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細菌由来のタンパク質を哺乳動物のゴルジ体で発現させる方法。 トピック削除
No.7203-TOPIC - 2018/09/06 (木) 04:16:39 - Chiro
いつも勉強させて貰っています。

細菌由来の可溶性酵素を、哺乳動物のゴルジ体に発現する1型膜タンパク質のN末に融合させた合成タンパク質を哺乳動物細胞で発現させたいのですが、ゴルジ体に思うように局在していないようです。
アドバイスいただけないでしょうか。

デザインとしては、pcDNA3.1+のプラスミドに、Kozak配列を付加したものをクローニングしました。

哺乳動物のIL2 signal peptide-"bacterial enzyme" -V5 tag- "mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme".

全長は3.5kbほどです。1100アミノ酸ほどあります。
哺乳動物のゴルジ局在1型膜貫通タンパク質を使っていますが、そのタンパク質のN末のシグナルペプチドは除いております。

この人工遺伝子をCOS7で発現させ、Western blotにより目的のサイズにV5抗体で陽性になるバンドを認めました。
ところが免疫染色を行うと、ゴルジ体マーカーであるTGN46とは共局在を示さず、細胞質にドット状のV5陽性シグナルを認めました。これが小胞体かまではまだ調べていません。

この時、bacterial enzymeの酵素活性は認めることができました。
しかし、mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzymeの酵素活性は認められませんでした。
これがゴルジ体に局在していないからなのか、それともbacterial enzymeを付加したからなのかはわかりません。
ただ、最悪、mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzymeの方は活性が無くても構いません。
肝心なのは、この融合タンパク質をどうにかしてゴルジ体に局在させたいです。ただそれが今はうまくいっていないようです。

IL2 signal peptideは、pFUSE-human IgG2Fc1から拝借したMYRMQLLSCIALSLALVTNSISを使いました。
bacterial enzyme(300アミノ酸ほど)とmammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme(800アミノ酸ほど)との間にはV5タグを含む17アミノ酸(GKPIPNPLLGLDSTAAA)をリンカーとしておいています。

IL2 signal peptideが機能しているかはわかりません。
mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzymeが活性を示さないのは、局在が悪いからなのか、それともN末が細菌由来の酵素でマスクされているからかはわかりません。

細菌由来の酵素と、哺乳動物由来の酵素の連結を逆にすると、つまり、以下のようなデザインにすると、

"mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme” -V5- "bacterial enzyme”

この酵素はゴルジ体に局在し、哺乳動物および細菌由来の酵素のいずれもが正しく酵素活性を示すことは確認できました。
ただ、これでは細菌由来の酵素はゴルジ内腔側に向いていないので、実験に用いることができません。

N末側に細菌由来の酵素を付加し、それとの融合タンパク質をゴルジ体に発現させることができれば先に進めることができます。
リンカーを長くする、あるいは別のシグナル配列を用いる、などコメントをいただけますと幸いに存じます。
どうぞ宜しく御願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.7203-13 - 2018/09/08 (土) 11:23:10 - moz
本題からズレますが
> シグナルペプチドを持っており、KDEL様配列を持たず、幕貫通ドメインを持てば、ゴルジに局在するとばかり思っていました。

この場合、典型的なI型膜タンパクなので、細胞膜へ運ばれるでしょう。ゴルジに留まるためにはそれなりのシグナルが必要では?

(無題) 削除/引用
No.7203-12 - 2018/09/06 (木) 20:08:14 - おお
>私も漠然と膜近傍配列を入れた方がいいのかな?と思っていました。
>やはりガチャコンっといきなり膜貫通ドメイン以降を連結では不安でした。
>どの程度近傍配列として含ませると無難でしょうか?

ん、何かもうちょっと勉強されているのかと思いましたが、、、周辺の電荷がトポロジーに重要ですから、そういうのを生化学の本でよく見てください。またデザインした配列を入力するとそのトポロジーを予測するようなWeb上のソフトがありますので一応確認するといいと思います。


monさんのコンストラクトは私も思いついたのですが、

"mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme” -V5- "bacterial enzyme”

これが局在においては機能しているようなので前半の部分に挿入をかませたりしていじる事で機能を失うという事が万が一あればいやだなと思ったのです。

IL2 signal peptide-"bacterial enzyme" -V5 tag- "mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme".

現に上記のようにシグナルペプチドからmammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzymeのMatureな部分を遠ざけただけで何かうまくいかなくなってしまっていますし。


間違っているといっているわけではないので、複数のConstructを作ってうまくいくのを使うというのも手だと思います。

(無題) 削除/引用
No.7203-11 - 2018/09/06 (木) 18:55:17 - moz
>Golgi localization signal
ググるといろいろできてきますよ。ただし、私はそれを使用した経験はないので論文を探してみてください。TGNならGFPなどの局在化プラスミドが市販されていますので参考にできます。

> どの程度近傍配列として含ませると無難でしょうか?
高次構造予測で、alpha-helixやbeta-sheet構造にならない配列はフレキシブルだと考えられるので、それを参考に最低3できれば5〜10アミノ酸を採用すれば良いと思います。
膜近傍のアミノ酸(Lysineだったかな?)は糖脂質とも相互作用する可能性もあります。

(無題) 削除/引用
No.7203-10 - 2018/09/06 (木) 14:37:08 - Chiro
mon先生、ありがとうございます。

> (1)mammalian enzyme(または他のタンパク)のGolgi localization signalのみを利用したのでは成功しないのでしょうか。

すみません、ゴルジ局在シグナルというものがあるとは知りませんでした。
シグナルペプチドを持っており、KDEL様配列を持たず、幕貫通ドメインを持てば、ゴルジに局在するとばかり思っていました。

> "mammalian enzymeのシグナルペプチド+細胞外(ゴルジ内腔側)ドメイン"+V5+"bacterial enzyme"+”Linkerもしくはmammalian enzymeの膜近傍配列” + "transmembraneドメイン~細胞内ドメイン”としてみてはいかがでしょうか。

ありがとうございます!やはりそのデザインが無難ですよね。
すごく安心しました。

私も漠然と膜近傍配列を入れた方がいいのかな?と思っていました。
やはりガチャコンっといきなり膜貫通ドメイン以降を連結では不安でした。
どの程度近傍配列として含ませると無難でしょうか?

> またmammalian enzymeは2量体とか3量体を形成しているとかの可能性がありますか?もしそうだとやっかいですね。

その報告はありません。

ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.7203-9 - 2018/09/06 (木) 14:07:19 - mon
(1)mammalian enzyme(または他のタンパク)のGolgi localization signalのみを利用したのでは成功しないのでしょうか。
(2)融合させるなら、細胞内ドメインはGolgi局在に関与している可能性があることを考えると、順番を変えて
"mammalian enzymeのシグナルペプチド+細胞外(ゴルジ内腔側)ドメイン"+V5+"bacterial enzyme"+”Linkerもしくはmammalian enzymeの膜近傍配列” + "transmembraneドメイン~細胞内ドメイン”としてみてはいかがでしょうか。

またmammalian enzymeは2量体とか3量体を形成しているとかの可能性がありますか?もしそうだとやっかいですね。

(無題) 削除/引用
No.7203-8 - 2018/09/06 (木) 09:16:21 - Chiro
中々細胞質側にループを作りタンパク質は見つかりませんね...逆にゴルジ体内向でループを作るものは多数見つかりました。

一つ思い浮かんだのですが、



"mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme(膜貫通ドメイン以降を除く)” -V5-"bacterial enzyme”-別のタンパク質の膜貫通ドメインと細胞質ドメイン

を作製してみたらどうでしょうか。
この場合だとうまくいきそうな気がします。

今ある
"mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme” -V5- "bacterial enzyme”

このプラスミドをテンプレートに、逆PCRでmammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzymeから膜貫通ドメイン以降を除くものをまず作製し、

"mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme(膜貫通ドメイン以降を除く)” -V5-"bacterial enzyme”

続いて、これをテンプレートにPCRを行い、別のタンパク質の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを繋げばどうでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.7203-7 - 2018/09/06 (木) 08:57:55 - Chiro
おお先生、

私の理解が付いていけず、ご迷惑をおかけしております。
なるほど、ということは2つの膜貫通ドメインを持たせるということですね。

つまり、

"mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme” -V5- positive charge -別のタンパク質の膜貫通ドメイン - negative charge -"bacterial enzyme”

ということですね。
これが可能であれば試してみたいです!ありがとうございます!
どういった前例があるか、まず調べてみます!本当にありがとうございます!
道が見えました。まずは検索してみます。

(無題) 削除/引用
No.7203-6 - 2018/09/06 (木) 08:51:11 - おお
いや、だからV5のあとにさらに何かの膜タンパクのTransmembraneドメインを持ってきてルーメン側にトポロジーを変えることができないだろうかと。

