Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

最新のフォーラム | このフォーラム | ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

タンパク精製について トピック削除
No.1406-TOPIC - 2009/10/26 (月) 14:25:18 - 一止
お世話になります。

どうか、みなさまのご意見、アドバイスいただけないでしょうか、
よろしくお願いいたします。

現在、Sf9 insect cellsに可溶性タンパクを発現させました。

培養上清は無血清SF900-IIです。

その培養上清を(濃縮せず)SDS-PAGE後、Hisタグに対する抗体やV5に対する抗体でIBした結果、ちゃんとタンパクが発現していることが確認されました。

このタンパクは別のlabでも作成されており、そこではNi-NTAカラムを用いてaffinity精製を行っているということから、私どもの研究室においてもそれにならって、Ni-NTAカラムを利用しました。

ところが多くのタンパクがFlow throughに来てしまい、一応、高濃度Imidazoleで溶出はされるのですが、わずかしか(CBB染色でも確認できないほど)精製できませんでした。Hisタグに対してIB行うと確かに高濃度imidazoleで溶出が確認できました。

pHが重要かと考えまして、培養上清のpHを測定するとpH6を示しておりましたので、wash bufferやbinding bufferのそれと合わせた方が良いだろうと考え、1M Tris-HClでpHを7.9に上げました。

するとそのタンパクの等電点がpH8付近なのか、タンパクが凝集してしまいました。

非常に素人的な質問で大変恐縮でみっともありませんが、どうかみなさま問題点など指摘していただけないでしょうか?

どうぞよろしくお願いいたします。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



21件 ( 1 〜 20 )  前 |  1/ 1. 2. /2


(無題) 削除/引用
No.1406-21 - 2009/10/29 (木) 23:25:40 - 一止
低濃度のimidazoleさま

>硫安沈殿と同じことで、沈殿したからといって変性しているとは限らないのです。むしろそうでない可能性が高いでしょう。あくまでも可能性ですが。よって、refoldingというよりは、解けていたpHで元の構造を保ったまま溶解できる可能性が高いでしょう。そんな挙動をする蛋白は多くありませんから、とても良い精製方法になる可能性が高いでしょう。ワンステップ精製できたりして。

私がいかに不勉強かを理解するのには十分です。ありがとうございます。
低濃度のimidazoleさまのアドバイスを聞いて、一度凝集したpH8の昆虫細胞培養上清にHClを滴下してpH6にすると凝集があっという間に消え、透き通った培地に元通りになりました。

in situさま

>発現させたタンパク質はnativeな状態でanti-His抗体が当たることは確認済みでしょうか?

これは確認するべきですね。
実際、免疫沈降によりNativeな状態でanti-Hisが当たることは確認しております。

ご指摘ありがとうございます。

みなさまありがとうございます。 削除/引用
No.1406-20 - 2009/10/29 (木) 23:21:40 - 一止
qqさま、おおさま、笑い男さま

貴重なアドバイスありがとうございます。

qqさまやおおさまが仰られている、トリスが金属との結合を邪魔しやすいということはとても勉強になりました。

実は、ほぼ同じタンパクをバキュロで発現している方にお会いして、その精製手順を教えていただきました。するとやはりpH6という条件では精製は困難と教えていただきました。

その方は、pH6の昆虫細胞培養上清を100mM HEPES (PH7.4), 0.5M NaCl, 20 mM imidazolで倍に希釈した物をNi-NTAカラムにかけると仰られておりました。おおさまからいただいたアドバイスと似てますね。

あるいは昆虫細胞培養上清を5 mM Tris buffer (pH 7.4) 0.15 M NaClに透析置換するのも手と教えていただきました。

私といたしましては、カラムにapplyするvolumeが多くなると大変になりそうでしたので、後者の方法で改めて行ってみました。その結果をお知らせいたします。


昆虫細胞培養上清(pH6)を5 mM Tris buffer (pH 7.4) 0.15 M NaClに一晩透析後、pHを測定するとpH 7.5でした。

これをカラムにapplyするとかなり精製することができました。
みなさま、そして実際にお会いして教えていただいた方へ、改めてお礼申し上げます。


またみなさまに1つお聞きしたいことがあります。

それは

昆虫細胞培養上清 (pH6)をNaOHでpH8に合わすとあっという間に凝集が見られてのに、
昆虫細胞培養上清 (pH6)を5 mM Tris buffer (pH 7.4) 0.15 M NaClに一晩透析してpH 7.5になったのに凝集が見られなかった理由は何が考えられますでしょうか?

