Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

Dynabeads Protein Gを使った免沈: 溶出の方法について トピック削除
No.7105-TOPIC - 2018/07/27 (金) 00:53:24 - 免疫沈降初心者
HNの通り、免沈初心者で、周りに相談できる方もおらず相談させて頂きます。よろしくお願いします。Dynabeads Protein Gを使った免沈で、Non-Denaturing Elutionでの効率の良い溶出方法をご存知の方おられたら教えて頂けないでしょうか?


目的タンパクを過剰発現させたHEK293細胞の培養上清に対して免沈を行いました。InvitrogenのDynabeads Protein Gを使い、マニュアル通りの操作で行いました。

最後の溶出ステップですが、目的タンパク質はS-S結合を介してdimerを作ることが知られており、後々dimerの状態、monomerの状態それぞれを調べたいので、Non-Denaturing Elutionを選択しました。pH = 2.8のElution Bufferを20 ul加えて転倒混和を2分行っての溶出です。

これはマニュアルには無いのですが、念の為にElutionは二回繰り返してそれぞれ別チューブに保存しました。

これらをReduced Condition(サンプルバッファと2-MEを混ぜてボイル)でSDS-PAGEで流してWBを行ったところ、目的タンパクと思われる正しいサイズのバンドを確認できましたが、1st Elutionでは非常に薄いバンド、2nd Elutionでそこそこ濃いバンド(25% inputに相当する培養上清をAcetone Precipitationしたものも同時に流したのですが、大雑把にその2倍程度の濃さのバンド)でした。

そこで質問なのですが、Non-Denaturing Elutionでの効率の良い溶出方法をご存知の方はおられないでしょうか? 自分としては、Elutionを二回繰り返したけれど本当は1st Elutionで強いバンド、2nd Elutionでは殆どバンドが見られない、を期待していたのですが、逆だと困ってしまいます。あるいは3回目の溶出を行っていたらもっと強いバンドが得られていたのかどうか?

メンブレンに転写後ポンソーで染めたのですが、免沈だとIgGの強い二本のバンド(50kDa程度と25kDa程度)が出ると思っていたのが、2nd Elutionの方でうっすらHeavy Chainに相当するバンドが見られただけでした。これは普通でしょうか?溶出がうまくいっていない結果ではないかと疑っているのですが、免沈経験者が周りにいないので判断がつかないでいます。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



8件 ( 1 〜 8 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.7105-8 - 2018/08/10 (金) 10:31:02 - 免疫沈降初心者
済 にしておいてなんですが、その後「Reducing Agent抜きのバッファでの抽出」もやってみましたので、後学の為に結果を報告します。

同様の条件でIPしたサンプルに対してReducing Agent抜きのSDS-Sample Bufferでボイルしての抽出をまた6回繰り返してみました。それぞれをゲルに流してWBしたところ、一回目抽出のレーンで非常に強いシグナルが得られました。non-denaturing elutionの2回目(一番強くシグナルが出たもの)も同じゲルに流したのですが、これよりも更に強い(といっても2倍弱位か?)シグナルでした。

ただ、IgG由来と思われる50kDa、25kDaのバンドも非常に強く出ました。non-denaturing elutionのレーンで見られるそれよりも10倍とかそういうレベルの強さでした。(IgGバンドをノイズとして)S/N比を考えると、non-denaturing elutionの方が良さげに思えるレベルでした。

Reducing Agent抜きのSDS-Sample Bufferの2回目でもかなり強い(non-denaturing elutionの2回目より少し弱い程度)目的サイズのバンドが見られました。にもかかわらず、Reducing Agent抜きのSDS-Sample Bufferの3回目、4回目でもまだ(だいぶ弱まったとはいえ、これで論文のデータに出来るじゃないかと思えるレベルの)目的サイズのバンドが見られました。