(無題) 削除/引用
No.7203-5 - 2018/09/06 (木) 08:30:42 - Chiro
おお先生、

何度もご提案いただきありがとうございます><。
心から感謝しています。

ただ、本文中にも書いたのですが、bacterial enzymeはゴルジの内腔側で発現させたいんです。
おお先生が今回お示しいただいたバージョンはすでに作製して試しておりまして、その場合だとbacterial enzymeも哺乳動物enzymeも活性を示し、しかもゴルジ体に局在しており完璧でした。ただ...bacterial enzymeはこの場合細胞質に向けているので、これを何とかゴルジ体内腔に向けられないか、とのことで今回bacterial enzymeの前にシグナルペプチドを配置させたんです。

結果は本文中にあるように、ゴルジには局在せず(ドット状なので分泌経路に乗っている?)、また哺乳動物酵素は活性を認めませんでした。

(無題) 削除/引用
No.7203-4 - 2018/09/06 (木) 08:25:25 - おお
"mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme” -V5- positive charge - transmenbrane domain - negative charge - "bacterial enzyme”

mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzymeの後ろにTransmembrane Domainを一つかましてbacterial enzymeをつなげたらどうかな。

(無題) 削除/引用
No.7203-3 - 2018/09/06 (木) 05:03:46 - Chiro
おお先生、

早速コメントをお寄せくださりありがとうございます。

実はmammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzymeをその細菌酵素のキャリアとしてどうしても使いたいんです。

2型だとシグナルペプチドを考えなくてもいいでしょうから、おお先生のコメントは後学のためにとても参考になりました。

どうにかして入れられないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.7203-2 - 2018/09/06 (木) 04:30:12 - おお
type 2 transmembrane ProteinのC末に融合したほうが、機能的なドメインのキメラにならないからいいような気がしますが。

細菌由来のタンパク質を哺乳動物のゴルジ体で発現させる方法。 削除/引用
No.7203-1 - 2018/09/06 (木) 04:16:39 - Chiro
いつも勉強させて貰っています。

細菌由来の可溶性酵素を、哺乳動物のゴルジ体に発現する1型膜タンパク質のN末に融合させた合成タンパク質を哺乳動物細胞で発現させたいのですが、ゴルジ体に思うように局在していないようです。
アドバイスいただけないでしょうか。

デザインとしては、pcDNA3.1+のプラスミドに、Kozak配列を付加したものをクローニングしました。

哺乳動物のIL2 signal peptide-"bacterial enzyme" -V5 tag- "mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme".

全長は3.5kbほどです。1100アミノ酸ほどあります。
哺乳動物のゴルジ局在1型膜貫通タンパク質を使っていますが、そのタンパク質のN末のシグナルペプチドは除いております。

この人工遺伝子をCOS7で発現させ、Western blotにより目的のサイズにV5抗体で陽性になるバンドを認めました。
ところが免疫染色を行うと、ゴルジ体マーカーであるTGN46とは共局在を示さず、細胞質にドット状のV5陽性シグナルを認めました。これが小胞体かまではまだ調べていません。

この時、bacterial enzymeの酵素活性は認めることができました。
しかし、mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzymeの酵素活性は認められませんでした。
これがゴルジ体に局在していないからなのか、それともbacterial enzymeを付加したからなのかはわかりません。
ただ、最悪、mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzymeの方は活性が無くても構いません。
肝心なのは、この融合タンパク質をどうにかしてゴルジ体に局在させたいです。ただそれが今はうまくいっていないようです。

IL2 signal peptideは、pFUSE-human IgG2Fc1から拝借したMYRMQLLSCIALSLALVTNSISを使いました。
bacterial enzyme(300アミノ酸ほど)とmammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme(800アミノ酸ほど)との間にはV5タグを含む17アミノ酸(GKPIPNPLLGLDSTAAA)をリンカーとしておいています。

IL2 signal peptideが機能しているかはわかりません。
mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzymeが活性を示さないのは、局在が悪いからなのか、それともN末が細菌由来の酵素でマスクされているからかはわかりません。

細菌由来の酵素と、哺乳動物由来の酵素の連結を逆にすると、つまり、以下のようなデザインにすると、

"mammalian Golgi-localized type 1 transmembrane enzyme” -V5- "bacterial enzyme”

この酵素はゴルジ体に局在し、哺乳動物および細菌由来の酵素のいずれもが正しく酵素活性を示すことは確認できました。
ただ、これでは細菌由来の酵素はゴルジ内腔側に向いていないので、実験に用いることができません。

N末側に細菌由来の酵素を付加し、それとの融合タンパク質をゴルジ体に発現させることができれば先に進めることができます。
リンカーを長くする、あるいは別のシグナル配列を用いる、などコメントをいただけますと幸いに存じます。
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