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マイクロアレイで発現がないのに蛋白が出来ている謎 トピック削除
No.140-TOPIC - 2009/03/05 (木) 15:03:34 - KOマウス解析し始め者
いつも勉強させていただいております。
どうか、皆様のお知恵をお借りしたくトピックを立てました。
どうぞよろしくお願いします。

先輩から引き継いでやっと興味ある遺伝子XのKOマウスを作成しました。

際立った表現系が見られなかった事からある組織でDNAマイクロアレイを行いました。

野生型のマウスとKOマウスを比較してある遺伝子Aが著しくKOマウスで低下していることがわかりました。そこでこの遺伝子Aに着目し定量RT-PCRを行い改めてその発現を調べました。
すると予想通り、その遺伝子AはKOで全く検出されませんでした。

まるでその遺伝子さえもKOしてしまったかのように…

そこで、次にその蛋白Aに対する抗体でIBや免疫組織染色、免疫細胞染色を行いましたが、予想外な事にKOマウスと野生型のマウスとで差が見られず、westernでも正常に発現していました。

ここで、最初に疑うべきは、そのAの抗体の特異性だとは思います。

しかし、みなさんはそれ以外の可能性としてどういったことを考えますでしょうか?

たとえば、XのKOマウスにおいて、RT-PCRでAが検出されないのは、もしかしたらXをdeleteすることでgenome上の遺伝子Aになんらかの干渉が働いてRT-PCR用のAのprimerがannealできなくなるなんて事は…ないでしょうか?
 
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フェノタイプ探すのって大変ですよね 削除/引用
No.140-17 - 2009/03/10 (火) 06:04:29 - フェノタイプ
マウスの作成は時間とお金が掛かるものですし、やはり「作りました。フェノタイプありませんでした」では済まないですよね。

私の経験ですが、

1)Differential Display法で、とある病気に関連すると思われる遺伝子を検索
2)特に差があった遺伝子の発現量を、その病気のモデルマウスで確認。
3)実際に発現量が減っていた遺伝子のノックアウトを作成
4)病気のモデルマウスと掛け合わせ、病態への影響を見る

という流れで研究を進めたことがあるのですが、その疾患に関して全く影響が見られなくて困ったことがありました。特殊なdietを与えたり、外科的に刺激を加えたり、バックグラウンドを変えたり、色々やってみましたが、それでもフェノタイプを発見できず。結局ろくな論文にもならず、残念なことになったことがあります。

ところがその数年後、同じノックアウトマウスに関する論文が、全然別の他の病気への影響を持つということでビッグジャーナルに載りました。

私の興味は元々注目していた病気の方にしかなかったし、悔しがってもしょうがないと思いましたが、ボスはかなり悔しかったようです。あの時もう少しその遺伝子の勉強をしておけば、他の疾患への影響に関しても考えついたかもしれない、と。

こんな経験をした人間もいるということで、ノックアウトマウスに関してどこまでも掘り下げて理論的に考えるのは悪いことではないと思います。頑張って下さい(すいません、具体的なsuggestionはありません)。

もし私がまだそのプロジェクトに従事していたら、なぜ私が注目していた疾患に関してはフェノタイプが無いのかを徹底的に明らかにするべく実験を組むと思います。今ならもう少し出来そうな気もするんですが、やはり、現在持っている研究費、新しい実験から期待できる結果、およびそれでどれくらいの論文や研究費の獲得が期待できるか、なんてことも重要なことですし。

横になりますが

>こんなお金の使い方ができるのに僕の研究のお金が足りない謎
>こちらの方がはるかに不思議な謎です

なんていう、愚痴というか憎まれ口をたたく為の掲示板では無いでしょう、ここは。最近ひどい人多いですね。こんなことを書けば「あなたのグラント申請書の書き方が悪いせいでしょう。トピ主の実験とは関連無いだろう。別に不思議ではない」と思うだけですよ。あえて書かせて頂きます。

(無題) 削除/引用
No.140-16 - 2009/03/10 (火) 05:52:35 - 基礎医学系PI
傍観していましたが,ここまで来るとちょっと看過し難く思いましたので…
(質問者さんへの回答はないのが恐縮ですが)

>何でもよいから何かフェノタイプ探そうというのは
>Scienceとしては終わってると思います

こうまで断言されることを理解し辛く思っています.フェノタイプが表出しなかったらそのKOにおけるそれ以上の解析は無意味ということでしょうか.予期しないフェノタイプ(フェノタイプが一見表出しないというのも予想を超えたフェノタイプの一つでしょう)の解析はScienceではなく,するべきではないということでしょうか?.

