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糞便中真菌DNA定量 トピック削除
No.8179-TOPIC - 2019/08/21 (水) 05:41:55 - おもち
ヒト糞便中の真菌量の定量に取り組んでいます。凍結保管してある糞便を解凍後に一定量切り出し、直接DNA抽出キット(ビーズチューブ)に入れてDNA抽出を行い、qPCRにて定量を行いましたが、もともと糞便中真菌濃度はかなり低いようでノイズ程度しか確認できません(qPCRのネガコンより少し反応がある程度)。
培養カンジダを用いて検討したところ、糞便中にはインヒビターが含まれていることがわかり、インヒビター除去カラムの使用や、真菌細胞壁を破壊するためlyticaseの使用も検討していますが、同じようなことをしている論文がなかなか見つかりません。
糞便中真菌量からすると少なくとも10gの糞便が必要だと計算上予想しましたが、サンプル量やキットのチューブサイズからこれは非現実的な量です。また糞便サンプルを培養してから使用することはできるだけ避けたいと考えています。
どうしたら1)DNA抽出効率があげられるか、2)糞便サンプルの扱いかた(直接使用がよいか、一旦PBSに溶解→大きな食渣を除去するorフィルターの使用)、3)少ない真菌DNAの検出の仕方(qPCRのほかの選択肢、ただし当ラボにNGSはありません)につき些細なことでも構いませんので皆様のアドバイスをお願いしたいと思います。どうか宜しくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.8179-14 - 2019/08/24 (土) 02:05:11 - おもち
おお様
アドバイスありがとうございます。現在、土壌/糞便向けキットを使用しておりますがCTABの使用も検討してみます。

SYBR master様
キットの説明ではITS1領域をターゲットとしているようです。使用しているサンプルは-80℃で保管されている糞便ですが、凍結融解の時点でDNAがかなり壊れている可能性が考えられます。よって、ご指摘<すでにゲノムDNAの一部が失われている(分解されている)ために、コピー数が1個体分に達していないので、最低スタンダード(20 fg)とNTC(H2O)に出てくる>は納得できます。
細菌16S rDNAは十分量のDNAが確認でき定量は余裕なのですが、真菌はそもそも糞便中の存在量が少ないため検出が難しいと思っておりました。使用するDNA量を増やすということですが、DNA抽出に使用するサンプル量を100mgから増やすことは(チューブサイズや物理的な問題から)難しいため、DNA抽出の最後の添加ソリューション量を少なくして工夫したり、qPCRのサイクル数を増やしたりしましたがあまりうまくいきませんでした。

(無題) 削除/引用
No.8179-13 - 2019/08/23 (金) 17:17:29 - SYBR master
カンジダ類ならゲノムは20Mb以下なので、20 fgは約1個体分のゲノム量だと思います。

1個体検出できるとなると、ゲノム中のコピー数は10コピー以上ある部分で、たぶんITSやrDNA領域だと予想します。

でqqさんの指摘のように、他のDNA量が多すぎて希釈されている、もしくはその対象菌体が死菌であった場合、すでにゲノムDNAの一部が失われている(分解されている)ために、コピー数が1個体分に達していないので、最低スタンダード(20 fg)とNTC(H2O)に出てくるのでは無いかと。

細菌DNAたぶん16S rDNAだと思いますが、こちらが十分に増えるのであれば、糞便用のDNA抽出キットで抽出したDNAに、インヒビターが入っているのは考えにくいです。

抽出したDNAの総量が判りませんが、単純にqPCRに持ち込むDNA量増やせば良いのでは?

(無題) 削除/引用
No.8179-12 - 2019/08/23 (金) 16:25:52 - おお
食渣など邪魔になったりというのであれば、植物繊維なども含まれているだろうから、植物で使われているような方法も考えてみてもいいのかもしれません。PVPとCTAB を使うような方法だったと思います。

また前にしめしたURLにはPCR阻害物の対処も載っていましたが、動物組織で通常の方法であまりよくない場合はCTABを使うというのは一つの選択肢としてあげられます。

(無題) 削除/引用
No.8179-11 - 2019/08/23 (金) 03:05:48 - おもち
qq様
そのお考えは確かにmake senseします。だとするとやはり存在比の少ない真菌DNAの定量は難しいことが予測されますね。

