Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

強制発現系で、タンパクの局在に問題 トピック削除
No.10577-TOPIC - 2022/06/24 (金) 07:16:16 - protein X
要旨)レンチウイルスを使って膜タンパクと蛍光タンパクの融合したものを細胞に強制発現させる系を作った。293細胞に発現させると、期待通りに細胞膜上に局在する。しかし、この膜タンパクをendogenousで発現している細胞にレンチを作用させたところ、細胞膜上ではなくCytosolにばかり発現してしまった。


発現ベクター、およびそれを改変してレンチに入れたウイルス、を使って強制発現系で実験をしております。強制発現させているタンパクは膜タンパクで、そのストップコドンを外して蛍光タンパクを融合させており、細胞内での局在を顕微鏡下で確認できるようにしてあります。

発現ベクターを293細胞にLipofectamineを使ってトランスフェクションしたところ、期待通りに強い蛍光が細胞膜で見られました。また、そのセルライセートでウェスタンブロットを行い、膜タンパクの強い発現が誘導されていることを確認できました(膜タンパクに対する抗体、及び蛍光タンパクに対する抗体の両方で確認)。

次に、この発現ベクターの膜タンパク-蛍光タンパクの部分を組み込んだレンチウイルスベクターを作成して293細胞でパッケージし、出来上がったウイルスをまっさらな293細胞に振りかけたところ、期待通りに膜タンパクの発現が細胞膜上で見られました。同じくウェスタンで強発現も確認できました。ここまでは期待通りです。

次に、このレンチウイルスを別の細胞X(件の膜タンパクを発現していることが確認されている細胞)にふりかけて、ここで問題が発生しました。強発現が誘導されたことはウェスタンで確認出来たのですが、顕微鏡で見たところ、蛍光はcytosolに強くみられ、細胞膜上ではほとんど見られませんでした。

このような強制発現系で局在が違った場所になってしまう理由にはどんなものが考えられるでしょうか?元々この膜タンパクを発現していない293細胞では膜に発現しないかもしれないが、細胞Xでは膜上に発現するだろうと予想していたのですが、予想の逆になってしまい、途方に暮れています。

強制発現系で実験するのは初めてで、解決方法がわからずにいます。似たような経験のある方、問題解決のヒントになるような経験談や論文など教えて頂けたら幸いです。よろしくお願い致します。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



9件 ( 1 〜 9 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.10577-9 - 2022/06/26 (日) 08:53:11 - おお
>[Re:7] protein+Xさんは書きました :

>
> > あとはConstruct上の問題もあるかもしれません。また蛍光タンパクがサイトゾル側にあるとき、効率的に切り離され蛍光蛋白の部分だけがサイトゾルに蓄積されている可能性もあるかもしれません。
> 実はまだ始めたばかりで、貰ったコンストラクトが本当に正しいのかシークエンスを読んでもいないところです。読んでみて確認したいと思います。

一見正しくても何らかのファンクションが失われていたりする場合もあるので配列が正しくて単純にOKというわけにはいかない場合もあります。

> 問題にしているタンパクは、ある刺激によって上昇するMMPの一種によって切断されることは知られています。レンチによってそのMMPが発現上昇するとかはあまり考えにくいようにも思いますが、可能性の一つとして頭に入れておこうと思います。

MMPは細胞の外のプロテアーゼですよね。そこが切断されても残りは膜通関ドメインでTetherされているのでサイトゾルにGFPが放出されるのは辻褄が合いませんね。MMPで切断されたあとどうなるのか、言及したような論文はあるのですか?

>次に、このレンチウイルスを別の細胞X(件の膜タンパクを発現していることが確認されている細胞)にふりかけて、ここで問題が発生しました。強発現が誘導されたことはウェスタンで確認出来たのですが、

最初のところでのこのことについてですがサイズは正しいと思われますか?また20kDaほど小さいものが見られませんでしたか(Endoのものかもしれませんが、それ以上に強いとか)?293細胞のLysateと比較してサイズはどうでしょう。同時に流すのも一つの情報になると思います。

膜フラクションだけ濃縮してWBしてみるのも手かもしれません。

もう一つ考えられることは、たんぱく自体はちゃんと発現していて何ら問題なく機能していて、しかしその細胞のHalf life timeが非常に短い(生理的に正常な経路で分解されていてるが合成後比較的早くに分解される)ばあい、タグとしてつけたGFPがたんぱくから切断されるだろうけど、GFPのHalf life timeはかなり長く安定なのでサイトゾルに溜まってしまうことがマアマアあります。

(無題) 削除/引用
No.10577-8 - 2022/06/25 (土) 07:47:21 - protein+X
みさん、引き続きありがとうございます。

> 外入れGEP融合蛋白が膜局在していない同一細胞で内在蛋白は膜に局在化しているのか知りたい。内皮細胞では膜局在が確認できているのではないですか?その抗体は?