急なpH変動がタンパク変性を招いてしまったんでしょうか?

ともあれ非常に痛い思いをしましたが、とても勉強になりました、ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.1406-19 - 2009/10/27 (火) 11:05:30 - in situ
あまりタンパク精製に詳しいわけではないのですが、多少気にかかった点があるので。

発現させたタンパク質はnativeな状態でanti-His抗体が当たることは確認済みでしょうか?

他のラボでも同様に精製できているということから、コンストラクトの微妙な違いで、スレ主さんのタンパク質はひょっとしてHis tagが表面に露出していないのでは?と思いました。
他のラボはリンカーつけてるけど、スレ主さんのところはつけていないとか。

見当違いでしたら申し訳ありません。

(無題) 削除/引用
No.1406-18 - 2009/10/27 (火) 10:12:26 - achi
金額は高いですが、
His tag 抗体カラムとかで精製したらどうでしょうか?
精製後、酸性バッファーかペプチドで溶出できます。

(無題) 削除/引用
No.1406-17 - 2009/10/27 (火) 08:02:46 - おお
>[Re:16] 低濃度のimidazoleさんは書きました :

>
> 硫安沈殿と同じことで、沈殿したからといって変性しているとは限らないのです。むしろそうでない可能性が高いでしょう。あくまでも可能性ですが。よって、refoldingというよりは、解けていたpHで元の構造を保ったまま溶解できる可能性が高いでしょう。そんな挙動をする蛋白は多くありませんから、とても良い精製方法になる可能性が高いでしょう。ワンステップ精製できたりして。

アセトンでパウダー作っちゃうっていうのもあるねそういえば。

(無題) 削除/引用
No.1406-16 - 2009/10/27 (火) 07:48:38 - 低濃度のimidazole
> >これは良い精製方法になりませんか?そのあと、Ni-NTAカラムを使うとか。
>
> ここからどうしたら良い方向へ持って行けますか?
> 私は精製素人ですので、もうタンパクが変性してしまい使い物にならないかなあという印象を持っていました。pHによるタンパク変性はpHを元に戻すとrefoldingされるのでしょうか?

硫安沈殿と同じことで、沈殿したからといって変性しているとは限らないのです。むしろそうでない可能性が高いでしょう。あくまでも可能性ですが。よって、refoldingというよりは、解けていたpHで元の構造を保ったまま溶解できる可能性が高いでしょう。そんな挙動をする蛋白は多くありませんから、とても良い精製方法になる可能性が高いでしょう。ワンステップ精製できたりして。

(無題) 削除/引用
No.1406-15 - 2009/10/27 (火) 02:28:51 - おお
pHは話が出ていますように重要だと思います。
pH8当たりか、それ以上がいいと思いますがPBSとかpH7.5当たりでも
何とかなるようです。なのでその状況で私ならPBSで3-5倍に薄めてから
カラムにのせてみるかもしれません。
TRISはNiカラムでよく使われていますが、物によっては
相互作用を弱めますので私はなるべく敬遠しています。
イミダゾールを入れた方がノンスペが減るというのは一般的に
そう言われていますが、イミダゾールを入れなくてもカラムに
つきますし、HISカラムの親和せいはHIS-TAGがついていても
タンパクによってかなり違いますので、適切なイミダゾール
の量を最初にチェックする必要があります。
バイチであればアミノ酸とかある程度入っているので
低濃度イミダゾールのような働きをしてくれるかもしれません。

次に考える手は透析かイオン交換を先にかけてからHISで精製
ですね。

(無題) 削除/引用
No.1406-14 - 2009/10/26 (月) 23:13:09 - 笑い男
>[Re:4] 一止さんは書きました :
> ニッケルカラムというのはpHの影響をうけるのでしょうか?
> あるいはpH6という条件ではまずいのでしょうか?
> 調べた限りだとイミダゾールやヒスチジンはpH8付近の方がいいと思いますが。。

 中年さんやバイヤさんも記載されているように、金属アフィニティーはpHの影響を受けます。 ヒスチジンのイミダゾール基がローンペアーを持っていないと金属と結合できないので、イミダゾール基がプロトネーションするようなpHでは精製ができません。

 pH8で沈殿がでるなら、さらにpH8.5とかpH9まで振ってみてもおもしろいかもしれません。


>[Re:11] 一止さんは書きました :
> カラムに培養上清を添加前に低容量Imidazoleの入ったbinding bufferで決められたようにカラムに流していますので大丈夫かと。
> ここからどうしたら良い方向へ持って行けますか?