ちき様
アドバイスありがとうございます。現在インヒビター除去カラムを使った実験を予定しております。また、ボスと話したところlyticaseの使用もトライしてみようとなりました。これからどのくらいいい方向に働くかわかりませんが(試薬会社にもそう言われました)、できることはトライしてみます。
なお、特定の疾患の糞便中では真菌のポピュレーションが変化することから、カンジダの割合も変化すると予想しております。なので、糞便にカンジダを加えたサンプルでスタンダードカーブを作った場合、カンジダ優位でない場合結果が変わりそうですので、ここはやはり真菌全般で定量したいと考えております。

おお様
某社の真菌定量キットを使用しております。もともとプライマーもmaster mixに含まれておりITS1領域をターゲットとしているようです。
使用する糞便が100mgと少ないため、採取箇所により食渣の違いが気になっておりました。DNase処理とリゾチーム処理は思いつきませんでした、貴重なアドバイスありがとうございます。Zymoのzymoliticaseは使用価値があるかと考えております。

皆様色々なアドバイスまことにありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.8179-10 - 2019/08/22 (木) 21:03:32 - おお
>スタンダードは20fgが検出限界(Threshold Lineまで達する限界)でした。健常人の余剰糞便に培養カンジダを加えて検討したところ、カンジダのみのサンプルに比較してインヒビターのせいか100倍感度が悪くなってしまいました。


qqさんが指摘しているんだけど、DNA量ベースでPCRしているなら量としてはかなり低く見積もられる可能性はある。なのでどのように測定しているのかはきになる。いずれにしろ、ここをまず改善する必要があるとは思うけど。



こういうサンプルは使った事がないのだけど、

>一旦PBSに溶解→大きな食渣を除去するorフィルターの使用

これは食渣に付着していた場合のロスがきになる。
お考えの酵母がほぼIntactとかんがえるならDNase処理とリゾチーム処理でバクテリアや食したものに含まれるDNAをなるべく除去したりしてもいいのかなと漠然とおもう。

>真菌細胞壁を破壊するためlyticaseの使用も検討していますが、

Yeast対象ならそれも視野に入れていいんじゃないですか?

あまり調べれてないのだがこんなんがあった
https://www.zymoresearch.com/blogs/blog/everybody-poops-how-to-extract-dna-from-feces

(無題) 削除/引用
No.8179-9 - 2019/08/22 (木) 11:53:38 - ちき
やはり、健常者糞便にカンジダ菌を混ぜて条件を詰めるしかないような気がします。
その際、

1. 真菌/細菌両者の検出効率の最適化 (inhibitorの除去等)。

2. 真菌/細菌の検出効率比の最適化 (真菌細胞壁の除去等)。

の両者を区別して行うべきかと思います。
最終的には既知量のカンジダ菌を加えた健常者便で標準曲線をつくり、サンプル中にカンジダ菌当量でどの程度の真菌が存在するか、という形での評価になるのでは。

ところで、RNAについてですが、qRT-PCRで検索すると幾つかヒットするようですが (TOYOBOなど)。

(無題) 削除/引用
No.8179-8 - 2019/08/22 (木) 09:13:06 - qq
想像だけど、
糞便中のインヒビターやDNA抽出効率が悪いのではなく、糞便中にバクテリアや動物自身のDNAが多量に存在するので、DNA抽出キットでキャパシティーオーバーなのではないかしら?
そうすると糞便中のDNAの存在比率でそれぞれのDNAが回収されるだろうから、微量の真菌(であれば)のDNAは少ししか回収されないと思う。
いかがでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.8179-7 - 2019/08/22 (木) 07:21:34 - おもち
おお様

スタンダードは20fgが検出限界(Threshold Lineまで達する限界)でした。健常人の余剰糞便に培養カンジダを加えて検討したところ、カンジダのみのサンプルに比較してインヒビターのせいか100倍感度が悪くなってしまいました。
RNAへのスイッチですが、qPCRのDNA定量キットはあってもRNA定量キットが見つからず、細菌の方はDNAで定量しているので今回DNAを選択しました。

(無題) 削除/引用
No.8179-6 - 2019/08/22 (木) 04:33:53 - おもち
ちき様

ご質問ありがとうございます、以下に回答させていただきます。
>1. 一般の人の糞便ではパイロット実験はできないのですか?
 培養カンジダとストック糞便を用いて検討したところ、少なくともサンプル中に10^3以上の真菌が必要であることが予測されました。今回実験に用いる糞便検体は健常人の糞便より真菌が多く存在していると思われますが、どの程度多いのか検討がつかず、試薬やサンプルも限られているのでなかなか呼び実験に使用できない状況です。