内皮細胞では細胞膜に存在すると前任者から聞かされてます(論文知識。私もレビュー等からそういう認識でいました)が、前任者が試した抗体は全て(IHCで使えてるのか使えてないのか)そういう細胞膜に局在したような図にならず、また私もそういったIHCの図は論文でも一度も確認したことが無かったです。私の準備不足ですね。これから調べてみます。

(無題) 削除/引用
No.10577-7 - 2022/06/25 (土) 07:41:33 - protein+X
おおさん、レスありがとうございます。

> 細胞表面で機能するであろう膜タンパクがサイトゾルにある小胞体などに局在するということはよくあることです。物によっては核周辺にもシグナルが見えることもあるでしょう(核にあるようにも見えるということ)。
ありがとうございます。それは全然知りませんでした。293細胞に発現させた場合には綺麗に細胞膜上に発現しているようなので、そのようなことがあるとは全然思っていませんでした。

> 細胞XにおいてEndogenousのたんぱくの発現局在は調べましたでしょうか。小胞体などに多く局在していれば局在が合致しているので問題と捉えるのはおかしいという話になります。
取り敢えず、試した抗体が全部ワークしなかったからそのデータは持ってないとのことでした。論文をもっとあたってみようと思います。

> この表現が気になりますが、そのたんぱくは膜貫通型とかERで合成されるとかいうたんぱく質でしょうか?
膜貫通型のタンパクです。

> ERで合成されるたんぱくの強制発現で起こるアーティファクトとしては、ER内の糖鎖修飾のモディフィケーション酵素が強制発現したたんぱくによって飽和状態になりERから膜表面までのトラフィックに支障をきたしているというのが挙げられます。
よくあるアーティファクトということでしょうか?これも全然知りませんでした。ありがとうございます。

> あとはConstruct上の問題もあるかもしれません。また蛍光タンパクがサイトゾル側にあるとき、効率的に切り離され蛍光蛋白の部分だけがサイトゾルに蓄積されている可能性もあるかもしれません。
実はまだ始めたばかりで、貰ったコンストラクトが本当に正しいのかシークエンスを読んでもいないところです。読んでみて確認したいと思います。
問題にしているタンパクは、ある刺激によって上昇するMMPの一種によって切断されることは知られています。レンチによってそのMMPが発現上昇するとかはあまり考えにくいようにも思いますが、可能性の一つとして頭に入れておこうと思います。

(無題) 削除/引用
No.10577-6 - 2022/06/25 (土) 01:54:07 - み
>[Re:4] protein+Xさんは書きました :
> >感染細胞でGFP抗体と膜蛋白抗体の二重染色やったらどうなる?
> 膜タンパクで抗体での染色はやったことが無いです。あまり染色に使える良い抗体が無いという話でした(WBには十分使えるのですが)。これは、何らの要因で膜タンパクと蛍光タンパクが切断されてる可能性について考えておられるのでしょうか?


いいえ。切断されているかはウェスタンで評価すれば良いはず。
外入れGEP融合蛋白が膜局在していない同一細胞で内在蛋白は膜に局在化しているのか知りたい。内皮細胞では膜局在が確認できているのではないですか?その抗体は?

(無題) 削除/引用
No.10577-5 - 2022/06/25 (土) 00:27:20 - おお
細胞表面で機能するであろう膜タンパクがサイトゾルにある小胞体などに局在するということはよくあることです。物によっては核周辺にもシグナルが見えることもあるでしょう(核にあるようにも見えるということ)。

細胞XにおいてEndogenousのたんぱくの発現局在は調べましたでしょうか。小胞体などに多く局在していれば局在が合致しているので問題と捉えるのはおかしいという話になります。

>期待通りに細胞膜上に局在する。
この表現が気になりますが、そのたんぱくは膜貫通型とかERで合成されるとかいうたんぱく質でしょうか?

ERで合成されるたんぱくの強制発現で起こるアーティファクトとしては、ER内の糖鎖修飾のモディフィケーション酵素が強制発現したたんぱくによって飽和状態になりERから膜表面までのトラフィックに支障をきたしているというのが挙げられます。

あとはConstruct上の問題もあるかもしれません。また蛍光タンパクがサイトゾル側にあるとき、効率的に切り離され蛍光蛋白の部分だけがサイトゾルに蓄積されている可能性もあるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.10577-4 - 2022/06/25 (土) 00:26:35 - protein+X
Qさん、みさん、レスありがとうございます。

まず、実はこの実験は別研究者からの引継ぎ実験で、全結果は自分で出したものではなく前任者が残していったデータで、細かいところまで(顕微鏡を拡大してみたら?等)答えられないことをお詫びします。

