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ヘキスト染色が異なる細胞ごとで微妙にズレる原因 トピック削除
No.8536-TOPIC - 2020/01/02 (木) 04:01:41 - 核染色
新年明けましておめでとうございます。
早速ですが、質問をさせてください。

ヘキスト33342という膜透過型のDNA特異的化合物を用いて巨核球の多型解析を行っています。
論文では骨髄の巨核球は16Nがメジャーだとありました。

実際骨髄を解析してみると複数のピークが認められ、一番高いピーク(全体のうち、約30-40%)が複数あるピークの中央に来ていたので、おそらくこれが16Nだろう、と勝手な解釈を行いデータ処理しました。
2Nや4Nは数%以下で、16N、32N、8Nのピーク順でその3つのピークが全体の80-90%ほどを占めていました。
巨核球の解析自体はうまくいっています。

ただ、一つ気になる点があります。
多核解析の練習として、脾臓細胞をPE-CD19(B細胞特異的マーカー)で染めたのち、フローサイト解析でリンパ球の集団にFSC/SSCゲートをかけました。その後、PEのヒストグラムで染まっている分画が約2-3割(CD19+のB細胞)、染まらない分画が約7-8割(大部分がT細胞)です。この2つの細胞分画において核解析を行うと、T細胞分画の方では2つのシャープのピークが認められ、高い方のピークが全体の4割ほど、低い方のピークが全体の6割ほどを占めていました。おそくら高い方が4N、低い方が2Nだと思われます。一方、PE陽性のCD19+Bリンパ球の方では2Nと4Nと思われるピークのちょうどまんなかあたりにシングルピークを示しました。

この解釈として、

1. T細胞で見られる高いピークは実は8N、低いピークは2Nであり、そのためB細胞で見られるピークは4N。

2. T細胞で見られる2本のピークはそれぞれ2Nと4Nで間違いなく、B細胞で見られるピークは2N(か4N)。

可能性として1はないと思います。それは脾臓細胞は多核解析で2Nと4Nの標準として使われるくらいですので、8Nはいないと思います。

一方、2の可能性が強いとは思うものの、なぜB細胞のピークは、T細胞の2本のピークとはずれてしまうのか、それは単に細胞が違うから、と考えるべきでしょうか?

単純な質問のはずなのに、長く書いてしまい大変恐縮ですが、とても困惑しておりトピックを立てました。
どうかご教授いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.8536-3 - 2020/01/03 (金) 02:01:16 - 核染色
M様、コメントをお寄せくださり、ありがとうございました。

はい、妊娠してはいるものの、コントロールのマウスとして用いています。
脾臓細胞はコンペンセーションのために調製したもので、かなりざっくりとしたシングルセルの調製法を取っています。もしかしたらそういうことで比率が変わってしまったのかもしれませんが、アイソタイプでは染まらず、CD19抗体では染まっていますので、染まったものと染まらなかったものとで核の染色を行いました。

>2の可能性についてはよく分かりませんが、CD19染色なし(FSC/SSCゲートだけ)でリンパ球全体のploidyを見てはどうでしょう? もしT細胞が2N/4Nの2ピークで、B細胞がその間のシングルピークならば、リンパ球全体としては3ピークになると思われます。

コンペンセーション用に脾臓をヘキストのみで染色したものがありますので、データを見直してみると確かに3ピークを認めました。
それらのピークとは別に、裾野の広い低いピークが一応認めますので、これがアポトーシス体だと考えていました。


私は細胞を無固定で、ヘキストで核染色をしていますが、それには理由がありまして、
今後の実験では胎児期の組織を解析予定で、細胞数も十分取れないために、多数回の洗浄を要するPIやDAPI染色を避けて、ヘキストで行うことにしました。

ここの過去のフォーラムではヘキストはP糖タンパク質で排出されてしまう、と書き込みがあり、論文検索するとやはりそのようにかかれてありました。
私はヘキストで30分、37度で染色したのちに、抗体を加え、染色しています。その後、1度の洗浄を行い、FACS解析しています。



これまでダブレットは除いて解析していますが、死細胞は除外していません。
一度PIを今の染色に加えたことがありますが、なぜか多くの細胞がかなり強く染まってしまい、それ以来敬遠しています...。
PI、FITC、PE、ヘキストの組み合わせは問題ないのでしょうか?なぜか高くなってしまい困惑していました。
ただデータが予想したものではないのはひょっとしたら死細胞を除外しなくてはならないことを意味しているようにも思えます...。
M様はこれらのコンビネーションを使われたことがありますでしょうか?
使用機器はFACS Celestaです。

(無題) 削除/引用
No.8536-2 - 2020/01/02 (木) 11:56:11 - M
C57BL/6Jなど一般的なストレインのマウスを用いた実験でしょうか? 

