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酵母のmating効率を上げる方法について トピック削除
No.7352-TOPIC - 2018/10/26 (金) 18:06:19 - ぱーでき
現在、Takaraのキットを使って、yeast-2-hybridを行っていますが色々と問題が起きています。
Mating効率が非常に悪いです。

・Preyを発現する酵母をLeu欠損SD培地プレート、Baitを発現する酵母をTrp欠損SD培地プレートに撒いて、それぞれのコロニーを2 x YPDA培地に懸濁し、混合することでmatingを行っています。30oCでゆるやかに24時間振盪後、LeuTrp欠損培地に撒いていますが、PreyとBaitの組み合わせによっては何回matingをトライしてもコロニーが生えずdiploid体が取れません。しかし、他のpreyとbaitの組み合わせでは簡単にdiploid体が取れたりもします。PreyとBaitを発現する酵母が、それぞれの栄養欠損プレートでコロニーを生やしていることから、それぞれに毒性はないものと考えています。

・自作したPreyのlibraryを発現する酵母と、特定のBaitを発現する酵母をもちいてmatingを行いました。しかしmatingの効率が悪く、LeuTrp欠損培地でもほとんどコロニーは生えません。stockしてある自作libraryを起こしてそのままプレートに撒くと、2 x 10^7/tube以上のコロニーが生えているので、こちらは問題ないと考えています。こちらの問題でも、時々matingが上手くいくことがあります。


酵母の扱いやmating等を行うのは初めてで、周りに相談できる人もおらず困っています。
Takaraに問い合わせた際の改善点を実践しても、あまり改善している様子はないです(振盪速度を早くしすぎない、最初から十分量の酵母をもちいる等)。

素人考えで、2種類の酵母を混ぜて振盪すれば、難しいことをしなくてもmatingなんて行くだろうと高をくくっていたのですが
matingを上手くいかせるためのコツ等あるのでしょうか。
結果に再現がないのも頭を悩ませています。
コツやノウハウを教えてもらえるとありがたいです。
 
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(無題) 解決済み 削除/引用
No.7352-14 - 2018/10/28 (日) 21:23:57 - ぱーでき
なるほど、私も理解できました。
あくまでmatingを起こすのはfilter上でなんですね。
全てが合点行きました。
明日からこの方法も試してみたいと思います。

土日含めて、私のトラブルの相談に付き合ってくださりありがとうございました。
いただいたアドバイスで、今後の指針がつきました。
とりあえず再現性を取る実験や効率を上げるための工夫をもちいて
実験を進めていきます。

一応、これでこのトピックは解決というチェックを入れておきます。
また相談させてもらうことがあるかもしれませんが、その時はよろしくお願いいたします。
最後に、改めてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.7352-13 - 2018/10/28 (日) 20:44:53 - 弘法
読み直して、混乱させてしまった理由がわかりました。

filtrationを使う方法はlibraryのscreeningの場合のみ。complexなlibraryを偏りなくmatingに供するためにこのような方法を取っています。そのため菌は液培由来。プレート由来の菌体を用いれば十分な一対一のmatingの話ではありません。

(無題) 削除/引用
No.7352-12 - 2018/10/28 (日) 20:39:10 - 弘法
分かりにくかったですね。

> Afilterを使ってのmatingについて、未だによく理解できていません。
> filterをプレートに貼り付けて数時間経ったところで酵母を回収という手順だと思うのですが

これはfiltrationのステップは両方の株を均一に並置させるためのものです。よく混ぜた培養液を広い面積の平板のmembrane filterで吸引することで細胞のみをmembrane上に残し、菌体に触れないようにmembraneごと菌体が上になるようにプレートに貼り付け、インキュベーションの後にmembraneごと持ち上げて菌体を回収するという手順です。培地からの栄養はfilter membrane越しに供給されることになります。filtrationに使う器具としては次のようなイメージです(サイズはこれに限らない)。
http://www.merckmillipore.com/JP/ja/product/Vacuum-Base-and-Cap-90mm,MM_NF-XX1009004

