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Lysis bufferのレシピ トピック削除
No.8509-TOPIC - 2019/12/18 (水) 00:36:32 - S
いつも勉強させていただいております。

マウス組織のLysis bufferの自作を考えています。
これまでPierceのT-perを使っていましたが、
なかなか高価ですので自作したいと考えました。

サンプルの用途としては、Elisaやタンパク質の活性測定です。
タンパク質を変性させず、活性を損なわないような組成を作りたいです。

何となくは、非イオン性の界面活性剤、適度な塩濃度、低濃度のDTT、
少しグリセロール?くらいの組成を考えているのですが、
参考になるレシピなどはありませんでしょうか。

T-perのレシピがあれば一番楽ではあるのですが。

どうぞお知恵をお貸しいただけると幸甚です。
 
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13件 ( 1 〜 13 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.8509-13 - 2019/12/20 (金) 00:48:13 - おお
ちょっと気になるのはT-perは組織から効率よく抽出されるという観点で調製されていると思うのでTriton単独のよく使われるLysis bufferよりはちょっと手の混んだことをしてそうな気もします。RIPAに近いんだろうか、、、CHAPSやそのデリバティブCHAPSO、BigCHAPSなど使っていたら値段がかさむのもわからないでもないかな。

plおうjyhtgrふぇdwsくぁ1 削除/引用
No.8509-12 - 2019/12/20 (金) 00:10:19 - pl起きジュhygtfれdwq
活性を見たいということですので、具体的に対象とする分子があるということですね。もしそうならば、他の関係ないタンパク質のことは置いておいて、とりあえずその分子が確実に抽出できて、抽出液の組成その他が活性測定に影響を与えることがなく(例:金属要求性の酵素ならばEDTAとかは入れないですね)、かつできれば活性が保護されるような条件(例:Cysのチオール基が活性に重要ならば低濃度の還元剤入れるとか)がを設定するのが一般的な流れかと思います。またDOCなどのイオン性の界面活性剤は基本的に避けるべきと思いますのでもしRIPA buffer等をベースにするならば留意した方が良いでしょう。両イオン性のCHAPSは可溶化能が割と高いですが、タンパク質の活性にはあまり影響しないようです。SDSなど変性作用が強いものはでやめた方がいいですが、こういうのをごく低濃度で使うと逆にある種の酵素を活性化させてしまうこともありますので気をつけましょう。

すでに研究されている分子ならば過去の論文をサーベイからそうした個別化した条件設定が可能と思います。

(無題) 削除/引用
No.8509-11 - 2019/12/19 (木) 05:06:54 - おお
それでもやはり論文調査がさきです。

全く未知の蛋白をPull downするのであっても似たようなドメイン構成の蛋白など色々情報が得られるとおもいます。

既知の蛋白であって未知のもので探るときも既知のInteractionで何を使っているか、それ以外のInteractionで同様のものを使ったほうがいいのか、変更を加えて今までの実験で見れないものを見たほうがいいのかなど、色々実験の組み立て、考え方、方向性でもチョイスが違います。

膜タンパクのコンプレックスなら膜を単離後Blue nativeなどの解析でどのデタージェントで安定で大きなコンプレックスが見れるかなどDetergentをスクリーニングすることも可能です。

あんまり考えないでマイルドな界面活性剤と言われているからTriton X-100でやると言うのも一つの選択肢なのでそれはそれで攻めたりはしません。

網羅的解析で余裕があるならいくつかのデタージェントで可溶化してすべて解析に回してもいいわけだし。ここのInteractionであれば複数のDetergentでみるのはもっとやりやすいでしょうし。

(無題) 削除/引用
No.8509-10 - 2019/12/19 (木) 04:03:50 - 横から
>まず文献などで調査します。

>>免疫沈降である膜タンパク質と相互作用する何か結合タンパク質を同定したい場合に、おおさんはどのデタージェントを用い、どのバッファーでビーズを洗浄をまずとっかかりとして試されますか?