 結合が弱く、フロースルーに行ってしまうという事なので、むしろイミダゾールを抜いて(0mMで)、少しでも結合するような条件にするのも手かもしれませんね。(またはゲルの量を増やすとか。ゲルあたりの結合量が少ないのなら、ゲルを増やすことで結合した絶対量を稼ぐ・・・)
 私も培地中の成分が邪魔しているように思うので、もし硫安分画、透析とか、イオン交換樹脂がイヤなら、リン酸緩衝液で培地を思い切って希釈して培地の濃度を下げるはどうでしょうか?(トリスは一級アミンがあるので金属との結合を邪魔しやすい。ターゲットタンパクの結合力が低いことが問題なのでトリスを使用しない方がいいのでは?)

 とりあえず小スケールでいろいろ試しましょか!

(無題) 削除/引用
No.1406-13 - 2009/10/26 (月) 21:30:29 - qq
>Sf-900 II Serum Free Mediumというmediumを使用しているのですが、「発現
>タンパク質の精製の際に、硫酸アンモニウムなどを用いた塩析は適さない場合
>がある。」という注意書きがinvitrogenさんのHPに載っていました。
…というのは、おそらくSF900にtweenのような(何か知りませんが)界面活性剤が入っているのだろうとおもいます。その辺の成分もちょっと気になります。
私が気にしている成分は、二価カチオンと脂肪酸や幾つかのポリカルボン酸です。おそらくどちらも昆虫細胞の培地に入れてありそうな気がします。
脂肪酸以外の成分に関しては、ゲルろ過で脱塩するのも手だと思います。
硫安は、30%飽和、50%飽和、80%飽和程度で、順次分画してみると(だめかも知んないけど)良いかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.1406-12 - 2009/10/26 (月) 19:17:34 - 一止
中年様

>pH8以上じゃないとHisタグが電離しないのでNi-NTAカラムに結合しません。pHを下げることをカラムからの溶出方法に使うこともあります

いつも貴重なアドバイスをありがとうございます。

pH8以上じゃないとHisタグを利用した精製は出来ないとあれば、どうすべきでしょうか?

pH8に培養上清を調節するとタンパクは変性して沈殿します。

Hisタグ以外に、V5タグが付いておりますので、anti-V5-agaroseで精製することもできるでしょうが、今後の実験計画上、nativeなタンパクとして精製して、機能アッセイに使用したいため、anti-V5-agaroseで精製することにメリットあるのか分かりません。


ばいやさま

>培地に大量のヒスチジンがあるので除去するために透析(嫌ならせめて濃縮)してヒスチジンを除いてください。

SF-900 II mediumを利用してNi-NTAカラムでHisタグタンパクの精製はよくやられているようです。それでも培地中に含まれるヒスチジンに気を留めた方がよいでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.1406-11 - 2009/10/26 (月) 19:10:53 - 一止
qqさま

>Ni-NTAに行く前に、ちょっと硫安分画してみてはどうかねえ?

Sf-900 II Serum Free Mediumというmediumを使用しているのですが、「発現タンパク質の精製の際に、硫酸アンモニウムなどを用いた塩析は適さない場合がある。」という注意書きがinvitrogenさんのHPに載っていました。

低濃度のimidazoleさま

>最初のNi-NTAカラムへの結合のときに、低濃度のimidazole(20-40mM?要確認)をいれないとだめなことがあります。

カラムに培養上清を添加前に低容量Imidazoleの入ったbinding bufferで決められたようにカラムに流していますので大丈夫かと。

>>するとそのタンパクの等電点がpH8付近なのか、タンパクが凝集してしまいました。

>これは良い精製方法になりませんか?そのあと、Ni-NTAカラムを使うとか。

ここからどうしたら良い方向へ持って行けますか?
私は精製素人ですので、もうタンパクが変性してしまい使い物にならないかなあという印象を持っていました。pHによるタンパク変性はpHを元に戻すとrefoldingされるのでしょうか?
非常に素人質問をしてしまい申し訳ありません。。

