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クローニングベクターからの発現漏れ トピック削除
No.8421-TOPIC - 2019/11/18 (月) 22:20:41 - HDR
いつも勉強させていただいております。
培養細胞でのHDR率検証を行っているのですが、ちょっと困っているのでご意見いただければ幸いです。

AAVS1領域へのHDRによるKI率を検証したく、HEK293T細胞にdonor plasmid ( 5'HA(homology-arm)-SA(Splicing acceptor)-2A-EGFP-bGHpolyA-3'HAカセットをクローニングしたplasmid) をCrispr/Cas9-AAVS1sgRNA発現plasmidと共にトランスフェクションしFACSにてEGFP陽性細胞率を測定しようと考えました。
(donor及びsgRNA配列は文献で既に報告されており、addgeneにてplasmidも提供されているものです。)

しかし、transfection後24時間の時点でかなりの細胞(50%以上)がEGFP陽性となっていました。
Crispr/Cas9-AAVS1 sgRNA plasmid(-)のwellでも同様でした。

donor plasmidにはpromoter配列が無く(pBluescriptII SK(-))、EGFPはAAVS1領域にKI1された場合、SAによってPPP1R12C遺伝子のpromoterにより発現するはずなのですが、どうもplasmidからEGFP発現がleakしているような印象を受けました。

発現ベクター(CMVやCAG promoterなどを搭載)ではなくクローニングベクターに搭載したEGFPでも、ベクター骨格に転写因子などが結合すれば転写され翻訳されてしまうことはあるようなので少し対策をしてみました。

まず、donor配列のさらに5'側にSV40-p(A)配列を搭載し転写を終結させるようにすることでベクター骨格からの発現leak低減を試みました。
また、EGFPの開始コドン(ATG)を取り除いてみました。
(ATGを取り除いても、PPP1R12C geneの開始コドンを利用して発現するはずなので)

ところが、上記のような工夫をしたplasmidをトランスフェクションしてもEGFP陽性細胞が24時間後に同じくらいの割合で出現しました。

念のためplasmidのコンタミ(promoter付きの発現ベクターのコンタミ??)を疑ったのですが、donor配列をクローニングしていないベクター(pBS-SKII(-))をトランスフェクションした場合EGFPの発現は検出されませんでした。
(試薬、DNAの再懸濁溶液(TEなど)もコンタミしていませんでした。また、donor plasmidを大腸菌に再トランスフォーメーションし、改めてsingle colonyを拾った後にMidiprep精製をやり直しても結果は同じでした。)
また、細胞の自家蛍光でもなさそうでした。

クローニングベクターからのleakを経験された方はおられませんでしょうか?
また、開始コドンATGを取り除いてもEGFPの発現が見られたのは一体どうしてなのでしょうか。
(CTG (CUG)からでも翻訳が開始されてしまう場合があるのは文献で見たことがあるのですが...)

EGFPの5'上流の2A配列上に開始コドン(ATG(もしくはCTG))はありません。
また、SA配列上のEGFPとインフレームになる配列内にはTGA(終始コドン)があります。

何かご存じの方がいらっしゃればご意見いただければ幸いです。
 
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(無題) 解決済み 削除/引用
No.8421-11 - 2019/11/23 (土) 11:57:21 - HDR
>AP様

貴重なご意見ありがとうございます。

>>pBlueScriptだとT3/T7プロモータもありますね。

ご指摘の通り、casetteの5'側にT7 promoterがあります。

>>3' SV40配列とかポリA付加シグナルというのは転写終結因子ではないので、転写のread-thoughは起こります。それは内在性の遺伝子でも例外ではない。

read-throughがやはり起こるのですね。。。ポリA付加シグナルでベクター骨格からのbackgroundを低減させる(promegaのpGL4のようなLuciferase assay用のベクターをイメージしました。)ことができるかと考えたのですが、やはり漏れますね。

>>開始コドンを欠失しても、二番目以降のメチオニンコドンから翻訳が起こることはある。その場合、EGFPだとN末1/3程度を欠失するようなので光るかどうかわからないけど。CTG LeuならN末端近くにあるので転写開始されればほぼ全長。

