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アデノウイルスの増幅 トピック削除
No.2940-TOPIC - 2010/07/26 (月) 23:30:00 - アデノ初心者
いつも、ここで勉強させていただいております。
アデノウイルスを用いて、哺乳類細胞に感染させて実験を行う計画にしております。ウイルスは、他のラボから提供いただいたもの、HEK293は手持ちのものです。ウイルスは3種類あり、うち1種類はコントロール用のLacZ発現ウイルスです。
コントロールのウイルスは問題なく高タイター精製できたのですが、他の2種は初期の段階からうまく増幅できず、振り出しにもどって、最初から感染させなおそうと考えております。

そこで、質問なのですが、精製済みのウイルスをHEK293細胞に感染させる場合、どのくらいの濃度、MOIで感染開始するのが妥当なのでしょうか?
経験豊富なかたのご意見を教えていただけましたら幸いです。
(アデノウイルスもHEKもいろいろとあるので、一概には答えはないでしょうが・・・)

タイターはタカラのキットを用いて測定しました。
また、ウイルスが目的のタンパクを発現することは、ウエスタンブロットにて確認しております。
 
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こちらこそ遅くなりました。 削除/引用
No.2940-8 - 2010/08/02 (月) 00:50:34 - アデノ初心者
いろいろとご意見をいただいたイのに、おそくなり、申し訳ありません。

1)293細胞の活きが悪いと感じたのは・・・

うまく説明できないのですが、増殖の雰囲気が変わってきたと言いますか・・・もともと、はがれやすい細胞ではありますが、接着がさらに甘くなった印象があったりして、何となくおかしいと感じた。それ以上の、具体的な根拠はありません。細胞を起こし直して増やしているところですが、やはり、状態は良い用に感じます。前の細胞の何が問題で、原因が何なのか・・・それを突き詰めなければならないのかもしれませんが、原因ははっきりしません。

2)増幅がうまくいかなかった の詳細は・・・

CPEは起きていると判断し、細胞pelletをfreeze and sawで破砕してウイルスを回収し、数倍量の293細胞に感染させて行く過程で、ある段階からCPEが見られにくくなりました。ですので、当初から、自分がCPEと思っている状態がCPEでなかったのか、途中から本当にCPEが起こらなくなったのかは、現時点では判断できません。
ただ、このうまくいかなくなっていったころの細胞は、先ほど申したように、状態が悪くなってしまっていたような印象があるので、そこに原因がある可能性があります。また、今後は、ウイルス液を回収させていく段階で、一部ストックし、うまくいかなかったときに、精製前の段階でもタイターを測定できる用にしておきたいと考えています。

3) FCSの濃度

私はさしあたり10%で継続しておりましたので、あまり細胞の状態をいじるのも何ですので、当面は10%で継続したいと思います。

さしあたり、新しく起こした細胞で、MOI5程度で再度、試みたいと思います。
細胞が原因であれば、解決はそう難しくないかもしれませんが、そうでなければ、かなり、どつぼにはまりそうです・・・

また、変化がありましたらご報告いたします。

その2 削除/引用
No.2940-7 - 2010/07/29 (木) 03:55:53 - CaP
【ウエスタンで確認したのは…?】の意図は、コントロール以外のウイルスが、増幅後にタイターは低かったものの発現はウエスタンで検出できたのか?ということでしたが、必要ない質問だったかもしれません。ウイルスの供給元でプラークを作らせてクローンを単離してあるかどうか少々気になります。まれに単一集団だと思って増やしていたウイルスに目的以外のウイルスが混入あるいは発生して増えてしまうことがあります。確認するにはプラークを作らせて一つ一つ確認するしかありません。

【ウイルスを増やせなかったことをどう判断したか?】の意図は、どこに原因があるかということを探るための質問でした。直接的な答えはもらっていませんが、増幅しようとしてCPEが見られなかったのか(Actiasの言う害のある発現遺伝子というのも可能性がありますね、見落としていました)、CPEは見られたのに精製したらウイルスが得られなかったのか?精製はできた(はず)なのにタイターを測定したらウイルスがなかった(あるいは低かった)のか?このあたりは原因を追及するのに非常にクリティカルです。現状だと細胞が原因、ということになったのでしょうか?

