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非働化していないFBS入り培地の賞味期限 トピック削除
No.9569-TOPIC - 2021/03/09 (火) 17:04:58 - モルカーいいよね
細胞培養で用いるFBS、非働化の有無はよく議論に上がっていると思います。

自身の実験で試したところ、非働化しない方が293などの増えはいいのですが、FBSを添加してから2週間くらいで培地がアルカリ性に傾き(glutamineがアンモニアになっている様)細胞の増殖性ががくっと下がる印象です(非働化ありでは1か月くらいは保つ印象)。

やはり非働化していない方が血清成分によるグルタミンの代謝が速いという事なのかと思いますが、非働化の有無とグルタミンの分解については調べてもあまり出てきません。
皆様の経験的にはFBS添加からどのくらいで培地は使い切っていますか、ご意見いただければ幸いです。
 
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15件 ( 1 〜 15 )  前 | 次  1/ 1. /1


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No.9569-15 - 2021/03/10 (水) 12:31:08 - モルカーいいよね
諸意見ありがとうございます、glutamine添加済みの培地を使っています(よく考えたら水中で自然分解するlグルタミンがプレミックスなのはどう安定化しているんでしょうね)


結局他ラボの培地、GlutaMAXなどのポジコンを置いて比較しないと確かな事は言えないという結論でしょうか、今回の議論で一般にそこまで気にされていないのが分かったのは収穫でした。


>限界希釈でクローニングする場合は一ヶ月を越えたあたりから効率ががくんと下がる
経験則的には原因はともかく経時劣化はありそうですね。ひとまず実験の再現性、コンタミ防止の観点からも1か月を目途に培地を更新していこうと思います。

(無題) 削除/引用
No.9569-14 - 2021/03/10 (水) 11:42:00 - ど素人
研究自体は glutamine で完了させるというお話ですが、
全体の議論からは、glutamine が原因と特定まではできないということでしょうか。

その場合ですが、少量の GlutaMAX 添加培地と glutamine 添加培地をそれぞれ用意することで
本当に glutamine が犯人なのかどうか、テストして比較検討することは可能であるように思いました。

(無題) 削除/引用
No.9569-13 - 2021/03/10 (水) 11:26:06 - おお
周りに培養しているラボがあれば、どれくらい培地が持つかなど聞いてきて10mlほど血清を分けてもらって試してみてはどうかと思う。そのラボで長期に渡り使えるのにあなたが使うとすぐ増殖が止まるというのなら、血清の問題ではないだろう。

添加しているグルタミンがだいぶヘタっているということはないですか?
グルタミン入の培地を購入するかサンプルをもらうかしてみてもいいかもしれない。

(無題) 削除/引用
No.9569-12 - 2021/03/10 (水) 09:36:02 - s
バルクでの継代にはFBS添加から時間がある程度たっていても問題ないが、限界希釈でクローニングする場合は一ヶ月を越えたあたりから効率ががくんと下がるのは何回か経験しています。正確には、多分時間がたったことが原因だろうと思っているだけで突っこんで検証した訳ではありませんが。

ちなみに市販のglutamine添加済培地です。

(無題) 削除/引用
No.9569-11 - 2021/03/10 (水) 09:31:32 - モルカーいいよね
dfghj様すみません、ご回答見ておりませんでした
一応新規購入したFBSも保証書的にはマイコプラズマNot detectedなのですが、たしかに非動化していないと残存可能性はありますね、、、

(無題) 削除/引用
No.9569-10 - 2021/03/10 (水) 09:25:19 - モルカーいいよね
ありがとうございます、確かに血清成分でグルタミンが分解するというのは知識上思い当たらないのでおかしいなとは思っていました。
一方、下記の経緯からFBSのロット不良、マイコプラズマ感染などの可能性は低いと思っています。

@10%非動化FBS添加DMEM、8%CO2条件下で293細胞を培養、当初は問題なし
A↑培地調製1か月後程から細胞の増殖性が低下、2か月後から細胞の増殖が完全に止まる(死滅して浮遊)
BJCRBから譲渡の未使用ストックを融解して培養を開始するも全く増えず48hで全て死滅
C新規購入したFBS添加DMEMで再度JCRBの未使用ストックを新規に培養開始→良好な増殖
Dこの際FBSの非動化有無を比較すると、非動化しない方が倍程度増殖効率が高かった
ECのFBS添加培地が非動化なしでは2週間ほど、非動化ありでは1週間ほどで増殖率が低下し始めた(現在)