(無題) 削除/引用
No.7352-11 - 2018/10/28 (日) 16:07:26 - ぱーでき
ご回答ありがとうございます。

@酵母を撒く濃度について目安を教えてくださり助かります。
やはり周りの大多数が死ぬからと言って、濃く撒いてもいいというわけではないのですね。
濃度を振りつつ、無理のない範囲で濃く撒くようにします。

Afilterを使ってのmatingについて、未だによく理解できていません。
filterをプレートに貼り付けて数時間経ったところで酵母を回収という手順だと思うのですが
固体培地を砕いてfiltertとともにチューブに入れて、適当な溶液をくわえてボルテックスして遠心ということなんでしょうか。
遠心してしまうと、酵母と固体培地が一緒に沈んでしまい分離するのが困難になるように思えるのですが、何か手順を間違っているでしょうか。
選択すべきfilterについてのアドバイスありがとうございます。
参考にさせていただきます。

(無題) 削除/引用
No.7352-10 - 2018/10/27 (土) 19:46:12 - 弘法
ここでいう10^7とか10^6とかは、matingの産物のdiploidの数ではなく、plate当たりに蒔き出される将来の死菌も含めた総細胞数のつもりです。

(無題) 削除/引用
No.7352-9 - 2018/10/27 (土) 19:43:30 - 弘法
改善が見られたようで良かったですね。

> Takaraのマニュアルのtrouble shootingのmatingが上手くいかないの項を見ると
> BaitはPreyの100倍以上入れろって書いてある情報が怪しく思えてきます。

液培の条件なんでしょうね。確かに極端な気はします。

> 論文の実験の流れは
> BaitとPreyをmix→ろ紙でろ過→YCM plate上にろ紙を置き30oCで4.5時間→細胞を回収→選択培地プレート上に撒き直す
> だと思います。

ろ紙は目が粗くて酵母がすり抜けたり、回収するときに残ったりするでしょうから、ニトロセルロースやナイロンメンブレンが望ましいように思います。

> 「細胞を回収」の部分は、プレート上の酵母をスプレッダー等をもちいてPBS棟で回収してソニケーションを軽くかけて細胞をほぐす、という理解でよろしいでしょうか。

フィルターごと培地と共に50 mLチューブに入れてボルテックス、フィルターを取り除いて遠心でしょうか。フィルターを別のチューブで洗い直せば数パーセントは収率の改善があるでしょう。

> C今回のトラブルとは関係がない質問なのですが、Y2Hのノウハウを持っている方にっぜひ聞きたいことがありました。
> 選択培地上にmatingされた酵母を撒く際に、濃く撒きすぎると問題はあるのでしょうか。

私は第一種兼業酵母屋で、実はY2Hにはそれほど詳しくありません。

> 周りに大量の死骸がある状況だと、ヒットクローンが生えるものも生えないということもあるのでしょうか。

それはあるでしょうね。選択がしっかり掛かるまではやがて死ぬ菌との競争になるようで、plating efficiencyは菌数が多くなるにしたがって下がることは、形質転換ではY2Hに限らず経験しています。

> 酵母を選択培地に撒く際の目安みたいなものをご存知でしたら、ご教示いただけますと助かります。

ケースバイケースだと思います。バックグラウンドが全然生えない中でガンガン生える菌なら、90 mmシャーレに10^7くらい蒔いても大丈夫だと思いますが、baitだけで微妙な生育があるようなY2Hで弱いクローンも拾おうとするなら、10^6以下にとどめた方が良いでしょう。とはいえ、positiveが500個取れても、結局は上位100個くらいしか解析できないでしょうから、無理のない枚数にまずは蒔き出してみて一度様子を見てみてはどうですか。よく見ると小さいpositiveっぽいのが出てるのにそれが育たないようなら、次には薄く蒔き出してみるとか。あるいは、最初から濃いのとそれの1/10の濃度のと2通りに蒔き出してみるとか。