予備実験での条件検討は必ず必要なんだと思ったのが一つ。SDS-Sample Bufferでボイルしての抽出でも一度(どころか二度、三度でも)の抽出ではタンパクを取りきれないんだなと思ったのが一つ、故にbeadsの再利用が可能だと聞いていたけれどかなり気をつけないとおかしなシグナルが出て困ったりすることがあるかもと思ったのが一つ、です。以上報告でした。

(無題) 削除/引用
No.7105-7 - 2018/08/01 (水) 09:11:04 - み
>[Re:3] おおさんは書きました :
>
> 代替案としてはS-Sのダイマーなら変性条件で還元剤なしで溶出してもみれる。
>


私の経験からも還元剤抜きのSDS-sample bufferでboilがおすすめ

(無題) 解決済み 削除/引用
No.7105-6 - 2018/07/31 (火) 00:06:23 - 免疫沈降初心者
その後実験してみました。結果を報告します。

溶出を6回繰り返しそれぞれゲルに流してWBしてみたところ、3回目の溶出でも目的タンパクのバンドが見られました。大雑把に、2回目溶出の半分程度の強度です。4〜6回目の抽出でも徐々に弱まっていく薄いバンドが見られましたが、2回目3回目に比べればだいぶ弱いので、露出時間が短ければ2、3回目溶出でバンドが見えても4〜6回目では見えなくなる、というレベルのfaintバンドでした。4回目抽出は1回目抽出と似たようなレベルの強度でした。

同じ目的タンパク質を認識する、別の抗体でも同じ実験をしてみました。免沈はうまくいったようで、目的のサイズのバンドが見られました。こちらでは、1回目からかなり強いバンドが見られ、5回目で見えなくなりました(O/Nで焼けば見られるのかも)が、4回目でもだいぶ濃いバンドがみられ、数字にすると、1〜4回目抽出それぞれ 100:100:80:30といったところでした(数字は自分の印象なので、かなり大雑把です)。IgGのバンドは70:100:90:70:40:20といったところで、目的タンパクとパラレルになっていないのは間違いないようです。


「抽出条件の予備検討が必要です」という あ さんのコメントを再確認する結果となりました。正直に言うと、3回目以降の抽出ではそんなに出てこないんじゃないの?と半信半疑だったのですが、やって良かったです。二種類の抗体で溶出具合が違い、mozさん仰る通り「万能な方法はないです」というのも実感しました。

次回は、おおさんの仰るReducing Agent抜きのバッファでの溶解も考えてみようと思います。

皆様ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.7105-5 - 2018/07/27 (金) 20:42:40 - 免疫沈降初心者
書き込みして下さった皆様、ありがとうございます。

結局のところ、タンパクによってベストの溶出条件が違うから、一概にこの方法、とは言えないということでしょうか。とりあえず、今使っているpH = 2.8のElution Bufferで2回目の溶出でそこそこ目的タンパク質が取れているので、このElution Bufferでもう数回溶出を繰り返してみようと思います(おおさん仰るように、3回目以降はもう出てこないかもしれませんが)。

ポンソーで強くIgGが見えるのが普通だと思っていましたが、目的タンパクのバンドがWBで見えているのであればIgGバンドが見えないのはむしろラッキーだと思って差し支えないんですね。WBではIgGのバンドも出て来ましたが、ポンソーで見える位だったらこのIgGのバンドがもっと強力に出ていたのでしょう。

ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.7105-4 - 2018/07/27 (金) 14:07:09 - moz
目的タンパクと特異IgG、そのIgGとProteinGとの親和性(結合の強さ)は異なります。
従って、溶出液での挙動は異なります。
ベストの条件は、目的タンパクのみ溶出液で外れて、IgGとProteinGは外れない条件です。邪魔なIgGが溶出液に入らないわけですから。
実際にはそんなにうまくいかず、そのためIgGとProteinGを架橋してできるだけIgGの混入を減らす(それでもなかなか0にはならないですが)方法が開発されているぐらいです。
大過剰の抗原競合ペプチドで溶出するマイルドな方法もありますが、回収率は100%にはなりません。
溶出法はmethod本やネットや特許文章を探すといろいろ出てきますが、上述の理由により万能な方法はないです。数種類(尿素液、高濃度MgやpH4, 3, 2で順に溶出等)を試行錯誤してベターなものを採用するか、諦めて酸性液(pH2)のみで納得するかです。
pH5-6位の溶出液組成の国内特許があったと思います(使ったことはないです)。

