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mTOR活性測定 トピック削除
No.2504-TOPIC - 2010/05/05 (水) 09:12:38 - suisui
いつも貴重な情報を勉強させて頂いております

最近オートファジーの研究を始めたのですが
その際mTORの上昇(抑制)をimmunoblotで測定しようと考えております
しかしながら測定方法として
ほとんどの論文がmTORの下流にあるp70S6Kのリン酸化で判定している様です

もちろんそれで納得はいくのですがなぜmTORの測定をしないのでしょうか
mTORの測定をしている論文を少し見つけたのですが 同時にp70S6Kも測定しておりp70 S6Kのほうが差があったみたいです

なんとか理由を探していますがどうしても見つかりません

基本的なことかもしれませんが皆様御教授のほどよろしくお願い致します

 
 
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(無題) 削除/引用
No.2504-13 - 2010/05/16 (日) 13:30:02 - suisui
皆様大変勉強にさせて頂いております

mTORのリン酸化(ser2448)の評価およびp-S6Kの評価を2009年gastroenterologyの論文ではともに行っておりますが本文上は(p-mTORおよびp-S6Kともに)増加していると書かれていますが図においてはp-mTORだけは有意差のマークが付いておりません(写真上は確かに増加していますが)
この結果も考えると、もちろんp-mTORの評価を行うのは研究者それぞれの判断で構わないとは思いますが皆様のおっしゃる通りp-mTOR単独では注文がつくと考えますし、あえてp-mTORのみで評価する必要もないのかなと思います。

(無題) 削除/引用
No.2504-12 - 2010/05/16 (日) 10:32:03 - 千夏
中年さん

この論文だとHEK293細胞ではSer2448 kinaseはp70S6Kではないと考えられます。 その他の結果を考慮すると、Ser2448のkinaseはAktかもしれません。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1220660/?tool=pubmed

Aktの活性がアミノ酸の影響を受けるという印象はありませんので、中年さんが紹介してくれたAbrahamの論文を見ると、Ser2448 kinaseはAktではないのかもしれません。しかし未だPI3K-Akt-mTOR pathwayは完全に証明されておらず、2005年のAbrahamの論文をもってAktをSer2448 kinaseの候補から、少なくとも私の中でははずせません。

いずれにしてもSer2448のリン酸化レベルをもってmTORの活性の指標にするかどうかは、各研究者の判断でいいかと思います。ただしendogenousで見た場合、mTORC1とmTORC2 (もしくはその他のmTOR含有複合体)のどのp-Ser2448のステータスをみたのか?という問題にでくわすので、p-Ser2448でmTORの活性をみるのならraptorもしくはrictorでIPする必要があるかもしれませんね。単にmTORC1とmTORC2の活性をみたいのであれば、適切なsubsrateのリン酸化状態をみたほうがいいかと思いますが!

(無題) 削除/引用
No.2504-11 - 2010/05/15 (土) 17:59:01 - 中年
千夏様、

この2005年のJBCの論文によると、少なくともHEK293では、Ser2448の責任キナーゼはAktでないことが明らかになっているようです。

Phosphorylation of Mammalian Target of Rapamycin (mTOR) at Ser-2448 Is Mediated by p70S6 Kinase.
http://www.jbc.org/content/280/27/25485

(無題) 削除/引用
No.2504-10 - 2010/05/15 (土) 15:12:14 - 千夏
Ser2448のリン酸化はインスリン処理によって増加し(Aktがkinaseであることが証明されています)、アミノ酸飢餓によって減少することから、報告当初、Ser2448のリン酸化はmTORの活性に重要な役割を果たしていると考えられていました。

しかし翌年、Ser2448をAlaに置換してもwild typeと活性に違いが認められないという報告がなされました。

これらの経緯を踏まえ、2004年のreviewではSer2448のリン酸化について、「The significance of this phosphorylation is in question.」と記述されています。

(無題) 削除/引用
No.2504-9 - 2010/05/15 (土) 14:39:19 - 中年
Google Scholarで調べてみました。Ser2448というのは活性化されたS6Kによってリン酸化されるサイトなんですね。

http://www.springerlink.com/content/9054735163633468/

今年出たこの論文には次のようにありました(コピペを避けて意訳します)。

「p70S6KはmTORをSer2448でリン酸化する。このリン酸化はmTORの制御点であると考えられているが、その役割は今のところはっきりとは分かっていない。」

もし、Ser2448をリン酸化するキナーゼがS6Kだけであるなら、mTOR活性 → S6Kリン酸化=活性化 → mTOR Ser2448リン酸化という関係があることになり、mTORの活性をSer2448のリン酸化を指標に評価するというのは、S6Kのリン酸化を指標にするよりさらに間接的な評価であることになります。(もちろん、だからダメという訳ではありません。)

(無題) 削除/引用
No.2504-8 - 2010/05/15 (土) 14:19:59 - 中年
一般論になりますが、consensusの不在を明示している文献といういのは原理的に希なのではないでしょうか。

