え、4度で6時間ローテーションさせました。その後、オープンカラムに充填させ、洗浄をして25mMグルタチオンで溶出を行いました。

するとうまく精製できてはいたのですが、グルタチオンビーズに結合しなかった分画も一緒にSDSPAGE後にGST抗体でWBをすると、インプットとほどんど非結合分画ではバンドの濃さが変わっていませんでした。

これらのことから、GSTタンパク質はごく一部(数%程度)しかビーズに結合していないのだと思います。

溶菌はかなり穏やかに行い、ソニケーションも数秒しかしていませんし、溶菌後の上清は非常にキレイです。
全ての操作は4度で行い、プロテアーゼ阻害剤も加えています。BL21なのでプロテアーゼも少ないとのことです。

なぜグツタチオンビーズにこれほど結合しないのかを考えているのですが、実は気づいたことがあります。それはラボにあったグルタチオンビーズの使用期限が2005年の9月でした。つまり13年ほど使用期限が切れています。ただ、これを使ってコントロールのGSTはキレイに3mgほど500mlの大腸菌培養液から精製できたので、これが原因だとは考え難いかなと考えています。

大腸菌の可溶性分画にグルタチオンビーズとの結合を阻害するようなものがあるのでしょうか?
同僚に相談し、同僚のグルタチオンビーズをお借りし行ってみましたが、あまり回収率は変わりませんでした。ただそれも2013年の使用期限でした。

以上より、1mgのタンパク質を精製するために、2つのことを考えています。
まず、今ある1Lのスケールでグルタチオンビーズとの結合能をあげる工夫(トラブルシュート)をする。例えば新しいグルタチオンビーズを買うなどです。

他には、大腸菌のスケールを上げる。例えば1Lから現時点で50マイクログラム程度しか精製できていないようですが、10Lほどに増やすなどです。

大腸菌でのタンパク質発現は初めてで、GST精製も初めてですので不慣れなことも多々ありますが、ただGSTコントロールは上手に精製できたので、操作はきちんと理解しているつもりです。
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