(無題) 削除/引用
No.7352-8 - 2018/10/27 (土) 19:00:27 - ぱーでき
ご回答ありがとうございます。

まず、私側の新しい情報なのですが、昨日に仕込んだprey libraryをもちいたmatingの結果が出ました(baitは以前失敗したものです)。
コロニーはまだ極小ですが、そこそこのmating効率が出ていそうな結果が出ていました。
以前の100倍ぐらいのmating効率は出ていそうです。
変更した点は、mating前のbait酵母の培養をYPDA→SD(-Trp) 培地に変更しただけです。
再現性を取る必要はありますが、ここから考えると、baitを選択培地で培養するのが大事ということになりそうです。
根本の原因が、プラスミドの脱落かどうかはわかりませんが、以後は選択培地を使うようにします。

紹介いただいた論文も読みました。
filter上でのmatingはかなり使えそうです!
ありがとうございます。

以下、気になった点です。
@mating効率が10%超えるのはすごいですね。
baitとpreyの組み合わせにも依るのかもしれませんが、Fig4aにあるようにmating効率は数倍の範囲ではブレるようですね。
頭に入れておきます。
AFig3を見るとbaitとpreyの比はかなり大事なようですね。
Takaraのマニュアルのtrouble shootingのmatingが上手くいかないの項を見ると
BaitはPreyの100倍以上入れろって書いてある情報が怪しく思えてきます。
論文中では1:1が推奨だとも書かれていますし、場合によって条件は変わりそうですね。
Baitの酵母数はマニュアル通りに漠然と濁度だけ測って投入してたので、血球計算板で酵母数を測定して、1:3で一回やってみます。
B実験手順が正確にイメージできず、お聞きしたいところがあります。
論文の実験の流れは
BaitとPreyをmix→ろ紙でろ過→YCM plate上にろ紙を置き30oCで4.5時間→細胞を回収→選択培地プレート上に撒き直す
だと思います。
「細胞を回収」の部分は、プレート上の酵母をスプレッダー等をもちいてPBS棟で回収してソニケーションを軽くかけて細胞をほぐす、という理解でよろしいでしょうか。
C今回のトラブルとは関係がない質問なのですが、Y2Hのノウハウを持っている方にっぜひ聞きたいことがありました。
選択培地上にmatingされた酵母を撒く際に、濃く撒きすぎると問題はあるのでしょうか。
選択培地には抗真菌剤を含む栄養欠損培地なので、環境としては周りに酵母の死骸があるところで、特定の酵母が生き残るという状況だと思います。
周りに大量の死骸がある状況だと、ヒットクローンが生えるものも生えないということもあるのでしょうか。
酵母を選択培地に撒く際の目安みたいなものをご存知でしたら、ご教示いただけますと助かります。

素人のトラブルシューティングにお付き合いくださり、とても感謝しております。
本当にありがとうございます

(無題) 削除/引用
No.7352-7 - 2018/10/27 (土) 17:31:13 - 弘法
TaKaRa(Clontech)のマニュアルを読んでみました。形質転換体を増やすステップは全て選択培地で行い、overnightのmatingのステップは元気をつけるためにYPADでやっているという感じですね。あまりいじれるところもなさそうなので、この方法でできることは振とうスピードを遅くすることくらいでしょうか。

決まったbaitとpreyの組み合わせの方は、YPADで前培養していたとしたら、プラスミドが落ちたものが濃縮されていたのかもしれません。前培養を選択培地(プレート)にして、matingをYP(A)Dプレートで行えば解決するように思います。もし、これで解決しないようであれば、事態は相当深刻なので一からステップ毎に確認の必要があります。

また、baitとprey libraryのmatingを安定して行うためには、菌体を混ぜた後にfilter disc上にfiltrationすることで両方の株が均一に分布するようにして、そのfilterを新鮮なプレートに一晩貼り付けてmatingを促すという方法があります。Y2Hを受託しているような会社の人と話をしたことがあって、テクニシャンでも安定してできるようなプロトコールとしてこれを選んでると言っていました。文献はどれが良いかわからないのですが、目についたものを挙げます。これも試す価値ありです。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC64837/

(無題) 削除/引用
No.7352-6 - 2018/10/27 (土) 17:00:44 - 弘法
状況が呑み込めました。貴重なprey libraryを有効利用したいということですね。