私もそのように考えました。質問させて頂いたのは、同様の経験をされた方がおられないかと思ったからです。ATGの欠失によりEGFPのN末1/3欠損体となってしまっているのか、CTG Leuからの翻訳でほぼ全長のEGFPが発現しているのか...不明ですね。


>>read-though転写産物にしても非正規な転写開始・翻訳開始にしろ、あったとしても量的にはごくわずかかもしれないけれど、人工的な系であり、多量に遺伝子導入されていると見えてくるのかもしれない。

これはご指摘の通りかと思います。実際にplasmidのtransfection量を減らすとEGFP発現が顕微鏡監察下では見えなくなっているので、多コピーのplasmidが細胞に導入された結果出てきてしまったbackgrondですね。
(5日間程培養してみましたが、transfectino量を多くしたwellでは今なおEGFPが顕微鏡下で観察できるくらい発現していました。)


plasmid量の検討や、別のassay法なども考えてみたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.8421-8 - 2019/11/21 (木) 10:37:10 - AP
雑談レベルですが、、、

pBlueScriptだとT3/T7プロモータもありますね。

3' SV40配列とかポリA付加シグナルというのは転写終結因子ではないので、転写のread-thoughは起こります。それは内在性の遺伝子でも例外ではない。

開始コドンを欠失しても、二番目以降のメチオニンコドンから翻訳が起こることはある。その場合、EGFPだとN末1/3程度を欠失するようなので光るかどうかわからないけど。CTG LeuならN末端近くにあるので転写開始されればほぼ全長。

read-though転写産物にしても非正規な転写開始・翻訳開始にしろ、あったとしても量的にはごくわずかかもしれないけれど、人工的な系であり、多量に遺伝子導入されていると見えてくるのかもしれない。

(無題) 削除/引用
No.8421-7 - 2019/11/20 (水) 19:03:48 - HDR
>AP様

>>lac promoterとの相対的な方向性は?
>>ひょっとしてpBlueScript KSに載せ替えたらおさまったりして。

lac promtoerとは逆向きにEGFPがクローニングされている状態です。
また、SA-2A-EGFPの直上にはSV40-polyAシグナル配列を挿入したplasmidにしてあるので、5'側からの転写はそこで一旦終結すると考えています。
仮に転写が止まらなかったとしても、EGFPの上流In-frameでストップコドンがあるのでEGFPは発現しないはずなのですが...

ただ、コメント頂きました様にトランスフェクション時のコピー数はかなり多いはずで、実際HDR casette(EGFP)ベクターのトランスフェクション量を1/10くらいにするとEGFPは顕微鏡下では見えなくなっていました。
(pCMV-EGFPベクターを同じ量で別のwellにトランスフェクションしてEGFPの発現を確認したので、HDR casette plasmidがトランスフェクションされていないわけではないと考えています。)

トランスフェクション後時間をおいて観察してみようと思います。

どの様にEGFPが発現してしまうのかはよく分からないですね。

>おお様

ご指摘の通りcasette部分を切り出して線状化するというのは一般的なKIやstable cell lineとりの時に使われる方法かと思います。
ただ、今回はちょっと訳あってplasmid状態のままトランスフェクションしてKIするという方法を検証しています。
線状化をしない代わりに転写終結配列(poly(A))をカセット上流に搭載したのですが、EGFPは漏れ出てくるようです。

(無題) 削除/引用
No.8421-6 - 2019/11/20 (水) 15:18:08 - おお
そのシステムはよく分からないけど、ベクターから切り出した直鎖DNAは使えない?

(無題) 削除/引用
No.8421-5 - 2019/11/20 (水) 15:06:36 - AP
>donor plasmidにはpromoter配列が無く(pBluescriptII SK(-))

lac promoterとの相対的な方向性は?
ひょっとしてpBlueScript KSに載せ替えたらおさまったりして。

原核生物のプロモータは真核細胞では不活性なはずだとはいえ、ゼロじゃないかも。しかもトランスフェクション直後は、多コピーが導入されているかもしれないから、量的に見えるレベルまでになっているのかも。
もうちょっとパッセージしてコピー数が落ち着くと消えるのかも。


逆のパターン、真核細胞プロモーターをもったコンストラクトを大腸菌にいれて扱っているとき、大腸菌で発現が見られたりする(それこそGFPを含んだコンストラクトなんかで)。プラスミドベクターが1細胞あたり数百コピーになるものだったりするせいもあるだろうけど、とにかく発現が見えるレベルになることはあります。

(無題) 削除/引用
No.8421-4 - 2019/11/20 (水) 14:08:50 - HDR
>moz様
コメントありがとうございます。

>>経験はありませんが、5'HA(homology-arm)に、Promoter用配列、Splicing donor様配列やin-frameのATG、等はありますか?