FBSは添加直後はきれいにワークするので不良品ではないと思います。
マイコプラズマの検査はしていないのですが、BでJCRBの検査済細胞を用い、培地も都度50mLファルコンに分注して使っているので感染リスクは高くないと見込んでいます(チェックすべきでしょうけども)
※継代数は各分譲細胞の継代開始から5継代以内です
※増えなくなる際には293、Hela、COS7全てが不調


上記の経緯から、当研究室で細胞の増殖性が低下するのは(原因がアンモニアかはともかく)継続して培地を使用した際だと考えています

(無題) 削除/引用
No.9569-9 - 2021/03/10 (水) 09:16:06 - dfghj
すみません。スペル間違えました。正しくはarginine deiminaseです。

(無題) 削除/引用
No.9569-8 - 2021/03/10 (水) 09:14:42 - dfghj
培養細胞を使う人たちの間で知られてることとして、細胞培養でしばしば問題になるMycoplasma. argininiはじめMycoplasmaはarginine deaminase (ADI)を産生する。ADIは培地のArginineを分解してシトルリンとアンモニアを生成する。ゆえにMycoplasma感染培地では培地中のアルギニンが減少し細胞増殖は抑制され調子が悪くなる(アルギニンについては細胞も生合成できることはできるけどその量は知れてるので、もともと培地に含まれるような濃度を維持するのは無理)。加えて培地pHも上昇することでさらに調子が悪くなる。昔の文献に出てた話だとMycoplasmaはstrainによって差異はあるけど、割と熱には弱くて、どれも55℃だとほぼ生き残らないらしい。ここからは推察だけど、血清非働化することで血清に混入していたMycoplasmaはほぼ死滅しため、非働化血清の時は大丈夫だったのかもしれない。

(無題) 削除/引用
No.9569-7 - 2021/03/10 (水) 04:36:42 - おお
感覚的にはFBSなどによるアンモニアの発生で細胞がおかしくなるというのはないだろうと思っているのだけど、アンモニアを発生させるGlutaminaseの分泌型はざっくりみても見つかってなさそうです。

ただし血清のGlutaminaseを測ったという論文はあって、肝機能障害で上がるとか、透析すると検出されるとか(透析に関してはちょっと不思議だし一つだけしか論文が見つかってない)。0ではないけど正常な状態でどの程度インパクトがあるものかという感じがする。

一つだけ可能性があるとすると、その血清のロットの問題。なにか問題(病気など)をかかえた個体のものが混じっていたとか。なので購入先にそのロットについて苦情等情報が集まってないか、なにかReplacementとか比較のために違うロットのサンプルを送ってくれないか。また違う会社からロットチェック用のサンプルももらえるのでそういうものでも同じかなど調べていってもいいかもしれません。

またその現象は違う細胞でも起こりますか?わたしはどうもアンモニアの発生というのは懐疑的です。可能性は否定しませんがもう少しいろいろな可能性を考えて見てください。無血清培地など手に入るなら(サンプルでも)、それで増え続けるかどうかとか。あと血清にマイコなど入っているとその代謝産物にアンモニアがあるかもしれない。

ところで培地中のアンモニアとかかんたんに測れるんだろうか。それなら直接的かもしれない。

細胞が調子悪くなる様子はどんな感じですか?

(無題) 削除/引用
No.9569-6 - 2021/03/09 (火) 23:11:08 - モルカーいいよね
早速いろいろなご意見ありがとうございます。
疑問は
>血清中の酵素によって培地中のグルタミンが分解されるのではないかという事
でした。

市販の500ml培地にFBSを50mL入れ4℃で保管、使用時は50mLファルコンに分注し加温して使用しており、過熱による変性はほぼないように思います。
また、PH自体は確かに分注すると重炭酸が抜けやすいので数日で上がってくるのですが、これはCO2インキュベーターに入れれば戻っているのでそこまで問題視していなかったです。

問題としては、(非働化していない)FBSを混ぜた培地ストックを4℃でキープしておくと2週間後くらいから細胞の増殖が落ち、恐らくアンモニアの産生が原因という事でした。