> @用いている株について
> なので、Y2H goldにbaitとpreyをtransformすれば、スクリーニングは可能という理解でよろしいでしょうか。

はい、その通りです。

> いいスクリーニング法とは言えませんが、このストックを無駄にしたくないと考えるなら
> 既に手元にあるPreyライブラリ in Y187にbaitをtransformして
> LeuとTrp欠損SDプレート下で、X-a-Galで青色に呈色する株を拾ってくるという方法もできるということですね。

これはお勧めしません。独立の複数のレポーターで選択を掛けないと、偽陽性ばかり拾うことになります。

> 液体培地でのmatingを安定させるのは、なかなか難しいようですね。

ネガティブなことを言い過ぎたかもしれません。メーカーのマニュアルにあるくらいなので、上手く行く場合には何の困難もないのだと思います。でも、上手く行かない時にトラブルシュートしにくいというべきでした。

> 自身で今後やろうとしているのは
> 振盪数を今より下げる、baitの割合を今より増やす等

これは有効だと思います。matingは酵母が活発に増殖できる条件で起こるものなので、lag phaseやstationary phaseを避けてください。また、先にも書いたように、matingに先立ってaggregationが起こることが望ましいと考えられますので、培地中で酒粕のようなモロモロの形態を示していることが一つの指標になるかもしれません。

今は読めないのですが、takaraのマニュアルを読んでみて改めてお返事します。

(無題) 削除/引用
No.7352-5 - 2018/10/27 (土) 15:10:44 - ぱーでき
一つ一つに丁寧に回答してくださり、ありがとうございます。

@用いている株について
Takara社のY2H gold (bait) とY187 (prey) という株です。
マニュアルを見ますと、Y2H goldの方のreportersに、AbA, HIS3, ADE2, MEL1と書いてあります。
Y187の方は、MEL1, LacZと書いてあります。
なので、Y2H goldにbaitとpreyをtransformすれば、スクリーニングは可能という理解でよろしいでしょうか。

ADNAの調製について
私の研究内容に触れてしまうので伝えきれないのがもどかしいですが
オリジナルのPreyライブラリを作製しており
十分な多様性を持つようなライブラリを大腸菌からどうにか調製してきた現状です(数年かかりました)。
DNAのlotが変わってしまうこと、一から十分な多様性を持つPreyライブラリを作ることは、個人的にはかなりクリティカルです。
preyをtransformした酵母は、多様性を確保した上で数十本stockできていて
それを一本ずつ用時解凍するという形で使用しようと考えていました。
いいスクリーニング法とは言えませんが、このストックを無駄にしたくないと考えるなら
既に手元にあるPreyライブラリ in Y187にbaitをtransformして
LeuとTrp欠損SDプレート下で、X-a-Galで青色に呈色する株を拾ってくるという方法もできるということですね。
無数に生えてくるコロニーの中から、青コロニーを探す方法になるので
上手な手法とは全く言えませんが…。

Bその他の作法について
大変参考になります。
プレート上のmatingは、コントロール株の作製やスクリーニング後の相互作用の再評価に使用させてもらいます。
また、stockからの起こし方についても、我流でやっていました。
教えていただいた方法に改めます。


液体培地でのmatingを安定させるのは、なかなか難しいようですね。
自身で今後やろうとしているのは
振盪数を今より下げる、baitの割合を今より増やす等
酵母同士が安定して出会うことができる確率を増やしてみることです。

(無題) 削除/引用
No.7352-4 - 2018/10/27 (土) 12:58:15 - 弘法
順番に。

> 培地内でmatingというのはトリッキーなんですか。
> 製品プロトコルに堂々と書いていたので、メジャーな方法かと思っていました。

matingのためには、mating typeの異なる細胞同士がペプチド性のfactorを交換し合い、可能性のある複数のパートナーの中から一つの相手にコミットメントして細胞伸長・細胞融合を起こす必要があって、パートナーと十分安定に並置されることが大事なのですが、液中で振とうされているとそれが難しくなります。matingの過程で細胞同士のアグリゲーションが起こることで、液培中でも十分な相互作用が起こるのが普通なのですが、これは細胞の生理状態に依存していてちょっとしたことに影響を受けやすいみたいです。

