Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

逆転写試薬によるPCR反応の阻害 トピック削除
No.9184-TOPIC - 2020/09/28 (月) 19:36:53 - 上冨
どなたか下記のようなご経験がある方、ご教授いただければ幸いです。

現在リアルタイムPCRにて遺伝子発現解析を行っています。逆転写試薬の濃度がPCR効率に大きく影響を与えることから、リアルタイムPCR反応液への逆転写試薬の添加量を割り振り、検量線を作成しました。

その結果、高濃度でPCR効率が著しく低下することが判明しましたが、PCR効率が著しく低下する逆転写試薬の濃度が遺伝子によって異なるのです。

いくつかの遺伝子での検量線の結果から推察するに、PCRのターゲットとなる遺伝子の逆転写反応液中の存在量によって阻害をうける濃度が異なるのです。

具体的には、細胞内に多く発現している遺伝子は逆転写試薬の影響を受けにくく(高濃度でも比較的阻害されない)、細胞内にわずかしか発現していない遺伝子は逆転写試薬の影響を大きく受けている(低濃度側でもPCR効率は落ちる)ように見て取れます。

単純に考えて反応するコピー数が少ないほどPCR阻害の影響を受けやすいのかなと考えておりますが、ラボのボスは上記のようなことは過去起こったことがなく、私の説明は考えにくいとしています。

どなたか原因をご教授いただけないでしょうか。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



8件 ( 1 〜 8 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.9184-10 - 2020/10/01 (木) 14:32:33 - 縞々
Buffer中のカチオンがPCR増幅産物との塩となって拘束されて、Buffer中の有効塩濃度が下がるために(2重らせんとの塩の方がdNTPとの塩よりも結合定数が大きい)、増幅産物が多いサンプルの方がよりPCRがかかり易くなって、増幅が加速されるのだろうね。
PCR酵素の最適塩濃度はメーカーによってまちまちだから、高塩濃度で働くタイプだと改善されるかもね。
ロシュやキアゲンのTaqは高塩濃度になるほど働くよ。

(無題) 削除/引用
No.9184-8 - 2020/09/29 (火) 15:36:24 - SYBR master
RTの反応bufferは、1×で150 mM NaCl(またはKCl), 10 mM MgCl2が基本的に含まれていることが多いです。150 mMものNaClも含んでいるので、基本的にはRT反応液を希釈せずに持ち込めば、PCR用の酵素は概ね終濃度60 mM NaCl以上になるとsalt inhibitionが起きます。高濃度のNaClはrandom primerやOligo-d(T) primerを、37-42°Cでアニールさせるためです。

基本的にPCR用酵素のbufferは、1×濃度で50 mM 程度のNaCl(KCl)を含んでいますので、RT産物を希釈しないで使用することは、manual等で禁忌になっているはずです。PCR用の酵素も、制限酵素と同様に至適塩濃度があります。

また、Mg2+もNa+(or K+)も濃度依存的に、primerのTm等にも大きな影響を与えますし、templateの立体構造(secondary structure)の取りやすさにも影響しますので、高塩濃度であればこの結果は私にはごく普通のことであると思います。

近年のsingle cell用のone-step RT-PCRの系は、buffer組成に秘密がありますが、まあ此処で開示するのは止めておきます。

(無題) 削除/引用
No.9184-7 - 2020/09/29 (火) 12:05:01 - asan

自分はそんな経験はないけど、通常qPCRにかけるサンプルってかなり希釈しても充分値がでるようなものだと思いますから、10-100倍ぐらい希釈すればいいのでは?

リアルタイムPCRに少数細胞で全量逆転写かけた原液をそのまま使ったりもしてますけど、それで問題になるとも聞かないですけど、本当にリアルタイムの原液が悪さをしてるんですかね?

特定のプライマーにのみ影響するのじゃないならば、気になるなら自分ならその逆転写キットまたはqPCRのミックスの販売元にどうなってるのか問い合わせてみたいところですね。

仮に逆転写原液を入れると言っても1-2ulでしょうが、それで問題があるかどうかなんてメーカーが真っ先に情報を持ってそうな話だと思いますけど、、、、。

(無題) 削除/引用
No.9184-6 - 2020/09/29 (火) 11:28:20 - G25
ランダムプライマーあるいは鋳型RNAのキャリーオーバーかも。
RNase H処理は有効かも。
RTaseバッファー自体はそれほどPCRに干渉しそうな成分ではなさそうに思えます。

(無題) 削除/引用
No.9184-4 - 2020/09/29 (火) 09:24:55 - noname
逆転写反応の後にRNase Hで処理すると反応効率が上がることもありますよ。
ご参考まで。

(無題) 削除/引用
No.9184-3 - 2020/09/29 (火) 04:59:33 - おお
すべてのRT試薬について知っているわけではありませんがマグネシウムイオンの持ち込みが一つの要因かもしれません。

昔(今でもでしょうけど)PCRのベストの条件を見つけるためにマグネシウムイオン量を上げたり下げたりすることはありましたから。

(無題) 削除/引用
No.9184-2 - 2020/09/28 (月) 22:22:47 - たろう
PCRの標的がGCリッチかATリッチかといった配列組成によって逆転写液持込の影響を受けやすさが変わるのでは?
逆転写液がPCR液を占める割合を2%程度までにしておけば、大体どの標的も阻害を受けずに増幅するだろうと思います。

逆転写試薬によるPCR反応の阻害 削除/引用
No.9184-1 - 2020/09/28 (月) 19:36:53 - 上冨
どなたか下記のようなご経験がある方、ご教授いただければ幸いです。

現在リアルタイムPCRにて遺伝子発現解析を行っています。逆転写試薬の濃度がPCR効率に大きく影響を与えることから、リアルタイムPCR反応液への逆転写試薬の添加量を割り振り、検量線を作成しました。

その結果、高濃度でPCR効率が著しく低下することが判明しましたが、PCR効率が著しく低下する逆転写試薬の濃度が遺伝子によって異なるのです。

いくつかの遺伝子での検量線の結果から推察するに、PCRのターゲットとなる遺伝子の逆転写反応液中の存在量によって阻害をうける濃度が異なるのです。

具体的には、細胞内に多く発現している遺伝子は逆転写試薬の影響を受けにくく(高濃度でも比較的阻害されない)、細胞内にわずかしか発現していない遺伝子は逆転写試薬の影響を大きく受けている(低濃度側でもPCR効率は落ちる)ように見て取れます。

単純に考えて反応するコピー数が少ないほどPCR阻害の影響を受けやすいのかなと考えておりますが、ラボのボスは上記のようなことは過去起こったことがなく、私の説明は考えにくいとしています。

どなたか原因をご教授いただけないでしょうか。

8件 ( 1 〜 8 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。