>非働化 FBS を用いて普通の細胞株を飼う範囲では、半年や1年という年月で不都合を感じたことはありません
↑について当研究室では非動化FBSでも培地と混ぜてから4℃で1か月ほど置くと増殖性低下、2か月で細胞が全く増えず数日で全滅するという感じです。。。

ケチらずGlutamaxにしとけばよかったのですが、今回の実験系が終わるまではl-glutamineで統一します

(無題) 削除/引用
No.9569-5 - 2021/03/09 (火) 19:46:24 - toto
スレ主の疑問は血清中の酵素によって培地中のグルタミンが分解されるのではないかという事ですよね。細胞内ではグルタミンからのアミノ酸の生成はミトコンドリアで補酵素を使ってNADH NADPHの産生を伴いますが、詳しくはないですが血清で同じような反応はあまり起きないような気はします。

ただ非動化してない血清を培地に加えたまま長くおくと、Glnに限らず酵素的な分解が起きるかもしれないというのは、私も昔から気になっていて、血清を加えてから培地を長くおかないようにはしています。とはいっても実際にそういう培地が長く4度に保存していて細胞増殖に影響したという経験はないですが。

(無題) 削除/引用
No.9569-4 - 2021/03/09 (火) 19:18:53 - ど素人
非働化なしの血清を用いたことがないので、体験としては申せませんが...

確かに、グルタミンが経時変性してアンモニアに変わることが細胞培養に与える影響というのは、論文のテーマにもなっているようです。しかし、非働化 FBS を用いて普通の細胞株を飼う範囲では、半年や1年という年月で不都合を感じたことはありません。もちろん、ただ単に鈍感だった可能性もあります。最近の論文もありました。

Stability of Minimum Essential Medium functionality despite L-glutamine decomposition
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25904557/

いろいろ検討するのも科学的には重要ですが、安直な回答としては GlutaMAXを用いて悩むのを止める、というのもあるそうです。

https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/life-science/cell-culture/mammalian-cell-culture/media-supplements/glutamax-media.html

因みに、培養液の色の変化に最も影響するのは空気であるかと思います。したがい、培養液の「体積:空気界面の面積」の比率がフェノールレッドの色に反映しやすいです。購入した状態の500mlのボトルでは朱色よりの赤ですが、量が減ったり別のチューブ(50mLなど)に移したときに色が赤紫よりに変化するのは上記比率が変化し、pHに対する空気の影響(二酸化炭素が少なければ赤紫よりになる)が強まったためと考えられます。

(無題) 削除/引用
No.9569-3 - 2021/03/09 (火) 18:58:08 - おお
https://www.sigmaaldrich.com/content/dam/sigma-aldrich/docs/Sigma/Product_Information_Sheet/t075.pdf

高温に晒すほうがグルタミンが分解しやすいでしょうから、非動化したほうがアンモニアがでやすいはず。また上記URLでは30度以下に保っていればグルタミンはそう分解するものではないことが示されている。培地が赤くなってきたのは炭酸の抜け具合が比べているもよりたまたま早かっただけではないか。
血清は500mlぐらいのボトルで一度融解したら4度に保存しておいて、使い切るのの数ヶ月かかるけど、プラクティカルに数週間4度保存でおいておいた血清をつかっても増えなくなるとか調子が悪いとか経験したことはない。

あと、培地にあるグルタミンの量は血清の10倍ほどと思うけど。

(無題) 削除/引用
No.9569-2 - 2021/03/09 (火) 18:36:42 - dfghj
一度マイコプラズマの検査をすることを勧めます。

非働化していないFBS入り培地の賞味期限 削除/引用
No.9569-1 - 2021/03/09 (火) 17:04:58 - モルカーいいよね
細胞培養で用いるFBS、非働化の有無はよく議論に上がっていると思います。

自身の実験で試したところ、非働化しない方が293などの増えはいいのですが、FBSを添加してから2週間くらいで培地がアルカリ性に傾き(glutamineがアンモニアになっている様)細胞の増殖性ががくっと下がる印象です(非働化ありでは1か月くらいは保つ印象)。

やはり非働化していない方が血清成分によるグルタミンの代謝が速いという事なのかと思いますが、非働化の有無とグルタミンの分解については調べてもあまり出てきません。
皆様の経験的にはFBS添加からどのくらいで培地は使い切っていますか、ご意見いただければ幸いです。

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