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KOマウスについての(初歩的な)質問 トピック削除
No.2945-TOPIC - 2010/07/27 (火) 14:59:18 - AMEX
 よろしくお願いします。KOマウスについて疑問に思うところがあり、質問させて頂きます。

 よく、KOされていることの証明としてmRNAレベルで発現が低下(消失)していることが論文に示されています。

 例えば、標的遺伝子の第3エクソンを欠失させるような設計の時、この遺伝子由来の転写産物(mRNA)は全く存在しないのでしょうか。それとも、第3エクソンを含まない不完全なmRNAが存在することになるのでしょうか。

 もし後者なら、KOされているかどうかをRT-PCRで確認する時に第3エクソンにプライマーが結合するようなデザインにする必要があると思いますが、このような理解で正しいでしょうか。

 不勉強で恐縮です・・・。よろしくご教授頂ければありがたいです。
 
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(無題) 削除/引用
No.2945-13 - 2010/08/01 (日) 00:25:49 - AMEX
ねずみ様

 詳しくご回答いただいてありがとうございました。mRNA安定性については発想がありませんでした・・・。

 挙げさせて頂いたのはあくまで例で、実際にこのようなモデルを扱っているわけではありません。対象はマウスで、生まれた場合のKOの確認を想定したものでした。皆様のご回答からすると、飛ばすexonの下流にプライマーを使って確認するのが無難なようですね。

 大変勉強になりました。

(無題) 削除/引用
No.2945-12 - 2010/07/31 (土) 22:34:18 - ねずみ
先ほど文で、削除ができなかったので、以下修正文です。

誤り>
また、exon3をlox等で飛ばしてdeletionした場合には、ATGがexon3より下流なら、Bostonさん、DDDさんがおっしゃるとおりにN-terminusのtruncated formが発現しdominant negativeとして機能する可能性があります。

正>
また、exon3をlox等で飛ばしてdeletionした場合には、ATGがexon3にあるか、上流にあるなら、Bostonさん、DDDさんがおっしゃるとおりにtruncated formが発現しdominant negativeとして機能する可能性があります。

以下補足
また、一般的にATGはexon1か2に存在する確率が高いです。ので、exon3の上流にATGがあるならば、mRNAはexon1と2はもちろん配列として転写されて存在しますし、proteinとしてはtruncated formになります。in frameならアミノ酸が抜けただけのtruncated type、flame shiftedなら余計なアミノ酸がC-terminusに付加するtypeになります。

うっかり失礼致しました。

(無題) 削除/引用
No.2945-9 - 2010/07/31 (土) 21:22:35 - ねずみ
ATGがexon3の前なのか後なのか、stop codonがどこにあるのか、KOはESをスクリーニングする前なのか、もうネズミなのか、がわからないので答えるのが難しいですね。

exon3だけをいじりたい、という事情でかつ完全なnullにしたいのであれば、exon3にIRESと適当な遺伝子、そして適当なpolyA付加配列を挿入することで解決できます。
これができる条件は、alternative splicing がおきないこと、alternative promoter が存在しないこと、exon3にcording regionが含まれていることです。
このstrategyではKOの確認にRT-PCRを使うとすれば、primerはexon3より下流のexonに設定すれば発現を確認できます。上の条件を満たしていれば、発現していないはずです。

また、exon3をlox等で飛ばしてdeletionした場合には、ATGがexon3より下流なら、Bostonさん、DDDさんがおっしゃるとおりにN-terminusのtruncated formが発現しdominant negativeとして機能する可能性があります。ので、DDDさんがおっしゃるように、下流にprimerを設定して発現を確認すればいいと思います。しかし、ここで、stop codonのexonの位置が重要になります。stop codonのexonのある位置によってmRNA stabilization 効果が違うからです。ということで、このruleにより不安定化された場合は、exon3の上流でも下流でも結果は一緒で、degradationされているためdetectできません。しかし、不安定化されていない場合は、primerをどこに設定しても、deletionされてない部分は、翻訳の有無やタンパクの配列に関係なくdetectできるはずです。