>本当にcytosol?均一に? パッチとか細胞内小胞とかではなくて?
見た感じ確かにCytosolで、特に蛍光が強いところがあるようには見えない(似たような強さの蛍光の粒が均一に全体に広がっている感じ)です。ただ、低倍率の写真しか残っていないので、高倍率にしたらなにか違うものが見えるのかもしれません。


>問題になっている細胞にウイルスベクターでなくてプラスミドとして強制発現したら
細胞XがPrimary cultureの細胞(内皮細胞)でリポフェクション等の方法で発現プラスミドを入れるのが難しい為、ウイルスで発現させることになりました。取り敢えず一度試したけれど全然発現しなかったとのことです。

>膜局在化に何らかの内因性因子が必要で、その因子が内在性膜蛋白に使用されてしまって、過剰発現させた外入れ膜蛋白の局在化に足りていない
そういう可能性もあるんですね。その観点からの論文探しもしてみようと思います。

>膜蛋白といえど合成過程のものが小胞体やゴルジ体で強く検出されると思うけど、そちらが顕著になってるだけ
293細胞で発現させた場合(プラスミドでもウイルスでも)、サイトゾルにはほとんど蛍光が見えず細胞膜には強く見られるので、そういった可能性は考えてませんでした。

>感染細胞でGFP抗体と膜蛋白抗体の二重染色やったらどうなる?
膜タンパクで抗体での染色はやったことが無いです。あまり染色に使える良い抗体が無いという話でした(WBには十分使えるのですが)。これは、何らの要因で膜タンパクと蛍光タンパクが切断されてる可能性について考えておられるのでしょうか?

ありがとうございます。引き続きよろしくお願い致します。

(無題) 削除/引用
No.10577-3 - 2022/06/24 (金) 22:46:01 - み
問題になっている細胞にウイルスベクターでなくてプラスミドとして強制発現したらどうなる?
膜局在化に何らかの内因性因子が必要で、その因子が内在性膜蛋白に使用されてしまって、過剰発現させた外入れ膜蛋白の局在化に足りていないとか。
膜蛋白といえど合成過程のものが小胞体やゴルジ体で強く検出されると思うけど、そちらが顕著になってるだけとか。
感染細胞でGFP抗体と膜蛋白抗体の二重染色やったらどうなる?

(無題) 削除/引用
No.10577-2 - 2022/06/24 (金) 22:08:25 - Q
確認だけど、本当にcytosol?均一に? パッチとか細胞内小胞とかではなくて?

強制発現系で、タンパクの局在に問題 削除/引用
No.10577-1 - 2022/06/24 (金) 07:16:16 - protein X
要旨)レンチウイルスを使って膜タンパクと蛍光タンパクの融合したものを細胞に強制発現させる系を作った。293細胞に発現させると、期待通りに細胞膜上に局在する。しかし、この膜タンパクをendogenousで発現している細胞にレンチを作用させたところ、細胞膜上ではなくCytosolにばかり発現してしまった。


発現ベクター、およびそれを改変してレンチに入れたウイルス、を使って強制発現系で実験をしております。強制発現させているタンパクは膜タンパクで、そのストップコドンを外して蛍光タンパクを融合させており、細胞内での局在を顕微鏡下で確認できるようにしてあります。

発現ベクターを293細胞にLipofectamineを使ってトランスフェクションしたところ、期待通りに強い蛍光が細胞膜で見られました。また、そのセルライセートでウェスタンブロットを行い、膜タンパクの強い発現が誘導されていることを確認できました(膜タンパクに対する抗体、及び蛍光タンパクに対する抗体の両方で確認)。

次に、この発現ベクターの膜タンパク-蛍光タンパクの部分を組み込んだレンチウイルスベクターを作成して293細胞でパッケージし、出来上がったウイルスをまっさらな293細胞に振りかけたところ、期待通りに膜タンパクの発現が細胞膜上で見られました。同じくウェスタンで強発現も確認できました。ここまでは期待通りです。

次に、このレンチウイルスを別の細胞X(件の膜タンパクを発現していることが確認されている細胞)にふりかけて、ここで問題が発生しました。強発現が誘導されたことはウェスタンで確認出来たのですが、顕微鏡で見たところ、蛍光はcytosolに強くみられ、細胞膜上ではほとんど見られませんでした。

このような強制発現系で局在が違った場所になってしまう理由にはどんなものが考えられるでしょうか?元々この膜タンパクを発現していない293細胞では膜に発現しないかもしれないが、細胞Xでは膜上に発現するだろうと予想していたのですが、予想の逆になってしまい、途方に暮れています。

強制発現系で実験するのは初めてで、解決方法がわからずにいます。似たような経験のある方、問題解決のヒントになるような経験談や論文など教えて頂けたら幸いです。よろしくお願い致します。

9件 ( 1 〜 9 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。