もちろん、それがベストではありますが、網羅的に、未知のタンパク質を取ってくる際にはそのタンパク質固有の論文はないことになるので、無難にまずはこれでライシスして、これで洗浄する、というのがおおさんにはあるのかなと思った次第です。

もちろん似たようなことをしている論文はありますが、あくまでおおさんのご意見を聞かせてくださると大変参考になります。恐縮ですが、お願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.8509-9 - 2019/12/19 (木) 02:30:54 - おお
>Bicineにメリットはあるんでしょうかね。

メリットはあるかどうかはわかりません。もしかしたら他の商品と酷似して、ライセンスに抵触する恐れを回避ひているのかもしれません。またはTissueからの抽出により良かったのかもしれません。

>T-perは60000円/500mLもするので、なにかタンパク質の活性や構造を維持しやすいような工夫があるのかなぁと思っていたのですが。

蛋白の活性を維持するという点などで条件検討をして(結局の所構成成分的にあまり一般的なものと違いがなくとも)、特許を取っているかもしれません。特許、ライセンスがらみの付加価値について妥当なのかなどは私には判断できません。製造する場所によっては輸送量もかかるでしょうし。

(無題) 削除/引用
No.8509-8 - 2019/12/18 (水) 14:19:20 - S
おおさん

詳細なご助言ありがとうございます。

>T-perは25 mM bicine, 150 mM sodium chloride (pH 7,6) にデタージェントが加わったもののようです。

bicineは考えてませんでした。Trisを入れてもよいかなと思っていたくらいで。
pKは、Trisが8くらいで、Bicineは8.4くらいのようですが、
T-perのpH7.6のようですが、Bicineにメリットはあるんでしょうかね。

T-perを匂ってみると、DTTやb-MEなんかは入っていないようでした。

0.5-1%くらいでTritonX100かNP40でも入れておけば、可溶性のタンパク質はマイルドに抽出できそうですが、特にひねりのないスタンダードなLysis bufferですね。

特に変に特徴のあるものを作りたいわけでもないのですが、
T-perは60000円/500mLもするので、なにかタンパク質の活性や構造を維持しやすいような工夫があるのかなぁと思っていたのですが。

それとも法外な価格をつけているだけですかね。

(無題) 削除/引用
No.8509-7 - 2019/12/18 (水) 06:32:14 - おお
>[Re:6] 横からさんは書きました :
> 免疫沈降である膜タンパク質と相互作用する何か結合タンパク質を同定したい場合に、おおさんはどのデタージェントを用い、どのバッファーでビーズを洗浄をまずとっかかりとして試されますか?

まず文献などで調査します。

(無題) 削除/引用
No.8509-6 - 2019/12/18 (水) 05:20:34 - 横から
免疫沈降である膜タンパク質と相互作用する何か結合タンパク質を同定したい場合に、おおさんはどのデタージェントを用い、どのバッファーでビーズを洗浄をまずとっかかりとして試されますか?

(無題) 削除/引用
No.8509-5 - 2019/12/18 (水) 04:05:49 - おお
>deoxycholate
>イオン性だがかなり変性力がよわい...可溶化という意味では1% Triton X100よりつよく

可溶化という意味では1% Triton X100よりさらにDeoxycholateを加えたほうがつよくという意味です。

また還元剤については測ろうとする蛋白の活性が酸化還元反応を伴うなら、使えるかどうか確認する必要があると思います。

(無題) 削除/引用
No.8509-4 - 2019/12/18 (水) 03:15:50 - おお
プロテアーゼインヒビターやフォスファターゼインヒビターの考慮もお忘れなく。前者なら何らかのプロテアーゼ活性を測るときには除くか邪魔をしないものだけを加えるなどの工夫も必要です。

(無題) 削除/引用
No.8509-3 - 2019/12/18 (水) 02:56:13 - おお
またその他のケミカルについては

Glycerol
たまにLysis Bufferに加えられるが、蛋白の安定化とか疎水性相互作用を中和するとかいろいろ効果がありそうだけど、具体的にはよくわからない。BCAの蛋白定量でバックグランドの原因となる。