>2. qPCRに使っているのは種特異的なプライマーですか。それとも真菌一般?
 真菌一般のプライマーです。しかし糞便中の主要な真菌はカンジダですので、培養カンジダを用いて予備実験を行っています。

>3. qPCRの結果以外で真菌がノイズレベル以上に存在すると信じる根拠、言い換えるとqPCRが実際の真菌量を反映していないと考える根拠はありますか。
 今回予備実験で用いたサンプルの結果はqPCRにおいてネガコン(H2O)と最低スタンダード(20fg)の中間にみられ、さらにThreshold Lineまで達していませんでした。はっきりとした根拠はありませんが、少なくともThreshold Lineまで達していなかったため真菌特異的な反応であるとはいいきれないと思います。キットの会社にデータを提示して問い合わせたところ、同様の回答でした。

4. 真菌以外のDNAは検出できますか?
はい、同様のキットやプロトコールにて細菌DNAは十分測定可能です。

長くなりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.8179-5 - 2019/08/22 (木) 02:09:16 - おお
ノイズかどうかなど検出限界はスタンダードなどで決めておくこと。そうしないとノイズかどうか不毛な議論になります。
サンプルはなにかわかりませんが、例えば何がしかの病気に関係したものを扱っていて貴重なものであれば、病気にかかってない対象のものとか集めてきて条件検討から始めるべきと思いますが、それも難しいですか?それができるならターゲットになる真菌をそこに故意に混ぜることでどのようにすれば感度良く検出できるかなど検討ができるはず。

何となく思うのですが、RNAを検出するほうがコピー数的には有利な気がするのですがどうなんでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.8179-4 - 2019/08/21 (水) 16:28:08 - ちき
幾つかわからない点があるので伺います。

1. 一般の人の糞便ではパイロット実験はできないのですか?
2. qPCRに使っているのは種特異的なプライマーですか。それとも真菌一般?
3. qPCRの結果以外で真菌がノイズレベル以上に存在すると信じる根拠、言い換えるとqPCRが実際の真菌量を反映していないと考える根拠はありますか。
4. 真菌以外のDNAは検出できますか?

(無題) 削除/引用
No.8179-3 - 2019/08/21 (水) 11:06:40 - おもち
ちき様

論文のご提示ありがとうございます。こちらの論文は既にチェックしており、某社の糞便DNA抽出キットを使用しておりますが、それでもノイズ程度でした。キットのプロトコールでは糞便を直接100mg程度添加するようですが、たとえば300mgの糞便を一度PBSに溶解して大きな食渣を除去→遠心して上清を捨ててペレットを使用にすればもう少し添加量が増えるかな...?等考えております。しかしサンプル量が限られており、なかなかトライアルができない状況で皆様のお知恵を拝借したくトピックをあげさせていただいた次第です。

(無題) 削除/引用
No.8179-2 - 2019/08/21 (水) 09:18:22 - ちき
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmicb.2019.00821/full

Material and Methodsをちょっと見ただけですが、各社から糞便DNA抽出用のkitも出ているようですが。

糞便中真菌DNA定量 削除/引用
No.8179-1 - 2019/08/21 (水) 05:41:55 - おもち
ヒト糞便中の真菌量の定量に取り組んでいます。凍結保管してある糞便を解凍後に一定量切り出し、直接DNA抽出キット(ビーズチューブ)に入れてDNA抽出を行い、qPCRにて定量を行いましたが、もともと糞便中真菌濃度はかなり低いようでノイズ程度しか確認できません(qPCRのネガコンより少し反応がある程度)。
培養カンジダを用いて検討したところ、糞便中にはインヒビターが含まれていることがわかり、インヒビター除去カラムの使用や、真菌細胞壁を破壊するためlyticaseの使用も検討していますが、同じようなことをしている論文がなかなか見つかりません。
糞便中真菌量からすると少なくとも10gの糞便が必要だと計算上予想しましたが、サンプル量やキットのチューブサイズからこれは非現実的な量です。また糞便サンプルを培養してから使用することはできるだけ避けたいと考えています。
どうしたら1)DNA抽出効率があげられるか、2)糞便サンプルの扱いかた(直接使用がよいか、一旦PBSに溶解→大きな食渣を除去するorフィルターの使用)、3)少ない真菌DNAの検出の仕方(qPCRのほかの選択肢、ただし当ラボにNGSはありません)につき些細なことでも構いませんので皆様のアドバイスをお願いしたいと思います。どうか宜しくお願いいたします。

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