コメント頂きました可能性をまず第一に考えたのですが、5'HA 無しと言うプラスミドでも同様のEGFP発現が見られました。
そのため、5'HA上のpromoter様配列やIn-frame ATGのせいではないと判断しました。
ちなみに、5'HAと2A-EGFPの間にはSA(splicing acceptor)配列を挟んでおり、このSA上にはEGFPとIn-frameでstopコドンが存在します。
このstop codon以降にATGは存在しません。

(無題) 削除/引用
No.8421-2 - 2019/11/19 (火) 21:04:13 - moz
経験はありませんが、5'HA(homology-arm)に、Promoter用配列、Splicing donor様配列やin-frameのATG、等はありますか?

クローニングベクターからの発現漏れ 削除/引用
No.8421-1 - 2019/11/18 (月) 22:20:41 - HDR
いつも勉強させていただいております。
培養細胞でのHDR率検証を行っているのですが、ちょっと困っているのでご意見いただければ幸いです。

AAVS1領域へのHDRによるKI率を検証したく、HEK293T細胞にdonor plasmid ( 5'HA(homology-arm)-SA(Splicing acceptor)-2A-EGFP-bGHpolyA-3'HAカセットをクローニングしたplasmid) をCrispr/Cas9-AAVS1sgRNA発現plasmidと共にトランスフェクションしFACSにてEGFP陽性細胞率を測定しようと考えました。
(donor及びsgRNA配列は文献で既に報告されており、addgeneにてplasmidも提供されているものです。)

しかし、transfection後24時間の時点でかなりの細胞(50%以上)がEGFP陽性となっていました。
Crispr/Cas9-AAVS1 sgRNA plasmid(-)のwellでも同様でした。

donor plasmidにはpromoter配列が無く(pBluescriptII SK(-))、EGFPはAAVS1領域にKI1された場合、SAによってPPP1R12C遺伝子のpromoterにより発現するはずなのですが、どうもplasmidからEGFP発現がleakしているような印象を受けました。

発現ベクター(CMVやCAG promoterなどを搭載)ではなくクローニングベクターに搭載したEGFPでも、ベクター骨格に転写因子などが結合すれば転写され翻訳されてしまうことはあるようなので少し対策をしてみました。

まず、donor配列のさらに5'側にSV40-p(A)配列を搭載し転写を終結させるようにすることでベクター骨格からの発現leak低減を試みました。
また、EGFPの開始コドン(ATG)を取り除いてみました。
(ATGを取り除いても、PPP1R12C geneの開始コドンを利用して発現するはずなので)

ところが、上記のような工夫をしたplasmidをトランスフェクションしてもEGFP陽性細胞が24時間後に同じくらいの割合で出現しました。

念のためplasmidのコンタミ(promoter付きの発現ベクターのコンタミ??)を疑ったのですが、donor配列をクローニングしていないベクター(pBS-SKII(-))をトランスフェクションした場合EGFPの発現は検出されませんでした。
(試薬、DNAの再懸濁溶液(TEなど)もコンタミしていませんでした。また、donor plasmidを大腸菌に再トランスフォーメーションし、改めてsingle colonyを拾った後にMidiprep精製をやり直しても結果は同じでした。)
また、細胞の自家蛍光でもなさそうでした。

クローニングベクターからのleakを経験された方はおられませんでしょうか?
また、開始コドンATGを取り除いてもEGFPの発現が見られたのは一体どうしてなのでしょうか。
(CTG (CUG)からでも翻訳が開始されてしまう場合があるのは文献で見たことがあるのですが...)

EGFPの5'上流の2A配列上に開始コドン(ATG(もしくはCTG))はありません。
また、SA配列上のEGFPとインフレームになる配列内にはTGA(終始コドン)があります。

何かご存じの方がいらっしゃればご意見いただければ幸いです。

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