還元剤(DTT、2ーME)
加えたほうがいいのかもしれないけどBCAの蛋白定量でバックグランドの原因となったり、測定が困難になったりする。

界面活性剤は全般的にBradfordの蛋白定量と相性が悪い。

塩濃度
130から150mM NaClが生理的に近いのでよく使われるが、高いほうがイオン相互作用を弱めるので抽出に有利なことがある。ばあいによって100mM KClをつかわれることがある。100mM KClのイオン強度は130 mM NaClに近い。K+イオンはSDSと混合すると沈殿するのでそういう意味ではSDSPAGEでは使いにくい。

(無題) 削除/引用
No.8509-2 - 2019/12/18 (水) 02:54:34 - おお
質問に関して生化学的に必要なことを書いていくと、生化学の講義ぐらいのボリュームになるのでちょっと答えにくいです. また、蛋白の活性と言うなら簡単にこれがいいよと言うのはあまりにも軽率な回答になってしまいますし。

まずはこれから、あるいはこれまでに測った活性測定で文献を検索しどんなLysis Bufferが使われているかを調べることをおすすめします。

https://si.vwr.com/store/product/18486560/tissue-protein-extraction-reagent-t-per
T-perは25 mM bicine, 150 mM sodium chloride (pH 7,6) にデタージェントが加わったもののようです。

非変性でよく使われる界面活性剤は

Triton X-100
1%ぐらいで単独で使われる。WBやIPでかなり幅広く使われる。

Nonidet P-40
NP-40と略される事があるが、ちがうデタージェントでNP-40と記されるものがある。Triton X-100に近いがよりマイルドなこともあり、核膜を可溶化しない(とくに0.1%ぐらいで)とも言われている。Cell lysateのためならば1%ぐらいがだとう。Nonidet P-40は今は販売されてないようで(どこか販売しているならどなたか教えてほしい)、代替えとしてIGEPAL CA-630が売られている。

NP-40 (Tergitol-type NP-40 OR nonyl phenoxypolyethoxylethanol)
Triton X-100とほぼ一緒と個人的にはおもっている。

(Nonidet P-40とNP-40は私も何か間違っているかもしれないので自身でも確認してください)

n-dodecyl-β-D-maltosideや糖を骨格にもつDetergent
膜に埋まっている蛋白(複合体)を抽出するのによく使われる。Triton X-100よりマイルドな側面があるが必ずしもそうといいきれない。

tween 20、 tween 80、 Brijなど
非常に弱く膜を完全に可溶化する能力はないようです。サイトゾル中で溶解している蛋白などでは使えるかもしれません。

deoxycholate
イオン性だがかなり変性力がよわい。膜タンパクの抽出で使われることがある。Total cell lysateなら1% Triton X100にさらに0.1%ー0.5%deoxycholateをくわえたレシピがある。可溶化という意味では1% Triton X100よりつよくIPではバックグランドが低くなるかなという感触がある。deoxycholateや後で出てくるCHAPSなどはTritonなどと構造が違いTriton X 100よりこちらのほうが相性がいい蛋白もあるようです。

CHAPS
イオン性(正、負一つづつで結局生化学的なpHでは全体としてニュートラルだとおもう)。deoxycholateよりマイルドという謳い文句(あまり比べたことがないので感触はわからない)。膜タンパクの抽出で使われることがある。可溶化という意味では1% Triton X100などとDeoxycholateの代わりにコンビネーションで使われる事がある。

SDS
かなり強い変性作用のがある界面活性剤だけどTriton X100とDeoxycholateを混合したLysis Bufferに0.1%加えることがある。この場合SDSの変成作用はかなり抑えられる。オリジナルのRIPA Bufferはこのような組成。

Lysis bufferのレシピ 削除/引用
No.8509-1 - 2019/12/18 (水) 00:36:32 - S
いつも勉強させていただいております。

マウス組織のLysis bufferの自作を考えています。
これまでPierceのT-perを使っていましたが、
なかなか高価ですので自作したいと考えました。

サンプルの用途としては、Elisaやタンパク質の活性測定です。
タンパク質を変性させず、活性を損なわないような組成を作りたいです。

何となくは、非イオン性の界面活性剤、適度な塩濃度、低濃度のDTT、
少しグリセロール?くらいの組成を考えているのですが、
参考になるレシピなどはありませんでしょうか。

T-perのレシピがあれば一番楽ではあるのですが。

どうぞお知恵をお貸しいただけると幸甚です。

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