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DMEM/F12での細胞培養におけるウェル底面に生じる褐色付着物 トピック削除
No.2841-TOPIC - 2010/07/06 (火) 23:05:51 - NM
現在、Neurosphereからアストロサイトを分化させるために細胞培養に取り組んでいます。

胎齢14日のマウスの大脳からNeurosphereを分離し、2週間ほど培養したところで、ポリ-L-オルニチンでコートされた24ウェルにNeurosphereを撒き、FBSの濃度を変えて、まずはアストロサイトの分化の度合いに、FBSの濃度が関係しているかを調べています。
使用している培地は、DMEM/F12に、2%のB-27、1%のAntibiotic-Antimycotic、そして1%、5%、10%、15%のFBSを加えたものです。

24ウェルに撒いて、1日目は特に問題ないのですが、2日目ぐらいから褐色の、膜上の物質がウェル底面に付着してきます。
最初は、その付着物が生じる前にメディウムを変えてしまえば問題ないだろうと思い、24時間でメディウムを交換していたのですが、それでも駄目で、結局付着してしまいます。

しかし、24ウェルに撒いた後1週間後に蛍光抗体法で細胞を染めてみたところ、GFAP陽性細胞が見られ、アストロサイトは正常に分化しているように思えます。
染色のときには、パラホルムアルデヒド、PBSなどでしっかりと洗浄するので、ある程度はウェル底面の付着物もはがれるみたいですが、まだ残っています。

未染色の状態で細胞を倒立顕微鏡などで観察する際、その膜状付着物のせいで、細胞がほとんど見えない状態です。
(膜の隙間を見つけ出し、そこで見える細胞を何とか見ると言った感じです。)

細胞の発育には影響しなさそうなのですが、未染色の状態でも形態的変化を経時的に見てみたいので、この付着物をどうにかして除去したいと考えています。

私が使用している培地、もしくは添加している因子のなかに、このような膜状付着物を生じる原因があるのでしょうか?

現在考えている原因としては
・加えている因子同士が化学反応を起こし、沈殿物を生じている
・細胞の代謝によるもの
・真菌、酵母などの増殖による

などがあげられます。

また、DMEM/F12を購入している会社に問い合わせてみたところ、

「DMEM/F12の場合、しばしば元素状の硫黄の沈殿が浮遊物として生じることがあります。培地成分が沈殿になってくる場合があります。この原因についてはまだ完全には解明されていないのですが、少なくとも鉄イオン、L-シスチン、ビタミン B6 のアルデヒド体(ピリドキサール)の存在が必要です。おそらく、pH、温度、光などの条件が揃うと反応がおこるものと思われます。」

という返答が来ました。
その後のやり取りで、細胞の発育に問題はないとの返信が来たので、安心したのですが、ちょっと付着物がかなりひどい状況になってきたので、どうにか排除しようと考えています。


どなたか、ご意見ある方、もしくは似たような経験をされたことがある方、ご教授いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
 
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5件 ( 1 〜 5 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.2841-5 - 2010/07/08 (木) 00:23:44 - NM
鉄ですか…

たしかに、完全な素人の考えですが、茶褐色なので、鉄が酸化されてあの色になったという可能性はあります。
ただ、もしそれが正しいということになると、アストロサイトを増やそうとしている限り、この膜はでき続けてしまうことになりますね…



>DME/F12はかなり汎用されている培地の一つと思います

そうなんです、なので、もしコンタミでないとすれば、かならず報告があるはずなんですよね。
なので、コンタミである可能性も高いのですが…
自分の未熟さ以外に、原因が、いまいちわかりません。


現在、細胞培養を止めているので、次は、コンタミに差大の注意を払いつつ、細胞を撒くウェル、撒かないウェル、各因子を加える、加えないウェルなど、条件を細かく分け、実験を行ってみようと思います。

もしか鉄では? 削除/引用
No.2841-4 - 2010/07/07 (水) 22:15:54 - 名無し
DME/F12はかなり汎用されている培地の一つと思います。私もときどき使いました。でもそのような特徴的な構造物は見た記憶がないです。またかなり一般的な培地ですからもしそういうすごいものが出てくるならみんな良く知ってるとおもいます。培地(FBS+)だけのものをでインキュベータにいれてどうなるかみれば、その変なのが細胞由来か、培地由来かわかりますね。カビっぽい気もしましたが、培養2日目でもう見えるという事なのでどうも違うようですね。37Cだと増殖おそいですからね。アストロサイトって鉄を取り込んだり放出したりする細胞ですよね、たしか。学部の生化学の講義で脳の鉄代謝のしくみ習った時にこれ出てきました。かなり専門外なのでそれ以上は分かりません。興味があれば調べて下さい。鉄も沈殿すると膜みたいにこびりついたりするのですが鉄とちがいますか。

(無題) 削除/引用
No.2841-3 - 2010/07/07 (水) 18:16:36 - NM
>ウシ血清の澱が怪しいと思いますが、濃度依存性は見られないのでしょうか?