KOしただけでフェノタイプが表出するとは限りません.疾患や機能の誘導の段において初めて表出してくるフェノタイプも多数あります.例えばそのような誘導によって発現するフェノタイプ解析の道筋策定のためにアレイ解析を実施することなどと考えれば,アレイ解析を実施することに研究自体を否定するほどの大きな違和感は感じません.

疾患解析を主とする立場の場合には目的の疾患フェノタイプ表出がまず重要ですが,分子機能の探索の立場からにおいてはかならずしも特定のフェノタイプには拘る必要はないと考えます(もちろん予想は必要ですし大事ですが).予想を超えた結果が得られた場合に無意味と断ずるのは短絡的に存じますし,生体における分子機能を確定するために単純に表出するフェノタイプの観察以外に様々な形で検討を加えることは間違いとは思いません.

(というか,分子機能の解析を研究室の主題にしているラボにおいて,「予期したフェノタイプが出なかった」という理由だけで簡単に他のフェノタイプの探索を止める事などまずありえません.予想外のフェノタイプの探索もまた分子機能の探索に他なりませんから研究室の方策として論理的に間違っているとは思いません).


>何でもよいから何かフェノタイプ探そうというのは
>Scienceとしては終わってると思います

あなたとあなたの上司の中では非論理的で終わっているのかもしれませんが,予想を超えたフェノタイプの探索および解析から発展していく素晴らしい研究も多数ありますし,それもまた当然サイエンスであり社会への貢献において重要であると理解頂ければと思います.

上司を信頼し尊敬できるることは良い事だと思いますが,あなたと上司の方のlogicがすべての立場の研究者において普遍的なlogicか否かをまずご検討のうえご発言ください.

(この掲示板をずっと利用させて頂いて参りました.最近質問者の研究内容自体を簡単に否定するような書き込みが増えてきたように感じます.ごくごくわずかの情報から相手の研究を無意味と断じられるほどの見識をもった偉い人が増えてきたということでしょうか.学生のレポート課題のような質問が増えたのと同じく残念に思います)

(無題) 削除/引用
No.140-12 - 2009/03/10 (火) 01:11:27 - D
Logicを持って研究するのは基本ですが
驚くほど多くの人ができていないものです

トピ主さんの実験の詳細が分からないので
それが生物学的に意義があるのかどうか実際には判断できません

しかし
> 際立った表現系が見られなかった事から
> ある組織でDNAマイクロアレイを行いました。
とあるので、文章を読む限りLogicを持って研究はできていないと予想できます

TK-1さんの後半部分に親切に書かれている内容を再考すべきだと私は思います

何でもよいから何かフェノタイプ探そうというのは
現実では仕方のない場面も多いと思いますが
Scienceとしては終わってると思います

興味のある遺伝子のKOを作ったけどフェノタイプがないからアレイかけてみました
というのに対して
どうして期待されるフェノタイプが出なかったのかを考えないのか?
という書き込みや

生物学的に意義がないものを解析している可能性を親切に指摘してくれている書き込みをを

叩きと取るか助言と取るかは人それぞれなんでしょうが
私は無駄な実験を無駄と言ってくれる上司とめぐり合い、
自然にLogicを持って研究できるようになったことをとても良かったと思っています

KOを作ってしまって何もありませんでは済まないにしても
まずその遺伝子Aを調べることが生物学的、生理的に意味のあることなのかどうか、もう一度見直してみることを私はオススメします

リンクタンパク 削除/引用
No.140-11 - 2009/03/09 (月) 14:33:07 - 一産婦人科医
ノックアウトしたタンパク(遺伝子X由来で)が遺伝子Aに対するリンクタンパクで、それがないと取り込みが起こらないという事はよくあります。
この場合、当該細胞では遺伝子Aは欠片も発現しませんが、タンパクは山のようにあるという事は起こり得ます。