(無題) 削除/引用
No.7105-3 - 2018/07/27 (金) 05:06:58 - おお
一回目は多少なりとも残存のバッファーと混ざるからpH = 2.8まで下がりきってない可能性もあるので2回めに多くが外れるというのはそういうことなのかなと思う。3回目はどうも2回目で大半が出ているのでいいと思うが念のためやってみてもいいんじゃないか。

IgGが落ちてこなかったのはまあラッキーと思っていいかも。ものが大半おちているのだから。

代替案としてはS-Sのダイマーなら変性条件で還元剤なしで溶出してもみれる。

(無題) 削除/引用
No.7105-2 - 2018/07/27 (金) 01:56:02 - あ
一度の溶出バッファーで全てが溶出されるということはないと思います。
中にはダラダラ溶出されるものもありますし、5回目のフラクションに9割以上が溶出されることもあります。

まずは20マイクロで溶出されるのであれば、その条件でどのフラクションにピークが来るのかの予備検討は必要でしょう。例えばそれを10フラクション分回収し、ポンソーやウエスタンで、どの分画に多く含まれるかのキネティクスデータは必要と思われます。

Dynabeads Protein Gを使った免沈: 溶出の方法について 削除/引用
No.7105-1 - 2018/07/27 (金) 00:53:24 - 免疫沈降初心者
HNの通り、免沈初心者で、周りに相談できる方もおらず相談させて頂きます。よろしくお願いします。Dynabeads Protein Gを使った免沈で、Non-Denaturing Elutionでの効率の良い溶出方法をご存知の方おられたら教えて頂けないでしょうか?


目的タンパクを過剰発現させたHEK293細胞の培養上清に対して免沈を行いました。InvitrogenのDynabeads Protein Gを使い、マニュアル通りの操作で行いました。

最後の溶出ステップですが、目的タンパク質はS-S結合を介してdimerを作ることが知られており、後々dimerの状態、monomerの状態それぞれを調べたいので、Non-Denaturing Elutionを選択しました。pH = 2.8のElution Bufferを20 ul加えて転倒混和を2分行っての溶出です。

これはマニュアルには無いのですが、念の為にElutionは二回繰り返してそれぞれ別チューブに保存しました。

これらをReduced Condition(サンプルバッファと2-MEを混ぜてボイル)でSDS-PAGEで流してWBを行ったところ、目的タンパクと思われる正しいサイズのバンドを確認できましたが、1st Elutionでは非常に薄いバンド、2nd Elutionでそこそこ濃いバンド(25% inputに相当する培養上清をAcetone Precipitationしたものも同時に流したのですが、大雑把にその2倍程度の濃さのバンド)でした。

そこで質問なのですが、Non-Denaturing Elutionでの効率の良い溶出方法をご存知の方はおられないでしょうか? 自分としては、Elutionを二回繰り返したけれど本当は1st Elutionで強いバンド、2nd Elutionでは殆どバンドが見られない、を期待していたのですが、逆だと困ってしまいます。あるいは3回目の溶出を行っていたらもっと強いバンドが得られていたのかどうか?

メンブレンに転写後ポンソーで染めたのですが、免沈だとIgGの強い二本のバンド(50kDa程度と25kDa程度)が出ると思っていたのが、2nd Elutionの方でうっすらHeavy Chainに相当するバンドが見られただけでした。これは普通でしょうか?溶出がうまくいっていない結果ではないかと疑っているのですが、免沈経験者が周りにいないので判断がつかないでいます。

8件 ( 1 〜 8 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。