たしかに、培養開始時は多少濃度依存性があるように感じました。しかし、培養を続けるにつれて、あまり差はなくなり、どのウェルの底面にも付着物が生じました。


>膜の一部をとって、別の沈殿が出ない培地(ウシ血清入り)に入れて増殖するか見る

膜が生じたウェルのメディウムを100µlとって、DMEM/F12に入れてインキュベートしています。
が、FBSをいれていませんでした…
酵母だったとしても、FBSがなければ、増えてきませんよね。
FBSをそのウェルに加えてみて、変化を観察しようと思います。



>血清やサプリメント無しでも沈殿が生じるかを検討する
これも現在行っています。
DMEM/F12のみ、DMEM/F12+FBS(10%)、DMEM/F12+B27、DMEM/F12+B27+FBS、DMEM/F12+生じた膜

の組み合わせです(すべて抗生物質不含)

まだ2日目ですが、どのウェルも膜状物質を生じる様子はありません。


現在、細胞分離からまた行っているので、細胞が調整でき次第、細胞を撒く、撒かないウェルも準備してやってみようと思います。


あと、FBSに関してですが、澱は、FBSをフィルターを通して使用すれば、生じなくなる可能性はありますでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.2841-2 - 2010/07/07 (水) 10:22:33 - ~
>DMEM/F12の場合、しばしば元素状の硫黄の沈殿が浮遊物として生じることがあります。
これは、出来ても培地1Lあたりでmgオーダーかそれ以下ですので、細胞が見えにくくなるということは無いと思います。
(システインの硫黄が100%沈殿になったとしても、100mg/L以下でしょう)

ウシ血清の澱が怪しいと思いますが、濃度依存性は見られないのでしょうか?

・真菌、酵母などの増殖による
1.膜の一部をとって、別の沈殿が出ない培地(ウシ血清入り)に入れて増殖するか見る
ウシ血清さえ入っていれば、他の動物細胞用培地でも増えてくると思います。
増えなければ、コンタミでは無いと言えるでしょう。

・細胞の代謝によるもの
2.細胞を撒くウェルと撒かないウェルを比較する
細胞が沈殿の原因かが分かります。

細胞が原因で無い場合(細胞が無くても沈殿が生じた場合)
・加えている因子同士が化学反応を起こし、沈殿物を生じている
3.血清やサプリメント無しでも沈殿が生じるかを検討する
マトリクスを組んで比較すれば、どの成分が沈殿の原因となるかが分かります。

DMEM/F12での細胞培養におけるウェル底面に生じる褐色付着物 削除/引用
No.2841-1 - 2010/07/06 (火) 23:05:51 - NM
現在、Neurosphereからアストロサイトを分化させるために細胞培養に取り組んでいます。

胎齢14日のマウスの大脳からNeurosphereを分離し、2週間ほど培養したところで、ポリ-L-オルニチンでコートされた24ウェルにNeurosphereを撒き、FBSの濃度を変えて、まずはアストロサイトの分化の度合いに、FBSの濃度が関係しているかを調べています。
使用している培地は、DMEM/F12に、2%のB-27、1%のAntibiotic-Antimycotic、そして1%、5%、10%、15%のFBSを加えたものです。

24ウェルに撒いて、1日目は特に問題ないのですが、2日目ぐらいから褐色の、膜上の物質がウェル底面に付着してきます。
最初は、その付着物が生じる前にメディウムを変えてしまえば問題ないだろうと思い、24時間でメディウムを交換していたのですが、それでも駄目で、結局付着してしまいます。

しかし、24ウェルに撒いた後1週間後に蛍光抗体法で細胞を染めてみたところ、GFAP陽性細胞が見られ、アストロサイトは正常に分化しているように思えます。
染色のときには、パラホルムアルデヒド、PBSなどでしっかりと洗浄するので、ある程度はウェル底面の付着物もはがれるみたいですが、まだ残っています。

未染色の状態で細胞を倒立顕微鏡などで観察する際、その膜状付着物のせいで、細胞がほとんど見えない状態です。
(膜の隙間を見つけ出し、そこで見える細胞を何とか見ると言った感じです。)

細胞の発育には影響しなさそうなのですが、未染色の状態でも形態的変化を経時的に見てみたいので、この付着物をどうにかして除去したいと考えています。

私が使用している培地、もしくは添加している因子のなかに、このような膜状付着物を生じる原因があるのでしょうか?

現在考えている原因としては
・加えている因子同士が化学反応を起こし、沈殿物を生じている
・細胞の代謝によるもの
・真菌、酵母などの増殖による

などがあげられます。

また、DMEM/F12を購入している会社に問い合わせてみたところ、

「DMEM/F12の場合、しばしば元素状の硫黄の沈殿が浮遊物として生じることがあります。培地成分が沈殿になってくる場合があります。この原因についてはまだ完全には解明されていないのですが、少なくとも鉄イオン、L-シスチン、ビタミン B6 のアルデヒド体(ピリドキサール)の存在が必要です。おそらく、pH、温度、光などの条件が揃うと反応がおこるものと思われます。」

という返答が来ました。
その後のやり取りで、細胞の発育に問題はないとの返信が来たので、安心したのですが、ちょっと付着物がかなりひどい状況になってきたので、どうにか排除しようと考えています。


どなたか、ご意見ある方、もしくは似たような経験をされたことがある方、ご教授いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

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