それはともかくとして、P-mTOR Ser2448がどのくらい受け入れられているかは私は知りませんが、抗原量はS6K>>mTORなので、感度という点でP-S6Kはずっと勝っていると思います。

(無題) 削除/引用
No.2504-7 - 2010/05/15 (土) 12:52:23 - 千夏
lalalaさん

>Bio tech フォーラムに書いてあるといっても話にならないので、

私もそう思いますw


>Ser2448の抗体があるからそれでいいだろ。という同僚がいます。

それでいいと研究者として判断されたのでしたら、それを使用されてはいかがでしょうか?論文に書かれていることが正しいわけではありませんので、mTORの活性の指標がSer2448のリン酸化で証明できるという報告を楽しみにしております!

文献いいのありますか? 削除/引用
No.2504-6 - 2010/05/15 (土) 08:37:18 - lalala
Ser2448の抗体があるからそれでいいだろ。という同僚がいます。Bio tech フォーラムに書いてあるといっても話にならないので、そのことが説明してある文献があれば教えてください。

>[Re:4] 千夏さんは書きました :
> Thr2446やSer2448の話だと思うのですが、これらリン酸化とmTORの活性制御に関するconsensusが得られていないというのが理由です。またmTORのsubstrateとして、昔はp70S6Kと4EBP1しか知られておらず、加えて4EBP1は複数個所のリン酸化でキレイに結果を出すには多少の技術がいることから簡便なp70S6Kのリン酸化がmTORのkinase activityの指標として使われているわけです。autophagyの誘導とp70S6Kは確かに直接的な関係はないかもしれませんが、アミノ酸飢餓時にタンパク質翻訳系をシャットダウンすることはアミノ酸の確保という観点では意味がありそうです。直接的なものがいいのでしたらULK1やAtg13のリン酸化を調べたほうがいいかもしれませんね!
>

有難うございます 削除/引用
No.2504-5 - 2010/05/06 (木) 12:33:53 - suisui
<千夏>様

どうも有り難うございますp-mTORがmTORの活性化の指標とは証明されていないのですね
どうも有り難うございました
mTORの活性化をp70 S6Kで調べてその後Atgなども調べていきたいと思います

貴重な御意見をどうも有り難うございました

(無題) 削除/引用
No.2504-4 - 2010/05/06 (木) 09:44:24 - 千夏
Thr2446やSer2448の話だと思うのですが、これらリン酸化とmTORの活性制御に関するconsensusが得られていないというのが理由です。またmTORのsubstrateとして、昔はp70S6Kと4EBP1しか知られておらず、加えて4EBP1は複数個所のリン酸化でキレイに結果を出すには多少の技術がいることから簡便なp70S6Kのリン酸化がmTORのkinase activityの指標として使われているわけです。autophagyの誘導とp70S6Kは確かに直接的な関係はないかもしれませんが、アミノ酸飢餓時にタンパク質翻訳系をシャットダウンすることはアミノ酸の確保という観点では意味がありそうです。直接的なものがいいのでしたらULK1やAtg13のリン酸化を調べたほうがいいかもしれませんね!

ありがとうございます 削除/引用
No.2504-3 - 2010/05/06 (木) 01:18:02 - suisui
<中年>様 早速のお返事ありがとうございます

申し訳ございません 私の質問の書き方に問題がありました
ストレス存在下などではmTORの活性が抑制されオートファジーが誘導されると思います

その場合、mTORのリン酸化を測定をせずに、mTORの下流であるS6K(=p70 s6K直接オートファジーとは関係ない)のリン酸化を確認している報告が多いと思います

すなわちオートファジー存在下でリン酸化mTORの減少を確認するのではなくs6Kのリン酸化の減少を確認しているのはなぜかと思いました

リン酸化mTORも市販されていますがなぜかと考えております
申し訳ございませんがどうぞ宜しくお願い致します

(無題) 削除/引用
No.2504-2 - 2010/05/05 (水) 12:51:14 - 中年
mTORの『活性』の測定をするならば、その基質のリン酸化レベルを調べることは最もストレートな方法のように思えますが、何が疑問なのでしょうか。

mTOR活性測定 削除/引用
No.2504-1 - 2010/05/05 (水) 09:12:38 - suisui
いつも貴重な情報を勉強させて頂いております

最近オートファジーの研究を始めたのですが
その際mTORの上昇(抑制)をimmunoblotで測定しようと考えております
しかしながら測定方法として
ほとんどの論文がmTORの下流にあるp70S6Kのリン酸化で判定している様です

もちろんそれで納得はいくのですがなぜmTORの測定をしないのでしょうか
mTORの測定をしている論文を少し見つけたのですが 同時にp70S6Kも測定しておりp70 S6Kのほうが差があったみたいです

なんとか理由を探していますがどうしても見つかりません

基本的なことかもしれませんが皆様御教授のほどよろしくお願い致します

 

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