情報が足りないので、ここまでにしておきます。

(無題) 削除/引用
No.2945-8 - 2010/07/27 (火) 23:58:22 - AMEX
すいませんflameではなくframeでした・・・。

(無題) 削除/引用
No.2945-7 - 2010/07/27 (火) 23:51:17 - AMEX
皆様ありがとうございます。

翻訳開始点を飛ばしても、in flameでATGが残っているとそういうことが起こりうるのですね・・・。転写開始点(と翻訳開始点)を飛ばして、下流にin flameのATGを作らないようなデザインが重要ということでしょうか。

大変勉強になりました。

少し気になったので… 削除/引用
No.2945-6 - 2010/07/27 (火) 19:49:17 - DDD
>もし後者なら、KOされているかどうかをRT-PCRで確認する時に第3エクソン
>にプライマーが結合するようなデザインにする必要があると思いますが、
>このような理解で正しいでしょうか。

このようなプライマーを設計してKOを確認することはもちろんですが
第3エクソンより下流にプライマーを設計して確認することも大事なのではないでしょうか?

Bostonさんのおっしゃるように
N 末欠失タンパク質が作られる場合があるわけで
そのN末欠質タンパク質が、同じ機能を持っていたり、ドミネガとして
働く場合もあるわけです。


私の知り合いも翻訳開始地点を飛ばす設計でKOマウスを作成していましたが
PCRとWestern blottingによる確認でN末が欠失しただけのタンパク質が
作られているという結果が出てました…。

補足です 削除/引用
No.2945-5 - 2010/07/27 (火) 18:06:21 - Boston
文面からするとエクソン3に 1st ATG があるように感じます。

In-frame の ATG がエクソン3以後のエクソンに存在した場合は N 末欠失タンパク質ができます。たまに dominant-negative 変異体になりますので、注意が必要です。

(無題) 削除/引用
No.2945-4 - 2010/07/27 (火) 17:58:48 - Boston
部分的に混乱してました。おっしゃる通りです。mRNA としては存在します。

(無題) 削除/引用
No.2945-3 - 2010/07/27 (火) 17:39:32 - AMEX
ご回答ありがとうございます!

> 5'UTR や 1st ATG を含むエクソンがゲノムに残っているかぎり、そのような mRNA が発現するかと思います。

ATG(翻訳開始点)がゲノムから消えていても、5'側のプロモーターと転写開始点さえ残っていればmRNAが作られるということはないでしょうか? この場合は不完全なmRNAは生成されながらも翻訳されないということになりそうな気がするのですが・・・。

もしご覧でしたらよろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.2945-2 - 2010/07/27 (火) 17:17:21 - Boston
>第3エクソンを含まない不完全なmRNAが存在することになるのでしょうか。
5'UTR や 1st ATG を含むエクソンがゲノムに残っているかぎり、そのような mRNA が発現するかと思います。

> KOされているかどうかをRT-PCRで確認する時に第3エクソンにプライマーが結合するようなデザインにする必要があると思いますが、このような理解で正しいでしょうか。
それで良いかと思います。

KOマウスについての(初歩的な)質問 削除/引用
No.2945-1 - 2010/07/27 (火) 14:59:18 - AMEX
 よろしくお願いします。KOマウスについて疑問に思うところがあり、質問させて頂きます。

 よく、KOされていることの証明としてmRNAレベルで発現が低下(消失)していることが論文に示されています。

 例えば、標的遺伝子の第3エクソンを欠失させるような設計の時、この遺伝子由来の転写産物(mRNA)は全く存在しないのでしょうか。それとも、第3エクソンを含まない不完全なmRNAが存在することになるのでしょうか。

 もし後者なら、KOされているかどうかをRT-PCRで確認する時に第3エクソンにプライマーが結合するようなデザインにする必要があると思いますが、このような理解で正しいでしょうか。

 不勉強で恐縮です・・・。よろしくご教授頂ければありがたいです。

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