(無題) 削除/引用
No.1406-10 - 2009/10/26 (月) 18:26:51 - c
細胞培養に使う培地中の成分にはNi-affinity 精製を妨害する低分子のものが含まれています(何かは忘れました。ヒスチジンか金属イオンかもしくはキレート剤的な性質をもつものとおもいます。)これについては説明書の注意とかにも注意が出てると思います。だからあらかじめ透析とかして妨害する成分をちゃんと除く必要があります。もし蛋白質が変性してもいいならTCAとかで蛋白質を沈殿させてアセトンかエタノールで何回か洗って除酸してから8M Ureaか6M Guanidine-HCL含む適当なbufferに溶かして(pH要確認)精製にもっていく手もあります。Ni-Hisタグのアフィにティー精製は変性条件でも可能だからできます。やり方は説明書に出ていると思うのでそれに従えばいいと思う。

(無題) 削除/引用
No.1406-9 - 2009/10/26 (月) 17:53:42 - けい
Tris-HClですが、以下のような記述がありました。
今回のケースに当てはまるかはわかりませんが、ご参考までに・・・。

高濃度のTris-HClバッファーは使用可能ですか?
Tris系のバッファーでは、下記の組成の溶液で適合性が確認されています。
50 mM Tris-HCl, pH 7.4
100 mM Tris-HCl, pH 7.4
100 mM Tris-酢酸, pH 7.4

他社製品におけるTrisバッファーの適合性に関するデータはありますか?
他社製のNi2+チャージ担体の場合、高濃度(50〜100 mM)のTrisバッファーではHis-tagタンパク質と担体の結合に悪い影響が見られます。通常、低濃度(50 mM以下)のTrisバッファー、またはリン酸バッファーを使用します。

ttp://www.gelifesciences.co.jp/tech_support/faq/chm/histrap.asp#ba

(無題) 削除/引用
No.1406-8 - 2009/10/26 (月) 17:41:18 - ばいや
pHは8くらいじゃないとダメだったと思いますが、別のラボがやっているのでなんらかの方法があるのでしょう。調べてください。これはここでは聞けないでしょう?

培地に大量のヒスチジンがあるので除去するために透析(嫌ならせめて濃縮)してヒスチジンを除いてください。

(無題) 削除/引用
No.1406-7 - 2009/10/26 (月) 16:50:48 - 中年
pH8以上じゃないとHisタグが電離しないのでNi-NTAカラムに結合しません。pHを下げることをカラムからの溶出方法に使うこともあります。

(無題) 削除/引用
No.1406-6 - 2009/10/26 (月) 16:22:00 - み
培地中に何か競合するものが含まれていないのかなあ。
アミノ酸とかイミダゾール様で気になるなあ。
硫安とかで濃縮・バッファー置換するのが良いと思うが・・・。

pHは確かTALON-cobalt-resinはMES pH5.0で樹脂のwashだったか再生だったか忘れたけど行うという説明書を読んだ記憶が・・・。

(無題) 削除/引用
No.1406-5 - 2009/10/26 (月) 16:04:15 - 低濃度のimidazole
最初のNi-NTAカラムへの結合のときに、低濃度のimidazole(20-40mM?要確認)をいれないとだめなことがあります。非特異的な結合を防ぐためだそうです。

>するとそのタンパクの等電点がpH8付近なのか、タンパクが凝集してしまいました。

これは良い精製方法になりませんか?そのあと、Ni-NTAカラムを使うとか。

(無題) 削除/引用
No.1406-4 - 2009/10/26 (月) 15:31:08 - 一止
ご回答ありがとうございます。

透析や濃縮などでもlossが出ますので、なるべく培養上清をカラムにアプライして精製したと考えております。

もちろん最終的に濃縮、透析は行います。

ひとつお聞きしてよろしいでしょうか?

ニッケルカラムというのはpHの影響をうけるのでしょうか?

あるいはpH6という条件ではまずいのでしょうか?

調べた限りだとイミダゾールやヒスチジンはpH8付近の方がいいと思いますが。。

引き続きご教示いただけますと幸いです。

(無題) 削除/引用
No.1406-3 - 2009/10/26 (月) 15:23:45 - qq
Ni-NTAに行く前に、ちょっと硫安分画してみてはどうかねえ?

(無題) 削除/引用
No.1406-2 - 2009/10/26 (月) 15:06:17 - ばいや
1:別のlabのやり方をまねる
2:その別のlabと違うところを探す
3:濃縮してから行う
4:透析してから行う

21件 ( 1 〜 20 )  前 |  1/ 1. 2. /2


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を