A431細胞は細胞同士が強く接着し島を作るように増殖します。細胞が移動して増えて行かないので、島の中央では細胞密度が上がります(柱状になり、見た目では細胞が小さく見える)。このため、継代時の細胞数が少ないと島が出来るだけでディッシュ全体になかなか細胞が増えていきません。
このような状態は好ましくないので、見た目30%コンフルエントぐらいなら、トリプシン処理で同じ面積のディッシュにまき直すのが良いです。
A431細胞は単一細胞までバラバラにすると増殖が遅くなります(場合によりアポトーシスを起こします)。細胞同士が多少接着している方が増殖が良いですので、継代時に希釈しすぎはさけましょう。
A431細胞はある頻度でアポトーシスを起こしているので、浮いた細胞が出やすいです。そのため継代時に死細胞由来のDNAのせいで細胞が固まりになりやすいのでしっかり撹拌してください。私はピペットをディッシュに垂直に立てて少しだけ傾けて隙間から吹き出す様にしてほぐしています。これを数回繰り返します。ピペットマン・チップでのピペッティングも効果的です。 |
|