> baitを導入する方の酵母のゲノムにHis3とAde2を持っているので、選択マーカーはこれまで通りにHisとAdeの欠損で問題ないでしょうか。

株の名前とgenotypeを教えてください。his3とade2のレポーターを持っていればそれを選択に使えます。株によって形質転換効率の良いものと悪いものがあるので、良いものを使った方が良いと思います。

> この方法だとcDNA libraryを都度transformしなければならず、DNA必要量が莫大になることですね…。

形質転換は上手くいけば10^5/ug以上の効率が出ますので、哺乳類のライブラリーでも数十ugでスクリーニングには十分だと思います。また、酵母に入れた形で量が得られているというのは、結局のところはライブラリーを増幅しているということなので、増やし直しを大腸菌でやるのも十分に気を付けてやれば同じという気もします。

> プレート上でもmatingはできるのですね。

上に書いた理由でプレート上の方がmating自体の効率は良いと思います。ライブラリーのスクリーニング用のmatingをプレート上でやるには別の工夫が必要だとは思いますが。

> 液体培地で振盪しないのは、酵母が酸欠になってしまいますが
> matingには沈まない程度の振盪で十分ということですね。

グルコースが十分に入っているYPDなどの培地では、呼吸よりも発酵で増えているので酸欠はあまり問題にならないと思います。

> cultureの際には、常に液体培地も選択培地で行うべきでしょうか。

プラスミドは比較的安定なので選択を掛け続けなくとも分裂ごとの脱落は数パーセント以下だと言われています。ただし、プラスミドを形質転換することで酵母の増殖に悪い影響がある(コロニーサイズが空ベクターより小さいなど)場合には、プラスミドを落とした細胞が選択的に増えていくでしょうね。しかし、お書きになっている手順を見ると、必ず選択培地での選別をはさんでいるようなので、たとえプラスミドを落とした細胞が大部分になっていたとしても、選別されてきたコロニーはプラスミドを持っているはずです。

一般論として、全てのアッセイ、全てのstockはシングルコロニー由来のものを独立に数クローン用います。stockを作る前の液培は、増殖が極端に悪いなどの事情がないなら選択培地でやった方が良いでしょう。また、glycerol stockから形質転換体を起こすときにも、凍ったままストックの表面を引っかいた楊枝などで選択プレートに直接ストリークしてやるのが普通です。出てきたシングルコロニーを独立に複数個テストすれば、まれに起こるかもしれない変異などの影響を排除できるでしょう。

(無題) 削除/引用
No.7352-3 - 2018/10/26 (金) 18:59:54 - ぱーでき
回答ありがとうございます。
助かります。

培地内でmatingというのはトリッキーなんですか。
製品プロトコルに堂々と書いていたので、メジャーな方法かと思っていました。

ご教授くださった方法は、既にbaitの遺伝子を持った酵母にpreyの遺伝子を導入するということですよね。一回考えたのですが、この手法を取った場合、酵母がdiploidではなくhaploidとなると思います。baitを導入する方の酵母のゲノムにHis3とAde2を持っているので、選択マーカーはこれまで通りにHisとAdeの欠損で問題ないでしょうか。
この方法だとcDNA libraryを都度transformしなければならず、DNA必要量が莫大になることですね…。複数のbaitにprey libraryを使いまわしたいと考えていたので、ちょっと痛手です。何も結果が出ないよりはマシなので、こっちの検討もしたいと思います。

新しいmating法についてもご教示くださいまして、ありがとうございます。プレート上のmatingを試してみます。
プレート上でもmatingはできるのですね。
液体培地で振盪しないのは、酵母が酸欠になってしまいますが
matingには沈まない程度の振盪で十分ということですね。

過去のログ等もずっと検索していたのですが、弘法さんはmatingに関してかなりノウハウを持っていることと存じます。
そこでお聞きしたいのですが、培養している酵母からプラスミドが落ちるという経験はされたことがありますか。
今回の原因の1つにそれが関わっている気もしているのです。