ごちゃごちゃ言っている人もいますが、ノックアウトマウスを作ったら骨の髄まで調べつくすのは作成者の義務です。どんどんやってください。

(無題) 削除/引用
No.140-10 - 2009/03/09 (月) 00:00:20 - KOとかよく知らない人
KO動物のことよく知らないのでもしかするとおかしなこと言ってるかもしれないですが、フェノタイプの違いというのは、生まれてすぐとか、間もないもので見てもなにも差がなくても、発達とか加齢とかそういうものに伴って何か違いが現れてきたりとか、寿命の差とか、そういう可能性とかはないのでしょうか。また普通の状態で何も違いがなくても、何か積極的にチャレンジをしたりするとその応答に差異が現れるという可能性はどうなのでしょうか。臓器ごとの病理組織的な検索とか、行動科学的な、あるいは生理学的なこととか、調べることはものすごくたくさんあると思うので、フェノタイプに差があるあるいはないという結論を得るまでには年オーダーの長い時間の観察と詳細な観察、実験が必要のように思うのです。個体レベルで、その遺伝子の発現やその産物がどういう役割をになっているか予想するには限界があると思います。自分の予想するとこだけ見て差がないので終了というのはもったいないとおもうのです。

(無題) 削除/引用
No.140-9 - 2009/03/08 (日) 23:15:21 - むー
アイソザイムは無いんですか?

(無題) 削除/引用
No.140-8 - 2009/03/07 (土) 15:57:52 - 0239
あれ?
ここってよってたかって質問者を虐めるフォーラムでしたっけ?

置かれている立場等、色々違う訳で、研究者としての心構えを諸先輩方が教えるのは結構な事かと思いますが、、、ねぇ、、、

と、エラそうな事を言ったのは良いのですが、
質問に対する具体的なSuggestionがないのが僕の限界です。

抗体の怪しさは、まぁ第一に。
重複しますが、他のmRNAはどうですか(コントロールとして)?
目的のRNAの他のプライマーセットとかも試してみました?

やっぱ、無理するもんじゃないすね。
何も思い浮かばない。

で改めて
ここってよってたかって質問者を虐めるフォーラムでしたっけ?

(無題) 削除/引用
No.140-7 - 2009/03/07 (土) 15:17:23 - ami
こんなお金の使い方ができるのに僕の研究のお金が足りない謎

こちらの方がはるかに不思議な謎です

(無題) 削除/引用
No.140-5 - 2009/03/07 (土) 03:09:00 - D
TK-1さんに同意です
マイクロアレイで発現がないのに蛋白が出来ている謎
というより
フェノタイプも無いのにそんなことしてしまった謎
さらにそんな意味がないことを追求している謎
こちらの方がはるかに不思議な謎です

金かけてKO作って何もありませんでしたじゃあまずいのかもしれませんが…
今の世の中RNAiでも何でもチェックぐらいいくらでもできたのになぁ

どういうフェノタイプを期待してKOを作ったのか?
どういう差を見たくてアレイをかけたのか?
どうして期待と違う結果になったのか?
論理的に研究を組み立ててきたのならば、
期待と違う結果が出た時こそ大発見に繋がりますよ

(無題) 削除/引用
No.140-4 - 2009/03/06 (金) 18:15:50 - IRES
> たとえば、XのKOマウスにおいて、RT-PCRでAが検出されないのは、もしかしたらXをdeleteすることでgenome上の遺伝子Aになんらかの干渉が働いてRT-PCR用のAのprimerがannealできなくなるなんて事は…ないでしょうか?
であったとしてもタンパク質の発現量がWTと変わらなければ生理的意義を見出すのは難しいのでは?と思いました。

素直に抗体の特異性を評価してみるのが良いのではないでしょうか。
逆にqPCRの評価系も疑ってみる必要があるかと思いますね。
XをKOする際にAのgenomic DNAにartificialな異常が起きている可能性も気になるところですが...