最後にActiasさんのコメントへ。5%にしないとウイルスが増えないということもないので、細胞の増殖をスローダウンさせつつ、コストを低減、というような意味合いかと思っていました。ウイルスにとっては細胞分裂が活発でない方が有利なことは間違いないと思いますが、5%にした程度でどの程度分裂が鈍るのか疑問ですね。

おそくなりました - その1 削除/引用
No.2940-6 - 2010/07/29 (木) 03:46:12 - CaP
回答ありがとうございます。

【ウイルスを増やそうとした際のMOIは?3種とも同じMOIで?】とお聞きしたのは、増幅するのに十分なMOIを使われたのか、3種とも同等のMOIで感染したのに増幅に大きな差が見られたのかということを確認するためでした。よって、

>コントロールはLacZを発現するアデノウイルスですが、最初に293細胞に感染させた段階は、MOI5程度でした。その後、2-3日ごとにfull CPEを確認し、3倍量の細胞に感染させ増幅させ、最終的に直径15cm dish 10枚ほどから精製しました。

とのことなので(コントロールは?)問題ないと思われます。ただ、MOI=5で感染した場合、2日後にはほぼ100%のCPEが観察されるはずです。3日経ってもCPEが100%にならない場合は何かがおかしいと思います。

>ほぼ同等のタイターが得られました。(約3×10^11PFU/ml)

というのはもらったウイルスと同等、ということだと推察します。コントロール以外の2種のウイルスはこのタイターが異常に低かったのでしょうか?それとも精製する前からCPEも見られなかったとか?

【3種のウイルスは同じ世代の293で?】とお聞きしたのは、293の状態によって結果が左右されうるかもしれないからです。

>事情があって、他の2種のウイルスとは作業開始の時期がずれてしまったために、293細胞の世代は代わっています。したがって、他の2種の293細胞は数世代、多く継代したものになります。

この程度なら問題ないと思います。むしろ、感染時の細胞密度等の方が影響してきます(あまりconfluentだと効率が低下する)。感染時に80-90%の細胞密度が理想的です。

>うまくいかなかった原因として、293細胞の状態がなんとなく活きが悪くなってきている気がするので細胞を起こしなおしてみようと思っております。

とのことですが、どんな状態をもって「活きが悪い」と思われたのでしょう?ちなみに、いわゆるlow passageの293は比較的大きめですが、継代を経るにつれ小さくなる傾向があります。世話を怠って放置しておくとすぐに小さくなってしまいますw ただ、細胞の大きさとウイルスを増やす効率はあまり関係ないように思われます。(プラークやウイルス作成時のトランスフェクションはその限りではなく、low passageがいいとされています)

(無題) 削除/引用
No.2940-5 - 2010/07/27 (火) 21:17:46 - Actias
理研の
http://www.brc.riken.go.jp/lab/dna/rvd/SOP/Adv/adenovirus3.pdf
でも、ニッポンジーンもタカラも、(おそらく出所は東大医科研の
斎藤泉先生だから?)ウイルス感染させたHEK 293 の血清は5% です。
細胞の増えがあまり良くないほうが良いからでしょうか?

いつも気になっています。

お答え 削除/引用
No.2940-4 - 2010/07/27 (火) 13:52:29 - アデノ初心者
早速のレスありがとうございます。

「Capさんへ」

コントロールはLacZを発現するアデノウイルスですが、最初に293細胞に感染させた段階は、MOI5程度でした。その後、2-3日ごとにfull CPEを確認し、3倍量の細胞に感染させ増幅させ、最終的に直径15cm dish 10枚ほどから精製しました。最終的に、タカラのタイター測定キット(adeno x rapid titer 測定キット)とX-gal染色でタイター測定をしましたが、ほぼ同等のタイターが得られました。(約3×10^11PFU/ml)