わかりにくい例で恐縮なのですが、経緯を説明しますと
@prey (A)とbait (a)を発現する酵母をそれぞれ調製、選択プレートから酵母をそれぞれpick、それらをもちいてmating→matingに成功、Aとaの相互作用も確認できた
Aprey (A)のコロニーをpickし、YPDA brothでculture→グリセロールstock作製
B上記で作製したstockをYPDA brothでculture→選択プレートに撒く
→コロニー発生
C上記で生えたコロニーとbait (a)あるいはbait (b)の組み合わせでmating→どちらもmatingができない
このような経緯になっています。
昔、matingに成功した(A)と(a)の組み合わせが現在できなくなっているので頭を抱えています。
グリセロールstockを選択プレートに撒き直してはいるのですが、途中でYPDA brothによるcultureも含んでいて、plasmidが脱落した可能性もあるのかと考えています。
cultureの際には、常に液体培地も選択培地で行うべきでしょうか。

長々とすいません。
よろしくお願いいたします

(無題) 削除/引用
No.7352-2 - 2018/10/26 (金) 18:27:34 - 弘法
液培でバルクでmatingさせることにはトリッキーなところがあって、なかなかコントロールするのが難しいようです。上手くいっているならもちろんそれで構わないのですが、一回やって難しいようなら、私ならそのやり方を避けて、baitを持った株にcDNA libraryをDNAとして形質転換するという昔ながらの方法を取ります。

決まったbaitと決まったpreyの組み合わせすら上手くいかない方は重症ですね。まずはプレート上でmatingさせる方が間違いがないと思います。あらかじめ生やしておいたコロニーを一つずつ楊枝などでかき取って、YPDなどのプレート上で混ぜ合わせながら直径1 cm程度のパッチに塗り拡げ、一晩インキュベーションして、翌朝、ごく一部を楊枝などで選択培地に濃度に差をつけながらストリークすれば十分です。

しかし、いかに液培とはいえコロニーが全く出ないというのはあまりにおかしいようにも思いますので、形質転換体にmating能を失うような変異を持ってしまった可能性もありますね。間違いのないホスト株に再度、形質転換するところからやり直してはいかがですか。

酵母のmating効率を上げる方法について 削除/引用
No.7352-1 - 2018/10/26 (金) 18:06:19 - ぱーでき
現在、Takaraのキットを使って、yeast-2-hybridを行っていますが色々と問題が起きています。
Mating効率が非常に悪いです。

・Preyを発現する酵母をLeu欠損SD培地プレート、Baitを発現する酵母をTrp欠損SD培地プレートに撒いて、それぞれのコロニーを2 x YPDA培地に懸濁し、混合することでmatingを行っています。30oCでゆるやかに24時間振盪後、LeuTrp欠損培地に撒いていますが、PreyとBaitの組み合わせによっては何回matingをトライしてもコロニーが生えずdiploid体が取れません。しかし、他のpreyとbaitの組み合わせでは簡単にdiploid体が取れたりもします。PreyとBaitを発現する酵母が、それぞれの栄養欠損プレートでコロニーを生やしていることから、それぞれに毒性はないものと考えています。

・自作したPreyのlibraryを発現する酵母と、特定のBaitを発現する酵母をもちいてmatingを行いました。しかしmatingの効率が悪く、LeuTrp欠損培地でもほとんどコロニーは生えません。stockしてある自作libraryを起こしてそのままプレートに撒くと、2 x 10^7/tube以上のコロニーが生えているので、こちらは問題ないと考えています。こちらの問題でも、時々matingが上手くいくことがあります。


酵母の扱いやmating等を行うのは初めてで、周りに相談できる人もおらず困っています。
Takaraに問い合わせた際の改善点を実践しても、あまり改善している様子はないです(振盪速度を早くしすぎない、最初から十分量の酵母をもちいる等)。

素人考えで、2種類の酵母を混ぜて振盪すれば、難しいことをしなくてもmatingなんて行くだろうと高をくくっていたのですが
matingを上手くいかせるためのコツ等あるのでしょうか。
結果に再現がないのも頭を悩ませています。
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