http:// 削除/引用
No.140-3 - 2009/03/05 (木) 21:36:22 - TK-1

> 際立った表現系が見られなかった事からある組織でDNAマイクロアレイを行いました。
何でもやってみたいのでしょうが、こんなことに意味があるのでしょうか。まあ、お金が余っているのならいいんでしょうが。

>
> 野生型のマウスとKOマウスを比較してある遺伝子Aが著しくKOマウスで低下していることがわかりました。そこでこの遺伝子Aに着目し定量RT-PCRを行い改めてその発現を調べました。
> すると予想通り、その遺伝子AはKOで全く検出されませんでした。
>
> まるでその遺伝子さえもKOしてしまったかのように…
コントロールのマウスと、KOではgenetic backgroundは同じですか?あとKOの他の組織でも同様の結果ですか。strainが違えば(例えば129とB6)塩基配列が違うことはあります。その場合はもちろん、PCRはかかりません。backgroundが同じ場合であっても、その遺伝子Aが発現している組織が他にあるのならばそれを見る必要はあります。

> そこで、次にその蛋白Aに対する抗体でIBや免疫組織染色、免疫細胞染色を行いましたが、予想外な事にKOマウスと野生型のマウスとで差が見られず、westernでも正常に発現していました。
>
> ここで、最初に疑うべきは、そのAの抗体の特異性だとは思います。
遺伝子Aの機能は何かこれまでに報告されていますか?遺伝子XのKOが正常で、遺伝子Aの発現が仮に変わっていたとしても、生物学的な意味がないのであればこれから時間をかけて解析するには値しないと思います。

> しかし、みなさんはそれ以外の可能性としてどういったことを考えますでしょうか?
>
> たとえば、XのKOマウスにおいて、RT-PCRでAが検出されないのは、もしかしたらXをdeleteすることでgenome上の遺伝子Aになんらかの干渉が働いてRT-PCR用のAのprimerがannealできなくなるなんて事は…ないでしょうか?

いろいろ推測するのは自由ですし、これまで時間をかけているのでいろいろやりたいと思うのは理解できますが、重要なbiological questionをなしにいろいろと手を出すのは時間と金の無駄使いです。元々遺伝子XをKOしたときのbiological questionは何ですか?それに沿って解析してnegativeで、それ以外に明らかな表現形がないのであれば、他に進むべきです。
biological questionを探すためにいろいろと実験するのは、どうなんでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.140-2 - 2009/03/05 (木) 15:18:57 - AKT48
Aが何物か解らないと何も解らない気がします。
以下の可能性はいかがでしょうか?

1、RT-PCRの妥当性
2、Aの翻訳産物でフィードバック
3、Aのバリアントが発現
4、抗体認識部分は発現している

マイクロアレイで発現がないのに蛋白が出来ている謎 削除/引用
No.140-1 - 2009/03/05 (木) 15:03:34 - KOマウス解析し始め者
いつも勉強させていただいております。
どうか、皆様のお知恵をお借りしたくトピックを立てました。
どうぞよろしくお願いします。

先輩から引き継いでやっと興味ある遺伝子XのKOマウスを作成しました。

際立った表現系が見られなかった事からある組織でDNAマイクロアレイを行いました。

野生型のマウスとKOマウスを比較してある遺伝子Aが著しくKOマウスで低下していることがわかりました。そこでこの遺伝子Aに着目し定量RT-PCRを行い改めてその発現を調べました。
すると予想通り、その遺伝子AはKOで全く検出されませんでした。

まるでその遺伝子さえもKOしてしまったかのように…

そこで、次にその蛋白Aに対する抗体でIBや免疫組織染色、免疫細胞染色を行いましたが、予想外な事にKOマウスと野生型のマウスとで差が見られず、westernでも正常に発現していました。

ここで、最初に疑うべきは、そのAの抗体の特異性だとは思います。

しかし、みなさんはそれ以外の可能性としてどういったことを考えますでしょうか?

たとえば、XのKOマウスにおいて、RT-PCRでAが検出されないのは、もしかしたらXをdeleteすることでgenome上の遺伝子Aになんらかの干渉が働いてRT-PCR用のAのprimerがannealできなくなるなんて事は…ないでしょうか?

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