事情があって、他の2種のウイルスとは作業開始の時期がずれてしまったために、293細胞の世代は代わっています。したがって、他の2種の293細胞は数世代、多く継代したものになります。

ウエスタンで確認した際に用いたウイルスはもらったウイルスそのものになります。そのウイルスのタイターをタカラのキットで測定し、実際に293細胞に感染、増幅を試みました。この際にもMOI5程度です。

うまくいかなかった原因として、293細胞の状態がなんとなく活きが悪くなってきている気がするので細胞を起こしなおしてみようと思っております。その際に、感染させるMOIをもう一度検討し直そうと思い、ここで相談させてもらった次第です。

「actias」さんへ

もらったところに聞くというのも手なのですが、実は、そのウイルスを作って実際に使っていた先生は、他にうつられていて・・・という事情もあり、コンタクトがとりにくくなっています。

プロダクトの細胞への影響は確かに考慮の対象になります。当方で用いているプロダクトが、細胞の接着や増殖に影響する可能性がありますので。
そういった場合に、タンパク合成が十分すすむより先にウイルスが増えてCPEを起こしてくれればと思うのですが、そう簡単にはいきませんよね?

いろいろと考えるヒントをいただきありがとうございました。
当方としては、さしあたり、細胞を起こしなおして、状態の良い細胞を用いて、コントロールのウイルスも平行して増幅を試みたいと思います。
MOI5-10程度というのは、他の情報ソースでも同じような感じですので、まずは、MOI5で再度行いたいと思います。

また、ご意見等ありましたら、ご教示ください。
また、293細胞に関して、何か注意すべき点がありましたら合わせてご教示いただけたら幸いです。

長文、失礼しました。

「とりあえず」へのお答えを。 削除/引用
No.2940-3 - 2010/07/27 (火) 08:29:35 - Actias
まずは、No.2940-2 の CaPさんの質問に答えるのが先決ですが、
発現させたい産物によっては、細胞へのダメージからウイルスが
増殖しにくい場合もあります。
もらったウイルスなら、そこに質問するのも有です。

とりあえず 削除/引用
No.2940-2 - 2010/07/27 (火) 04:31:46 - CaP
コントロールのウイルスだけうまく増幅できて高タイターで精製できた、とのことですが、
・ウイルスを増やそうとした際のMOIはどれくらいでしたか?3種とも同じMOIで?
・3種のウイルスは同じ世代の293で増やそうとしましたか?
・増やせなかったウイルスは「うまく増幅でき」なかったとのことですが、増やせなかったことをどう判断しましたか?
・ウエスタンで確認したのは増やせなかった2種のウイルスでしょうか?その際使ったのはもらったウイルスをそのままか、自分で293に感染して得られた培養上清でしょうか?
とりあえずこのあたりを知りたいです。

通常の増幅ではMOIを5から10あたりにすれば問題なく増えるはずですが、タイターをどうやって算出したかにもよります。

アデノウイルスの増幅 削除/引用
No.2940-1 - 2010/07/26 (月) 23:30:00 - アデノ初心者
いつも、ここで勉強させていただいております。
アデノウイルスを用いて、哺乳類細胞に感染させて実験を行う計画にしております。ウイルスは、他のラボから提供いただいたもの、HEK293は手持ちのものです。ウイルスは3種類あり、うち1種類はコントロール用のLacZ発現ウイルスです。
コントロールのウイルスは問題なく高タイター精製できたのですが、他の2種は初期の段階からうまく増幅できず、振り出しにもどって、最初から感染させなおそうと考えております。

そこで、質問なのですが、精製済みのウイルスをHEK293細胞に感染させる場合、どのくらいの濃度、MOIで感染開始するのが妥当なのでしょうか?
経験豊富なかたのご意見を教えていただけましたら幸いです。
(アデノウイルスもHEKもいろいろとあるので、一概には答えはないでしょうが・・・)

タイターはタカラのキットを用いて測定しました。
また、ウイルスが目的のタンパクを発現することは、ウエスタンブロットにて確認しております。

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