マウス脾臓リンパ球でCD19陽性細胞が2−3割というのは、かなり低い気がします。ストレインによってはそれ位低い場合もあり得るかもしれませんが、CD19陽性細胞の検出がうまくいってない可能性を考えます。

マウス脾臓T細胞の4N(=G2 or M期)が4割だと相当高いと思います。マウス脾臓リンパ球がきちんとゲートできていれば、ほとんどが2Nで検出され、4Nは1割以下、くらいの感じ(少なくとも私が扱ったマウスでは)です。脾臓T細胞が活性化していて4Nの細胞が多く見られるのであれば、S期の細胞も増えていると考えられますが、どうでしょう? もしS期の細胞が増えてない場合は、4Nはアーチファクトの可能性も考える必要があるかもしれません。あるいは、高い方が2Nで低い方がアポトーシスの可能性も否定はできません。

細胞周期が回っていないリンパ球でも、scatter plotでダブレットを除外してない場合は4N、6N、8N、10N、、、のピークが検出される可能性があります。ただし、この場合でも6N/8Nが検出されて4Nが検出されない可能性はほとんどないと思われるので、1ではないでしょう。2の可能性についてはよく分かりませんが、CD19染色なし(FSC/SSCゲートだけ)でリンパ球全体のploidyを見てはどうでしょう? もしT細胞が2N/4Nの2ピークで、B細胞がその間のシングルピークならば、リンパ球全体としては3ピークになると思われます。もしCD19染色を外すと2ピークになるなら、CD19染色に伴う何らかのアーチファクトにより、ピークがずれたと結論できるでしょう。理論上は、細胞が違ってもDNA量が同じであれば、ploidyのピークは同じ場所に出るはずです。

ヘキスト染色が異なる細胞ごとで微妙にズレる原因 削除/引用
No.8536-1 - 2020/01/02 (木) 04:01:41 - 核染色
新年明けましておめでとうございます。
早速ですが、質問をさせてください。

ヘキスト33342という膜透過型のDNA特異的化合物を用いて巨核球の多型解析を行っています。
論文では骨髄の巨核球は16Nがメジャーだとありました。

実際骨髄を解析してみると複数のピークが認められ、一番高いピーク(全体のうち、約30-40%)が複数あるピークの中央に来ていたので、おそらくこれが16Nだろう、と勝手な解釈を行いデータ処理しました。
2Nや4Nは数%以下で、16N、32N、8Nのピーク順でその3つのピークが全体の80-90%ほどを占めていました。
巨核球の解析自体はうまくいっています。

ただ、一つ気になる点があります。
多核解析の練習として、脾臓細胞をPE-CD19(B細胞特異的マーカー)で染めたのち、フローサイト解析でリンパ球の集団にFSC/SSCゲートをかけました。その後、PEのヒストグラムで染まっている分画が約2-3割(CD19+のB細胞)、染まらない分画が約7-8割(大部分がT細胞)です。この2つの細胞分画において核解析を行うと、T細胞分画の方では2つのシャープのピークが認められ、高い方のピークが全体の4割ほど、低い方のピークが全体の6割ほどを占めていました。おそくら高い方が4N、低い方が2Nだと思われます。一方、PE陽性のCD19+Bリンパ球の方では2Nと4Nと思われるピークのちょうどまんなかあたりにシングルピークを示しました。

この解釈として、

1. T細胞で見られる高いピークは実は8N、低いピークは2Nであり、そのためB細胞で見られるピークは4N。

2. T細胞で見られる2本のピークはそれぞれ2Nと4Nで間違いなく、B細胞で見られるピークは2N(か4N)。

可能性として1はないと思います。それは脾臓細胞は多核解析で2Nと4Nの標準として使われるくらいですので、8Nはいないと思います。

一方、2の可能性が強いとは思うものの、なぜB細胞のピークは、T細胞の2本のピークとはずれてしまうのか、それは単に細胞が違うから、と考えるべきでしょうか?

単純な質問のはずなのに、長く書いてしまい大変恐縮ですが、とても困惑しておりトピックを立てました。
どうかご教授いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

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